4.2.5 ワーク削除ユティリティ
ワーク削除ユティリティは,ワークを削除するためのユティリティです。シンクノードに到達して終了したワークと,キャンセルされたワークのうち,保存日数を経過したワークをワークフローデータベースから削除します。
ワーク削除ユティリティを実行すると,ワークの案件(ケース,文書及びメモ)と同時に,削除したワークの履歴情報も削除されます。履歴情報を保存する場合は,ワーク削除ユティリティを実行する前にワークフローログ出力ユティリティを使用して履歴情報を取得してください。
ワーク削除ユティリティを実行できるのは,Administratorsグループ(ローカルログオン時)又はDomain Adminsグループ(ドメインログオン時)のユーザだけです。ワーク削除ユティリティの操作については,「3.3.6 終了ワークの削除」を参照してください。
ワーク削除ユティリティは,Windows NTのコマンドプロンプトでWFdelwkコマンドを使用するか,[ワーク削除ユティリティ]ダイアログボックスを使用して実行します。それぞれの操作方法について次に示します。
- <この項の構成>
- (1) WFdelwkコマンド
- (2) ワーク削除ユティリティダイアログボックス
- (3) ワーク削除ユティリティの終了コード
(1) WFdelwkコマンド
コマンドの形式を次に示します。
WFdelwk
[-y]
[-d 保存日数]
[-b 削除対象ビジネスプロセス定義名
[-v 削除対象ビジネスプロセス定義バージョン]]
[-j {put|noput[-c {yes|no}]}]
- -y
終了コードをJP1/Automatic Job Schedulerに対応できる値に変換します。このオプションを指定すると,JP1/Automatic Job Schedulerからワーク削除ユティリティを実行できます。
このオプションと他のオプションを同時に指定する場合は,このオプションを最初に指定してください。最初に指定しない場合,オプションエラーなどの解析エラー時には,JP1/Automatic Job Schedulerに対応できる終了コードに変換されません。
このオプションを正しく指定しないと,不正な値が返される場合があるので注意してください。
このオプションを指定した場合と指定しない場合の,変換後の終了コードについては,「4.2.5(3) ワーク削除ユティリティの終了コード」を参照してください。
- -d 保存日数
終了又はキャンセルしたワークの中で,このオプションで設定した日数が経過したワークを削除します。日単位で,0から1000までの整数値を設定します。0を設定した場合は,その時点で終了又はキャンセルされているワークを削除します。
省略した場合は,ビジネスプロセスで定義した値,又は環境設定ユティリティのワーク保存期間で指定した値が有効になります(ビジネスプロセス定義で指定した値が優先されます)。
- -b 削除対象ビジネスプロセス定義名
削除するワークが属するビジネスプロセス名を設定します。1バイトから63バイトまでの文字列で設定します。
- -v 削除対象ビジネスプロセス定義バージョン
-bオプションで設定したビジネスプロセス定義のバージョンを設定します。1バイトから10バイトまでの文字列で設定します。設定できるバージョン番号は,1から4294967295までです。
設定しない場合は,-bオプションで設定したビジネスプロセス定義の,すべてのバージョンから生成されたワークが削除されます。
- -j {put|noput}
ワークを削除したときにシステムジャーナルを取得するかどうかを設定します。デフォルトはputです。
このオプションは,データベースにGroupmax High-end Object Serverを使用しているときだけ有効です。
システムジャーナルとは,処理が異常終了したときのためにGroupmax High-end Object Serverが取得する,元の状態に戻すための情報です。システムジャーナルを取得しないと,情報を保存するためのディスク容量が節約できるのでWorkflowの性能が良くなります。ただし,この場合,異常終了時にはデータベースのバックアップだけを使用して元の状態に戻さなければなりません。システムジャーナルを取得しない場合は,あらかじめデータベースのバックアップを取得してからワークを削除してください。
また,データベースにGroupmax Object Serverを使用している場合,このオプションを指定しても無効になりますので,指定しないでください。
- put
- システムジャーナルを取得します。
- noput
- システムジャーナルを取得しません。
- このオプションを設定してワークを削除する場合は,Groupmax High-end Object Serverをユティリティ実行モードで起動した後,ワークの削除を実行してください。既に他のプログラムがGroupmax High-end Object Serverに接続していると,ワーク削除処理は異常終了となります。
- -c {yes|no}
-j noputオプションを設定してこのユティリティを実行するときに,ワーク削除処理の実行を確認するメッセージを表示するかどうかを設定します。デフォルトはyesです。
このオプションは,-j noputオプションを設定しているときに有効となります。
- yes
- メッセージを表示します。
- no
- メッセージを表示しません。
(2) ワーク削除ユティリティダイアログボックス
[ワーク削除ユティリティ]ダイアログボックスで,終了又はキャンセルしたワークの中で,削除するワークの種別を設定します。
[ワーク削除ユティリティ]ダイアログボックスを次に示します。
![[図データ]](figure/zu04090s.gif)
- [日付種別]グループボックス
終了又はキャンセルしたワークの中で削除するワークを,終了してからの日数で設定します。
- [保存日数が経過したワークを削除する]オプションボタン
保存日数が経過したワークを削除します。保存日数は,ビジネスプロセス定義又は環境設定ユティリティの[ワーク保存期間]で設定した日数です。
- [終了したワークを削除する]オプションボタン
終了又はキャンセルしたワークを削除します。
- [終了後指定日数が経過したワークを削除する]オプションボタン
終了又はキャンセル後,[指定日数]テキストボックスで設定した日数が経過したワークを削除します。
- [指定日数]テキストボックス
終了又はキャンセルしたワークの中で,設定した日数が経過したワークを削除します。日単位で,0から1000までの整数値を設定します。0を設定した場合は,その時点で終了又はキャンセルされているワークを削除します。
省略した場合は,ビジネスプロセスで定義した値,又は環境設定ユティリティのワーク保存期間で指定した値が有効になります(ビジネスプロセス定義で指定した値が優先されます)。
- [削除対象絞り込み情報]グループボックス
[日付種別]グループボックスで選択した条件に対応するワークの中で,削除するワークを更に絞り込みたいときに設定します。
ビジネスプロセス定義名,及びビジネスプロセス定義のバージョンを設定できます。[ビジネスプロセス定義バージョン]テキストボックスに設定する場合は,[ビジネスプロセス名]テキストボックスも設定してください。
- [ビジネスプロセス名]テキストボックス
削除するワークが属するビジネスプロセス名を設定します。1バイトから63バイトまでの文字列で設定します。
- [ビジネスプロセス定義バージョン]テキストボックス
[ビジネスプロセス名]テキストボックスで設定したビジネスプロセス定義のバージョンを設定します。1バイトから10バイトまでの文字列で設定します。設定できるバージョン番号は,1から4294967295までです。
設定しない場合は,[ビジネスプロセス名]テキストボックスで設定したビジネスプロセス定義の,すべてのバージョンから生成されたワークが削除されます。
- [ジャーナルを取得しない]チェックボックス
データベースにGroupmax High-end Object Serverを使用しているときだけに有効なチェックボックスです。システムジャーナルを取得しないで,ワーク削除を実行します。
システムジャーナルを取得しないと,異常終了時にはデータベースのバックアップだけを使用して元の状態に戻さなければなりません。システムジャーナルを取得しない場合は,あらかじめデータベースのバックアップを取得してから,ワークを削除してください。
また,このチェックボックスを設定してワークを削除する場合は,Groupmax High-end Object Serverをユティリティ実行モードで起動した後,ワークの削除を実行してください。既に他のプログラムがGroupmax High-end Object Serverに接続していると,ワーク削除処理は異常終了するので注意が必要です。
データベースにGroupmax Object Serverを使用している場合でもこのチェックボックスは不活性になりませんが,無効なオプションです。Groupmax Object Serverを使用している場合は,このオプションを指定しないでください。
- [OK]ボタン
[日付種別]グループボックスと[削除対象絞り込み情報]グループボックスで選択した両方の条件に合うワークを削除します。
- [キャンセル]ボタン
[ワーク削除ユティリティ]ダイアログボックスを閉じます。
- [ヘルプ]ボタン
ヘルプウィンドウを開き,[ワーク削除ユティリティ]ダイアログボックスのヘルプを表示します。
(3) ワーク削除ユティリティの終了コード
コマンド終了時に返される終了コードを次に示します。
- -yオプション指定なしの場合
- 1
- 正常終了
- 1以外
- 異常終了
- -yオプション指定ありの場合
- 0
- 正常終了
- 255
- 異常終了