付録D.4 その他の注意事項

<この項の構成>
(1) alias又はforwardによるアドレス変換の注意事項
(2) 外字を含むメールの注意事項
(3) Bccユーザを含むメールの注意事項
(4) メールの同報者が256人を超えた場合の注意事項
(5) メールの返信先が256人を超えた場合の注意事項
(6) 組織メールの処理についての注意事項
(7) 代行受信する場合の注意事項1
(8) 代行受信する場合の注意事項2
(9) リッチテキスト本文の連携を行う場合の注意事項
(10) Unicodeで送信されたメールの受信について
(11) Mail - SMTP環境のworkディレクトリについて
(12) Sendmailの経路による文字化けについて
(13) Server - Scanが分割メール中に含まれるコンピュータウィルスを検出できない問題について
(14) Server - ScanがMIME-Versionヘッダがないメールに含まれるコンピュータウィルスを検出できない現象について
(15) 同報者のアドレスマッピングについて
(16) コメントのマッピング機能について
(17) 返信履歴の引継ぎ機能について
(18) APエラー発生時について
(19) ループメールの検知について
(20) O/R名の要素国名,ADMD,PRMDに英数字,半角+記号,半角-記号以外を指定している場合について
(21) 0x1Aコードを含むデータのメール受信について

(1) alias又はforwardによるアドレス変換の注意事項

Sendmailでalias又はforwardによって転送しているメールをGroupmax Mailクライアントで参照すると同報者の宛先として転送前のアドレスと転送後のアドレスの両方が表示されます。aliasまたはforwardによる転送によって,エンベロープ受信者だけが変更されメールヘッダにある受信者(To,Cc)は変更されないままメール転送されるためです。このようなエンベロープ受信者のE-mailアドレスとメールヘッダの受信者(同報者)のアドレスが異なるメールをMail - SMTPが受信した場合には,メールヘッダにある受信者のアドレスマッピングが行えないためGroupmax内では別の人に同報されたものとして処理します。

対処方法としては,Sendmailで転送する際にメールヘッダ中の受信者情報(To,Cc)を,Mail - SMTPで受信する時のエンベロープ受信者アドレスに変換してから,転送するようにしてください。

(2) 外字を含むメールの注意事項

メールの主題,本文,添付ファイル名に外字が含まれていた場合,主題,本文,添付ファイル名の内容は正常に変換されません。この場合,JISコードでは0x8000以降の文字が,SJISコードでは0xF000以降の文字が正しく変換されません。詳細の範囲については下記を参照ください。

JISコード
  • 0x8000~0x9320
  • 0x937F~0x9420
  • 0x947F~0x9520
  • 0x957F~0x9620
  • 0x967F~0x9720
  • 0x972D~
SJISコード
  • 0xF000~0xF9FF
  • 0xFA7F
  • 0xFAFD~0xFAFF
  • 0xFB7F
  • 0xFBFD~0xFBFF
  • 0xFC4C~

(3) Bccユーザを含むメールの注意事項

インターネットから受信したメールにToまたはCc指定されていない同報者が指定されている場合,Groupmax MailクライアントではToとして表示される場合があります。

この同報者をToとして表示されるのを回避するには,smtpmngコマンドメニューから,以下の手順でコンフィグレーション情報を変更してください。

  1. smtpmngコマンドを起動する
  2. 運用管理サブコマンド一覧から「edit_format」を選択する
  3. 表示されたメニューから「BCC受信者の設定(bcc_recipients)」を選択する
  4. 設定値として「on」を設定する
  5. 変更後の設定値を格納してsmtpmngコマンドを終了する

 

「BCC受信者の設定(bcc_recipients)」を「on」にしたときの例を示します。

次に示す3人のGroupmaxユーザがAddress Serverに登録されていたとします。

ユーザ1
Groupmaxユーザのニックネーム:T.HITACHI
E-mailアドレス:taro@soft.hitachi.co.jp
ユーザ2
Groupmaxユーザのニックネーム:H.HITACHI
E-mailアドレス:hanako@soft.hitachi.co.jp
ユーザ3
Groupmaxユーザのニックネーム:J.HITACHI
E-mailアドレス:jiro@soft.hitachi.co.jp

インターネットから次のようなメールを受信した場合の同報者の表示例を,Bcc指定されたユーザ1とTo指定されたユーザ2,ユーザ3ごとに示します。

 Bcc:taro@soft.hitachi.co.jp

 To:hanako@soft.hitachi.co.jp

 To:jiro@soft.hitachi.co.jp

Bcc指定されたユーザ1(ニックネーム:T.HITACHI)が受信した場合
Bcc:T.HITACHI
To:H.HITACHI
To:J.HITACHI
To指定されたユーザ2(ニックネーム:H.HITACHI)が受信した場合
To:H.HITACHI
To:J.HITACHI
To指定されたユーザ3(ニックネーム:J.HITACHI)が受信した場合
To:H.HITACHI
To:J.HITACHI

(4) メールの同報者が256人を超えた場合の注意事項

SMTPから受信したメールの同報者(Resent-To,Resent-Bcc,Resent-Cc,To,Bcc,Ccの合計)に256人以上のGroupmaxユーザの宛先が指定されていた場合,Mail - SMTPは257人目以降の受信者情報は破棄して,以下のエラーメッセージを出力します。

Smtpgw170: 受信者の最大数を超えたため256人以降の情報を破棄しました。

(5) メールの返信先が256人を超えた場合の注意事項

SMTPから受信したメールの返信先(Reply-To)に256人以上の宛先が指定されていた場合,Mail - SMTPは257人目以降の返信先情報は破棄して,以下のエラーメッセージを出力します。

Smtpgw247: 返信先アドレスの最大数を超えたため257個以降の情報を破棄しました。

(6) 組織メールの処理についての注意事項

送信するメールの送信者が組織メールアドレス(姓フィールドの先頭が「#」)である場合,Mail - SMTPはこのメールを破棄します。また,送信者にエラーレポートを返信し,以下のエラーメッセージを出力します。

Smtpgw174: 組織メールユーザ情報を破棄しました。

送信するメールの受信者に組織メールアドレスが含まれていた場合,組織メールアドレスだけを破棄して配信処理を続行します。なお,Sendmailから受信したメールの本来受信者に組織メールアドレスが指定されていた場合,Mail - SMTPはこのメールを破棄して,以下のエラーメッセージを出力します。

Smtpgw174: 組織メールユーザ情報を破棄しました。

(7) 代行受信する場合の注意事項1

Groupmax Mailクライアントの受信者が代行受信者を設定している時,その代行受信者があて先ユーザ(E-mailアドレス)である場合,そのE-mailアドレスの受信者では,あて先のヘッダが以下のようになります。

代行先の受信者(E-mail):BCC

代行を設定した受信者:メールの送信者が指定したメール種別(TO/CC/BCC)

例)

GroupmaxユーザAさんがGroupmaxユーザBさんにTOを指定してメールを送信し,Bさんが代行受信者としてあて先ユーザCさん(E-mailアドレス)を設定している場合,Cさんが受け取るメールは,BさんがTOとして,CさんはBCCとしてメールが受信されます。

(8) 代行受信する場合の注意事項2

Groupmax Mail内で2回以上代行受信されてからMail - SMTPを経由してインターネットに代行受信された場合には,送信者に配信報告が返信されません。配信報告が返信されない場合,送信一覧でメールの送信状態が「送信中」のままになります。

例1)

GroupmaxユーザのAさんがBさんにメールを送信し,Bさんがあて先ユーザXさん(インターネットユーザ)に代行受信していた場合には,配信報告がAさんに返ります。

例2)

GroupmaxユーザのAさんがBさんにメールを送信し,BさんがCさんに代行受信し,Cさんがあて先ユーザXさん(インターネットユーザ)に代行受信していた場合には,配信報告がAさんに返りません。

(9) リッチテキスト本文の連携を行う場合の注意事項

リッチテキスト本文を含むメールを送信する場合,添付ファイルのヘッダにリッチテキスト本文であることを示す付加情報を生成しています。この為,転送元のメールをメールヘッダも含めすべて再利用し,部分的なデータの差し替えをして転送が可能なクライアントで転送されたメールを受信した場合に,転送時に編集された本文を読めない場合があります。これは,リッチテキスト本文を示す付加情報を含むメールが転送されるため,Mail - SMTPがメールを受信した場合に,転送された添付ファイルをリッチテキスト本文として処理するためです。

この現象を回避するには,メールを転送する際にメールヘッダを再利用しない「返信」機能を利用していただくようお願いします。

(10) Unicodeで送信されたメールの受信について

Mail - SMTPでは,Unicodeで送信されたメール(charsetに"utf-7","utf-8"または"utf-16"が指定されている場合)を受信した場合,JISの第一水準および第二水準に対応する文字コードだけ変換を行います。変換できない文字は"?"に変換します。

charsetに"utf-7","utf-8","utf-16"以外が指定されている場合(charsetが指定されていない場合を含む),主題,コメント,本文,添付ファイル名,テキスト形式の添付ファイルのcharsetを「iso-2022-jp」と仮定して受信します。このため,Groupmax Mailクライアントを使用してメールを受信しても正しく表示することができません。また,MIME構造情報を添付ファイルとして受信した場合(MIME_STRUCTURE=on)も,文字コード変換を行っていますので,インターネットクライアントを使用しPOP3/IMAP4でメールを取得した場合も同様に文字化けします。テキスト形式の添付ファイルを文字コード変換しないで受信する方法については,「6.5.17 テキスト添付ファイルを文字コード変換しないで受信したい」を参照してください。

また,MIME構造情報を添付ファイルとして受信する設定(MIME_STRUCTURE=on)の時,Unicodeで送信されたメールを受信し,Mail Server 06-51より古いバージョンのサーバからPOP3/IMAP4クライアントでメール受信すると,本文がないメールが受信されます。POP3/IMAP4サーバとして使用するMail Serverが06-51以降でない場合,MIME構造情報を添付ファイルとして受信しないよう(MIME_STRUCTURE=off)に設定してください。設定方法については,「2.3.4 edit_format (4) edit_recvformatで設定する値」を参照してください。

(11) Mail - SMTP環境のworkディレクトリについて

smtpdir下のworkディレクトリにはファイルを置かないでください。ファイルを置いた場合,Mail - SMTPを次回起動したときに削除されます。

(12) Sendmailの経路による文字化けについて

メールが転送される経路によっては,経由するSendmailのバージョンにより主題,本文が文字化けする場合があります。

(13) Server - Scanが分割メール中に含まれるコンピュータウィルスを検出できない問題について

インターネットクライアントは1通のメールを分割送信する場合,RFC2046で規定している方式で分割して送信します。インターネットクライアント(POP3/IMAP4)を使用してMail Serverから分割メールを取り出しますと,分割メールは復元され一つのメールになります。この分割メール中にコンピュータウィルスが含まれていた場合,復元されてはじめてコンピュータウィルスが顕在化します。この復元されたコンピュータウィルスが顕在化したメールを参照することにより,コンピュータウィルスに感染する恐れがあります。

なお,Groupmax Mailクライアントでは分割されたメールを結合する機能はないため,本件には該当しません。

(a) 発生条件

下記すべての条件に該当した場合にコンピュータウィルスに感染する恐れがあります。

(b) 対応策

以下のいずれかの対応策があります。

(14) Server - ScanがMIME-Versionヘッダがないメールに含まれるコンピュータウィルスを検出できない現象について

MIME形式のメールはMIEM-Versionヘッダを生成することをRFC2045にて規定されていますが,コンピュータウィルスへの感染を目的としてMIME-Versionヘッダがないメールが受信される場合があります。Mail - SMTPではMIME-Versionヘッダがない場合にはMIME形式と判断しないため,添付ファイルを本文として受信します。この場合,Server - Scanは本文に張り付いたコンピュータウィルスをウィルス検知できません。

なお,Groupmax Mailクライアントでは本文はテキストデータとして処理するため,本文に張り付いたコンピュータウィルスには感染しません。

(a) 発生条件

下記すべての条件に該当した場合にコンピュータウィルスに感染する恐れがあります。

(b) 対応策

以下のいずれかの対応策があります。

(15) 同報者のアドレスマッピングについて

Mail - SMTPのINTERNETDOMAIN名と同じドメイン名である受信者(GroupmaxユーザのE-mailアドレスなど)が同報者にいる場合,そのアドレスは生成されません。

(16) コメントのマッピング機能について

(17) 返信履歴の引継ぎ機能について

返信履歴の引継ぎ内容について説明します。

以下の理由により,他社メーラで正しくスレッド表示されない場合があります。

(18) APエラー発生時について

APエラーが発生した場合,発生の原因となったメールをgwuqに退避してメールの送受信処理を継続します。従来動作であるダイアログボックスを出力してMail - SMTPの処理を終了する場合には,smtpgw.cfgに以下の設定項目を追加してください。

APERROR_DIALOGBOX = open

なお,smtpmngコマンドでの設定機能はサポートしておりませんので,テキストエディタ等を使用して設定内容の追加を行ってください。

(19) ループメールの検知について

Mail - SMTPではエラーメールのループ現象を防止するため,以下のケースではエラーメールを返信しないようにしています。

(20) O/R名の要素国名,ADMD,PRMDに英数字,半角+記号,半角-記号以外を指定している場合について

インターネットの受信者を指定する時に,O/R名の国名,ADMD,PRMDに英数字,半角+記号,半角-記号以外を指定した場合,Groupmax Mailクライアントの送信一覧で配信状態が“配信中”となる場合があります。

(21) 0x1Aコードを含むデータのメール受信について

次に示す条件の場合,0x1Aコードを"?"に変換します。