付録L.4 メールアーカイブ運用の環境設定手順

メールアーカイブ運用の環境設定について,設定手順を以下に示します。付録L.3のシステム構成例1~3について実施する作業内容を以下に示します。

作業内容システム構成例1システム構成例2システム構成例3
(1) DNSの設定※1
(2) sendmail.cfの設定※2※3
(3) Mail Serverの環境設定
(4)ルーティンググループの設定
(5) Mail - SMTPの環境設定
(6)メールアーカイブサーバの設定

※1:(1)メールアーカイブサーバのドメイン名をDNSに登録する場合に必要です。

※2:アーカイブ用のMail - SMTPと同居するSendmailのsendmail.cfのみ設定が必要です。

※3:通常運用のMail - SMTPと同居するSendmailのsendmail.cfのみ設定が必要です。


<この項の構成>
(1) DNSの設定
(2) sendmail.cfの設定
(3) Mail Serverの環境設定
(4) ルーティンググループの設定
(5) Mail - SMTPの環境設定
(6) メールアーカイブサーバの設定

(1) DNSの設定

以下のドメイン名をDNSに登録します。

(a)メールアーカイブサーバのドメイン名をDNSのMXレコードに登録します。

注意
メールアーカイブサーバをDNSで管理しない場合には設定不要です。

(b)メールアーカイブ用のMail - SMTP専用のメール受信ドメイン名をDNSのMXレコードに登録します。このドメイン名は,MAILARCHIVE_SEND_ENVELOPE_FROMに設定するE-mailアドレスのドメイン名と同じドメイン名になります。

注意
メールアーカイブ用のMail - SMTP専用のメール受信ドメイン名は,通常運用Mail - SMTPのドメイン名とは異なるドメイン名にしてください。

(2) sendmail.cfの設定

メールアーカイブ用のMail - SMTPと同居するSendmailの設定として通常運用のMail - SMTPと同居するSendmailの設定との相違点を以下に示します。以下に記載の設定以外は通常運用と同じ設定を実施してください。

設定項目名通常運用のMail - SMTPと同居するSendmailのsednmail.cfアーカイブ用のMail - SMTPと同居するSendmailのsednmail.cf
CXGroupmaxユーザのE-mail受信ドメイン名MAILARCHIVE_SEND_ENVELOPE_FROMに指定したE-mailアドレスのドメイン名※1
スマートホストメールアーカイブサーバのドメイン名※2,または,Internetへ送信するSendmailのドメイン名メールアーカイブサーバのドメイン名※2

※1:(1)DNSの設定の(b)で登録したドメイン名を指定します。

※2:(1)DNSの設定の(a)で登録したドメイン名を指定します。メールアーカイブサーバをDNSで管理しない場合には,メールアーカイブサーバのIPアドレスを指定します。


注意
E-mailアドレスのアドレス変換を行う場合には,Mail - SMTPが送信したアーカイブ用メールに対してエラーメールが返信される場合のエラーメールの受信者が,必ずMAILARCHIVE_SEND_ENVELOPE_FROMで設定したアドレスに変換されるようにしてください。MAILARCHIVE_SEND_ENVELOPE_FROMで設定したアドレス以外にエラーメールを受信した場合,オリジナルのメールの復旧ができません。

(3) Mail Serverの環境設定

メールユーザが登録されている全てのMail Server(ホームサーバ)で,「全ての送信メールを自動転送する」機能を使用してメールアーカイブサーバへの転送設定を行います。AUTO_FORWARDにメールの転送先を指定します。また,FORWARD_GATEWAYにメールアーカイブ用のMail - SMTPのX400DOMAINの設定内容と同じ値を設定してください。設定手順については,マニュアル「Groupmax Address/Mail Version 7 システム管理者ガイド 基本操作編」(Windows用)を参照してください。なお,設定後はMail Serverを再起動してください。

注意
アーカイブ用のMail - SMTPと同居するMail Serverには,メールユーザを登録しないでください。なお,このサーバには自動転送の設定をする必要はありません。
注意
AUTO_FORWARDに指定したE-mailアドレスについて,アーカイブサーバ側(またはその他のサーバ)にE-mail受信可能なメールアカウントを作る必要はありません。
注意
アーカイブ用の全メールがルーティングマスタを経由してアーカイブ用のMial-SMTPに転送されます。ルーティングマスタは負荷が少ないサーバ(ディスク性能がよい,ディスク負荷が低い,またはログインユーザが少ないなど)を指定してください。

(4) ルーティンググループの設定

アーカイブ用のMail - SMTPがあるMail Serverのみルーティンググループを分けるように設定してください。他のMail Serverがアーカイブ用のMail - SMTPがあるMail Serverと同じルーティンググループである場合,通常運用メールがアーカイブ用のMail - SMTPに送信される可能性があります。ルーティンググループの設定手順については,マニュアル「Groupmax Address/Mail Version 7 システム管理者ガイド 基本操作編」(Windows用)を参照してください。

(5) Mail - SMTPの環境設定

通常運用のMail - SMTPとメールアーカイブ運用のMail - SMTPは同じ設定値を指定してください。なお,以下の設定値は運用によりメールアーカイブ用のMail - SMTPで調節してください。

設定項目名推奨値推奨値の説明
DAEMON_ALARM_INTERVAL5[分]Sendmailへの送信処理のタイムアウト時間
DAEMON_RETLY_COUNT2[回]メールの再送回数
DAEMON_RETLY_INTERVAL60[分]メールの再送間隔
DAEMON_SENDMAIL_RESTART_NUM1[通]Sendmailへ渡すメールの処理単位
DISKFULL_SERVICES_CONTROLdownディスクフルを検知したらMail - SMTPサービスを停止する。サービスを継続するとメール消失の可能性があるため,サービスを止めておき復旧してからサービス再開することを推奨します。
KANA_MODEconvert半角仮名文字を全角文字に変換する
LOG_PARAMETER2.3.6 edit_option(3)」参照smtp_gwのログファイルのサイズとバックアップ数を指定します。
LOG_PARAMETER_DAEMON2.3.6 edit_option(3)」参照smtp_daemonのログファイルのサイズとバックアップ数を指定します。
LOG_PARAMETER_DBMAP2.3.6 edit_option(3)」参照dbmapのログファイルのサイズとバックアップ数を指定します。
LOG_STATUS_LIMITメール流通量を見積もって設定してくださいメール送受信数およびエラーメールの送受信数およびsmtp_gwの休止に関するしきい値を指定します。
MAILARCHIVE_ERROR_MAILcreateエラーメールを返信する場合に,アーカイブ用のエラーメールを生成する
MAILARCHIVE_MAPPING_MODEnicknameE-mailアドレスが未登録のGroupmaxユーザをニックネームマッピングする
MIME_SUBJECTno_split主題を分割せず1行で送信します。主題を複数行で生成するとメールアーカイブサーバでMIMEデコードできない場合があります。
MSGID_MODErfc1327Message-IDをrfc1327フォーマットで生成する
SEND_CODEmimeメールアーカイブサーバの仕様によりMIME形式のメールに対応していない場合には,他の設定値を選択してください。
SEND_BASE64_ENCODEall主題や添付ファイル名の先頭から末尾までをBase64エンコードする
SEND_BODY_SIZE_LIMIT設定しない設定しないことを推奨します。設定する場合には,全ての時間帯で送信サイズの制限をしないでください。
SEND_HEADER_RECIPIENTS_DISCLOSUREfalseGroupmax Mailクライアントから受信者非公開のオプションが指定された場合,Groupmax内で受信したユーザも自分以外の宛先は参照できないため実質BCC扱いで送信したのと同等になります。
SERVICES_STOP_WAIT_TIME0[秒]サービス停止時にSendmailプロセスを待つ待機時間
SPLIT_FNAMEno_split添付ファイル名を分割せず1行で送信します。添付ファイル名を複数行で生成するとメールアーカイブサーバでMIMEデコードできない場合があります。
注意
※LOG_PARAMETER,LOG_PARAMETER_DAEMONについては,社内メールをアーカイブ対象にする場合,メール送信通数が増えますので必要なログが採取されるよう設定値を見直してください。また,LOG_STATUS_LIMITについては,全ての社内メールが処理されるため,「送信メール数」について見積もりを実施してやや大目の通数を設定してください。
注意
ドメイン毎エンコード機能を使用している場合には,アーカイブ用のMail - SMTPではドメイン毎エンコードの設定は実施しないでください。メールアーカイブ運用を実施する場合にはドメイン毎エンコード機能は無効となります。

(6) メールアーカイブサーバの設定

メールアーカイブの環境構築,およびアーカイブ後のメールの破棄(フィルタリング)設定について実施してください。