ここでは,Mail - SMTPのバージョンアップおよび06-50以前からのリビジョンアップの注意事項について説明します。
- バージョンアップを実行する前に,必ずsendmailプロセスを停止してください。
- Mail - SMTP Version 6ではS/MIME対応機能の使用を前提として動作いたします。この場合,Content-Type: がmultipart/signedのメールを受信した際に,S/MIMEに対応していないIntegrated Desktopクライアントとの互換性の為にS/MIME用の添付ファイル(SIGNEDXX.txt)と,従来の添付ファイルの二つを作成して,Groupmax Mail Serverに転送します。このメールの容量は約2倍になる為,メールボックスの容量を圧迫する可能性があります。また,このメールを処理する場合,データ量の増加から受信性能が約1/2倍になります。バージョンアップ時に,S/MIME機能を使用しない場合,S/MIMEメールの受信方法の設定(secure_mime)に,no_supportを指定してください。secure_mimeの設定方法については,「2.3 smtpmngのサブコマンド」を参照してください。
- アドレスマッピングルール(mapping_mode)を次のように設定してください。
S/MIME機能を使用しない場合,現在設定されているマッピング方法で運用することができます。
S/MIME機能を使用する場合,mapping_modeは,pop_all,all,dbのいづれかを選択してください。かつ,S/MIME機能を使用するユーザについてDBマッピングできるようにGroupmax Address ServerにE-mailアドレスを登録してください。
pop_allを選択する場合,Groupmax Address ServerのPOP3/IMAP4の最優先アドレスマッピングとして「ユーザ属性のE-mailアドレスマッピング」を指定してください。
これは,S/MIME機能を使用する場合,Groupmax Address Serverに登録されているE-mailアドレスで検定が行われる為,アドレスマッピングするE-mailアドレスとGroupmax Address Serverに登録されているE-mailアドレスと一致していないと「なりすまし」となる為です。
- Mail - SMTP Version 6よりリッチテキスト本文のドメイン間連携機能をサポートしましたが,本機能を使用した場合にGroupmaxユーザ以外にもリッチテキスト本文が添付ファイルとして送信されることから,デフォルトの動作としては連携しない設定になっています。本機能をご使用になる場合には,リッチテキスト送信制御の設定(send_rtf_body)にrtf_allow,およびリッチテキスト本文連携情報の送信制御(send_rtf_body_flag)にsend_inlineを設定してください。これらの設定方法につきましては「2.3 smtpmngのサブコマンド」を参照してください。
- 注意
- 尚,multipart/signed形式のメールについては必ずリッチテキスト本文が添付されます。これは,Mail - SMTPで署名済みのメールからリッチテキストを削除すると改竄となってしまう為,リッチテキスト送信制御の設定(send_rtf_body)にrtf_denyが設定されている場合でも,リッチテキストが添付されるようになっています。
- バージョンアップする際に,Mail - SMTP環境の削除をしてから新規インストールを行う手順で行った場合,次の設定内容についてデフォルトの動作が変更される場合があります。バージョンアップ後に設定内容を確認してご使用ください。
(a)リッチテキスト送信制御の設定(send_rtf_body)が,rtf_denyに設定されます。
(b)BCC受信者の設定(bcc_recipients)が,ONに設定されます。
(c)DBマッピング時の大文字・小文字の扱いの設定(filter_address)が,allに設定されます。
設定値の詳細につきましては「2.3 smtpmngのサブコマンド」を参照してください。
- エラーメールの返信先としてエンベロープ送信者を選択することができます。この機能を使用する場合には,以下の設定を行なってください。
- (a)mhs_mailerのメーラ起動フラグを変更して,エンベロープ送信者データが取得できるように変更します。設定方法については,「3.3.2.sendmail.cfの設定(3)」を参照してください。
- (b)エラーメールの返信先として,エンベロープ送信者を使用するよう「エラーメール返信先アドレスの優先順位(error_mail_to)」に,Envelope_Fromを設定してください。設定方法については,「2.3.6.edit_option(3)」を参照してください。
- MODIFYING_DBFILEにautoを指定している場合,以下の手順でユーザ情報の取込み定義ファイルの更新を行なってください。
1.smtpmngコマンドを起動します。
2.運用管理サブコマンド一覧から「edit_mapping(em) : アドレスマッピングルールの設定変更」を選択します。
3.表示されたメニューから「ユーザ情報の更新ルール(modifying_dbfile)」を選択します。
4.設定値として auto と入力します。この時,リターンキーだけで既存の値を設定すると,値が変更されたと見なされません。必ず, auto と入力して,以下のメッセージが表示されることを確認してください。以下のメッセージには y を選択します。
設定しますか?(Yes/No)
5.設定値を保存してsmtpmngコマンドを終了します。この時,以下のメッセージが表示されますので y を選択します。
現在の設定値でコンフィグレーションファイルを生成しますか?(Yes/No)
6.続いて以下のメッセージが出力されます。この時,以下のメッセージが表示されますので y を選択します。
ユーザ情報の取込み定義ファイルを更新しますか?(Yes/No)
7.Groupmax Address Serverを再起動します。
- Mail - SMTPをバージョンアップした場合には,必ずdbmapコマンドを起動してください。また,06-0Xから06-5Xにリビジョンアップした場合も,必ずdbmapコマンドを起動してください。dbmapの使用方法については,「2.4 dbmap」を参照してください。