全ての送信メール及び代行受信により転送したメールを,送信者が指定した宛先とは別に,サーバに設定した宛先へ自動転送を行うことができます。
自動転送を行うために設定することができる宛先はE-mailアドレスですので,Mail-SMTPとSendmailが必要となります。
自動転送を行う場合には次の点に注意してください。
- メールの配信が,自動転送を行わない場合と比べて2倍程度遅くなります。
- 回覧メール及び掲示板記事は転送されません。
- Mail - SMTPによるアドレスマッピングができないユーザが送信したメールは転送されません。アドレスマッピングができないユーザが送信したメールを保存する場合は,Mail - SMTPのメールアーカイブ連携機能を使用してください。
- 組織が送信したメールを保存する場合は,Mail - SMTPのメールアーカイブ連携機能を使用してください。
- 自動転送されたメールが転送先で配信エラーになった場合は,Sendmail等が返すエラーメールがメールの送信者に届くことがあります。自動転送されたメールに対するエラーメールを受信せずメールを再送するようにする場合は,Mail - SMTPのメールアーカイブ連携機能を使用してください。
- 自動転送オプションで「DEST_CHECK=Y」を設定しない場合は,送信者が直接,自動転送先に送信したメールの送信ログの状態表示が配信中のままになることがあります。
- 自動転送オプションで「DEST_CHECK=Y」を設定しない場合は,代行受信者として自動転送先を設定しているユーザに送信したメールの送信ログの状態表示が配信中のままになることがあります。
- BCC宛先を含むメールの場合は,自動転送されたメールには送信者が指定したBCC宛先の情報が残りません。BCC宛先の情報を保存する場合は,Mail - SMTPのメールアーカイブ連携機能,又はData Collectionを使用してください。
- 全ての送信メールがMail-SMTPに転送されるため,Mail-SMTPの負荷が増加します。自動転送専用のMail-SMTPを構築することを推奨します。
- Data Collectionを使用している場合は,Data Collectionのサーバ間メール転送情報に,自動転送されたメールの情報が記録されます。
- 代行受信時に自動転送されたメールには,代行受信元や代行受信先のユーザの情報が残りません。代行受信元や代行受信先の情報を保存する場合は,Mail - SMTPのメールアーカイブ連携機能を使用してください。
- MTA間のリトライ回数/間隔はできるだけ大きな値を設定してください。
自動転送されたメールはMail-SMTPによってSMTPプロトコルに変換されることから,次に示すように元のメールとの差異が発生することがあります。
- 主題,本文及び添付ファイル名に含まれる外字や機種依存文字が他の文字に変わることがあります。
- リッチテキスト本文は添付ファイルになり,本文はプレーンテキストになります。
- Mail - SMTPの設定で「リッチテキスト送信制御の設定(send_rtf_body)」をrtf_deny(送信抑止)に設定した場合は,リッチテキスト本文は削除されて,本文はプレーンテキストになります。
- Mail - SMTPの設定で「ロングファイル名の設定(long_fname)」をsend_denyに設定した場合は,添付ファイルがショートファイル名になります。
- Mail - SMTPの設定で「ロングファイル名の設定(long_fname)」をsend_allowに設定した場合は,ファイル名として使用できない可能性がある文字は”_”へ変換されます。
- Mail - SMTPの設定で「半角仮名文字送出制御(kana_mode)」をconvertに設定した場合は,主題,本文及び添付ファイル名の半角カナが全角カナに変換されます。
- Mail - SMTPの設定で「受信者名公開(send_header_recipients_disclosure)」をfalseに設定した場合は,メール属性に受信者名公開オプションが指定されていないメールについては全ての宛先がBCC宛先として送信されますのでTO/CC宛先の情報は残りません。「受信者名公開(send_header_recipients_disclosure)」をtrueにする,またはMail - SMTPのメールアーカイブ連携機能を使用してください。
- メールの返信要求,受信通知,受信者名公開,配信通知及び代行受信禁止の設定状態は失われます。
- <この節の構成>
- 19.14.1 自動転送の設定
- 19.14.2 自動転送の転送履歴