付録B.5 稼働実績の集計

ここでは,Workflowの稼働状況解析ユティリティを使用した,稼働実績の集計について説明します。稼働状況解析ユティリティについては,「5.1 以前のバージョンとの互換のための環境設定」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 稼働実績集計機能の概要
(2) 集計期間の指定
(3) 集計対象のアンロードジャーナルファイル
(4) 稼働実績集計結果のマージ
(5) 稼働実績集計機能の別サーバマシンでの実行

(1) 稼働実績集計機能の概要

稼働実績集計機能を使用すると,ユーザの稼働実績とビジネスプロセスの稼働実績を集計できます。

ユーザの稼働実績の集計結果として,ビジネスプロセス上でユーザが処理した案件数,案件の平均の滞留時間(ユーザトレーに配布されてから処理を完了するまでの時間)などが取得できます。

ビジネスプロセスの稼働実績の集計結果として,ビジネスプロセスで生成及び終了したワーク数,ワークの平均の処理時間などが取得できます。

稼働実績の出力項目を,表B-3に示します。

表B-3 稼働実績の出力項目

稼働実績出力項目
ユーザの稼働実績
ユーザ実績ファイル
集計開始日付
集計開始時刻
集計終了日付
集計終了時刻
ユーザID
ノード名
ビジネスプロセス定義名
ビジネスプロセス定義バージョン番号
処理案件数
相談案件数
回答案件数
平均滞留日数
平均滞留時間
ビジネスプロセスの稼働実績
ビジネスプロセス実績ファイル
運用開始日付
運用開始時刻
運用終了日付
運用終了時刻
ビジネスプロセス定義名
ビジネスプロセス定義のバージョン番号
生成ワーク数
終了ワーク数
ワーク平均処理日数
ワーク平均処理時間

Workflowの稼働実績は,アンロードジャーナルファイルとビジネスプロセス定義情報ファイルを基に,稼働状況解析ユティリティで集計します。稼働状況解析ユティリティの稼働実績集計機能を実行すると,稼働実績の集計結果を次に示すファイルに出力します。

文中の「%WFdir%」はWorkflowインストール先ディレクトリ,「analyst」は稼働状況解析ユティリティ作業ディレクトリを示します。稼働状況解析ユティリティ作業ディレクトリのパス名は,環境設定ユティリティの[稼働状況解析ユティリティ作業ディレクトリ名]で確認できます。

稼働実績集計機能実行時には,ユーザ実績及びビジネスプロセス実績の中から,集計対象を指定できます。

稼働実績集計機能実行後は,ユーザ実績ファイル及びビジネスプロセス実績ファイルを別ディレクトリ下に移動してください。上書きによって集計結果が紛失することを防ぐため,稼働状況解析ユティリティ作業ディレクトリ下にこれらのファイルが存在する場合は稼働実績集計機能を実行できません。

(2) 集計期間の指定

稼働実績の集計期間は,次の集計期間の中から選択します。

稼働実績集計機能の操作方法については,「5.1 以前のバージョンとの互換のための環境設定」を参照してください。

(3) 集計対象のアンロードジャーナルファイル

稼働実績集計機能で,アンロードジャーナルファイルを複数指定したり,指定したアンロードジャーナルファイルの容量が大きかったりすると,メモリ不足で実行できないことがあります。

このようなことを防止するため,ユーザジャーナルをアンロードする間隔を見積もる必要があります。一度に集計するアンロードジャーナルファイルの容量を少なくして,稼働実績集計機能を実行した後,集計結果をマージすることで,メモリ不足が発生しないようにできます。

ユーザジャーナルをアンロードする間隔についての概算式を,次に示します。

[図データ]

MS
稼働実績集計機能で使用できる仮想メモリ(メガバイト)
U
集計対象のユーザ数
t
稼働実績集計機能で指定された1日当たりの集計区間数
bp
集計対象のビジネスプロセス定義数

(4) 稼働実績集計結果のマージ

稼働実績集計機能で出力した稼働実績集計結果のマージ方法を,図B-4に示します。

図B-4 稼働実績集計機能で出力した稼働実績集計結果のマージ方法

[図データ]

(5) 稼働実績集計機能の別サーバマシンでの実行

稼働実績集計機能は,Workflowシステムが稼働しているサーバマシンとは別のサーバマシンで実行できます。Workflowシステムが稼働しているサーバマシンに負荷をかけないようにするには,別のサーバマシンで実行してください。実行の手順については,「付録B.4(5) ログ編集機能の別サーバマシンでの実行」を参照してください。