1.1 辞書を共有資源とするデータ中心のシステム開発

SEWB+/REPOSITORYは,サーバでリポジトリを管理し,クライアントのSEWB+ツールやほかのアプリケーションと連携してシステム開発資源を蓄積したり,供給したりする役割を担います。リポジトリが管理するシステム開発資源は,システムの各工程で作成される情報である「ドキュメント」,データ項目と業務ルールを蓄積する「辞書」に大別されます。

データ中心アプローチの基盤となる辞書
データ中心アプローチとは,データを企業全体の重要な財産であると考え,共有資源として扱うシステム開発の方法論です。企業情報システムの基盤整備のために必要な方法論として提唱されてきました。データ中心アプローチを採用したシステム開発では,先にデータを共有資源として分析し,標準化します。データの基盤を整えたあと,システムやプログラムを設計,開発します。SEWB+/REPOSITORYの辞書は,このデータ中心アプローチの考え方に基づいて,データ中心のシステム開発を支援する機能を備えています。
システム開発での辞書の位置づけを次の図に示します。

図1-1 システム開発での辞書の位置づけ

[図データ]
システム開発の概要
システム開発の概要を次に説明します。
まず,システム開発に先立って,現行システム,長期的・全体的ニーズを基にした目標とするシステムなどを対象に,データ分析をします。このデータ分析で抽出,標準化したデータを辞書に登録して,システム開発の基盤を整備します。そのあと,辞書をシステム開発の共有資源として管理・運用していきます。
SEWB+/RECORD DEFINERを使ったレコード設計時や,SEWB+/CONSTRUCTIONまたはEURを使ったアプリケーション開発時に,辞書は共有資源として利用されます。
開発を終えたあとも,辞書は次のシステム開発に継続して利用されていきます。