1.3.2 ユーザの操作環境を便利にする機能

ふだん使用する作業環境をより便利にするために,Integrated Desktopで提供している機能を紹介します。

<この項の構成>
(1) ユーザの業務レベルに合わせた作業環境の提供
(2) INBOX,受信控え,送信ログ及びOUTBOXによる受発信案件の一括管理
(3) ローカルフォルダの分類表示機能
(4) ほかのアプリケーションとの連携機能
(5) モバイルでの運用を便利にするための機能
(6) 音声読み上げソフトウェアを利用したメールの送受信機能
(7) ユーザの作業環境に応じたカスタマイズ機能
(8) カスタマイズ情報の配布機能

(1) ユーザの業務レベルに合わせた作業環境の提供

Integrated Desktopは,実際に机上で作業しているような環境を画面に表示し,ユーザが日常,慣れ親しんでいる感覚で操作できます。画面には,作業をする上で必要となる事務用品などを表示します。Integrated Desktopを起動すると表示される画面を,Integrated Desktop主画面(以降,Desktop主画面)といいます。Integrated Desktopでは,ユーザの利用形態やパーソナルコンピュータの熟練度に合わせて,次の3種類の作業環境を用意しています。

上記の作業環境は,インストールした場合に使用できます。インストールした作業環境のうち,どれを利用するかは,Integrated Desktopを起動するときに選択します。それぞれの作業環境について,以下に説明します。

(a) 機能指向環境

Groupmaxの各機能やそれぞれの機能で扱う文書がツリー構造で表示されている,Integrated Desktopでの操作の基本となる環境です。ツリー構造からグループウェアの機能を選択して利用できます。

機能指向環境から起動できるDesktop主画面を機能指向主画面といいます。機能指向環境を次の図に示します。

図1-2 機能指向環境

[図データ]

(b) 業務指向環境

ユーザの業務に合わせて独自のワークプレース(業務指向環境の作業領域)を複数作成できる環境です。そのため,各業務に合わせた定型的な処理をする場合に適しています。

業務指向環境から起動できるDesktop主画面を業務指向主画面といいます。業務指向環境を次の図に示します。

図1-3 業務指向環境

[図データ]

(c) 仮想オフィス環境

Groupmaxの機能が実際のオフィスイメージのイラストで表現されている環境です。ふだん見慣れているオフィスの風景や自分の机上の事務用品を表現したイラストを直接操作して作業できるので,グループウェアを初めて使うユーザにも分かりやすい環境を提供します。

仮想オフィス環境から起動できるDesktop主画面を仮想オフィス主画面といいます。仮想オフィス環境を次の図に示します。

図1-4 仮想オフィス環境

[図データ]

(2) INBOX,受信控え,送信ログ及びOUTBOXによる受発信案件の一括管理

Integrated Desktopでは,ネットワークを経由して書類を受発信する機能として,INBOX受信控え送信ログ及びOUTBOXを提供しています。これらの機能で扱う書類を案件といいます。案件には,ワークフロー案件,メール及びスケジュール予約があります。

INBOX,受信控え,送信ログ及びOUTBOXの概念を次の図に示します。

図1-5 INBOX,受信控え,送信ログ及びOUTBOXの概念

[図データ]

INBOXは,自分宛に送られた書類を受け取るトレー(入力トレー)です。INBOXに送られたメールのうち,控えとして残しておきたいメールは,受信控えに入れておきます。

自分が送ったすべての書類の送付履歴は,送信ログを開いて確認できます。

OUTBOXは,書類を送るトレー(出力トレー)です。あらかじめ作成しておいたメールをOUTBOXに入れておき,後で一括して送ることもできます。

これらの機能を利用することで,ワークフロー案件,メール,スケジュール予約などの,複数種類の情報の管理及び共有ができます。

注意
INBOXと送信ログでは,ワークフロー案件,メール及びスケジュール予約を表示できます。受信控えとOUTBOXでは,個人メール(個人でメールを送受信する場合に使用するメール)だけを表示できます。
必要な案件がすぐに見つかるようにカスタマイズできます
INBOX,受信控え,送信ログ及びOUTBOXでは,案件を作業内容,重要度,優先度などの項目で分類して表示できます。案件を分類しておくと,作業の優先度,案件の受発信の日時,業務の種類別に案件が表示されるため,必要な案件が検索しやすくなります。
■ヘルプでのキーワード■
INBOX,受信控え,送信ログ,OUTBOX

(3) ローカルフォルダの分類表示機能

Integrated Desktopでは,フォルダに格納された文書をユーザが指定する分類方法で自動的に分類して表示する機能を提供しています。この機能を分類表示機能と呼びます。

分類表示機能で分類できるのは,ローカルフォルダ,又は個人フォルダの直下に格納されている,メールやWordなどで作成した文書です。この機能を利用すると,混在している様々な内容のメールや文書を簡単に分類できるので,情報の整理や活用が容易になります。分類表示には,次の特長があります。

■ヘルプでのキーワード■
分類表示

(4) ほかのアプリケーションとの連携機能

Integrated Desktop以外のGroupmaxアプリケーションとの連携
Desktop主画面のツールバーに,Integrated Desktopで用意されていないGroupmaxの機能をボタンとして配置して,直接起動できます。また,Groupmax以外のWindowsアプリケーションを配置することもできます。
PDMACEとの連携
エンジニアリング情報統合システムPDMACEのエンジニアリング書庫を利用できます。仮想オフィス環境のエンジニアリング書庫のメタファをダブルクリックする操作でPDMACEを起動できます。

(5) モバイルでの運用を便利にするための機能

外出先でもモバイルコンピュータを利用してメールを確認・送信したい,LAN環境でもサーバを利用していないときは回線を切断して処理速度を向上したいなどの運用がIntegrated Desktopのモバイル機能を利用することで実現します。Integrated Desktopでは,次のようなモバイル機能を提供しています。

メールのモバイル機能
Integrated Desktopのメールのモバイル機能では,回線に接続,受信メールの一括格納,新規メールの一括送信,回線から切断などのモバイル運用の一連の操作を支援します。この機能を使うことで,格納しておいた受信メールを回線を切断した後にゆっくり見たり,回線を切断してメールを作成しておき,後で一時的に回線に接続してまとめて送信したりできます。
共用キャビネットのモバイル機能
Integrated Desktopの共用キャビネットのモバイル機能では,オンラインで利用中に作業領域に取り出した文書を,オフラインで編集できます。
ダイアルアップ接続でのIntegrated Desktopの利用
ダイアルアップ接続すれば外出先からでもメールの受発信や共用キャビネットの文書の取り出しができるため,メール操作や文書管理の処理範囲が広がります。
作業内容に合わせた回線の接続・切断の切り替え
回線の接続・切断の切り替えは,Groupmaxを終了することなく実行できます。作業内容に合わせて,接続と切断を適宜切り替えられるため,作業の効率を向上できます。
■ヘルプでのキーワード■
モバイル,ダイアルアップ接続,オンライン・オフラインの切り替え

(6) 音声読み上げソフトウェアを利用したメールの送受信機能

音声読み上げソフトウェアを利用してIntegrated Desktopを使用すると,メールの内容や,メールの送受信に使用するメニューコマンドなどが読み上げられます。このため,目の不自由な方にもメールの送信及び受信機能を御利用いただけます。

音声読み上げソフトウェアを利用した操作の詳細については,Integrated Desktopのオンラインヘルプを参照してください。

■ヘルプでのキーワード■
音声読み上げソフトウェア

(7) ユーザの作業環境に応じたカスタマイズ機能

仕事の内容やデスクのレイアウトなどは一人一人異なります。Integrated Desktopには,ユーザごとに作業環境を設定できるカスタマイズ機能があります。

Integrated Desktopでできるカスタマイズ機能の例を次の図に示します。

図1-6 Integrated Desktopでできるカスタマイズ機能の例

[図データ]

(8) カスタマイズ情報の配布機能

システム管理者がカスタマイズしたIntegrated Desktopの作業環境を,複数のパーソナルコンピュータに配布するためのツールを提供しています。

この機能を利用すれば,パーソナルコンピュータの操作に不慣れなエンドユーザが,Integrated Desktopの作業環境をカスタマイズする必要がなくなります。また,組織内で統一した環境をすべてのエンドユーザに提供できるため,グループウェアの作業環境を効率良く運用できます。

■ヘルプでのキーワード■
カスタマイズ情報の配布機能