4.1.3 アドレスマッピングルールの優先順位
smtpmngコマンドのサブコマンドedit_mappingのmapping_modeの設定(table,db,all,pop_all)によって,4種類のアドレスマッピングルールのうち,どれが実行されるかが決まります。mapping_modeの設定によって使われるマッピングモードとその優先順位を次に示します。
マッピングモードは,アドレスマッピングを行いたいアドレスフォーマットによって最適な設定を選択する必要があります。
POP3/IMAP4連携機能を使用し,ニックネームマッピングによる運用を行う場合には,マッピングモードに必ずpop_allを選択してください。POP3/IMAP4連携機能を使用していてもGroupmaxユーザ全員にE-mailアドレスを付与することを前提とした運用にする場合にはマッピングモードにdbを選択することをお勧めします。また,POP3/IMAP4連携を行わない場合にはdbを選択することをお勧めします。
- 注意
- POP3/IMAP4連携機能を使用し,マッピングモードにdbを選択する場合,Mail ServerのPOP3/IMAP4の設定で「優先マッピングルール」には,ユーザ属性のE-mailアドレスマッピングを指定してください。なお,Address ServerにE-mailアドレスが設定されていないGroupmaxユーザがいる場合には,Mail ServerはE-mailアドレスが登録されていない宛先や同報者のアドレスについてニックネームマッピングでアドレスマッピングする場合があります。これらのGroupmaxユーザに対してPOP3/IMAP4クライアントを使用してメールを返信しても,Mail - SMTPでは受信できません。
- 注意
- 以下の説明で,「ヘッダ中に示されている受信者アドレス」は,RFCヘッダ中に設定されている受信者を示します。また,「エンベロープ中に示されている受信者アドレス」は,SMTPプロトコル(RCPT)中に設定されている受信者を示します。
- <この項の構成>
- (1) mapping_modeにtableを指定した場合
- (2) mapping_modeにdbを指定した場合
- (3) mapping_modeにallを指定した場合
- (4) mapping_modeにpop_allを指定した場合
(1) mapping_modeにtableを指定した場合
- 注意
- 本設定値は,Mail - SMTP Version 3以前でテーブルマッピングを使用していた環境をバージョンアップした場合に,テーブルマッピングの環境を引き継ぐための設定値です。新規に環境を構築する場合には,dbまたはpop_allをお勧めします。
tableを設定した場合,以下に示す優先順位でアドレスマッピングを実行します。
- SMTPからX.400へのアドレスマッピングを行う場合
RFCヘッダ中に示されている受信者アドレスに対しては,以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- テーブルマッピング
- DDAマッピング
エンベロープ中に示されている受信者アドレスに対しては,以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- テーブルマッピング
- ユーザIDマッピング
- X.400からSMTPへのアドレスマッピングを行う場合
以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- DDAマッピング
- テーブルマッピング
(2) mapping_modeにdbを指定した場合
dbを設定した場合,以下に示す優先順位でアドレスマッピングを実行します。
- SMTPからX.400へアドレスマッピングを行う場合
RFCヘッダ中に示されている受信者アドレスに対しては,以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- DBマッピング
- DDAマッピング
エンベロープ中に示されている受信者アドレスに対しては,以下のアドレスマッピングだけを実行します。
- DBマッピング
- X.400からSMTPへアドレスマッピングを行う場合
以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- DDAマッピング
- DBマッピング
- 注意
- この値が設定された場合,Address ServerにE-mailアドレスを登録していないGroupmaxユーザは,インターネットとメールの送受信ができません。
(3) mapping_modeにallを指定した場合
allを設定した場合は,以下に示す優先順位でアドレスマッピングを実行します。
- SMTPからX.400へアドレスマッピングを行う場合
ヘッダ中に示されている受信者アドレスに対しては,以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- DBマッピング
- テーブルマッピング
- DDAマッピング
- 注意
- smtpmngのサブコマンドedit_mappingでマッピング情報の設定・変更をしていない場合,テーブルマッピングはスキップされます。
エンベロープ中に示されている受信者アドレスに対しては,以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- DBマッピング
- テーブルマッピング
- ユーザIDマッピング
- 注意
- smtpmngのサブコマンドedit_mappingでマッピング情報の設定・変更をしていない場合,テーブルマッピングはスキップされます。
- X.400からSMTPへアドレスマッピングを行う場合
以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- DDAマッピング
- DBマッピング
- テーブルマッピング
- 注意
- smtpmngのサブコマンドedit_mappingでマッピング情報の設定・変更をしていない場合,テーブルマッピングはスキップされます。
(4) mapping_modeにpop_allを指定した場合
Address ServerのPOP3/IMAP4の設定で「優先マッピングルール」で選択された設定値に従ってマッピングの優先順位を決定します。
また,POP3/IMAP4側の設定が変更された場合には,POP3/IMAP4の設定に同期してマッピングの優先順位を変更します。
(a) 「優先マッピングルール」でニックネームマッピングが選択された場合
この値を設定した場合,以下に示す優先順位でアドレスマッピングを実行します。
- SMTPからX.400へアドレスマッピングを行う場合
ヘッダ中に示されている受信者アドレスに対しては,以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- ニックネームマッピング
- DBマッピング
- テーブルマッピング
- DDAマッピング
- 注意
- 「優先マッピングルール」の設定が未設定の場合には,ニックネームマッピングはスキップされます。
- smtpmngのサブコマンドedit_mappingでマッピング情報の設定・変更をしていない場合,テーブルマッピングはスキップされます。
エンベロープ中に示されている受信者アドレスに対しては,以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- ニックネームマッピング
- DBマッピング
- テーブルマッピング
- ユーザIDマッピング
- 注意
- 「優先マッピングルール」の設定が未設定の場合には,ニックネームマッピングはスキップされます。
- smtpmngのサブコマンドedit_mappingでマッピング情報の設定・変更をしていない場合,テーブルマッピングはスキップされます。
- X.400からSMTPへアドレスマッピングを行う場合
以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- DDAマッピング
- ニックネーム
- DBマッピング
- 注意
- 「優先マッピングルール」の設定が未設定の場合には,ニックネームマッピングはスキップされます。
(b) 「優先マッピングルール」の設定でユーザ属性のE-mailアドレスマッピングが選択された場合
この設定値を設定した場合,以下に示す優先順位でアドレスマッピングを実行します。
- SMTPからX.400へアドレスマッピングを行う場合
ヘッダ中に示されている受信者アドレスに対しては,以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- DBマッピング
- ニックネームマッピング
- テーブルマッピング
- DDAマッピング
- 注意
- smtpmngのサブコマンドedit_mappingでマッピング情報の設定・変更をしていない場合,テーブルマッピングはスキップされます。
エンベロープ中に示されている受信者アドレスに対しては,以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- DBマッピング
- ニックネームマッピング
- テーブルマッピング
- ユーザIDマッピング
- 注意
- smtpmngのサブコマンドedit_mappingでマッピング情報の設定・変更をしていない場合,テーブルマッピングはスキップされます。
- X.400からSMTPへアドレスマッピングを行う場合
以下の順にアドレスマッピングを実行します。
- DDAマッピング
- DBマッピング
- ニックネームマッピング