6.5.11 環境の移行を行いたい
(1) ハードウェア交換に伴う環境移行の場合
Mail - SMTPの運用サーバを変更したり,ハードウェア交換に伴う環境の移行を行う場合には,次の手順で設定してください。
- 旧マシンでバックアップ
- メールアーカイブ運用を実施している場合には,smuq下に復旧用のメールが退避されていないか確認します。復旧用メールが退避されている場合には,smuq2smqコマンドを使用してリカバリ処理を行ってください。
- 送信制限を行っている場合に,送信制限を解除しメール送信します。
送信サイズの制限(SEND_BODY_SIZE_LIMIT)の設定を行っていて,メールが送信キューから処理されない場合は,送信サイズの制限を解除してメールを処理させてください。送信サイズの制限の解除方法については「2.3.6 edit_option」を参照してください。
- Mail ServerおよびSendmailから配信されるメールを処理し,キューを空にします。
先にSendmailのプロセスおよびMail Serverを停止させます。その後,Mail - SMTPの受信キュー(gwq)と送信キュー(smq)にファイルがなくなったことを確認してからMail - SMTPのサービスを停止します。
- 設定ファイルをバックアップします。
Mail - SMTPについては以下のディレクトリ配下のファイルをバックアップ願います。
- smtpdir直下の全ファイル
- logdir以下のファイル
- 新マシンの環境構築
- Mail - SMTP をインストールします。
- サーバ環境の移行を行います。
- サーバにゲートウェイ登録します。
サーバ側のゲートウェイ登録を行います。この時,ゲートウェイ登録する際の国名,ADMD,PRMDは,旧環境と同じ値を設定してください。
- バックアップしたファイルを移行後の環境にコピーします。新マシンのOSが旧マシンと異なる場合にはバックアップしたファイルをコピーするのではなく,新規にMail - SMTPの環境設定を行ってください。Mail - SMTPの環境設定については,「2. Mail - SMTPの環境設定」を参照願います(SendmailのVRが旧マシンと異なる場合は,Sendmailのパスが異なる場合がありますのでedit_smailpathコマンドによるSendmailのパスの再設定をしてください)。
- DBマッピングファイルを自動更新する運用を行っている場合,次の手順で再設定してください。smtpmngコマンドを起動して,メニュー「ユーザ情報の更新方法に関する設定(modifying_dbfile)」の設定値に「auto」を指定し,確認メッセージに’y’を入力します。設定値を保存してsmtpmngコマンドを終了してください。その後,Address Serverを再起動してください。
- 注意
- この手順は,「ユーザ情報の更新方法に関する設定(modifying_dbfile)」の設定値が既に「auto」と設定されている場合に必ず実施してください。また,手順の後で必ずAddress Serverが再起動されるようにしてください。
- Address Serverが起動されている状態で,dbmapコマンドを実行してください。
(2) Mail - SMTPを他のMail Serverに環境移行する場合
マルチサーバ構成で,Mail - SMTPの運用サーバを変更したい場合には,運用を止めることなく移行が可能です。次の手順で設定してください。
- 移行先サーバの環境構築
- Mail - SMTPをインストールします。
- 移行先サーバにゲートウェイ登録します。
移行先サーバ側のゲートウェイ登録を行います。この時,ゲートウェイ登録する際の国名,ADMD,PRMDは,移行前サーバの環境と違う値を設定してください。
- 移行先サーバのMail - SMTPの環境設定を新規に行ってください。Mail - SMTPの環境設定については,「2. Mail - SMTPの環境設定」を参照願います(SendmailのVRが旧マシンと異なる場合は,Sendmailのパスが異なる場合がありますのでedit_smailpathコマンドによるSendmailのパスの再設定をしてください)。
- 移行先サーバでdbmapコマンドを実行してください。
- 移行先サーバでMail - SMTPのサービスを起動します。
- DMZやGroupmax環境へのリレー制御を行うSendmailでリレー(受信)先を移行先サーバのMail - SMTPに変更します。
- 移行前サーバのゲートウェイ削除
- 移行前サーバのMail Serverに登録されているゲートウェイを削除し,MTAを再起動します。
- logfileから移行前サーバのMail - SMTPがメールの送受信を行っていないことを確認した後,移行前サーバでMail - SMTPのサービスを停止し,Mail - SMTPをアンインストールします。
(3) Mail - SMTPを他のMail Server(新規構築)に環境移行する場合
マルチサーバ構成で,新規にMail Serverを構築して,Mail - SMTPの運用サーバを変更したい場合には,運用を止めることなく移行が可能です。次の手順で設定してください。
- 移行先サーバの環境構築
- 新規のサーバに既存バージョンのPPをアドレスサーバとしてインストール(Mail - SMTPを含む)します。
- マスタ管理サーバ(運転席)で,アドレスサーバ追加作業を行います。
- 注意
- Address Server追加作業はマニュアル「Groupmax Address/Mail Version 7 システム管理者ガイド 基本操作編」(Windows 用)を参照してください。
- 移行先サーバにゲートウェイ登録します。
移行先サーバ側のゲートウェイ登録を行います。この時,ゲートウェイ登録する際の国名,ADMD,PRMDは,移行前サーバの環境と違う値を設定してください。
- Mail - SMTPの環境設定を新規に行ってください。設定値は,移行元サーバに合わせます。Mail - SMTPの環境設定については,「2. Mail - SMTPの環境設定」を参照願います(SendmailのVRが旧マシンと異なる場合は,Sendmailのパスが異なる場合がありますのでedit_smailpathコマンドによるSendmailのパスの再設定をしてください)。
- 移行先サーバでdbmapコマンドを実行してください。
- Mail - SMTPの連携設定及びSendmail環境を構築します。
- 移行先サーバでMail - SMTPのサービスを起動します。
- DMZやGroupmax環境へのリレー制御を行うSendmailでリレー(受信)先を移行先サーバのMail - SMTPに変更します。
- 移行先サーバ経由の受信テスト
- E-mailの受信テストを行います。
- 外部SMTPサーバを新規構築したアドレスサーバで受信させます。新規構築したMail - SMTP経由でE-mail受信されることを確認します。
- 運転席の設定変更
- 運転席のX.400運転席で,既存のゲートウェイを削除します。
- 全MTAの再起動をします(Address Serverの再起動でもよいです)。
- 移行先サーバ経由の送信/返信テスト
- 以下をテストしてください。
・GroupmaxユーザからE-mail送信した際に,新規構築したMail - SMTPから送信される
・受信済のE-mailを返信すると,新規構築したMail - SMTPから送信される
- 移行元サーバの環境削除
- 移行元サーバのMail - SMTP環境で以下を監視してメールが処理されなくなったことを確認します。SendmailやMail - SMTPのサービスは起動状態としてください。
・smqにファイルが作成されない
・gwqにファイルが作成されない
・logdir/logfileが更新されない