1.3 文書管理機能
Groupmaxの文書管理機能は,電子化された文書を効率よく管理し,情報を有効に活用するためのドキュメント管理システムです。文書を検索しやすいように分類,整理して,電子化された情報を効率よく共有できます。
Groupmaxの文書管理機能は,Document Manager及び対応する利用環境で実現できます。
- <この節の構成>
- (1) 文書管理機能の特徴
- (2) 文書管理機能の概要
(1) 文書管理機能の特徴
業務ドキュメントには,情報資料作成,文章作成,検査・審査,配布,保存・廃棄というライフサイクルがあります。
Groupmaxの文書管理機能では,様々な文書利用の環境によって,すべての業務ドキュメントを管理できます。文書管理機能の特徴を次に示します。
- 効果的に情報共用するためのプラットフォームを提供
業務ドキュメントは,業務に密着した帳票から,日常的に作成される非定型の文書まで,様々な種類があります。
Groupmaxの文書管理機能には,これらのドキュメントを効率よく整理するフォルダのほか,論理的な観点からドキュメントを管理する「分類」及び「分類索引」があります。さらに,登録された文書の各種属性をもとにした検索機能もあり,作業に合った形でスピーディにドキュメントへアクセスできます。
また,文書のアクセス管理には,アドレス帳機能で管理される組織階層が適用されているので,人事異動による環境の変化にも対応できるなど,容易に運用できます。
- 全文検索による格納されている情報の素早い検索
文書管理システムで管理される膨大な情報から,必要な情報を素早く検索するために,Groupmaxは,日立高速全文検索システム「Bibliotheca2」と連携して全文検索機能を実現しています。したがって,Document Managerに格納された全ドキュメントを検索できます。全文検索機能は,「バイオリン」と「ヴァイオリン」のような日本語独自の表記の「ゆらぎ」に対応しているので,求める情報をスピーディに入手できます。
- 様々な形式のデータや定型帳票を管理
業務で扱う文書のデータ形式は,電子帳票のデータから市販のワープロや表計算ソフトのデータまで,多種多様にわたります。Groupmaxの文書管理機能では,これらの様々な形式のデータを簡単な操作で扱えます。
また,Form Clientの電子帳票をフォーマット別に格納できると共に,帳票の一覧表示で帳票内のデータを表示させることもでき,情報の分析に役立てられます。さらに,帳票に関連を持たせることで,電子会議へも適用できます。
- モバイル機能でいつでもどこでも可能な共有情報の利用
Integrated Desktopのモバイル機能を使うと,時間と場所に制限されないで,オフィス外でもスムーズに共有文書を利用できます。文書管理システムに登録されている文書を「作業中文書」フォルダに取り出すことによって,サーバに接続していない状態(オフライン状態)でも,文書の参照や更新ができます。
(2) 文書管理機能の概要
アプリケーションプログラムで作成したデータは,Document Managerで,文書として管理されます。この文書は,データファイルと共に,文書の作成日や作成者などの情報(属性)を合わせ,Document Managerデータベースに管理・格納されます。文書管理機能の概要を次に示します。
- 階層的に管理できるフォルダや分類などによる,一般文書の管理機能
様々なアプリケーションプログラムで作成したデータファイルは,一般文書として管理されます。一般文書は階層化できるフォルダで管理され,すべての一般文書は必ずフォルダに属します。また,登録される一般文書は,様々な形態でアクセスされるので,目的や利用者に合わせてインデックスを付けられます。このインデックスを「分類」又は「分類索引」と呼び,フォルダ同様に階層化できます。なお,一般文書では,統一された形式で文書を管理するための属性が一般文書データベースで管理され,登録する一般文書のひな形になります。
- 複数の観点から文書を検索する機能
一般文書は,一般的な利用状況に合わせてフォルダ,分類及び分類索引として階層的に管理されます。しかし,実際の業務では,当初想定した管理階層以外で登録した文書を利用する場合があります。
Document Managerでは,登録した文書について,登録フォルダ,分類,文書の属性など複数の条件で目的とする文書を検索できます。このとき,検索結果をもとに更に別の条件を設定した絞込検索や,検索の条件が複数ある場合のAND条件又はOR条件を指定することによって,柔軟に検索できます。
- 更新された文書を時系列にバージョン管理する機能
一般文書では,更新する前の文書と更新後の文書にバージョン(版)が付けられて管理されています。したがって,Document Managerデータベースでは,文書を更新しても,更新する前の文書も残されます。この更新する前の文書は,文書を誤って更新した場合の回復に利用できます。
- 複数サーバ間での文書の共用のための文書配布機能
一般文書は,あるサーバで管理している文書の複製を別のサーバに配布して,文書を複数のサーバ間で共用できます。このため,部署別にサーバを構築した場合でも,全社共用の文書や関連部署の文書については,これを必要なサーバに配布できます。
配布機能で扱う文書は配布元のサーバで管理されます。このとき,配布対象となる文書を「オリジナル文書」と呼び,配布されて配布先サーバに登録される文書を「配布文書」と呼びます。
配布先となったサーバでは,そのサーバに原本があるオリジナル文書と,他サーバから配布された配布文書をシームレスに利用できます。ただし,配布文書については,参照だけが可能です。
- 目的に応じて形式を持たせたフォーム文書の管理機能
目的に応じて形式を持たせた文書を,一般文書とは別に「フォーム文書」として管理できます。フォーム文書とは,Form Clientで作成した定形文書(フォーム)をもとにして作成したファイルに,Document Managerでの属性を追加した文書です。このフォーム文書は,目的に応じて作成する業務指向データベースである,フォーム文書データベースで管理されます。
フォーム文書の機能を次に示します。
- 目的に応じて定義した形式で一覧表示できます。一覧表示では,指定した項目をソートしたり,同じデータがある場合は重複を排除したりして表示できます。さらに,関連のある文書にインデントを付けて階層形式で表示することもできます。
- フォーム文書に対する意見や回答を作成して意見を交換する,電子会議を開催できます。
- フォーム文書データベースに登録されているフォーム文書から,特定のデータを集計して表示できます。
- ユーザへの環境提供
管理する文書について,編集状態や改変の可否をビジュアルに表示したり,登録文書の作成者や作成・更新日などを一覧表示したりすることができます。このため,文書を容易に扱えます。
また,WWWブラウザから利用する場合の,ゲストログイン機能があります。これによって,Groupmaxへの個人でのログイン権限を持たないユーザでも,登録済みの文書を参照できます。
- 利用状況取得機能
ユーザのログイン状態や登録済みの一般文書の利用状況を,アクセスログとして管理しています。これらの情報は,Excelなどの表計算ソフトを使って解析できます。例えば,ログイン状況や一般文書の登録・参照状況を把握できます。アクセスログは,文書管理システムに必要なシステム構成を,利用状況に合わせて改善するための参考情報として利用できます。
- アクセス権の設定による文書管理機能
文書を共有化すると,文書を公開する範囲を決めたり,参照できるユーザを限定したりする必要があります。Groupmaxの文書管理機能では,きめ細かい機密保護を設定できます。
- 文書の圧縮機能
登録する一般文書は,サーバで圧縮して管理できます。圧縮することで,一般文書を格納するためのディスク容量を節約できます。また,文書配布機能で配布する一般文書が圧縮してあれば,ファイルの転送時間を短縮できます。