1.3.1 辞書を利用したアプリケーション開発

<この項の構成>
(1) SEWB+/CONSTRUCTIONを使ったアプリケーション開発
(2) EURを使ったレポート設計

(1) SEWB+/CONSTRUCTIONを使ったアプリケーション開発

SEWB+/CONSTRUCTIONとは
SEWB+/CONSTRUCTIONは,C/Sシステムのアプリケーション開発を支援するツールです。特に,TPモニタやジョブ運用管理ツールなどを利用する大規模なC/Sシステム上で動作するサーバ側のプログラムおよびバッチシステムの開発に適しています。テンプレート,データ定義,プログラム定義の機能を使い,C/Sシステムのサーバプログラムと,クライアントプログラムに必要なサーバプログラムとのリンクのインタフェースを効率良く作成できます。
辞書の利用の流れ
次に,SEWB+/CONSTRUCTIONから辞書に登録した資源がどのように利用されるのかについて,おおまかに説明します。この流れを次の図に示します。

図1-6 辞書の利用の流れ(SEWB+/CONSTRUCTION)

[図データ]
  1. データ定義
    データ定義では,アプリケーションに使用するファイル,データベースおよびクライアントとサーバ間の通信のインタフェースを定義します。ここでは,辞書のレコード定義(最上位結合項目)やSEWB+/RECORD DEFINERで作成したレコード定義が利用されます。
  2. プログラム定義
    プログラム定義では,作成するアプリケーションに必要なデータ定義や,アプリケーション固有の処理を定義します。ここでは,テンプレートに記述された指示に従って,作成するアプリケーションに適した業務ルールの一覧が表示されます。その中から,プログラマが目的の業務ルールを選択することで,業務ルールが利用されます。
    注※
    テンプレートとは,ソースプログラムの生成時にアプリケーションの枠組みとなる処理構成を記述したものです。テンプレートは,実際にアプリケーション作成の作業を開始する前に,専任者(テンプレート作成者)によって作成されます。テンプレート記述言語と,開発に使用するプログラミング言語で記述されます。
  3. ソースプログラムの生成
    プログラム定義からソースプログラムが生成されるとき,データ定義で利用したデータ項目の情報と,プログラム定義で利用した業務ルールの情報が,ソースプログラム中に展開されます。
このようにして,辞書の情報は,ソースプログラムまで引き継がれ,データ中心の開発を実現できます。
SEWB+/CONSTRUCTIONを使ったアプリケーション開発の詳細は,マニュアル「SEWB+/CONSTRUCTION アプリケーション開発ガイド」を参照してください。

(2) EURを使ったレポート設計

EURとは
SEWB+/REPOSITORYと連携し,レポートの設計から印刷までを支援するツールです。EURでは,マウス操作を基本とした簡単な操作で,自由な形式のレポートを効率良く設計できます。設計時には,SEWB+/REPOSITORYの辞書のレコード定義(最上位結合項目)から,レポートの設計に必要なフィールド定義情報を自動的に生成して利用できます。また,SEWB+/CONSTRUCTIONで作成したアプリケーションとEURで作成したレポートの設計情報を組み合わせれば,効率良くレポート出力アプリケーションを作成できます。
SEWB+/REPOSITORYとの連携は,EURのバージョン04-01以降が前提となります。
辞書の利用の流れ
次に,EURから辞書に登録した資源がどのように利用されるのかについて,おおまかに説明します。この流れを次の図に示します。

図1-7 辞書の利用の流れ(EUR)

[図データ]
  1. フィールド定義情報の生成
    辞書のレコード定義(最上位結合項目)を選び,レポートの設計に必要なフィールド定義情報(データのけた数やデータ種別などの情報をいいます)を生成します。
  2. レポート設計
    生成されたフィールド定義情報を基に,けい線や印字位置などのレイアウトを編集してレポートを設計します。
辞書とSEWB+/CONSTRUCTIONで作成するアプリケーション,レポートの関係,レポートの設計手順などについては,「5. EURのレポート設計」を参照してください。