15.1.3 リポジトリへの資源の反映

実機テストで不良が見付からなくなればシステムは完成です。完成したシステムは,次のバージョンの基盤となります。また,運用後の保守にも使用します。このため,各種資源を保管しておく必要があります。

システム完成後の資源の保管手順を次の図に示します。

図15-3 システム完成後の資源の保管手順

[図データ]

  1. 固定システムバージョンにしたバージョン1の開発生成物を,データ項目辞書も含めてエクスポートし,外部記憶媒体に保管する
  2. バージョン1の資源は,開発作業用リポジトリサーバ上でバージョン2の開発作業の基盤として利用する
  3. リリースしたバージョン1のシステムに障害が発生した場合,バージョン2の開発作業を進めている開発作業用リポジトリとは別に,保守作業用リポジトリサーバを用意する。そこにレプリカ配布で辞書をインポートし,保守作業を実施する

SEWB+では,ドキュメントのバージョン管理はしますが,辞書フォルダのバージョン管理はしません。このため,バージョン1の生成物を基盤にしてバージョン2の開発作業をする場合に,バージョン2の開発作業の中でデータ項目辞書に変更を加えると,同じデータ項目を参照しているバージョン1の開発生成物も影響を受けてしまいます。その場合,保守作業をしようとしたときに,同じ内容のプログラムを生成できないことがあります。

これを避けるには,バージョン1の開発生成物を,辞書を含めてエクスポートして保管します。保守作業が必要になったときには,バージョン2開発とは別のリポジトリサーバにインポートします。