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COBOL2002 Professional Tool Kit COBOLソース解析ガイド


10.4 COBOLソース解析で使用できるコンパイラオプション

COBOL2002のコンパイラオプションとCOBOLソース解析での使用可否について次の表に示します。コンパイラオプションの指定方法については,マニュアル「COBOL2002 ユーザーズガイド」を参照してください。

カテゴリの意味は次のとおりです。

最終生成物の種類(プロジェクトの種類)

開発マネージャで最終生成物の種類(プロジェクトの種類)を設定するコンパイラオプションです。最終生成物とは,コンパイラが最終的に生成する実行可能ファイル,DLL,または標準ライブラリのことです。

製品連携

他製品との連携を設定するコンパイラオプションです。

実行

実行時の動作を設定するコンパイラオプションです。

最適化

プログラムの最適化を設定するコンパイラオプションです。

デバッグ

デバッグを設定するコンパイラオプションです。

リンク

リンクを設定するコンパイラオプションです。

規格

規格仕様のチェックを設定するコンパイラオプションです。

移行

他システムとの移行を設定するコンパイラオプションです。

リスト出力

リスト出力を設定するコンパイラオプションです。

その他

その他の項目を設定するコンパイラオプションです。

表10‒4 COBOL2002のコンパイラオプションとCOBOLソース解析での使用可否

項番

コンパイラオプション

カテゴリ

意味

COBOLソース解析での使用

1

-Main,{System|V3}ファイル名

最終生成物の種類

先頭の外部プログラムを主プログラムと仮定し,コマンドの引数を受け取ります。

×

2

-Dll,{Stdcall|Cdecl}

-Dll

-noDll

最終生成物の種類

DLL形式を指定します。

×

3

-OleServer,{Dll|Exe}〔,RegSet〕

-noOleServer

最終生成物の種類

OLE2サーバの生成形態を指定します。

×

4

-SQL,{XDM|ODBC〔,NoCont〕}

-noSQL

製品連携

埋め込みSQL文をXDM/RDまたはODBCインタフェース機能で使用できるようにします。

×

5

-SQLDisp

-noSQLDisp

製品連携

埋め込みSQL文に用途(USAGE句)が表示用(DISPLAY)のデータ項目を指定できるようにします。

×

6

-RDBTran

-noRDBTran

製品連携

COMMIT文/ROLLBACK文をHiRDBによる索引編成ファイルに対して適用します。

7

-IsamExtend〔,Zone〕

-noIsamExtend

製品連携

Btrieve(Pervasive.SQL)による索引編成ファイルを使用します。

8

-XMAP,LinePrint

-noXMAP

製品連携

書式印刷機能を使用して,順編成ファイルをプリンタに出力します。

9

-OpenTP1

-noOpenTP1

製品連携

OpenTP1を使用したデータコミュニケーション機能を使用できるようにします。

10

-EUR,FormOutput

-noEUR

製品連携

EURを使用した帳票出力機能を使用できるようにします。

11

-NumAccept

-noNumAccept

実行

ACCEPT文に数字項目を指定できるようにします。

12

-NumCsv

-noNumCsv

実行

CSV編成ファイルで,セルデータを数値として入出力できるようにします。

13

-MultiThread

-noMultiThread

実行

マルチスレッド対応COBOLプログラムを作成します。

14

-MainNotCBL

-noMainNotCBL

実行

すべて副プログラムとして扱います。

×

15

-DllInit

-noDllInit

実行

DLLを初期化します。

×

16

-Optimize,{0|1|2|3}

最適化

コンパイル時の最適化のレベルを指定します。

×

17

-ScreenSpeed

-noScreenSpeed

最適化

画面の表示速度を重視します。

×

18

-DebugLine

-noDebugLine

デバッグ

デバッグ行を有効にします。

19

-DebugInf〔,Trace〕

-noDebugInf

デバッグ

異常終了時,エラー要約情報を出力します。

×

20

-DebugCompati

-noDebugCompati

デバッグ

実行時に次のチェックをします。

  • 添字,指標名の繰り返し回数の範囲外チェック

  • プログラム間整合性チェック

×

21

-DebugData〔,ValueHex〕

-noDebugData

デバッグ

データ例外を検出します。

×

22

-TDInf

-noTDInf

デバッグ

テストデバッグ情報を出力します。

×

23

-CVInf

-noCVInf

デバッグ

カバレージ情報を出力します。

×

24

-DebugRange

-noDebugRange

デバッグ

添字,指標名の繰り返し回数について,次元ごとの範囲外チェックをします。

×

25

-TestCmd{,Full|,Break|,Sim}+

-noTestCmd

デバッグ

TDコマンド格納ファイルに出力する情報の種類を指定します。

×

26

-SimMainプログラム名

-noSimMain

デバッグ

主プログラムをシミュレーションします。

×

27

-SimSubプログラム名〔,…〕

-noSimSub

デバッグ

副プログラムをシミュレーションします。

×

28

-SimIdent

-noSimIdent

デバッグ

副プログラム(一意名CALL文)をシミュレーションします。

×

29

-StdCall

-noStdCall

リンク

stdcall呼び出し指示ファイルを有効にします。

×

30

-StdCallFile ファイル名

-noStdCallFile

リンク

stdcall呼び出し指示ファイル名を指定します。

×

31

-Lib,{GUI|CUI}

リンク

GUIモード/CUIモードのどちらの実行時ライブラリをリンクするかを指定します。

×

32

-Compile,{CheckOnly|NoLink}

-noCompile

リンク

コンパイルの処理範囲を指定します。

×

33

-DefFile ファイル名

-noDefFile

リンク

生成する.defファイル名を指定します。

×

34

-IconFile ファイル名

-noIconFile

リンク

アイコンファイル名を指定します。

×

35

-ResrcFile ファイル名

-noResrcFile

リンク

生成するリソース定義ファイル名を指定します。

×

36

-OutputFileファイル名

-noOutputFile

リンク

生成する実行可能ファイル名,またはDLLファイル名を指定します。

×

37

-Linkオプションの並び

-noLink

リンク

リンカに渡すオプションを指定します。

×

38

-DynamicLink,Call

-noDynamicLink

リンク

定数指定のCALL文実行に動的リンク機能を使用するときに指定します。

×

39

-ManifestFileExt

-noManifestFileExt

リンク

マニフェストファイルを実行可能ファイルやDLLに埋め込まず,外部マニフェストファイルとするときに指定します。

×

40

-StdMIA{,13|,14}+

-noStdMIA

規格

MIA仕様の範囲外チェックをします。

×

41

-Std85{,{High|Middle|Low}|,Obso|,Report}+

-noStd85

規格

JIS仕様をチェックします。

×

42

-Std2002{,OutRange|,Obso|,Archaic}+

-noStd2002

規格

COBOL2002規格仕様をチェックします。

×

43

-StdVersion,{1|2}

-noStdVersion

規格

第1次規格/第2次規格の解釈でコンパイルします。

44

-CompatiM7

-noCompatiM7

移行

MIOS7との互換機能を有効にします。

45

-CompatiV3

-noCompatiV3

移行

VOS3 COBOL85との互換機能を有効にします。

46

-Compati85{,IoStatus|,Linage|,Call|,Power|,Syntax|,IDParag|,RsvWord|,NoPropagate|,All}+

-noCompati85

移行

COBOL85互換機能を有効にします。指定されたオプションに対して,COBOL85と同等の動作を保証します。

47

-H8Switch

-noH8Switch

移行

HITAC8000シリーズの仕様でコンパイルします。

48

-Cblctr

-noCblctr

移行

CBL-CTR特殊レジスタを使用できるようにします。

49

-DigitsTrunc

-noDigitsTrunc

移行

転記文で上位けたを切り捨てます。

50

-IgnoreLCC

-noIgnoreLCC

移行

行送り制御文字を無視します。

51

-CmAster

-noCmAster

移行

1カラム目が「*」の行を注記行とします。

52

-CmDol

-noCmDol

移行

7カラム目が「$」の行を注記行とします。

53

-Comp5

-noComp5

移行

COMP-5を指定できるようにします。

54

-V3Spec〔,CopyEased〕

-noV3Spec

移行

VOS3 COBOL85に対するPC COBOL2002固有の構文をチェックします。

55

-V3ConvtName

-noV3ConvtName

移行

VOS3 COBOL85からのソースファイル互換のため,COPY文の原文名定数中の「¥」と「@」を変換します。

56

-Switch,{EBCDIC|EBCDIK}

〔,Unprintable〕

〔,noApplyJpnItem〕

-noSwitch

移行

字類条件を指定します。

57

-V3Rec,{Fixed|Variable}

-noV3Rec

移行

メインフレーム(VOS3)の固定長または可変長レコード形式のプログラムを,VOS3の日本語文字の扱いに合わせてコンパイルします。

58

-V3RecFCSpace

-noV3RecFCSpace

移行

空白に関する機能キャラクタの扱いをメインフレーム(VOS3)と同等にします。

59

-V3RecEased{,QuoteCheck|,WordCheck}+

-noV3RecEased

移行

-V3Recオプション指定時の仕様チェックを緩和します。

60

-DoubleQuote

-noDoubleQuote

移行

引用符(")を分離符と見なしてコンパイルします。

61

-BigEndian{,Bin|,Float}+

-noBigEndian

移行

2進データ項目または浮動小数点データ項目をビッグエンディアン形式で処理します。

62

-VOSCBL{,OccursKey|,ReportControl}+

-noVOSCBL

移行

メインフレーム互換機能を有効にします。

63

-PortabilityCheck{,Literal|,Numeric}+

-noPortabilityCheck

移行

移行向けチェック機能を有効にします。

64

-IgnoreAPPLY,FILESHARE

-noIgnoreAPPLY

移行

APPLY FILE-SHARE句を覚え書きと見なします。

65

-SrcList,{OutputAll|CopyAll|CopySup|NoCopy}〔,NoFalsePath〕〔,DataLoc〕

-noSrcList

リスト出力

コンパイルリストを出力します。

×

66

-ErrSup{,I|,W}+

-noErrSup

リスト出力

IレベルまたはWレベルエラーの出力を抑止します。

×

67

-Bin1Byte

-noBin1Byte

その他

1バイトの2進項目を有効にします(PICTURE句の指定で2けたまでは1バイトとして扱います)。

68

-JPN,{Alnum|V3JPN|V3JPNSpace}

-noJPN

その他

日本語項目の扱いを指定します。

69

-EquivRule,{NotExtend|NotAny|StdCode}

-noEquivRule

その他

文字の等価規則をどう変更するか指定します。

×

70

-UscoreStart

-noUscoreStart

その他

先頭がアンダスコアのCALL定数を指定できるようにします。

71

-BinExtend

-noBinExtend

その他

2進データ項目に指定できる初期値を拡張します。

72

-MinusZero

-noMinusZero

その他

10進項目で負の符号を持つゼロを正の符号を持つゼロに変換します。

73

-TruncCheck

-noTruncCheck

その他

転記でのデータ切り捨てをチェックします。

74

-LowerAsUpper

-noLowerAsUpper

その他

定数指定のCALLに指定された英小文字を英大文字に変換してプログラムを呼び出します。

75

-CBLVALUE

-noCBLVALUE

その他

環境変数CBLVALUEを有効にします。

76

-Repository,{Gen|Sup}

-noRepository

その他

リポジトリファイルの生成時,強制的に出力するか,更新しないかを指定します。

×

77

-RepositoryCheck

-noRepositoryCheck

その他

同じソースファイル中の翻訳単位の定義と外部リポジトリ中の情報に相違があるかどうかをチェックします。

78

-Define翻訳変数名〔=値〕〔,翻訳変数名〔=値〕...〕

-noDefine

その他

コンパイル時に有効となる,翻訳変数名とその値を定義します。

79

-Details

-noDetails

その他

コンパイラオプションの詳細情報を出力します。

×

80

-OldForm "旧オプションの並び"

その他

旧形式(COBOL85)のオプションを指定します。

81

-Help|-?

その他

ccbl2002コマンドのヘルプを出力します。

×

82

-UniObjGen

-noUniObjGen

その他

シフトJISのCOBOLソースからUnicodeのオブジェクトを生成します。

×

83

-UniEndian,{Little|Big}

-noUniEndian

その他

シフトJISで記述された日本語文字定数をUTF-16LE,またはUTF-16BEに変換します。

×

84

-MaxDigits38

その他

数字項目,数字編集項目,および数字定数に指定できる最大けた数を18けたから38けたに拡張します。

64bit版COBOL2002で使用できます。

85

-IntResult,DecFloat40

その他

算術演算の中間結果の表現形式を40けたの10進浮動小数点形式とします。

64bit版COBOL2002で使用できます。

86

-LiteralExtend,Alnum

-noLiteralExtend

その他

英数字定数と定数指定のプログラム名の長さを拡張します。

×

(凡例)

○:使用できます。

×:使用できません。