次に各アドレスマッピングルールを適用する例を示します。
なお,それぞれのルールは,O/R名をE-mailアドレスにマッピングする場合(X.400 → SMTP)と,E-mailアドレスをO/R名にマッピングする場合(SMTP → X.400)に分けられます。
メールのE-mailアドレスをマッピング対象にする方法です。実際には,E-mailアドレスがそのまま正規のアドレスとして識別されます。E-mailアドレスを直接指定する場合に適用されます。
形式1 TARO.HITACHI@soft.hitachi.co.jp
形式2 /D=TARO.HITACHI@.soft.hitachi.co.jp
形式3 /C=JP/A=smtpgw/P=smtpgw/OU1=smtpgw/D=RFC-822;
TARO.HITACHI@soft.hitachi.co.jp
Groupmax Address Serverのユーザ情報として登録されたE-mailアドレスを利用してアドレスをマッピングする方法です。
テーブルマッピングとDBマッピングの違いは,テーブルマッピングがアドレスの構成要素単位にマッピングをするのに対して,DBマッピングはE-mailアドレス全体をユーザ単位にマッピングします。このため,DBマッピングを利用するにはGroupmax Mailユーザごとに一意なE-mailアドレスを設定してDBマッピングファイルに登録しておく必要があります。
例えば,Groupmax Mailでの宛先が「T.HITACHI」のユーザのE-mailアドレス(SMTPのアドレス)が「t_hitachi@soft.hitachi.co.jp」のようにDBマッピングファイルに登録されていたとします。その場合は次のようになります。
T.HITACHI
t_hitachi@soft.hitachi.co.jp
Groupmax Mailユーザのニックネームを使ってアドレスをマッピングする方法です。
ニックネームにE-mailアドレスとして不適切な文字コード(2バイトコードなど)が含まれていた場合,そのアドレスに対してはこのマッピングルールは適用されません。
また,POP連携機能を使う場合には,必ずニックネームマッピングルール(mapping_mode=pop_all)を選択してください。
ニックネーム@ドメインパート
ドメインパートに設定するアドレスは,GM_SETUPコマンドから設定したPOP連携で利用するアドレスを指定してください。また,このドメインパートでmhs_mailerを起動できる必要があるので,必ずsendmail.cfに,ここで設定したドメインパートによるmhs_mailerの起動ルールを設定してください。sendmail.cfについては「3. sendmailの環境設定」を参照してください。
テーブルマッピングファイルに定義されたルールに従ってアドレスをマッピングする方法です。
テーブルマッピングファイルは,各MTAのO/R名単位に,E-mailアドレスのドメイン名の対応付けを定義したファイルです。メールに指定されているアドレスの構成要素とテーブルマッピングファイルに定義されている構成要素が一致した場合に,一致した構成要素をマッピングします。ただし,このルールではE-mailアドレスのドメインと,MTAのO/R名間のマッピングしか実行されません。E-mailアドレスのローカルパートとGroupmax Mailユーザの個人名間のマッピングについては以下に示すルールに従ってアドレスマッピングが実行されます。
C$jp.ADMD$smtpgw.PRMD$smtpgw#co.jp#
/C=JP/A=smtpgw/P=smtpgw/OU1=hitachi/OU2=soft/S=HITACHI/G=TARO
TARO.HITACHI@soft.hitachi.co.jp
co.jp#C$jp.ADMD$smtpgw.PRMD$smtpgw#
TARO.HITACHI@soft.hitachi.co.jp
/C=JP/A=smtpgw/P=smtpgw/OU1=hitachi/OU2=soft/S=HITACHI/G=TARO
Groupmax MailユーザのユーザIDを使ってアドレスをマッピングする方法です。この方法が適用されるのは,外部システムからGroupmax Mailユーザあてにメールを送信した場合(SMTP → X.400)に,ユーザIDが指定されたときだけです。この場合にマッピング対象になるのは次の形式のアドレスです。
ユーザID@ドメインパート
ドメインパートに設定するアドレスは,mhs_mailerを起動できるアドレスである必要があります。このドメインアドレスは,sendmail.cfのmhs_mailerの起動ルールに定義する必要があります。sendmail.cfについては「3. sendmailの環境設定」を参照してください。