付録I.3 アドレスマッピング設定手順(受信時変換)

ここでは,Sendmail Advanced Message Server 1.3Jで提供されているGUIツールを使用してアドレスマッピングを行なう手順について説明します。

注意
本手順は必須ではありません。運用環境により必要な場合のみ行ってください。また,設定内容については十分動作確認を行ってから運用してください。

以下の手順は,Sendmailでメール受信した時にmhs_mailerの起動ルールとして指定したルール28で,エンベロープ送信者/エンベロープ受信者/ヘッダ送信者/ヘッダ受信者のアドレスをアドレス変換する方法について説明しています。

尚,説明ではtaro@hitachi.co.jpのアドレスをtaro_h@smtpgw.hitachi.co.jpに変換するという例です。

  1. GUIの設定ツールを起動します。「スタートメニュー」-「プログラム」-「Sendmail Administration Console」を起動します。
  2. 「Sendmail SERVER」画面の,設定メニューから「メールのルーティングの設定」を選択します。
  3. 「Sendmail SWITCH」画面の,管理者ログインから,管理ユーザIDとパスワードを入力してログインします。
    注意
    sams_default.m4というSAMS用の雛形が用意されていますので,必ずそれをロードして修正変更する形で利用してください。
  4. 「メイン・メニュー」のページが表示されますので,「既存設定の編集」を選択し,編集する「sams_default.m4」を選択して「読み込み」ボタンを選択します。
  5. メニューから「環境」-「システム」-「その他」を選択し,「環境 / システム / その他」のページが表示されますので,データベース・マップ・タイプが「Berkeley DB Hash」であることを確認して「適用」ボタンを選択します。
  6. メニューの「保存」ボタンを選択してから「メイン」ボタンを選択して「メイン・メニュー」に戻ります。
  7. 「メイン・メニュー」のページが表示されますので,「エイリアスとマップの編集」を選択します。
  8. 「マップ・エディタ / マップの選択」のページが表示されますので,カスタム・マップ・ファイル名として「RecvConv」を入力します。次に,カスタム・マップ・データベース・タイプ「通常のデータベース・マップ」を選択してから「マップの編集」ボタンを選択します。
  9. 「マップ・エディタ」でKEYに変換前のアドレスを,MAPPINGに変換後のアドレスを入力し「挿入」ボタンを選択すると,マッピングファイルに追加されます。例では以下の値を入力します。
    パラメタ名設定値
    KEY

    taro<@hitachi.co.jp>

    MAPPING

    taro_h<@smtpgw.hitachi.co.jp>

    注意
    ローカルパート"taro"の後ろに"<"を,ドメインパート"@hitachi.co.jp"の後ろに">"を付けてください。MAPPINGについても同様に"@domain名"を"<"と">"で囲んでください。
  10. アドレス変換を行う全アドレスをマッピングテーブルに挿入し終えたら「保存」ボタンを選択して,編集内容を保存します。
  11. 「メイン」ボタンを選択して,「メイン・メニュー」に戻ります。
  12. 「メイン・メニュー」のページが表示されますので,「設定の展開」を選択します。
  13. 「設定の展開 / 設定の選択」のページのから,展開するm4ファイル「sams_default.m4」を選択し「OK」ボタンを選択します。
  14. 「設定の 展開 / 展開 オプションの設定」のページから,「すべてのマップの再構築」の「Rebuild all maps」をチェックして「展開」ボタンを選択します。
    注意
    ここまでの操作でSendmail Switchのインストールディレクトリ¥etc¥mail下のディレクトリにRecvConv.dbが作成されていることを確認します。以降,RecvConv.dbファイルのパス名を指す場合にはRecvConv.dbと略します。
  15. 「メイン・メニュー」のページが表示されますので,「既存設定の編集 」を選択し,編集する「sams_default.m4」を選択して「読み込み」ボタンを選択します。
  16. 「詳細設定」メニューを選択します。
  17. 詳細設定のリストから「LOCAL_CONFIG」を選択し「表示/編集」を選択します。
  18. 「カスタム・ローカル設定」の入力欄に,以下のフォーマットでマップファイルをシンボル(RecvConv)と関連付けます。
    例)RecvConv.dbというマップファイルをRecvConvというシンボルに関連付けする場合には,以下の定義を追加します。
    パラメタ名設定値
    LOCAL_CONFIG

    KRecvConv hash "c:¥Program Files¥Sendmail Switch¥etc¥mail¥"RecvConv

    注意
    この設定例は,Sendmail Single Switchのインストールディレクトリがc:¥Program Files¥Sendmail Switchであることを仮定しています。
    注意
    パス名に半角スペースを含む場合には,パス名を"(ダブルクォーテーション)で囲んでください。
    注意
    RecvConv.dbのファイル名には".db"を省いて指定します。
  19. また,アドレス変換前のドメイン名についてmhs_mailerに受信するようCXの定義を追加します。この設定例では,taro@hitachi.co.jpを受信するようにするのでhitachi.co.jpを追加します。以下に追加例を示します。
    パラメタ名設定値
    LOCAL_CONFIG

    KRecvConv hash "c:¥Program Files¥Sendmail Switch¥etc¥mail¥"RecvConv
    CXtabsmtpgw.hitachi.co.jp  hitachi.co.jp

    注意
    tabの部分は一つ以上のタブを入力してください。
  20. 定義を追加したら,「適用」ボタンを選択します。
  21. 詳細設定のリストから「LOCAL_RULESET」を選択し「表示/編集」を選択します。
  22. 「追加ルール・セット」の入力欄に,mhs_mailer起動時のルールとして以下のルールが追加されているので,これにマッピングテーブルRecvConvを使用してアドレス変換が行なわれるようにルールを追加します。
    パラメタ名設定値
    LOCCL_RULESETS

    S28
    R$-tab$@$1<@$j>
    R$+<@$+.>tab$1<@$2>
    R$+<@$+>tab$: $( RecvConv $1<@$2> $)

    注意
    tabの部分は一つ以上のタブを入力してください。
  23. 定義を追加したら,「適用」ボタンを選択します。
  24. 「保存」ボタンを選択して設定を保存します。
  25. 「メイン」ボタンで「メイン・メニュー」に戻ります。
  26. 「メイン・メニュー」で「設定の展開」を選択します。
  27. 「設定の展開 / 設定の選択」のページで,保存する「smas_default.m4」ファイルを選択して「OK」ボタンを選択します。
  28. 「設定の展開 / 展開 オプションの設定」のページで,各パラメタを確認して「展開」ボタンを選択します。
  29. 「設定の展開 / 結果」で結果を確認し,「メインに戻る」ボタンで「メイン・メニュー」に戻ります。

設定が完了しましたら,「付録I.2設定確認手順」に従ってアドレス変換が正しく行なわれるか確認してください。