Groupmax Document Manager Version 6 システム管理者ガイド
ここでは,属性ファイルの概要及び形式について説明します。属性ファイルは,一般文書だけを対象にします。
- <この節の構成>
- (1) 属性ファイルとは
- (2) 属性ファイルの形式
(1) 属性ファイルとは
文書に付けられた属性は,オブジェクトサーバに格納されます。オブジェクトサーバから必要な属性を複写したファイルを,属性ファイルといいます。属性ファイルは,文書実体ファイル格納ディレクトリに格納されます。
属性ファイルには,次の2種類があります。
- 参照用属性ファイル
- 登録用属性ファイル
オブジェクトサーバに格納されている属性を参照するために使用します。参照用属性ファイルを使用する場合は,AP情報管理ファイルに参照用属性ファイル名を記述しておきます。AP情報管理ファイルでの参照用属性ファイル名の記述例を,次に示します。
WORD:1::*.arf:*.txt::::*.txt:\ "OPEN"="WINWORD|SYSTEM [FILEOPEN .NAME=%"%wf%"]"on-client:\ "OPEN"="WINWORD|SYSTEM [FILEOPEN .NAME=%"%wf%"]"on-client*.arfの部分が参照用属性ファイル名の指定です。*の部分は文書名の拡張子を除いた部分に置き換えられます。AP情報管理ファイルについては,「5.7.4 アプリケーションプログラムと連携するための環境設定」を参照してください。
これによって,文書を作業領域に取り出したとき,参照用属性ファイルが自動的に作業領域に作成されます。文書を作業領域に取り出すごとに,属性が参照用属性ファイルに書き出されます。
参照用属性ファイルの形式は,「(2)属性ファイルの形式」に従ってください。
登録する文書の属性を記述するために使用します。例えば,クライアントのDDE機能を使ってファイルをサーバへ保存する場合に,属性などの登録に使用します。
登録用属性ファイルは,文書を取り出した作業領域に作成してください。
登録用属性ファイルを作成する形式は,「(2)属性ファイルの形式」に従ってください。また,参照用属性ファイルを複写して作成することもできます。
(2) 属性ファイルの形式
属性ファイルの形式を次に示します。形式は,参照用属性ファイル及び登録用属性ファイルで共通です。
(a) 属性ファイルの構成
属性ファイルは,属性テーブルという形式が集まって構成されています。各属性の情報は,属性テーブルの形式で格納されています。
属性ファイルの構成を,図B-1に示します。
図B-1 属性ファイルの構成
注 括弧付きの数字は,表B-1の項番と対応しています。
(b) 属性テーブルの形式
AAAAA △1 BB…BB △1 CC…CC △1 DD…DD △1 EE △1 FF…FF △1 G ← HH…HH←(凡例)
- 1行目:属性型の情報を示します。
- 2行目:属性値の情報を示します。
- AAAAA:属性識別子
- BB…BB:属性名
- CC…CC:属性型
- DD…DD:属性種類
- EE :属性アクセス権
- FF…FF:属性検索権
- G :属性値情報行数
- HH…HH:属性値
- ←:改行コードを示します。参照用属性ファイルでは,改行コードが'0x0a'で出力されます。登録用属性ファイルでは,改行コードとして'0x0a'又は'0x0d''0x0a'のどちらかを使用できます。
文字列属性値が複数行にわたる場合,改行コードは次のようになります。
クライアントから属性値を設定した場合,クライアントの改行コードは'0x0d''0x0a'のため,属性値中の改行コードも'0x0d''0x0a'になります。
- 参照用属性ファイル
(例)
属性が3行にわたる場合
HH…HH'0x0d''0x0a'
HH…HH'0x0d''0x0a'
HH…HH'0x0a'
登録用属性ファイルで属性値を設定した場合,改行コードは,登録用属性ファイルに記述したコードになります。
登録用属性ファイルに設定した属性値をクライアントで表示する場合は,改行コードに'0x0d''0x0a'を使用してください。改行コードに'0x0d''0x0a'を使用しないと,正しく表示されません。
- 登録用属性ファイル
(c) 属性ファイルでの属性の並び
属性ファイルでの属性の並びを,文書の場合を表B-1,文書データベースの場合を表B-2に示します。なお,表中の項番は,図B-1の数字に対応しています。
参照用属性ファイルでは,属性は表中の項番の順で出力されます。
登録用属性ファイルを作成する場合,各属性に対応する項目は固定です。したがって,表B-1及び表B-2の内容に従って各属性の項目を記述してください。
表B-1 属性ファイルでの属性の並び(一般文書の場合)
項番 内容 属性
識別子属性名 属性型 属性
種類属性
アク
セス
権属性
検索
権属性値
情報
行数属性値 長さ
(バイ
ト)指定
種別1 文書ID 1 IS_
object_
idOBJECT BASE RO SEL
_NO1 オブ
ジェクト
属性値16 × 2 文書名 2 IS_
object_
nameSTRING BASE RW SEL
_OK1 文字列
属性値1〜
80※1○ 3 文書
データ
ベースID3 IS_
class_
idCLASS BASE RO SEL
_NO1 文書
データ
ベース
属性値16 × 4 文書
データ
ベース名4 IS_
class_
nameSTRING BASE RO SEL
_NO1 文字列
属性値1〜
63× 5 予約項目※2 5 IS_
owner_
uidUID BASE RO SEL
_NO1 ユーザ
識別子
属性値1〜
14× 6 所有者名 6 IS_
owner_
nameSTRING BASE RO SEL
_OK1 ユーザ名
属性値1〜
8× 7 作成日時 11 IS_
create_
timeTIME BASE RO SEL
_OK1 日時
属性値21〜
30× 8 作成者名 12 IS_
creator_
nameSTRING BASE RW SEL
_OK1〜
127文字列
属性値1〜
255○ 9 更新日時 13 IS_
modify_
timeTIME BASE RO SEL
_OK1 日時
属性値21〜
30× 10 予約項目※2 14 IS_
modifier
_uidUID BASE RO SEL
_NO1 ユーザ
識別子
属性値1〜
14× 11 更新者名 15 IS_
modifier
_nameSTRING BASE RO SEL
_OK1 ユーザ名
属性値1〜
8× 12 文書配布
フラグ18 IS_
replica_
flagINT BASE RO SEL
_NO1 符号付き整数
属性値1〜
10× 13 文書実体
ファイル
サイズ21 IS_
file_
sizeSIZE DOC RO SEL
_OK1 サイズ
属性値1〜
10× 14 文書実体
ファイル名22 IS_
file_
nameSTRING DOC RO SEL
_OK1 文字列
属性値1〜
255× 15 文書実体
ファイル
バージョン
番号23 IS_
version_
noVERSION DOC RO SEL
_NO1 バー
ジョン
属性値1〜
10× 16 TS情報
ID25 IS_ts_id INT DOC RO SEL
_NO1 符号付き整数
属性値1〜
10× 17 TS文書
ID26 IS_ts_
document_idINT DOC RO SEL
_NO1 符号付き整数
属性値1〜
10× 18 コメント 27 IS_
commentSTRING DOC RW SEL
_OK1〜
3583文字列
属性値1〜
7167○ 19 フォルダ名 2000 IS_
folder_
listFOLDER
_LISTDOC RO SEL
_NO1 フォルダ
名称
属性値1〜
268× 20 分類索引名 1000 IS_view_
name_
listVIEW_
NAME_
LISTDOC RW SEL
_NO1〜
4095分類索引名称
リスト
属性値1〜
528○ 21 ユーザ定義属性 文字列型 30000
〜指定された属性名 STRING USER RW SEL
_OK1〜
3583文字列
属性値1〜
7167○ 整数型 30000
〜指定された属性名 INT USER RW SEL
_OK1 符号付き整数
属性値1〜
10○ 日時型 30000
〜指定された属性名 TIME USER RW SEL
_OK1 日時
属性値21〜
30○ オブ
ジェクト
型※330000
〜指定された属性名 OBJECT USER RW SEL
_NO1 オブ
ジェクト
属性値16 ○ オブ
ジェクト
リスト型※330000
〜指定された属性名 OBJECT
_LISTUSER RW SEL
_NO1〜
4095オブ
ジェクト
リスト
属性値※4 ○
- (凡例)
- ○:
- 登録用属性ファイルに任意で指定する項目。指定した場合,変更した内容で登録されます。
- ×:
- 登録用属性ファイルに指定しても変更されない項目です。
- 注
- 文字列属性値は,クライアントでは255バイトまでしか表示できません。
- 注※1
- Groupmax文書管理管理ツールの環境設定で,「文書名称長を80バイトに拡張」を「use」にしている場合,80バイトまで指定できます。
- 注※2
- システムで予約されている項目です。
- 注※3
- クライアントからは設定できません。
- 注※4
- 16×n+(n-1)で算出される値になります。
表B-2 属性ファイルでの属性の並び(一般文書データベースの場合)
項番 内容 属性
識別子属性名 属性型 属性
種類属性
アク
セス
権属性
検索
権属性値
情報
行数属性値 長さ
(バイ
ト)指定
種別1 文書
データ
ベースID1 IS_
object_
idOBJECT BASE RO SEL
_NO1 オブ
ジェクト
属性値16 × 2 文書
データ
ベース名2 IS_
object_
nameSTRING BASE RW SEL
_NO1 文字列
属性値1〜
63○ 3 予約項目※1 5 IS_
owner_
uidUID BASE RO SEL
_OK1 ユーザ
識別子
属性値1〜
14× 4 所有者名 6 IS_
owner_
nameSTRING BASE RO SEL
_NO1 ユーザ名
属性値1〜
8× 5 作成日時 11 IS_
create_
timeTIME BASE RO SEL
_NO1 日時
属性値21〜
30× 6 作成者名 12 IS_
creator_
nameSTRING BASE RW SEL
_OK1〜
127文字列
属性値1〜
255○ 7 更新日時 13 IS_
modify_
timeTIME BASE RO SEL
_NO1 日時
属性値21〜
30× 8 予約項目※1 14 IS_
modifier
_uidUID BASE RO SEL
_NO1 ユーザ
識別子
属性値1〜
14× 9 更新者名 15 IS_
modifier
_nameSTRING BASE RO SEL
_NO1 ユーザ名
属性値1〜
8× 10 文書配布
フラグ18 IS_
replica_
flagINT BASE RO SEL
_NO1 符号付き整数
属性値1〜
10× 11 上位文書
データ
ベース
ID※221 IS_super_class
_idCLASS CLASS RO SEL
_NO1 文書
データ
ベース
属性値16 × 12 上位文書
データ
ベース名※222 IS_super_class
_nameSTRING CLASS RO SEL
_NO1 文字列
属性値1〜
63× 13 AP識別子 28 IS_
application_idINT DOC_
CLASSRW SEL
_NO1 符号付き整数
属性値1〜
10○ 14 文書ひな形ファイル
サイズ29 IS_form_size SIZE DOC_
CLASSRO SEL
_NO1 サイズ
属性値1〜
10× 15 文書ひな形ファイル名 30 IS_form_name STRING DOC_
CLASSRO SEL
_NO1 文字列
属性値1〜
255× 16 文書ひな形
バージョン
番号35 IS_
version
_noVERSION DOC_
CLASSRO SEL
_NO1 バー
ジョン
属性値1〜
10× 17 TS使用
フラグ37 IS_ts_
use_flagINT DOC_
CLASSRO SEL
_NO1 真偽
属性値1 × 18 TS情報
ID38 IS_ts_id INT DOC_
CLASSRO SEL
_NO1 符号付き整数
属性値1〜
10× 19 コメント 39 IS_
commentSTRING DOC_
CLASSRW SEL
_NO1〜
3583文字列
属性値1〜
7167○ 20 予約項目※1 40 IS_
hitfile_
use_flagINT DOC_
CLASSRO SEL
_NO1 真偽
属性値1 ×
- (凡例)
- ○:
- 登録用属性ファイルに任意で指定する項目。指定した場合,変更した内容で登録されます。
- ×:
- 登録用属性ファイルに指定しても変更されない項目です。
- 注
- 文字列属性値は,クライアントでは255バイトまでしか表示できません。
- 注※1
- システムに予約されている項目です。
- 注※2
- システム文書データベース以外の文書データベースの属性ファイルにだけ出力又は記述します。
(d) 属性の説明
属性識別子を示す10進文字列を出力又は記述します。
属性名を示す文字列を出力又は記述します。
属性型を示す次の文字列を出力又は記述します。
OBJECT:オブジェクト型
STRING:文字列型
CLASS:文書データベース型
UID:ユーザ識別子型
TIME:日時型
SIZE:サイズ型
VERSION:バージョン型
INT:符号付き整数型
VIEW_NAME_LIST:分類索引名称リスト型
FOLDER_LIST:フォルダ名称型
OBJECT_LIST:オブジェクトリスト型
属性の種類を示す次の文字列を出力又は記述します。
BASE:システム基本属性
CLASS,DOC_CLASS:文書データベース固有のシステム定義属性
DOC:文書固有のシステム定義属性
USER:ユーザ定義属性
属性ファイルにアクセスできるかどうかを示す次の文字列を出力又は記述します。
RO:属性の読み込みができる
RW:属性の読み書きができる
属性検索で条件として指定できるかどうかを示す次の文字列を出力又は記述します。
SEL_OK:検索条件として指定できる
SEL_NO:検索条件として指定できない
属性値情報の行数を,10進文字列で出力又は記述します。
属性値を複数行指定する場合,改行文字分として最大2バイトが付加されます。したがって,属性値の長さには,この改行文字分を加えてください。
属性値の情報を示します。
- オブジェクト属性値
- オブジェクトIDの属性値を,16進文字列で出力又は記述します。
- 文字列属性値
- 属性値を文字列で出力又は記述します。ただし,オブジェクト名の属性値を記述する場合は,次の制限があります。
- 使用できる文字は次のとおりです。
- ・1バイトコードの文字(ただし,制御コード(0x00〜0x20及び0x7F〜0xFF)を除く)
- ・2バイトコードの文字(ただし,空白を除く)
- 「IS_ 」及び「_ 」(アンダースコア)で始まる名称は使用できません。なお,クライアントで表現できないコードを指定すると,GUIで正しく表示されない場合があります。
- 文書データベース属性値
- 文書データベースIDの属性値を,16進文字列で出力又は記述します。
- ユーザ識別子属性値
- <整数型ダミー属性値>△<ユーザ名属性値>の形式で出力又は記述します。
- 整数型ダミー属性値
- 1〜5バイトの任意の整数値を出力又は記述します。
- ユーザ名属性値
- ユーザ名を示す文字列属性値を出力又は記述します。Groupmax AddressのユーザIDの規則に従って記述してください。
- 日時属性値
- <整数日時属性値>△<文字列日時属性値>の形式で出力されます。
- 整数日時属性値
- 日時が1〜10バイトの10進文字列で出力されます。世界標準時1970/01/01-00:00:00からの経過秒数で示します。登録用属性ファイルには,0を指定してください。
- 文字列日時属性値
- サーバのローカル時間が,YYYY/MM/DD-HH:MM:SSの形式で出力されます。
- サイズ属性値
- サイズの属性値が,10進文字列で出力されます。
- バージョン属性値
- バージョン番号の属性値が,10進文字列で出力されます。
- 符号付き整数属性値
- 属性値が符号付き10進文字列で出力されます。負数の場合だけ−が付きます。
- 分類索引名称リスト属性値
- <分類索引名属性値>〔,〔<分類名属性値>〕〔,<分類のオブジェクト属性値>〕〕の形式で記述します。
- 分類索引名属性値
- 分類索引名の属性値を1〜63バイトの文字列で記述します。
- 分類名属性値
- 分類名の属性値を1〜63バイトの文字列で記述します。
- 分類のオブジェクト属性値
- 分類のオブジェクトIDの属性値を,16進文字列で記述します。
- フォルダ名称
- <最上位フォルダ名属性値>〔,<フォルダ名属性値>〔,<フォルダのオブジェクト属性値>〕〕
- 最上位フォルダ名属性値
- 最上位フォルダ名の属性値を1〜63バイトの文字列で記述します。
- フォルダ名属性値
- フォルダ名の属性値を1〜63バイトの文字列で記述します。
- フォルダのオブジェクト属性値
- フォルダのフォルダIDを16進文字列で出力又は記述します。
- オブジェクトリスト属性値
- <オブジェクトID>〔,<オブジェクトID>…〕
- オブジェクトID
- オブジェクトIDの属性値を16進文字列で出力又は記述します。
(e) 属性ファイルの作成例
登録用属性ファイルの作成例を次に示します。
2 IS_object_name STRING BASE RW SEL_OK 1 文書 3 IS_class_id CLASS BASE RO SEL_NO 1 C0020000000002B3 4 IS_class_name STRING BASE RO SEL_NO 1 顧客情報
- 1〜2行目:文書名の属性
- 3〜4行目:文書データベースIDの属性
- 5〜6行目:文書データベース名の属性
(f) 属性ファイル作成時の注意事項
- 行の先頭に#(0x23)を記述すると,その行は行端までコメントになります。ただし,属性型の情報と属性値の情報との間にはコメントは記述できません。記述した場合は,属性値とみなされます。
- 登録用属性ファイル名には,オペレーティングシステムで使用できる文字を指定してください。
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