3.2.3 個人メールデータの扱い

個人メールの機能が扱う各ユーザのメール情報を格納するエリアは「メールボックス」と呼ばれ,各ユーザのホームサーバがあるサーバマシンにあります。メールボックスには,送信情報と受信情報が格納されます。受信情報はINBOXの内容として,送信情報は送信ログの内容として,クライアントプログラムから参照できる情報です。

メールが送信されるときのデータの流れは,次のとおりです。

  1. メールのデータが,送信元ユーザの送信情報として格納される。
    データは,格納されたタイミングでMail Serverに検知されます。
  2. Mail Serverの機能で,送付先ユーザのホームサーバがあるサーバマシンにデータがコピーされる。
    データは,送付先ユーザの受信情報として格納されます。

個人メールデータの流れを図3-6に示します。

図3-6 個人メールデータの流れ

[図データ]

図3-6のとおり,メール発信者の送信情報と,メール受信者の受信情報は別のデータとして扱われているため,メール発信者の送信ログを削除しても,メール受信者のINBOXにはそのメールが残ります。

補足説明
  • 組織メールの機能では,共用のメールボックスを使用します。共用のメールボックスが,個人のメールボックスとは別のサーバマシンにある場合でも,Mail Serverが目的のメールボックスがあるサーバマシンを探して,自動的にメールを送受信します。クライアントプログラムを操作するユーザが,サーバの違いを意識する必要はありません。
  • 共用のメールボックスの所在は,個人のメールボックスの所在とは関係ないため,Mail Serverは組織メールでのログイン数と個人メールでのログイン数を別に計算します。したがって,すべてのユーザが個人メールと組織メールを常に同時に使用する場合は,ユーザの人数の2倍のログイン数を確保する必要があります。ただし,このような運用をする場合も,ライセンスはユーザの人数分だけです。
  • POP3,IMAP4対応クライアントを使用する場合,POP3,IMAP4対応クライアントから送信されたメールは送信ログに格納されません。