3.1.1 年号の追加
ユーザアプリケーションプログラムの動作に影響がないかを考慮する必要がある,標準サブルーチンの動作変更内容を次に示します。
(1) ユーザアプリケーションプログラムの動作に影響がないか考慮する内容
改元に伴い,変更になった設定情報を標準サブルーチンが取り込むことで,ユーザアプリケーションプログラムの動作に影響がないかを考慮する必要があります。
ユーザアプリケーションプログラムの動作に影響がないかを考慮する内容を次に示します。
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想定外の年号コードの扱いの変更
デフォルトとなる年号は改元後の最新年号に変更になります(想定外の年号コードに対し,最新年号コードと解釈する仕様に変わりはありません)。
例えば,最新年号の年号コード(数字)が'4'(平成)の場合,年号コード(数字)に'6'を設定すると,想定外の年号コードと判断され,年号コード(数字)に'4'(平成)が設定されたと解釈して処理されます。改元によって,最新年号の年号コード(数字)が'5'になった場合,想定外の年号コードを設定すると,年号コード(数字)に'5'が設定されたと解釈して処理されます。
そのため,改元時のシステム切替の際に注意が必要です。
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旧年号での和暦範囲の変更
過去の年号で許可していた日が禁止になります。
例えば,「平成」の場合,改元前は平成99年12月31日まで許可されていましたが,改元後は平成31年4月30日までとなります。
そのため,改元時のシステム切替の際に注意が必要です。
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リターンコードの追加・変更
新年号情報の追加に伴い,追加されるリターンコードがあります。
例えば,「平成」の次の年号を新年号情報として追加すると,リターンコード'LXRED041'が追加になり,新年号(年号コード(数字)が'5')の範囲外の年月日を入力した場合に,このリターンコードが設定されます。
また,新年号情報の追加に伴い,変更になるリターンコードがあります。
そのため,改元時のシステム切替の際に注意が必要です。
設定情報を変更することで影響を受ける標準サブルーチンについては,「3.3 設定情報を変更した場合に影響を受ける標準サブルーチンの一覧」および「3.4 設定情報を変更した場合に影響を受ける標準サブルーチン」を参照してください。
また,新年号情報に設定変更した場合に影響があるリターンコードについては,「3.5 新年号情報に設定変更した場合に影響があるリターンコード」を参照してください。
(2) カスタマイズ情報設定ファイルの設定情報(年号情報)を追加する際に考慮する内容
改元に伴い,カスタマイズ情報設定ファイルで,年号情報に新年号名を追加する必要があります。カスタマイズ情報設定ファイルの設定情報(年号情報)を追加する際に考慮する内容を次に示します。
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新年号名の追加
新年号名(漢字2文字)の16進表記を追加する必要があります。16進表記は,16進表示可能なコマンド(Windowsの場合はcertutilコマンドなど,UNIXの場合はodコマンドなど)で確認してください。
(例)Windowsの場合
certutil -encodehex 入力ファイル名 出力ファイル名
(例)UNIXの場合
od -x 入力ファイル名
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新年号コード(数字)の追加
「5」を追加する必要があります。今後さらに改元が起きた場合,最大で「7」まで追加できます。
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新年号コード(英字)の追加
新年号の漢字を英字表記にしたときに,慣例に従い先頭1文字など,重複しない英字1文字を追加する必要があります。
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新年号の開始西暦年月日の追加
新年号の開始年月日(西暦)を追加する必要があります。
例えば,「平成」の次の年号の場合,西暦2019年5月1日を追加する必要があります。
今後さらに改元が起きた場合,最新年号の開始西暦年月日を追加する必要があります。