4.8 HI-UX/WE2版Server - Scanの運用
HI-UX/WE2版Server - Scanは,LANを介してScan - Connectorと接続し,HI-UX/WE2システム上のMail Serverから発生したウイルスチェックの要求を処理します。このため,LAN障害やWindows NT Serverシステム側の障害発生によりMail Serverの停止も発生します。このため,HI-UX/WE2版Server - Scanは接続状態の監視および回復を行うためのコマンドを用意しています。
- <この節の構成>
- (1) 接続状態の監視
- (2) 接続が切断されたサーバの回復
- (3) シングルサーバ構成の場合のシステムの動作
- (4) 待機サーバ無し構成の場合のシステムの動作
- (5) 待機サーバ有り構成の場合のシステムの動作
(1) 接続状態の監視
Server - ScanとScan - Connectorの接続状態は,vkhoststatコマンドで確認することができます。なお,Host欄に表示される名称はServer - Scanの環境設定で指定したサーバ名で,通常サーバ,待機サーバの順に指定した全てのサーバが表示されます。
![[図データ]](figure/zu040100.gif)
vkhoststatコマンドの詳細は「7. コマンドリファレンス」を参照してください。
(2) 接続が切断されたサーバの回復
vkhoststatコマンドの表示で,Status欄に「INACT」と表示されたサーバとの接続は切断されています。このようなサーバの再接続手順を次に示します。
- HI-UX/WE2システム(Server - Scan)側のエラーメッセージ,Windows NT Serverシステム(Scan - Connector)側のエラーメッセージなどから,障害要因をつきとめ対処します。LAN環境の設定が正しいか(定義しているサービス名称に誤りがないか。使用したポート番号がHI-UX/WE2システム側とWindows NT Serverシステム側と同一になっていないか。あるいは,ポート番号が他のプログラムで使用するものと重なっていないか。)も確認してください。
- Windows NT Serverシステム上のScan - Connectorサービス稼動状態を調査し,停止している場合は再起動します。
- HI-UX/WE2システムでvkattachコマンドを実行し,切断されていたサーバを再接続します。
# /usr/SrvScan/bin/vkattach -nWinNT02
- vkhoststatコマンドで再接続が正常に行なわれたことを確認します。
![[図データ]](figure/zu040200.gif)
vkattachコマンドの詳細は「7. コマンドリファレンス」を参照してください。
(3) シングルサーバ構成の場合のシステムの動作
- Server - Scan環境設定で指定したウイルスチェックサーバを使用して,ウイルスチェックの処理を行います。
- ウイルスチェックサーバとの間で障害が発生し,使用できるウイルスチェックサーバが存在しなくなった場合,Server - Scanサービスは停止します。
(4) 待機サーバ無し構成の場合のシステムの動作
- 通常は,各ウイルスチェックサーバに負荷を分散してウイルスチェックの処理を行ないます。
- 1台(又はn台)のウイルスチェックサーバとの間で障害が発生しても,正常な残りのウイルスチェックサーバで,負荷を分散してウイルスチェックの処理を続行します。障害発生時に処理中だったチェック対象ファイルは,正常なウイルスチェックサーバに引き継がれてウイルスチェック処理が行なわれます。但し,障害の発生により使用できるウイルスチェックサーバが1台も存在しなくなった場合,Server - Scanサービスは停止します。
- 障害が発生したサーバの回復後,そのサーバをvkattachコマンドで再接続すると,自動的にそのサーバを含めて負荷分散が行なわれます。
(5) 待機サーバ有り構成の場合のシステムの動作
- 通常状態(正常運用時)では待機サーバは使用されません。通常サーバ内で負荷を分散してウイルスチェックの処理を行ないます。待機サーバのScan - Connectorは,処理依頼待ちの状態を続けます(待機状態)。
- Server - Scanが通常サーバとの間で障害が発生したことを検出した時でも,正常な通常サーバが1台以上残っている場合は,「待機サーバ無しの構成の場合」と同じように,残っている正常な通常サーバ内で負荷を分散してウイルスチェック処理を続行します。
- すべての通常サーバとの間で障害が発生した場合に,初めて待機サーバが使用されます。待機サーバが複数台設定されている場合,待機サーバ内で負荷を分散してウイルスチェックの処理を続行します。
- 障害が発生した通常サーバの回復後,そのサーバをvkattachコマンドで再接続すると,自動的にその通常サーバが使用されるようになり,待機サーバのScan - Connectorは,処理中のファイルのチェック処理が終わると,再度待機状態となります。
- 障害の発生により使用できる待機サーバが1台も存在しなくなった場合,Server - Scanサービスは停止します。