付録J.4 前提環境の作成

Mail - SMTPの環境設定を行う前に,HACMPが正常に動作する環境を作成する必要があります。

<この項の構成>
(1) Groupmax用共用ディスクのボリューム・グループの設定
(2) クラスタで使用するサービスIPアドレスの設定
(3) システム管理者の限定
(4) Groupmaxサーバ環境の設定

(1) Groupmax用共用ディスクのボリューム・グループの設定

Mail - SMTPのデータディレクトリを格納する共用ディスク環境を,最初に作成する必要があります。共用ディスク環境の作成方法についてはAIXのマニュアル等を参照してください。

共用ディスクのボリューム・グループのディスク構成を下記に示します。また,環境設定の例を図J-2に示します。

作成項目
ボリューム・グループ名/HACMPvg
ボリューム・グループのファイル・システム名/HACMPdata
Mail - SMTPデータディレクトリ用シンボリックリンク先ディレクトリ/HACMPdata/smtpgw
Mail - SMTPのデータディレクトリ用リンクファイル/var/opt/smtpgw

図J-2 ディスク構成概要図

[図データ]

シンボリックリンクの設定手順を示します。

  1. ノード1で共用ディスクのボリューム・グループを活動化します。

    varyonvg HACMPvg

  2. ノード1で共用ディスクのファイル・システムをマウントします。

    mount /HACMPdata

  3. ノード1でMail - SMTPデータディレクトリ用のシンボリックリンク先ディレクトリを作成します。

    mkdir /HACMPdata/smtpgw

  4. ノード1でMail - SMTPデータディレクトリのリンクファイルを作成します。

    ln -s /HACMPdata/smtpgw /var/opt/smtpgw

  5. ノード1で共用ディスクのファイル・システムをアンマウントします。

    umount /HACMPdata

  6. ノード1でボリューム・グループを非活動化します。

    varyoffvg HACMPvg

  7. ノード2でボリューム・グループを活動化します。

    varyonvg HACMPvg

  8. ノード2で共用ディスクのファイル・システムをマウントします。

    mount /HACMPdata

  9. 同様にノード2でシンボリックリンクを作成します。

    ln -s /HACMPdata/smtpgw /var/opt/smtpgw

  10. ノード2で共用ディスクのファイル・システムをアンマウントします。

    umount /HACMPdata

  11. ノード2でボリューム・グループを非活動化します。

    varyoffvg HACMPvg

(2) クラスタで使用するサービスIPアドレスの設定

各ノードのIPアドレスとは別にクラスタで使用するサービスIPアドレスを設定する必要があります。すべてのノードがサービスIPアドレスを解決できるように,DNS定義ファイル又はhostsファイルに設定してください。設定内容の例を下記に示します。

作成項目
ノード1のIPアドレス172.1.1.1
ノード1のドメイン名又はホスト名node1
ノード2のIPアドレス172.1.1.2
ノード2のドメイン名又はホスト名node2
クラスタで使用するサービスIPアドレス172.1.1.3
クラスタで使用するドメイン名又はホスト名hacmphost
ノード1のIPアドレス172.1.1.1
ノード1のドメイン名又はホスト名node1

(3) システム管理者の限定

HACMP連携を行う場合,システム管理者はrootユーザにしてください。また,ノード1とノード2のrootユーザは,同じユーザIDでかつ同じグループIDを持つグループに所属させてください。

(4) Groupmaxサーバ環境の設定

Mail - SMTPの環境設定を行う前に,Mail Serverのクラスタ環境(リソース・グループの追加およびアプリケーション・サーバの追加)を設定してください。その後,Mail Serverから「ゲートウェイの追加」を行ってください。