3.1.2 Windows NT/2000版サーバライブラリ

<この項の構成>
(1) アプリケーションプログラムの開発手順
(2) 通信環境の設定
(3) 作業ディレクトリの設定

(1) アプリケーションプログラムの開発手順

Windows NT/2000版サーバライブラリは,アプリケーションプログラムの構築環境としてVisual C++を使用できます。

Windows NT/2000版サーバライブラリは,Visual C++ Version 5.0サービスパック2で作成されています。Visual C++を使用してアプリケーションプログラムを作成する場合は,Visual C++ Version 6.0,Visual Studio 2010,又はVisual Studio 2013を使用してアプリケーションプログラムを作成してください。

Visual C++を使用した場合の開発手順を説明します。

(a) Visual C++ Version 6.0,Visual Studio 2010,及びVisual Studio 2013を使用した場合
(b) その他のC/C++コンパイラを使用する場合

その他のC/C++コンパイラを使用する場合も,上記に準じた設定で使用してください。

(2) 通信環境の設定

(a) TCP/IPの組み込み

Workflowでは,ネットワーク環境にTCP/IPを使用しています。TCP/IPの組み込みについては,Windows NT/2000のマニュアルのネットワークサービスのセットアップに関する記述を参照してください。

(b) サーバのIPアドレスの登録

ログイン関数でIPアドレスを指定せずにサーバ名を指定する場合,HOSTSファイル又はDNS(Domain Name System)のデータベースに,ワークフローサーバのIPアドレスを設定します。HOSTSファイルには,サーバのIPアドレスを次の形式で追加してください。

(c) サービス名の登録

Workflowで使用するポート番号,又はサービス名を設定する必要があります。

サービス名はSERVICESファイルに設定する必要があります。SERVICESファイルは,Windows NT/2000システムディレクトリ下の次に示すパスにあります。

SYSTEM32¥DRIVERS¥ETC¥SERVICES

Workflowで使用するサービス名の定義を次の形式で,SERVICESファイルに追加してください。

  1. Workflow Serverの複数サービス機能を使用しない場合のSERVICESファイルの設定方法
    • 形式
      サービス名 ポート番号/プロトコル名
    • オペランド
      サービス名
      Workflowのサービス名は,「workflow」と記述します。
      ポート番号
      Workflowのポート番号は,「40076」と記述します。
      プロトコル名
      「tcp」と記述します。
    • 記述例

    workflow       40076/tcp

  2. Workflow Serverの複数サービス機能を使用する場合
    SERVICESファイルの設定方法を次に示します。
    • 形式
      サービス名 ポート番号/プロトコル名
    • オペランド
      サービス名
      環境変数「GMAXWFSERVICE」に指定するサービス名を記述します。
      サービス名は31バイト以内の文字列で指定してください。
      ポート番号
      接続するWorkflow Serverのセットアップ時に設定したポート番号を記述します。ポート番号はWorkflow以外が使用するポート番号と重ならないように設定してください。
      プロトコル名
      「tcp」と記述します。
    • 記述例

    workflow       40076/tcp
    workflow2      40077/tcp

Workflow Serverの複数サービス機能を使用している場合,SERVICESファイルにそれぞれのWorkflow Serverが使用するサービス名とポート番号を指定してください。ログイン関数を発行する前に環境変数「GMAXWFSERVICE」でサービス名を指定してください。アプリケーションプログラムで環境変数にサービス名を指定する場合は_putenv関数を使用してください。コーディング例を以下に示します。

(例) _putenv( "GMAXWFSERVICE=workflow2");

なお,環境変数「GMAXWFSERVICE」の設定がない又は,環境変数に値が指定されていない場合,サービス名「workflow」で指定されたポート番号を使用してWorkflow Serverにログインします。また,Workflow Serverに接続中は環境変数「GMAXWFSERVICE」の設定値を変更しないでください。

(3) 作業ディレクトリの設定

作業ディレクトリとはサーバライブラリが利用する一時ファイルの格納先のディレクトリのことです。作業ディレクトリはサーバライブラリを使用するアプリケーションプログラムごとに異なるディレクトリを指定する必要があります。

作業ディレクトリは環境変数「GMAXWFTMP」で指定します。作業ディレクトリは次のディレクトリを指定してください。

  1. ドライブ名を含むフルパス名称で指定してください。

    例 "C:¥temp","D:¥Win32App¥Hitachi¥Groupmax¥Flowmate¥tmp"

  2. ディレクトリ名称は128バイト以内の文字列で指定してください。
  3. 指定するディレクトリはあらかじめ作成してください。指定されたディレクトリが存在しない場合,ログイン関数はエラーリターンします。
  4. 読み込み,書き込み,および,実行権限のあるディレクトリを指定してください。
    アプリケーションプログラムで環境変数に作業ディレクトリ名を指定する場合は_putenv関数を使用してください。コーディング例を以下に示します。

    (例) _putenv( "GMAXWFTMP=c:¥¥temp");

    作業ディレクトリは必ずドライブ名を含むフルパスで指定してください。また,作業ディレクトリには読み込み,書き込みおよび,実行権限が必要です。
    なお,環境変数「GMAXWFTMP」の設定がない又は,環境変数に値が指定されていない場合,次のディレクトリを作業ディレクトリとして使用します。
(a) ワークフローサーバがインストールされている場合

ワークフローサーバのインストールディレクトリ¥Flowmate¥WFexport

デフォルトのインストールディレクトリはc:¥Win32app¥Hitachi¥Groupmaxです。
(b) ワークフローサーバがインストールされていない場合

サーバライブラリのインストールディレクトリ¥tmp

デフォルトのインストールディレクトリはc:¥Win32app¥Hitachi¥Groupmaxです。