SEWB+の導入検討から,実際にSEWB+を利用してのシステム開発までの流れを次の図に示します。ここでは,製品の機能理解から評価・改善,開発要員の教育まで,SEWB+の導入検討からシステム開発までの作業の流れを示します。なお,フロー中の番号は以降の説明と対応しています。
図1-2 SEWB+の導入の流れ
最初に,SEWB+全体の機能を把握してください。システムを開発する上で,SEWB+がサポートしている作業とそのための機能を理解するには,このマニュアルを一読されることをお勧めします。
SEWB+の開発環境製品は,複数の製品を統合したSEWB+ 基本開発環境セットとして提供しています。SEWB+ 基本開発環境セットは,SEWB+の開発支援製品であるSEWB+ 基本開発環境と,リポジトリの基盤となるObject Serverから構成されます。
SEWB+ 基本開発環境の製品の機能とシステム開発の流れについては,「1.4 システム開発の流れ」を参照してください。
SEWB+の開発対象APを次に示します。詳細は,「1.2 システム構成」を参照してください。
SEWB+は,システム開発の下流工程に当たるプログラム設計から作成までを支援するコンポーネント型CASEツールです。システムを構築する場合は,下流工程に加え,分析などの上流工程からテストまでを総合的に支援するツール群を整備する必要があります。開発するプロジェクトの特性に応じて,SEWB+が支援していない部分に対し,必要な支援ツールを検討してください。必要であれば,補完ツールの開発も検討してください。なお,ツールの検討の際には,「1.4 システム開発の流れ」,「2. システムの設計」および「3. DB設計・データ項目の取り込み」を参照してください。
SEWB+では,辞書をどのように活用するかがポイントになります。辞書にはシステムで使用するデータ項目と,データ項目特有の処理を部品化した業務ルールを登録できます。このため,辞書の利用によってデータ同士の整合性や,生産性および保守性を向上できます。ただし,システムに必要なデータ項目や業務ルールを抽出するには,ある程度の準備期間が必要です。辞書については,「2. システムの設計」および「4. 辞書の作成」を参照してください。
プロトタイプを稼働させたり,標準化をしたりするための試行環境を整備します。なお,開発環境と実行環境は異なる場合があります。試行環境整備の担当には,双方の環境を知っている人を割り当ててください。
効率が良いシステム開発には,標準化が必要です。主な標準化事項を次に示します。
基本的な処理方式を検討してください。処理方式を基に,SEWB+が提供しているテンプレートをカスタマイズしたり,部品化を検討したりします。主な検討事項を次に示します。
代表的な業務を抽出して,プロトタイプを開発し,次の評価をしてください。
開発手順,標準化の内容およびSEWB+が提供しているテンプレートや部品を総合的に評価して,不具合やさらに効率化をする事項があれば,その手段を決めます。
開発担当者向けの教育を実施します。この教育では,一般的なツールの機能説明ではなく,プロジェクト基準や手順を中心にします。プロトタイプ評価で開発したプロトタイプシステムなど,実際のプログラムを利用して,ツールを使いながら教育します。
導入から開発要員の教育までの作業と並行して,プロジェクトの体制を決めます。大規模なシステム開発の場合,標準化やプロジェクト管理体制を強化することが重要です。プロジェクトの体制の例を次の図に示します。
図1-3 SEWB+を適用したプロジェクトの体制の例