ここでは,稼働状況解析ユティリティを使用したログ編集機能について説明します。稼働状況解析ユティリティについては,「5.1 以前のバージョンとの互換のための環境設定」を参照してください。
ログ編集機能を使用すると,業務結果の各種視点からの分析や統計情報の取得などに有効な,ワークフローログレコードを作成できます。
ワークフローログレコードは,アンロードジャーナルファイルとビジネスプロセス定義情報ファイルを基に,ログ編集機能で作成します。
このワークフローログレコードを表計算ソフトなどで利用すると,ノードごとの案件の滞留時間,特定時間のノードごとの処理案件数などの統計を取得できます。
ワークフローログレコードの形式の詳細は,「付録C.3 ワークフローログレコードファイルのデータ形式」を参照してください。
ワークフローログレコードの一覧を表B-2に示します。
表B-2 ワークフローログレコードの一覧
ワークフローログの種類 | 内容 |
---|---|
begin_work | ワークの生成に関する情報 |
move_root_case | ノード間の案件の遷移に関する情報 |
send_consult_case | 相談に関する情報 |
go_root_case | 案件の遷移要求に関する情報 |
suspend_root_case | 案件の一時停止に関する情報 |
suspend_work | ワーク単位での案件の一時停止に関する情報 |
ready_root_case | 案件の再開始に関する情報 |
ready_work | ワーク単位での案件の再開始に関する情報 |
put_root_case | 案件の投入に関する情報 |
cancel_work | ワークのキャンセルに関する情報 |
role_to_user | ロールトレーからユーザトレーへの案件の移動に関する情報 |
send_answer_case | 相談の回答に関する情報 |
api_msg | ユーザが出力したログデータに関する情報 |
send_back_root_case | 案件の差し戻し要求に関する情報 |
take_back_root_case | 案件の引き戻し要求に関する情報 |
end_of_root_case | 案件の遷移終了に関する情報 |
end_of_work | ワークの終了に関する情報 |
put_case_from_BP | 他のビジネスプロセスからの案件の投入に関する情報 |
send_back_to_BP | 他のビジネスプロセスへの案件の差し戻しに関する情報 |
ワークフローログレコードファイルのディスク容量は,アンロードジャーナルファイルの容量に比例します。
このため,大容量のアンロードジャーナルファイルを編集する場合,ディスクの容量不足とならないように,ワークフローログレコードファイルのディスク容量を見積もる必要があります。
ワークフローログレコードファイルのディスク容量は,次の概算式を参考にして見積もってください。
ログ編集機能では,編集したいワークフローログレコード種別を選択できます。
あらかじめ稼働状況の分析に必要なワークフローログレコード種別が限定できる場合,編集するワークフローログレコード種別を選択すると,実行時間を短縮し,ディスク容量を節約できます。
ワークフローログレコードファイルは,ログ編集機能実行時に出力されます。
デフォルトの出力先は,%WFdir%¥analyst¥runtime.lgです。「%WFdir%」はWorkflowインストール先ディレクトリ,「analyst」は稼働状況解析ユティリティ作業ディレクトリを示します。稼働状況解析ユティリティ作業ディレクトリのパス名は,環境設定ユティリティの[稼働状況解析ユティリティ作業ディレクトリ名]で確認できます。
ログ編集機能実行後は,ワークフローログレコードファイルを別ディレクトリ下に移動してください。上書きによって編集結果が紛失することを防ぐため,ワークフローログレコードファイルが存在する場合はログ編集機能を実行できません。
ログ編集機能は,システムリソース(メモリ,ディスクなど)に負荷をかけるため,Workflowシステムを終了してから実行するか,Workflowシステムが稼働しているサーバマシンとは別のサーバマシンでの実行をお勧めします。
Workflowシステムが稼働しているサーバマシンとは別のサーバマシンでログ編集機能を実行する場合,次の条件を確認してください。
別サーバマシンでログ編集機能を実行する方法を,図B-3に示します。
図B-3 別サーバマシンでのログ編集機能の実行