辞書と辞書の関連情報がどのようにインポートされるのかを説明します。
(a) インポートで回復されるエクスポート元の情報
エクスポート方法および辞書のインポート方法によって異なります。データ項目,業務ルール,データ項目間の関連,およびデータ項目と業務ルールの関連情報の回復方法を次に示します。
- 全体エクスポートした情報
挿入インポートでは,設定範囲内のすべての情報を基に追加します。
上書きインポートでは,設定範囲内のすべての情報を基に追加および置換します。
- 増分エクスポートした情報
挿入インポートでは,設定範囲内から増分として抽出された情報を基に追加します。
上書きインポートでは,設定範囲内から増分として抽出された情報を基に追加および置換します。
- 注1
- 追加とは,インポート先に同じ情報がない場合に追加することです。また,置換とは,インポート先に同じ情報があればその情報を置換することです。
- 注2
- データ項目および業務ルールの検査状態は,インポートしてもエクスポート元の情報は回復されません。
(b) インポート先の辞書フォルダ
インポート先のリポジトリに配布または複製の目的に対応した辞書フォルダがない場合には,次の規則で自動的に作成されます。
配布を目的にエクスポート元と同じ辞書フォルダへインポートする場合には,エクスポート元と同じ名称の辞書フォルダが自動的に作成されます。また,複製を目的に辞書フォルダを指定してインポートする場合には,インポート運用に設定した名称の辞書フォルダが自動的に作成されます。どちらの場合も作成された辞書フォルダには,エクスポート元の辞書フォルダと同じコメントが付けられます。
(c) エクスポート運用に設定していない辞書フォルダ資源のインポート
辞書と関連情報のエクスポート規則にあるように,運用に設定しなかった辞書フォルダの資源でも,結合およびデータ項目と業務ルールの関連を基にエクスポートされる場合があります。この資源がどのようにインポートされるのかを次に説明します。なお,どの場合もインポートされる資源が関連を持っていれば,その関連もインポートされます。
- 挿入インポートでの扱い
エクスポート元と同じ名称の辞書フォルダに資源が作成されます。ただし,この資源が継承関係の下位データ項目および構成項目で,上位データ項目がエクスポート元とは異なる辞書フォルダにある場合は,上位データ項目と同じ辞書フォルダに作成されます。エクスポート元と同じ名称の辞書フォルダがない場合は,その辞書フォルダが自動的に作成され,この中に構成項目が作成されます。
- 上書きインポートでの扱い
エクスポート元と同じ名称の辞書フォルダに資源が作成されます。すでにその辞書フォルダに資源がある場合は,エクスポート元と同じ名称の辞書フォルダに資源が移動し,置換されます。なお,エクスポート元と同じ名称の辞書フォルダがない場合は,その辞書フォルダが自動的に作成されます。
- 複製を目的に,辞書フォルダを指定してインポートした場合の扱い
指定外の辞書フォルダにあった資源については,新しい辞書フォルダが自動的に作成され,その中にインポートされます。この辞書フォルダには「エクスポート元の辞書フォルダ名-WORK」の名称が付けられます。
(d) 複製を目的とした,相互に関連する辞書フォルダのインポート
この場合の運用は2とおり考えられます。別の辞書フォルダのデータ項目同士が結合関係にある場合の例を次の図に示します。
図3-6 相互に関連する辞書フォルダのインポート
![[図データ]](figure/zu030600.gif)
- 相互に関連する辞書フォルダを同時に複製する
図は,辞書フォルダA,Bを同時に複製する場合の例です。辞書フォルダA,Bを同時にエクスポートします。そして,インポートではインポート先にそれぞれX,Yを指定しています。辞書フォルダの資源および相互の関連が,そのままインポート先に指定した辞書フォルダに複製されます。
- 相互に関連する辞書フォルダから,特定の辞書フォルダだけを複製する
図は,辞書フォルダA,Bを同時にエクスポートしていますが,インポートではAに対してだけインポート先にXを指定しています。この例のように,インポートで指定しなかった辞書フォルダに関連する資源がある場合には,辞書フォルダが自動的に作成され,その辞書フォルダとの関連と,関連する資源だけが複製されます。
(e) 辞書(データ項目,業務ルール)とドキュメント間の関連
辞書とドキュメントを複製の目的でインポートした場合には,辞書のデータ項目または業務ルールとドキュメント間の関連はインポートされません。
(f) 環境構築情報のインポート
インポート先の環境構築情報(辞書フォルダやデータ項目などの情報)の情報は,エクスポート元の環境構築情報に置換されます。
(g) インポートの中止
インポートを中止した場合,中止する前までの資源はインポート先に登録されているので,エクスポート元のリポジトリとインポート先のリポジトリで矛盾が生じてしまいます。インポート先のリポジトリを回復するためには,中止したインポートを再実行してインポートを完了させる必要があります。