4.3 COBOLエディタウィンドウ

<この節の構成>
(1) ウィンドウの構成
(2) メニューバー
(3) ツールバー
(4) ポップアップメニュー
(5) ルーラー
(6) ステータスバー
(7) カーソルの形状
(8) メニューバーのアイコンとファイル種別

(1) ウィンドウの構成

COBOLエディタウィンドウの構成を次に示します。

図4-1 COBOLエディタウィンドウ

[図データ]

複数のソースウィンドウがカスケード状に表示されている場合は,[ウィンドウ]メニューから[次のウィンドウ]または[前のウィンドウ]を選ぶと,最前面のウィンドウが切り替わります。

COBOLエディタでは,[ウィンドウ]メニューから[新しいウィンドウ]を選ぶと,一つのソースファイルの内容が複数のソースウィンドウに表示されます。また,分割バーを下方向にドラッグすると,ソースウィンドウが二つに分割されます。そのため,容量が大きいソースファイルを編集する場合でも,スクロールの手間が省けます。

(2) メニューバー

COBOLエディタウィンドウのメニューの種類と機能を次に示します。

表4-1 COBOLエディタウィンドウのメニュー一覧

メニューバーメニュー項目機能
ファイル(F)新規作成(N)ファイルを新規に作成し,ウィンドウに表示する。
開く(O)ファイルを開き,ウィンドウに表示する。
閉じる(C)ウィンドウを閉じる。
上書き保存(S)編集中のファイルを更新する。
名前を付けて保存(A)編集中のファイルに名前を付けて保存する。
すべて保存(L)開いているファイルすべてを保存する。
ページレイアウトの設定(U)印刷時のページレイアウトを設定する。
印刷プレビュー(V)編集中のファイルの内容をプレビュー表示し,印刷する。
印刷(P)編集中のファイルの内容を印刷する。
プロパティ(R)編集中のファイルの情報を表示する。
ファイル一覧(開いたファイル名を新しいものから8個まで表示される)指定したファイルを開く。
COBOLエディタの終了(X)COBOLエディタを終了する。
編集(E)元に戻す(U)直前の編集操作を取り消す。
やり直し(R)「元に戻す」で取り消した操作を取り消す。
切り取り(T)選択した文字列を切り取って一時的なエリアに保存する。
コピー(C)選択した文字列をコピーして一時的なエリアに保存する。
貼り付け(P)一時的なエリアの文字列を選択した位置に貼り付ける。
削除(D)選択した文字列を削除する。
すべてを選択(S)ファイル全体を選択する。
大文字に変換(E)選択範囲の英文字を大文字に変換する。
小文字に変換(L)選択範囲の英文字を小文字に変換する。
タブを空白文字に置換(O)選択範囲のタブ文字を空白文字に置換する。
ファイルの挿入(I)指定したファイルのすべての内容をテキストカーソル位置に挿入する。
検索(S)文字列の検索(F)指定した文字列を検索する。
置換(R)指定した文字列を新しい文字列に置換する。
ファイルから検索(I)指定した文字列をファイルから検索する。
ファイルから検索を中止(I)ファイルからの検索を中止する。
ブックマークの設定/解除(B)ブックマークを設定または解除する。
次のブックマーク(X)次のブックマークを検索する。
前のブックマーク(V)前のブックマークを検索する。
ブックマークをすべて解除(C)すべてのブックマークを解除する。
ジャンプ(G)指定した行番号へジャンプする。
一連番号を検索(S)指定した一連番号を検索する。
不当な一連番号を検索(N)不当な一連番号を検索する。
80バイトを超える行を検索(L)1行の文字が80バイトを超えている行を検索する。
構文(Y)構文チェック(S)編集ファイルの構文をチェックする。
構文チェックの中止(C)実行中の構文チェックを中止する。
構文チェック オプション(O)構文チェックの環境を設定する。
構文テンプレート(B)構文テンプレートをウィンドウに挿入する。
キーワード補完(E)COBOLキーワードを補完する。
ユーザキーワード補完(K)ユーザキーワードを補完する。
オプション(O)カスタマイズ(C)COBOLエディタ,カラー,およびフォントのオプションを設定する。
エクスポート(E)カスタマイズ情報を外部ファイルに保存する。
インポート(I)カスタマイズ情報を外部ファイルから読み込む。
ツールバーの表示(S)
[標準(D)]:
標準用ツールバーの表示/非表示を指定する。
[編集(E)]:
編集用ツールバーの表示/非表示を指定する。
[検索(S)]:
検索用ツールバーの表示/非表示を指定する。
[ブックマーク(B)]:
ブックマーク用ツールバーの表示/非表示を指定する。
[ウィンドウ(W)]:
ウィンドウ用ツールバーの表示/非表示を指定する。
[構文チェック(C)]:
構文チェック用ツールバーの表示/非表示を指定する。
[正書法(F)]:
正書法用ツールバーの表示/非表示を指定する。
ツール(T)キーボードマクロ登録開始(S)キー入力の記録を開始する。
キーボードマクロ登録終了(S)キー入力の記録を終了する。
キーボードマクロ実行(R)記録したキー操作を再生する。
選択行の右シフト(I)選択した行を右方向にシフトする。
選択行の左シフト(E)選択した行を左方向にシフトする。
標識領域の指定(A)
[注記(O):*]:
選択範囲の標識領域をアスタリスク(*)に置換する
[注記(M):/]:
選択範囲の標識領域を斜線(/)に置換する
[継続(N):-]:
選択範囲の標識領域をハイフン(-)に置換する
[デバッグ(B):D]:
選択範囲の標識領域を「D」に置換する
[空白(A): ]:
選択範囲の標識領域を空白に置換する
見出し領域の置換(L)見出し領域を,指定した文字列や現在の日付と置換する。
一連番号の指定(N)
[すべての一連番号を付け直す(A)]:
一連番号領域のすべての一連番号を付け直す
[不当な一連番号を付け直す(I)]:
一連番号領域の不当な一連番号を付け直す
[一連番号領域を空白に置換(R)]:
一連番号領域を空白に置換する
COBOLソース表示形式の切り替え(W)
[固定形式正書法(X)]:
マーカとCOBOL構文の色分け表示を固定形式正書法で表示する
[自由形式正書法(R)]:
マーカとCOBOL構文の色分け表示を自由形式正書法で表示する
ウィンドウ(W)新しいウィンドウ(N)表示中のファイルを新しいウィンドウに表示する。
次のウィンドウ(X)次のウィンドウをアクティブ状態にする。
前のウィンドウ(P)前のウィンドウをアクティブ状態にする。
重ねて表示(C)ウィンドウを重ねて表示する。
上下に並べて表示(H)ウィンドウを上下に並べて表示する。
左右に並べて表示(V)ウィンドウを左右に並べて表示する。
すべてアイコン化(I)ウィンドウをすべてアイコン表示する。
すべて元のサイズに戻す(R)アイコン表示されたウィンドウをすべて元のサイズに戻す。
すべて閉じる(A)ウィンドウをすべて閉じる。
開いているウィンドウ指定したウィンドウを表示する。
その他のウィンドウ(開いているウィンドウが10個以上の場合に表示される)指定したウィンドウを表示する。
ヘルプ(H)目次(C)オンラインマニュアルを表示する。
バージョン情報(A)COBOLエディタについてのシステム情報,バージョン情報,著作権情報を表示する。

注※ 機能の開始,終了でメニューが切り替わります。


(3) ツールバー

ツールバーには,標準用と編集用を含み全部で7種類があります。これらは,通常は一つのツールバーとして表示されていますが,それぞれをマウスで選んで移動させることができます。

ツールバーは,前回COBOLエディタを終了したときと同じ状態で表示されます。なお,COBOLエディタを初めて起動した場合は,正書法用ツールバーを除き,メニューの下に標準用,編集用,検索用,ブックマーク用,ウィンドウ用,構文チェック用のツールバーが表示されます。

また,これらのツールバーは,[オプション]メニューの[ツールバーの表示]で表示するかしないかを指定できます。

(a) 標準用ツールバー

標準用ツールバーの構成と各ボタンに割り当てられているメニューを次に示します。

[図データ]

  1. [ファイル]メニューの[新規作成]
  2. [ファイル]メニューの[開く]
  3. [ファイル]メニューの[上書き保存]
  4. [ファイル]メニューの[印刷]
(b) 編集用ツールバー

編集用ツールバーの構成と各ボタンに割り当てられているメニューを次に示します。

[図データ]

  1. [編集]メニューの[切り取り]
  2. [編集]メニューの[コピー]
  3. [編集]メニューの[貼り付け]
  4. [編集]メニューの[元に戻す]
  5. [編集]メニューの[やり直し]
(c) 検索用ツールバー

検索用ツールバーの構成と各ボタンに割り当てられているメニューを次に示します。

[図データ]

  1. [検索]メニューの[文字列の検索]
  2. 検索文字列入力領域
  3. [検索]メニューの[次を検索]
  4. [検索]メニューの[前を検索]
  5. [検索]メニューの[ファイルから検索]
  6. [検索]メニューの[ファイルから検索を中止]
(d) ブックマーク用ツールバー

ブックマーク用ツールバーの構成と各ボタンに割り当てられているメニューを次に示します。

[図データ]

  1. [検索]メニューの[ブックマークの設定/解除]
  2. [検索]メニューの[次のブックマーク]
  3. [検索]メニューの[前のブックマーク]
  4. [検索]メニューの[ブックマークをすべて解除]
(e) ウィンドウ用ツールバー

ウィンドウ用ツールバーの構成と各ボタンに割り当てられているメニューを次に示します。

[図データ]

  1. [ウィンドウ]メニューの[新しいウィンドウ]
  2. [ウィンドウ]メニューの[重ねて表示]
  3. [ウィンドウ]メニューの[上下に並べて表示]
  4. [ウィンドウ]メニューの[左右に並べて表示]
(f) 構文チェック用ツールバー

構文チェック用ツールバーの構成と各ボタンに割り当てられているメニューを次に示します。

[図データ]

  1. [構文]メニューの[構文チェック]
  2. [構文]メニューの[構文チェックを中止]
(g) 正書法用ツールバー

正書法用ツールバーの構成と各ボタンに割り当てられているメニューを次に示します。

COBOLエディタを初めて起動した場合,正書法用ツールバーは表示しません。

[図データ]

  1. [ツール]メニューの[固定形式正書法]
  2. [ツール]メニューの[自由形式正書法]

(4) ポップアップメニュー

COBOLエディタのソースウィンドウを右クリックすると,ポップアップメニューが表示されます。

次に,ソースウィンドウのポップアップメニューのメニュー項目と機能を示します。

表4-2 ポップアップメニュー

メニュー項目機能
切り取り選択した文字列を切り取って一時的なエリアに保存する。
コピー選択した文字列をコピーして一時的なエリアに保存する。
貼り付け一時的なエリアの文字列を選択した位置に貼り付ける。
削除選択した文字列を削除する。
標識領域の指定標識領域にある文字を標識領域で指定できる文字に置換する。
見出し領域の置換見出し領域を,指定した文字列や現在の日付と置換する。
影響波及調査選択したデータ項目の影響波及を調査する。※1
構文テンプレート構文テンプレートをウィンドウに挿入する。
キーワード補完COBOLキーワードを補完する。
ユーザキーワード補完※2ユーザキーワードを補完する。
COBOL2002 言語ヘルプキーワードを「COBOL2002 言語 標準仕様編」で検索する。
ルーラーの表示/非表示ルーラーを表示するかしないかを指定する。
プロパティ編集中のファイルの情報を表示する。
注※1
データ影響波及分析については,マニュアル「COBOL2002 Professional Tool Kit データ影響波及分析ガイド」を参照してください。
注※2
ユーザキーワード補完を使用するには,カスタマイズダイアログボックスの[予約語ファイル]タブを選び,使用するシステム属性に合わせて,ユーザキーワードを登録しなければなりません。

(5) ルーラー

ルーラーは,ソースウィンドウ上のカラム位置を示します。ルーラーには,現在のマウスポインタの位置を示すトラッキングバーが表示されています。また,ルーラーからマーカを設定して,インデントを揃えたいカラム位置を表示できます。

トラッキングバーやマーカを操作するには,ルーラーポップアップメニューを使用します。

(a) ルーラーポップアップメニューの表示
  1. ルーラー上にマウスポインタを位置づける。
    マウスポインタが十字型に変わります。
  2. マウスの右ボタンを押す。
    ルーラーポップアップメニューが表示されます。
    ルーラーが表示されていない場合は,マウスポインタをソースウィンドウ中に位置づけ,マウスの右ボタンを押すと,エディットポップアップメニューが表示されます。ポップアップメニュー中の[ルーラーの表示]を選んで,ルーラーを表示した上で,1.の操作をしてください。
    なお,表示のオプションで,ルーラーを非表示に指定している場合は,エディットポップアップメニューに[ルーラーの表示]は表示されません。ルーラーを表示したい場合は,オプションを設定し直してください。表示のオプションについては,「4.10.2 表示の設定」を参照してください。
(b) ルーラーポップアップメニューの項目と機能

次に,ルーラーポップアップメニューのメニュー項目と機能を示します。

表4-3 ルーラーポップアップメニューのメニュー項目と機能

メニュー項目機能
トラッキングバーの表示/非表示トラッキングバーを表示するかしないかを指定する。
マーカの表示/非表示マーカを表示するかしないかを指定する。
マーカ設定マウスポインタ位置にマーカを設定する。
マーカ解除マウスポインタ位置のマーカを解除する。
すべてのマーカの解除すべてのマーカを解除する。
ルーラーの非表示ルーラーの非表示を指定する。
(c) マーカの操作

また,次の操作でカーソルをマーカへ移動させることができます。

表4-4 マーカの操作(マウスを使用する場合)

キー操作カーソルの移動先
[Ctrl]+[Tab]キー次のマーカへ
[Ctrl]+[Shift]+[Tab]キー前のマーカへ

(6) ステータスバー

ステータスバーには,カーソルの位置(行,カラム)やメッセージ,入力モードなどが表示されます。ステータスバーの表示と内容を次に示します。

[図データ]

  1. メッセージ
    メニューの機能,メッセージジャンプのコンパイラメッセージ,および処理中のメッセージが表示されます。

  2. カーソルの行番号が表示されます。
  3. カラム
    カーソルのカラム位置が表示されます。
  4. 入力モード
    文字の入力モードが表示されます。
    • 挿入:挿入モードを表します。
    • 上書:上書きモードを表します。
  5. 編集表示
    ファイルの更新状態が表示されます。
    • 変更:ファイルが更新されていることを表します。
    • 書禁:ファイルが書き込み禁止属性であることを表します。
    なお,何も表示されていない場合は,ファイルが更新されていないことを表します。
  6. 通信状態
    開発マネージャからCOBOLエディタを起動した場合,開発マネージャとCOBOLエディタとの間での通信状況が表示されます。
    • 接続:通信が接続中であることを表します。
    • LOCK:COBOLエディタが,開発マネージャからファイルを編集できないようにロックしていることを表します。
    なお,何も表示されていない場合は,通信機能が接続されていない状態であることを表します。

(7) カーソルの形状

挿入モードの場合,縦線のカーソルが表示されます。

上書きモードの場合,横線のカーソルが表示されます。

(8) メニューバーのアイコンとファイル種別

編集しているファイルの種別によって,ソースウィンドウのメニューバーの左上に表示されるアイコンが変化します。ファイル種別とアイコンとの対応を,次に示します。

[図データ] 固定形式ファイル

[図データ] 自由形式ファイル

[図データ] その他のファイル