付録J.7 Windows NTクラスタアドミニストレータの設定
Windows NTクラスタアドミニストレータで,グループとリソースの設定をします。作成した複数のリソースのうち,あるリソースがオンラインになるためにほかのリソースがオンラインになっている必要がある場合,リソース間に依存関係を設定する必要があります。
汎用サービスリソースに対しては,次のような依存関係を設定します。
図J-2 リソース間の依存関係
![[図データ]](figure/zu0k0020.gif)
設定の手順を示します。
- グループを定義します。
- 物理ディレクトリリソースを作成します。
- IPアドレスリソースを作成します。
- ネットワーク名リソースを作成します。
- オブジェクトサーバの汎用サービスリソースを作成をします。
- Groupmax Addressと連携する場合及びメールシステムを使用して文書配布をする場合は,Groupmax Addressの汎用サービスリソースの作成をします。
- Document Managerの汎用サービスリソースを作成します。
- メールシステムを使用して配布文書を送信する場合は,文書配布送信デーモンの汎用サービスリソースを作成します。
- メールシステムを使用して配布文書を受信する場合は,文書配布受信デーモンの汎用サービスリソースを作成します。
- 各リソースのプロパティの設定をします。
それぞれの設定方法ついて説明します。
- <この項の構成>
- (1) グループの定義
- (2) 物理ディレクトリリソースの作成
- (3) IPアドレスリソースの作成
- (4) ネットワーク名リソースの作成
- (5) オブジェクトサーバの汎用サービスリソースの作成
- (6) Groupmax Addressの汎用サービスリソースの作成
- (7) Document Managerの汎用サービスリソースの作成
- (8) 文書配布送信デーモンの汎用サービスリソースの作成
- (9) 文書配布受信デーモンの汎用サービスリソースの作成
- (10) プロパティの設定
(1) グループの定義
- クラスタアドミニストレータの[ファイル]メニューの[新規作成]から[グループ]を選択します。
- 「名前」と「説明」を入力します。
(設定例)
「名前」:Groupmax
「説明」:Groupmaxグループ
- 優先所有者を定義します。
グループのフェールバック許可を設定した場合,優先所有者に設定された順序でフェールバックされます。優先所有者を設定していない場合は,フェールバックされません。
例えば,node-Aとnode-Bのうち,node-Aを優先的に所有者にしたい場合は,node-A,node-Bの順序で設定してください。
(2) 物理ディレクトリリソースの作成
- 物理ディレクトリリソースを作成します。既に作成している場合は,「(1)グループの定義」で作成したグループに移動させてください。作成していない場合は,クラスタアドミニストレータから作成後,「(1)グループの定義」で作成したグループに移動させてください。
(3) IPアドレスリソースの作成
- クラスタアドミニストレータの[ファイル]メニューの[新規作成]から[リソース]を選択します。
- 「名前」,「説明」,「リソースの種類」及び「グループ」を入力します。「グループ」には,「(1)グループの定義」で作成したグループを入力します。
(設定例)
「名前」:Groupmax_IP
「説明」:汎用サービスリソースと依存関係を設定するIPアドレスリソース
「リソースの種類」:IPアドレス
「グループ」:Groupmax
- 実行所有者画面では,デフォルトで実行できる所有者にすべてのノードが既に設定されているので,そのまま次に進みます。
- 依存関係画面では,何も指定する必要はないので,そのまま次に進みます。
- TCP/IPアドレスパラメータ画面で,「使用するネットワーク」にIPアドレスをバインドしたいネットワークカードを選択します。「アドレス」及び「サブネット」に使用したいIPアドレス及びサブネットマスクを指定します。
「使用するネットワーク」には,インストール時に設定した名称が,プルダウンメニューに表示されます。
(設定例)
「使用するネットワーク」:Service_Network
「アドレス」:192.0.0.2
「サブネットマスク」:255.255.255.0
(4) ネットワーク名リソースの作成
- クラスタアドミニストレータの[ファイル]メニューの[新規作成]から[リソース]を選択します。
- 「名前」,「説明」,「リソースの種類」及び「グループ」を入力します。「グループ」には,「(1)グループの定義」で作成したグループを入力します。
(設定例)
「名前」:Groupmax_Network
「説明」:汎用サービスリソースと依存関係を設定するネットワーク名リソース
「リソースの種類」:ネットワーク名
「グループ」:Groupmax
- 実行所有者画面では,デフォルトで実行できる所有者にすべてのノードが既に設定されているので,そのまま次に進みます。
- 依存関係画面で,ネットワーク名リソースがオンラインになる前に,オンラインにする必要があるリソースを登録します。
ここでは,IPアドレスリソースを登録する必要があります。
- ネットワーク名パラメータ画面で,クライアントから接続する名前を入力します。この名前は,クライアントから通常のサーバ名と同じようにアクセスできます。
(設定例)
「名前」:CLUSTER
(5) オブジェクトサーバの汎用サービスリソースの作成
- クラスタアドミニストレータの[ファイル]メニューの[新規作成]から[リソース]を選択します。
- 「名前」,「説明」,「リソースの種類」及び「グループ」を入力します。「グループ」には,「(1)グループの定義」で作成したグループを入力します。
(設定例)
「名前」:Object Serverリソース
「説明」:Object Server
「リソースの種類」:汎用サービス
「グループ」:Groupmax
- 実行所有者画面では,デフォルトで実行できる所有者にすべてのノードが既に設定されているので,そのまま次に進みます。
- 依存関係画面で,オブジェクトサーバのリソースがオンラインになる前に,オンラインにする必要があるリソースを登録します。
ここでは,物理ディレクトリリソース,IPアドレスリソース,ネットワーク名リソースを登録する必要があります。
- 汎用サービスパラメータ画面で,「サービス名」を設定します。
(設定例)
「サービス名」:GroupmaxGWL
- レジストリの複製画面では,何も設定しないで完了します。
(6) Groupmax Addressの汎用サービスリソースの作成
Groupmax Addressと連携する場合又はメールシステムによって文書を配布する場合は,Groupmax Addressの汎用サービスリソースを作成します。
- クラスタアドミニストレータの[ファイル]メニューの[新規作成]から[リソース]を選択します。
- 「名前」,「説明」,「リソースの種類」及び「グループ」を入力します。「グループ」には,「(1)グループの定義」で作成したグループを入力します。
(設定例)
「名前」:Address Serverリソース
「説明」:Address Server
「リソースの種類」:汎用サービス
「グループ」:Groupmax
- 実行所有者画面では,デフォルトで実行できる所有者にすべてのノードが既に設定されているので,そのまま次に進みます。
- 依存関係画面で,Groupmax Addressのリソースがオンラインになる前に,オンラインにする必要があるリソースを登録します。
ここでは,次のリソースを登録する必要があります。
- 物理ディレクトリリソース
- IPアドレスリソース
- ネットワーク名リソース
- オブジェクトサーバの汎用サービスリソース
- 汎用サービスパラメータ画面で,「サービス名」を設定します。
(設定例)
「サービス名」:GroupmaxGWN
- レジストリの複製画面では,何も設定しないで完了します。
(7) Document Managerの汎用サービスリソースの作成
- クラスタアドミニストレータの[ファイル]メニューの[新規作成]から[リソース]を選択します。
- 「名前」,「説明」,「リソースの種類」及び「グループ」を入力します。「グループ」には,「(1)グループの定義」で作成したグループを入力します。
(設定例)
「名前」:Document Managerリソース
「説明」:Document Manager
「リソースの種類」:汎用サービス
「グループ」:Groupmax
- 実行所有者画面では,デフォルトで実行できる所有者にすべてのノードが既に設定されているので,そのまま次に進みます。
- 依存関係画面で,Document Managerの汎用サービスリソースがオンラインになる前に,オンラインにする必要があるリソースを登録します。
ここでは,次のリソースを登録する必要があります。
- 物理ディレクトリリソース
- IPアドレスリソース
- ネットワーク名リソース
- オブジェクトサーバの汎用サービスリソース
- Groupmax Addressの汎用サービスリソース(作成した場合だけ)
- 汎用サービスパラメータ画面で,「サービス名」を設定します。
(設定例)
「サービス名」:GroupmaxGWJ
- レジストリの複製画面で,Document Managerサーバサービスのルートレジストリキーを次のように設定します。
SOFTWARE¥HITACHI¥GroupInfoshareServer
SOFTWARE¥HITACHI¥GROUPMAX
(8) 文書配布送信デーモンの汎用サービスリソースの作成
メールシステムによって配布文書を送信する場合は,文書配布送信デーモンの汎用サービスリソースを作成します。
- クラスタアドミニストレータの[ファイル]メニューの[新規作成]から[リソース]を選択します。
- 「名前」,「説明」,「リソースの種類」及び「グループ」を入力します。
(設定例)
「名前」:文書配布送信デーモンリソース
「説明」:Document Manager
「リソースの種類」:汎用サービス
「グループ」:Groupmax
- 実行所有者画面では,デフォルトで実行できる所有者にすべてのノードが既に設定されているので,そのまま次に進みます。
- 依存関係画面で,文書配布送信デーモンの汎用サービスリソースがオンラインになる前に,オンラインにする必要があるリソースを登録します。
ここでは,次のリソースを登録する必要があります。
- 物理ディレクトリリソース
- IPアドレスリソース
- ネットワーク名リソース
- Document Managerの汎用サービスリソース
- 汎用サービスパラメータ画面で,「サービス名」を設定します。
(設定例)
「サービス名」:GroupmaxGWJSendReplica
- レジストリの複製画面では,何も設定しないで完了します。
(9) 文書配布受信デーモンの汎用サービスリソースの作成
メールシステムによって配布文書を受信する場合は,文書配布受信デーモンの汎用サービスリソースを作成します。
- クラスタアドミニストレータの[ファイル]メニューの[新規作成]から[リソース]を選択します。
- 「名前」,「説明」,「リソースの種類」及び「グループ」を入力します。
(設定例)
「名前」:文書配布受信デーモンリソース
「説明」:Document Manager
「リソースの種類」:汎用サービス
「グループ」:Groupmax
- 実行所有者画面では,デフォルトで実行できる所有者にすべてのノードが既に設定されているので,そのまま次に進みます。
- 依存関係画面で,文書配布受信デーモンの汎用サービスリソースがオンラインになる前に,オンラインにする必要があるリソースを登録します。
ここでは,次のリソースを登録する必要があります。
- 物理ディレクトリリソース
- IPアドレスリソース
- ネットワーク名リソース
- Groupmax Addressの汎用サービスリソース
- Document Managerの汎用サービスリソース
- 汎用サービスパラメータ画面で,「サービス名」を設定します。
(設定例)
「サービス名」:GroupmaxGWJRecieveReplica
- レジストリの複製画面では,何も設定しないで完了します。
(10) プロパティの設定
プロパティでは,異常が発生した時の処理方法及び連続異常終了の監視に関する設定をします。
(a) 異常が発生した場合の処理方法の設定
異常が発生したときに,アクティブノードで再実行するか,又はすぐにスタンバイノードに処理を移すかの設定ができます。Document Managerの各リソースの[プロパティ]の[詳細設定]で設定します。すぐにスタンバイノードに処理を移す場合は,「グループに適用する」チェックボックスをオンにして,「しきい値」を「0」にします。
(b) 連続異常終了の監視に関する設定
Document Managerの連続異常終了の監視に関する設定を,グループのリソースのプロパティで設定できます。
Groupmaxグループのリソースの[プロパティ]の[詳細設定]で,「グループに適用する」チェックボックスをオンにして,「しきい値」及び「期間」に適当な値を設定してください。