1.4 ワークフロー機能
Groupmaxのワークフロー機能は,BPR(Business Process Reengineering)の手段として,業務の改善による自動化と効率化を支援します。ワークフロー機能には,業務の流れを自動化するフロー制御機能と,業務の運用状況を解析する機能があります。また,業務の流れ(業務プロセス)をビジュアルに定義したり,業務状況を監視したりできます。
Groupmaxのワークフロー機能は,Workflow Server,対応する利用環境,及び各種ツールで実現できます。
- <この節の構成>
- (1) ワークフロー機能の特徴
- (2) ワークフロー機能の概要
(1) ワークフロー機能の特徴
Groupmaxのワークフロー機能では,電子文書や帳票の通達・回覧の流れを定型化することによって,業務全体の処理にかかる時間を大幅に短縮できます。ワークフロー機能の特徴を次に示します。
- スピーディな業務処理を実現する機能を豊富に用意
帳票の単純な遷移から,複数ユーザでの並行処理や択一処理まで,業務に沿った流れを柔軟に形成できます。また,業務の処理状態をモニタ画面で確認できます。さらに,次に示すような多彩な機能で,業務をスピードアップできます。
- 一連の案件の流れの中で,担当業務に合わせて,操作画面を部分的に表示できます。
- 多量の帳票を一覧表にして,その上で承認処理を行えます。
- 案件の想定外の流れにも臨機応変に対応
自分だけで決定できないような案件を任意のメンバに送って回答してもらう「相談機能」,誤記のある案件などを送付元に差し戻す「差し戻し機能」,不在時に代行者が処理するための「振り替え機能」など,想定外の案件の流れにも柔軟に対応できます。さらに,案件の送付先を,案件の実行時に新たに選択できるなど,様々な状況に臨機応変に対応します。
- 大規模システムにも対応
複数のサーバから構成されるシステムでも,これをユーザが意識しないで,一連の流れとして定義できます。また,Address Serverの管理単位であるアドレス管理ドメインを超える環境でも案件処理ができます。したがって,全社員がかかわる数万人規模の基幹業務もスムーズに処理できます。
- 業務プロセスをビジュアルに定義可能
業務プロセスは,業務処理(担当者)を表すアイコンを矢印で結び,簡単な定義づけをすることで定義できます。このため,導入時の開発から,業務変更や人事異動に伴うプロセスの変更まで,容易に行えます。
- シミュレータや業務分析支援での,問題点の素早い解決が可能
開発したプロセスを実際の業務に適用したら,予想外のボトルネックが発覚する場合があります。
Workflow SimulatorやWorkflow - Specialist Tools for WWWを使って,あらかじめ流れをシミュレーションしておくと,導入後に起こり得る状況について事前にチェックや対策ができます。したがって,実際の業務への適用をスムーズ行えます。
さらに,導入後に,業務処理の状況の採取や分析もできます。この採取や分析の結果は,業務改革の基礎データとして利用できます。
(2) ワークフロー機能の概要
ワークフローシステムを構成する様々な機能の概要を次に示します。なお,業務プロセスの定義は,オプションのWorkflow Definer又はWorkflow - Specialist Tools for WWWで定義できます。定義の概要や機能の詳細などについては,マニュアル「Groupmax Workflow Version 6 概説」を参照してください。
- 基本フロー制御機能
「制御ノード」と「処理ノード」の流れの定義にもとづいて,業務の流れが制御されます。「制御ノード」は,業務のプロセス制御の基本パターンである,待ち合わせ,分岐,分割,同報,回収,複写及び統合などです。「処理ノード」は,業務担当者が処理を実施します。
業務の流れは,Workflow Definer又はWorkflow - Specialist Tools for WWWを使ってビジュアルに定義できます。この業務プロセス定義は,アイコンで表示される「処理ノード」と「制御ノード」を,流れに従って矢印で結ぶことで行えます。
- 応用フロー制御機能
定義された業務プロセスに従って処理される案件に対し,ユーザが状況に応じて流れを変更したい場合があります。
ワークフロー機能では,相談,差し戻し,引戻し,振り替え及び代行の指定を,業務プロセスを定義しないで行えます。また,ユーザは,自分の処理した案件が,基本フロー制御と応用フロー制御によって処理されている状況を,クライアントの利用画面から確認できます。
- 送付された案件の属性や送付種別をビジュアルに表示する機能
ワークフロー案件として届いた業務については,処理状態が,未処理や処理中などの状況に合わせてビジュアルに表示されます。さらに,届いた案件が通常の遷移(基本フロー)によるものか,差し戻しや相談(応用フロー)などによるものかもビジュアルに表示されます。したがって,差し戻し案件を先に処理するなど,作業状況に応じた順に案件を扱えます。
また,処理した案件については,以降の処理状況を画面で表示できるので,業務の進行状況を容易に確認できます。
- 業務プロセス定義及び処理案件の管理機能
業務プロセス定義は,ワークフロー管理サーバに登録されることによって,各ワークフローサーバへ自動的に配布されます。各ワークフローサーバでは,登録された業務プロセス定義に従って,案件処理が実施されます。
また,処理中の案件について,システム管理者は,オプションのWorkflow MonitorやWorkflow - Specialist Tools for WWWを使って処理状況を確認できます。
これらによって,システム管理者は,ワークフローシステムをより容易に管理でき,運用状況の監視もできます。
- 統計情報取得機能
業務の履歴情報及び統計情報は,統計情報取得機能によって管理されます。これらの情報は,Workflow - Specialist Tools for WWWを使って解析できます。例えば,履歴情報からは,業務の処理にかかった時間や担当者などを把握できます。統計情報からは,処理した業務の時間及び件数の総合計などを把握できます。
これらの情報を定期的に解析することで,ワークフロー化した業務の運用状況と問題点を把握でき,ワークフロー業務の分析及び改善に役立てられます。
- セキュリティ機能
組織や職制に合った業務プロセスを実現できるため,人事情報などの企業秘密の文書も,高いセキュリティを保持して回覧できます。
- 他ワークフローシステムとの連携機能
ワークフロー案件の交換のための標準プロトコルであるWfMC Inteface 4 MIME Binding 1.1のサポートによって,Address Serverの「アドレス管理ドメイン」を分割して構築したワークフローサーバ間の業務プロセス連携機能を実現しています。
業務プロセス連携機能によって,企業間でインターネットを介して案件処理ができます(ただし,他社ワークフローシステムとの連携については別途接続の確認が必要です)。