付録L.7 アーカイブ連携機能の確認

ここでは,アーカイブ環境構築後に連携機能が正しく動作しているか確認するテストケースを挙げています。必ず以下のケースでメールアーカイブされていること,およびアーカイブされたメールが検索機能などで参照できることを確認してください。

テストで使用するアカウントは以下のとおりです。

<この項の構成>
(1) Groupmax内で配信されるメールのアーカイブ確認
(2) Groupmax外に配信されるメールのアーカイブ確認
(3) メール配信失敗時のリトライ機能の確認
(4) エラーメールのアーカイブ確認
(5) インターネットからのメール受信時のアーカイブ確認
(6) 代行受信メールのアーカイブ確認
(7) 同報者15人がアーカイブされるか確認
(8) メールのコンテンツ確認

(1) Groupmax内で配信されるメールのアーカイブ確認

テスト内容:ユーザAからユーザB(TO),ユーザC(CC),ユーザD(BCC),組織W(TO),組織X(CC),組織Y(BCC)のメールを送信します。

確認内容:アーカイブ用Mail - SMTPからアーカイブ用のメールが送信されることをログ確認します。アーカイブサーバでメールがアーカイブされ,且つアーカイブされたメールが配信されずに破棄されることを確認します。アーカイブされたメールから,ユーザB,C,D,組織W,X,Yがメール受信者として検索できることを確認します。

 

発生する不正な現象1:ユーザB,ユーザCにメールが2通配信される。ユーザBおよびユーザCはアーカイブ後のメールでエンベロープ受信者として検索できない。

要因:アーカイブ用Mail - SMTPと同居するSendmailでCX定義が誤っている

対処:sendmail.cfのCX定義にGroupmaxユーザのE-mailアドレスと同じドメイン名が定義されていないか確認してください。

 

発生する不正な現象2:ユーザB,ユーザCにメールが2通配信される。ユーザBおよびユーザCはアーカイブ後のメールでエンベロープ受信者として検索できる。

要因:アーカイブサーバでアーカイブ用のメールが破棄できていない。

対処:アーカイブサーバのメール破棄定義が実施されているか確認してください。

 

発生する不正な現象3:アーカイブ用のMail - SMTPのsmuqにファイルが作成される

要因:Mail - SMTPと同居するSendmailがESMTPに対応していない,またはESMTPのDSN(メールの配信通知)に対応していない。

対処:SendmailがDSNに対応しているかどうか「付録L.2 Mail - SMTPのメールアーカイブ機能を使用する場合の前提環境」の2.の手順で確認してください。

 

発生する不正な現象4:ユーザB(TO),ユーザC(CC),ユーザD(BCC),組織W(TO),組織X(CC),組織Y(BCC)がメール受信者として検索できない

要因:AUTO_FORWARDに指定したE-mailアドレスとアーカイブ用Mail - SMTPのMAILARCHIVE_ADDRESSに指定されたE-mailアドレスが異なっている

対処:AUTO_FORWARDに指定するE-mailアドレスとアーカイブ用Mail - SMTPのMAILARCHIVE_ADDRESSに指定するE-mailアドレスを同じにしてください。なお,AUTO_FORWARDの設定値を変更した場合には,Mail Serverの再起動が必要です。

(2) Groupmax外に配信されるメールのアーカイブ確認

テスト内容:ユーザAからユーザZ(BCC)のメールを送信します。

確認内容:アーカイブ用Mail - SMTPからアーカイブ用のメールが送信されることをログ確認します。通常運用のMail - SMTPからユーザZ宛てのメールが送信されることをログ確認します。アーカイブサーバでメールがアーカイブされ,且つアーカイブ用のメールが破棄されることを確認します。

 

発生する不正な現象1:ユーザZにメールが2通配信される,またはユーザZにメールが配信されない

要因:アーカイブサーバでアーカイブ用のメールが破棄できていない。

対処:アーカイブサーバのメール破棄定義を確認し,アーカイブ用のメールだけが破棄されるよう設定を見直してください。

(3) メール配信失敗時のリトライ機能の確認

テスト準備:このテストは,Sendmailの送信者(mail from)のチェックによりメール配信に失敗することを前提としてしています。従って,Sendmailのチェックがすり抜けてしまうと正しくテストできずSendmail内でキューイングされてしまいます。メールがキューイングされてしまった場合には,Sendmailの機能でメール破棄願います。また,Sendmailの配信を失敗させる方法として,Sendmailのメールサイズの制限をする,またはDSN機能を制限するなどで同様のテストを実施することができます。

テスト内容:ユーザAからユーザB(TO)のメールを送信します。

確認内容:アーカイブ用のMail - SMTPのsmuqにファイルが作成されることを確認してください。また,logdir下のevent.logファイルに以下のメッセージが出力されていることを確認します。

ERROR: smuqへ送信失敗メールを退避しました。

smuqに退避されたメール(ファイル)を,「付録L.8 smuqに退避されたメールの復旧手順」の手順でsmqに復旧してください。

テスト後に:テストが終了したらSendmailの設定を元に戻してください。

(4) エラーメールのアーカイブ確認

テスト準備:(3)でSendmailにテスト用の設定を行っている場合,ここで元の正しい値を設定してください。

テスト内容:ユーザZから通常運用のMail - SMTPと同居するSendmailのCX定義と同じドメイン名を持ち,Groupmax内に存在しないE-mailアドレスに対してメールを送信します。

確認内容:通常運用のMail - SMTPからエラーメールが2通返信されることをログ確認します。また,アーカイブサーバでエラーメールが1通だけアーカイブされることを確認します。エラーメールの返信先がTO:ヘッダで検索できることを確認します。

アーカイブ用のメールかどうかの判断方法
  • アーカイブ用のメールは,MAILARCHIVE_X_MAILERに設定した文字列が,メールヘッダのX-Mailer:ヘッダに生成されているかどうかで判断します。
  • Mail - SMTPのログ上では,logfileのトレースログでsmqへの出力が2通であるかどうかで判断します。

(5) インターネットからのメール受信時のアーカイブ確認

テスト内容:ユーザZからユーザAに対してメールを送信します。

確認内容:ユーザAにメール受信され,メールアーカイブサーバに受信したメールがアーカイブされていることを確認します。また,受信メールは,通常運用のMail - SMTPでメール受信していることをlogfileから確認します。

(6) 代行受信メールのアーカイブ確認

テスト内容:ユーザBについて予めユーザCを代行受信先として指定しておきます。ユーザAからユーザBに対してメールを送信します。

確認内容:ユーザAからユーザBに送信されたメールと,ユーザBからユーザCに代行受信されたメールがアーカイブされていることを確認します。

(7) 同報者15人がアーカイブされるか確認

テストの目的:Sendmailは同報者数が多いメールを複数通に分割してメール送信するため,メールアーカイブサーバでGroupmaxから送信されたアーカイブ用のメールと判断できなくなってしまいます。このため,Mail - SMTPでGroupmaxから送信されたアーカイブ用のメールと判断できるよう分割送信し,Sendmailで分割送信されないようにします。ここでは,Sendmailの分割配信が起こらないことを確認します。

テスト内容:ユーザAからユーザB~ユーザP(合計15人の同報者)に対してメールを送信します。

確認内容:メールがアーカイブされたことを確認し,ユーザB~ユーザP全員がメール受信者として検索できることを確認します。

(8) メールのコンテンツ確認

テストの目的:Groupmaxから送信されたアーカイブ用のメールはE-mailフォーマットになっています。このため,メールアーカイブされたメールを参照する際には,E-mailフォーマットのメールが正常にデコードできる必要があります。ここでは,アーカイブされたメールコンテンツが正しく参照できるかについて確認します。

テスト内容:ユーザAからユーザBに以下のメールを送信します。
  • 主題に日本語80バイト程度
  • 本文に日本語2KB程度
  • 添付ファイル2~3個を指定(この時,業務上使用されるアプリケーションの添付ファイルを使用されることをお勧めします)。
  • 添付ファイル名に日本語80バイト程度
  • Groupmax Collaboration 07-30の国際化対応機能をご使用になる場合には,業務上送信する文字コード等を指定してメール送信します。

確認内容:アーカイブされたメールの主題,本文,添付ファイル名が文字化けすることなく参照できることを確認します。また,添付ファイルの内容も該当アプリケーションにて参照できるか確認します。

発生しうる問題1:主題や添付ファイル名が途中で切れたり文字化けしたりする。原因は,主題や添付ファイル名が複数行で生成されるフォーマットにメールアーカイブサーバが対応していないことが考えられます。対策として,主題や添付ファイル名を1行で生成する設定を実施します。

発生しうる問題2:主題や添付ファイル名の検索を実施したときに,改行された主題の境界部分に検索キーワードが存在する場合に,検索に該当メールがヒットしない。アーカイブ製品の仕様である可能性がありますが,回避策として,主題や添付ファイル名を1行で生成する設定を実施することで回避できる可能性があります。