1.3.3 Client Lightの紹介
Groupmax Version 7では,メールとスケジュールの基本機能を持つClient Lightを提供しています。このClient Lightではメールの送受信,スケジュールの確認,及び登録を一つのアプリケーションから実行できます。
Client Lightは,Integrated Desktopと異なり,メールをサーバからクライアントにダウンロードして参照します。参照するごとにメールをダウンロードする方法(デフォルトの設定)と一括してダウンロードする方法があります。
Integrated Desktopのメール機能に比べて,次の点が強化されています。
- 検索する文字列を指定してダウンロードしたメールから検索できます。
- 受信メールと送信メールのプレビューができます。また,プレビューでも,添付ファイルを参照及び保存できます。
- クリッカブルURL機能を提供しています。これによって,URLをクリックするだけで,Web画面の呼び出しができます。
- メールごとにマークを付けられます。これによって,メールの分類が容易になります。
- メールごとにメモを付けられます。これによって,メールの整理が容易になります。
- メールに処理期限を設定することで,期限切れを意識したメール表示ができます。
- 条件絞り込みを設定したフォルダ(フィルタリングフォルダ)を複数定義できます。このフォルダには,設定した条件に合致したメールだけを表示できるため,メールの分類表示が容易になります。また,ルール仕分けとは異なり,条件定義を瞬時に適用できます。
- 類似した主題を持つメールをまとめて表示できます。これによって,メールの整理が容易になります。
- 編集中のメールを格納するための編集中フォルダを提供しています。これによって,作成途中のメールの保存場所を意識する必要がなくなりました。
- 削除したメールを一時的に蓄える削除済みフォルダを提供しています。これによって,誤って削除してしまった場合でも元の一覧に戻せます。
- ダウンロードしたメールの未既読状態を変更できるため,後でもう一度読みたいメールを強調して表示できます(サーバ上のメールの未既読状態は変更されません)。
- 宛先をエディタで直接入力できます。また,宛先の一部を入力するだけで,過去に受信した宛先から自動補完(オートコンプリート)できます。
Integrated DesktopとClient Lightの機能差の詳細については,「付録E Integrated DesktopとClient Lightとの機能比較」を参照してください。
また,スケジュール機能では,機能の絞り込みによる操作性の改善,及びメール機能との統合による起動性能の向上を図っています。
- <この項の構成>
- (1) Integrated DesktopとClient Lightとの使い分け
- (2) Integrated Desktopで使用していたリソースの利用
- (3) 注意事項
(1) Integrated DesktopとClient Lightとの使い分け
Integrated DesktopとClient Lightをそれぞれどのような場合に使うとよいかについて説明します。
Client Lightは,次のような場合にお勧めします。
- メールを大量に処理する場合
- 過去のメールを保存している場合
- 保存した過去のメールから情報を検索して利用する場合
- メールを効率よく分類したい場合
Integrated Desktopは,次のような場合にお勧めします。
- メールをあまり使用していない(主に文書管理やワークフローを使用している)場合
- メールを保存しない場合
(2) Integrated Desktopで使用していたリソースの利用
Integrated Desktopの各リソースの利用方法について説明します。
- INBOX
- Client Lightを起動すると,受信一覧を自動的に取得するため,特に必要な手順はありません。
- 受信控え
- 受信控えを受信フォルダにインポートするための機能を提供していないため,受信控えに保存したメールを使用したい場合は,Integrated Desktopでローカルフォルダに保存し,ローカルフォルダと一緒に利用してください。
- 送信ログ
- Client Lightを起動すると,送信一覧を自動的に取得するため,特に必要な手順はありません。
- OUTBOX
- OUTBOXを編集中フォルダなどにインポートするための機能は提供していません。
- 個人フォルダ
- 次の手順でIntegrated Desktopの個人フォルダをClient Lightの個人フォルダとして設定できます。
- Groupmaxの統合セットアップを起動して,Desktop環境タブを表示し,「個人フォルダ用のデフォルトパス」のパス名を確認します。
このパス名を<LocalFolder>とします。
- Client Lightを起動して,メニューから[ツール]-[オプション]を選択します。
- [オプション]ダイアログが表示されるので,個人フォルダのパスを設定するために[参照]ボタンをクリックします。
- ディレクトリの選択画面が表示されるので,<LocalFolder>¥<ユーザID>¥Desktop¥Function¥Folderを選択し,[OK]ボタンをクリックします。
- パスに選択したパス名が設定されていることを確認し,[OK]ボタンをクリックします。
- 掲示板
- Client Lightを起動して掲示板を参照すると,一覧を自動的に取得するため,特に必要な手順はありません。
(3) 注意事項
- Client Lightはローカルに保存したメールや記事に対して処理をします。このため,削除,未既読の変更によってサーバ上のアイテムとは異なる状態になる場合があります。
- ダウンロードしていない状態で受信一覧から削除した場合,標準の指定ではサーバ側に未読として保存されます。
- ダウンロードしていないメールや記事をIntegrated Desktopやほかのメールクライアントで削除した場合,Client Lightからは参照できなくなります。
- ローカルディスクに保存したファイルをClient Lightのエディタでは参照できません。
- メールを既存(Integrated Desktop)のメッセージエディタで保存をしても,編集中フォルダに格納されません。
- 受信したメール件数に応じて,初期表示やフォルダの切り替え時の処理に時間が掛かる場合があります。このような場合は,日付フィルタリング([Ctrl]+[Shift]+[Y])で一覧に表示する日時範囲を制限すると回避できます。日付フィルタリングの設定項目は,[表示]-[ツールバー]-[カスタマイズ]を選択すると[ツールバーの設定]ダイアログボックスが表示されるので,「種別」から「フィルタリングバー」を選択して,表示,非表示の設定を切り替えます。
- すべての情報をクライアントのディスク装置に保存するため,Integrated Desktopに比べてディスク所要量が増加します。保存先は十分容量のあるディスク装置に指定してください。保存先は,[スタート]-[プログラム]-[Groupmax Clients]-[Client Light 環境設定]を選択すると,表示される[Groupmax Client Light環境設定]ダイアログボックスの「ディレクトリ」にGroupmaxのユーザごとに作成されます。保存先を変更する場合は,[変更]ボタンをクリックして変更先を指定してください。また,保存先のデータは定期的にバックアップを取ってください。