表計算ソフトウェアを利用すると,ワークフローログレコードについて,より詳細な分析ができます。
ここでは,Excelを使用して,稼働状況解析結果を利用する方法について説明します。
(a) ファイルの拡張子の変更
稼働状況解析結果ファイルの形式は,ExcelのCSVファイル形式に準拠しています。Excelで利用する準備として,次の操作を実行します。
- 稼働状況解析結果ファイルのファイル拡張子をCSV(*.csv)にする
(b) Excelでのファイルの読み込み
次に示す操作で,稼働状況解析結果ファイルをExcelで読むことができます。
- Excelを起動する
- [ファイル]-[開く]を選択する
- [ファイルを開く]ダイアログボックスのファイルの種類で,[テキストファイル(*.prn;*.txt;*.csv)]を選択して,稼働状況解析結果ファイルを読み込む
- Excelの機能を使用して表計算,グラフ表示などを実行する
ここでは,ワークフローログレコードから業務を改善する上で有効な,各種情報を生成する例について示します。
ワークフローログレコードの編集には,表計算ソフトウェアなどを使用します。
次に示す説明内の[ ]は,ワークフローログレコード中の項目名を示します。
(a) ノードに関する情報
- 案件のノード滞留時間(案件がノードに送付されてから次のノードに送付されるまでの時間)
- ノードNでの案件のノード滞留時間
- =([ノード名2]の値がノードNであるmove_root_caseの[取得時刻]の値-[時刻]の値)
- ノード滞留案件数(ある特定時刻にノードに滞留していた案件数)
- 時刻T1からT2の間にノードNへ送付した案件数
- =([ノード名1]の値がノードNで,[時刻]の値がT1からT2の間であるmove_root_caseの総数)
- 時刻T1からT2の間にノードNから送付した案件数
- =([ノード名2]の値がノードNで,[時刻]の値がT1からT2の間であるmove_root_caseの総数)
したがって,時刻TでのノードNのノード滞留案件数は,T1をそのビジネスプロセス定義が運用を開始した時刻とすると,次のように求められます。
- 時刻TでのノードNのノード滞留案件数
- =([ノード名1]の値がノードNで,[時刻]の値がT1からTの間であるmove_root_caseの総数)-([ノード名2]の値がノードNで,[時刻]の値がT1からTの間であるmove_root_caseの総数)
- 注
- 案件のエラートレーへの配布及びキャンセルによる案件の送付中止時には,ノード滞留案件数が不正確となりますので注意してください。
- ノード内処理ユーザ数(ある期間にあるノードで案件を処理したユーザの数)
- 時刻T1からT2の間にノードNで案件を処理したユーザ数
- =([ノード名1]の値がノードNであるgo_root_caseの[ユーザ名1]の値の総数)
- 注
- 上記は,時刻T1からT2の間に,ノードNで案件の処理を完了したユーザ数です。その時刻にノードNで案件を処理していても,処理が完了していないユーザは含まれません。
(b) ユーザに関する情報
- 案件のユーザ滞留時間(案件がユーザに配布されてから処理が完了するまでの所要時間)
- 案件がユーザUに配布されてから処理が完了するまでの所要時間
- =([ユーザ名1]の値がユーザUであるgo_root_caseの[取得時刻]の値-[時刻]の値)
- 注
- ロールトレーからの案件の取り出し,ユーザトレーからユーザトレーへの振り替え,ユーザトレーからロールトレーへの案件の移動及び案件の相談をした場合,その間の時間も含まれるので,実際の滞留時間よりも大きな値になります。
- ユーザ滞留案件数(ある特定時刻にユーザに滞留していた案件数)
- 時刻T1からT2の間にユーザUへ配布した案件数
- =([ユーザ名1]の値がユーザUで,[時刻]の値がT1からT2の間であるmove_root_caseの総数)
- 時刻T1からT2の間にユーザUが処理を完了した案件数
- =([ユーザ名1]の値がユーザUで,[時刻]の値がT1からT2の間であるgo_root_caseの総数)
したがって,時刻TでのユーザUのユーザ滞留案件数は,T1をそのユーザが運用を開始した時刻とすると,次のように求められます。
- 時刻TでのユーザUのユーザ滞留案件数
- =([ユーザ名1]の値がユーザUで,[時刻]の値がT1からTの間であるmove_root_caseの総数)-([ユーザ名1]の値がユーザUで,[時刻]の値がT1からTの間であるgo_root_caseの総数)
- 注
- ロールトレーからの案件の取り出し,ユーザトレーからユーザトレーへの振り替え,ユーザトレーからロールトレーへの案件の移動及びキャンセルによる案件の送付の中止をした場合,ユーザ滞留案件数として加算されない場合があります。
(c) ワークに関する情報
- ワーク処理時間(ワークを生成してからワークが終了するまでの所要時間)
- ワーク処理時間
- =end_of_workの[取得時刻]の値-[時刻]の値