3.2.6 ワークフローの案件データの扱い

ワークフローでは,「ビジネスプロセス」と呼ばれるデータで業務の流れを定義しています。ワークフローが扱う案件データとは,このビジネスプロセスを基に生成されるデータです。

ビジネスプロセスは,業務の流れに変更が発生すると,これに合わせて改訂し,新しいバージョンのビジネスプロセスとして登録することになります。この場合,投入済みの案件は,旧バージョンのビジネスプロセスで処理されます。なお,ビジネスプロセスは,同じ業務について複数のバージョンをサーバ上で管理できます。

ユーザからは,未処理の案件はINBOXで,処理済みの案件の遷移状態は送信ログで参照できます。案件データは,ユーザごとに存在するトレーをビジネスプロセスで定義された流れに従って遷移します。

案件の遷移は,一つのサーバマシン内のWorkflow Serverで移動する場合と,別のサーバマシンのWorkflow Serverへ移動する場合に分けられます。前者の場合,案件データはWorkflow Serverで管理され,案件の遷移は案件データとユーザトレーの対応情報を操作することで処理されます。後者の場合,案件データはメールデータに編集されて送信されます。受信側サーバでは,メールデータは案件データとして再構成され,遷移先のユーザトレーとの対応情報が作成されることによって案件の遷移が処理されます。なお,後者の場合はWorkflow Multi - Server及びMail Serverが必要です。

ワークフロー案件データの流れを図3-9に示します。

図3-9 ワークフロー案件データの流れ

[図データ]

補足説明
クライアントからIntegrated DesktopのWorkflow帳票棚や,Form Clientの「@案件投入」コマンドを利用してビジネスプロセスを指定して案件を投入する場合,該当するビジネスプロセスに複数のバージョンが存在すると,運用中の最新バージョンのビジネスプロセスが自動的に適用されます。
なお,投入できる最新バージョンのビジネスプロセスを基に案件を処理するため,特定のビジネスプロセスを完全に停止させたい場合は,すべてのバージョンのビジネスプロセスを投入禁止,又は削除する必要があります。
注意事項
Groupmax Integrated Desktop Version2.0で業務指向主画面のアイコンとしてWorkflow帳票棚のビジネスプロセスを登録した場合,そのアイコンからの案件を投入するには,登録した時点のバージョンのビジネスプロセスが必要です。したがって,古いバージョンのビジネスプロセスを削除する場合, Groupmax Integrated Desktop Version2.0のクライアント環境がないことを確認しておく必要があります。
また,上書きインストールや配布機能によってGroupmax Integrated Desktop Version 6の環境にGroupmax Integrated Desktop Version2.0で作成されたアイコンが残っている場合も,上記の場合と同様に,登録した時点のバージョンのビジネスプロセスが必要になります。古いバージョンのビジネスプロセスを削除する場合には, そのビジネスプロセスを基にGroupmax Integrated Desktop Version2.0で作成したアイコンを,Groupmax Integrated Desktop Version 6上で再登録する必要があります。