3.2.2 アドレスデータの扱い

アドレス帳が管理するユーザ情報は,様々な内容から構成されています。ユーザ情報の中で,特にユーザIDやパスワードなど,ユーザ認証に必要な情報を「認証情報」と呼びます。

一つのAddress Serverで管理される範囲(アドレス管理ドメインの範囲)では,「マスタ管理サーバ」となるAddress Serverから各Address Serverへユーザ情報のレプリカが配布されます。ただし,ユーザ情報内の認証情報はすべてのAddress Serverへはレプリカとして配布されず,どれか一つのAddress Serverだけが保持します。

認証情報を含んだユーザ情報のレプリカを,どのAddress Serverで保持するかは,そのユーザがどのサーバプログラムをよく使用するかによって決まります。例えば,あるユーザの使用するサーバプログラムが,1台のサーバマシンにまとまって存在する場合は,そのサーバマシンのAddress Serverに認証情報を含んだユーザ情報を保持するのが一般的です。また,使用するサーバプログラムが複数台のサーバマシンに分かれて存在する場合は,最も使用されているサーバマシンのAddress Serverに,認証情報を含んだユーザ情報を保持するのが一般的です。なお,認証情報を保持したAddress Serverのことを,そのユーザにとっての「ホームサーバ」と呼びます。

アドレスデータの流れを図3-5に示します。

図3-5 アドレスデータの流れ

[図データ]

補足説明
各クライアントプログラムは,自分のホームサーバとだけ接続します。したがって,クライアントプログラムの環境設定にある「Address Serverの設定」では,ホームサーバであるマシンのIPアドレス又はホスト名を指定すると,各クライアントプログラムとAddress Serverを効率よく接続できます。また,このように設定されていない場合でも,各クライアントプログラムはAddress Serverからの情報をもとに,そのユーザのホームサーバへ接続を切り替えます。クライアントプログラムを操作するユーザがサーバの違いを意識する必要はありません。