8.7 作業領域のディレクトリの整合を取る

この節では,サーバ作業領域チェックユティリティの機能について説明します。

<この節の構成>
(1) 機 能
(2) 起動方法
(3) 文法
(4) ユティリティ実行結果ログの出力形式
(5) 注意事項

(1) 機 能

サーバの作業領域には,Groupmax Addressと連携している場合はGroupmax Addressに登録されているユーザごとに,Groupmax Addressと連携していない場合はDocument ManagerとGroupmax Workflow共通のユーザ登録ファイルに登録されているユーザごとに,ディレクトリが作成されます。このユティリティを実行すると,登録されているユーザとサーバの作業領域のディレクトリを比較して,登録されていないユーザ又は既に削除されたユーザのディレクトリを削除します。

また,ユーザが文書を作業領域に取り出すときには,サーバの作業領域のユーザごとに作成されたディレクトリ下に,文書ごとのディレクトリが作成されます。このユティリティによって,サーバの作業領域のディレクトリの状態とDocument Managerデータベースの文書の状態の整合性をチェックして詳細情報を出力したり,不整合が発生している場合に不要なディレクトリや情報を削除したりできます。

さらに,指定したユーザの作業領域の文書を強制的に削除することもできます。

(2) 起動方法

サーバ作業領域チェックユティリティを起動する前に,次の準備をしてください。

  1. コマンドプロンプトを起動する
  2. 文法に従ってコマンドを入力する

(3) 文法

(a) 形式

ISdirchk

 -o {WORK | DB | BOTH | DEACT}

 〔-u ユーザ名 | -U〕〔-m ログ出力ファイル名〕〔-v〕 〔-d〕

(b) オプション

-o { WORK | DB | BOTH | DEACT }
サーバ作業領域チェックユティリティで実行する操作を指定します。次のどれかを必ず指定してください。
なお,どのオプションを指定しても,登録されているユーザとサーバの作業領域のディレクトリとの整合は取ります。登録されていないユーザのディレクトリがある場合は,そのディレクトリを削除します。
WORK
サーバの作業領域に文書ごとに作成されているディレクトリの状態を,Document Managerデータベースの文書の状態に合わせます。Document Managerデータベースに「文書が作業領域に取り出されている」という情報がない文書に対してサーバの作業領域にディレクトリが存在する場合は,そのディレクトリを削除します。
DB
Document Managerデータベースの文書の状態を,サーバの作業領域に作成されているディレクトリの状態に合わせます。サーバの作業領域にディレクトリが存在しない文書に対してDocument Managerデータベースに「文書が作業領域に取り出されている」という情報が記憶されている場合は,その情報を削除して,「作業領域に存在しない」という状態に変更します。
BOTH
「WORK」を指定した場合の処理を実行した後で,「DB」を指定した場合の処理を実行します。
DEACT
指定したユーザが作業中の文書を,サーバの作業領域から削除します。このオプションを指定する場合は,必ず,-uオプションで対象となるユーザを指定するか又は-Uオプションを指定してください。
-u ユーザ名
指定したユーザについてだけ,-oオプションで指定した処理を実行します。なお,「DEACT」を指定した場合は,必ずこのオプション又は-Uオプションを指定してください。
ユーザ名は,次の規則に従って指定してください。
Groupmax Addressと連携する場合
Groupmax Addressのユーザ名の規則に従ってください。詳細はマニュアル「Groupmax Address/Mail Version 6 システム管理者ガイド 基本操作編」(Windows用)を参照してください。
Groupmax Addressと連携しない場合
1~8バイトの半角の<英数字>で指定してください。ただし,先頭文字は半角の<英字>だけ指定できます。
-U
-oオプションでDEACTを指定した場合に,すべてのユーザの作業中文書を削除するときに指定します。
-m ログ出力ファイル名
ユティリティの実行結果ログを出力するファイル名をフルパスで指定します。省略した場合は,(ユーザが指定したパス名)¥ISspoolにdirchk.txtとして出力されます。なお,このファイルはユティリティを実行するごとに上書きされます。
-v
ユティリティの実行結果ログをコンソールにも出力します。
-d
整合性チェック結果の詳細情報を出力する場合に指定します。詳細情報は,-mオプション及び-vオプションの指定に従って出力されます。出力される内容は次のとおりです。なお,それぞれのカラムは半角スペース(0x20)で区切られています。

表8-3 詳細情報として出力される内容

出力項目説明
オブジェクトID文書又は文書データベースのオブジェクトIDを出力。
オブジェクトの名称[ ]で囲まれた文字列を出力。
作業領域に取り出した時刻文書又は文書データベースを作業領域に取り出した時刻を,「YYYY/MM/DD-hh:mm:ss」形式で出力。
不明な場合は「0000/00/00-00:00:00」を出力。-oオプションにWORKを指定した場合も,「0000/00/00-00:00:00」が出力される。
バージョン番号作業領域に取り出した文書又は文書データベースのバージョン番号を出力。
不明な場合は-1を出力。-oオプションにWORKを指定した場合も,-1が出力される。
オブジェクト種別オブジェクトの種別を出力。
CLASS文書データベース
DOC文書
unknown不明
-oオプションにWORKを指定した場合も出力される。
排他モード排他モードを出力。

READ参照モード
WRITE編集モード
unknown不明
-oオプションにWORKを指定した場合も出力される。
整合性整合か不整合かを出力。

TRUE整合
FALSE不整合
unknown不明

出力例を次に示します。

図8-2 詳細情報の出力例

[図データ]

(4) ユティリティ実行結果ログの出力形式

ユティリティ実行結果ログは,次の形式で出力されます。なお,実行結果ログの先頭行には,ファイルの作成開始日時が出力され,最終行にはファイルの作成終了日時が出力されます。

(出力形式)

#ISdirchk LOG FILE : ログファイル作成開始日時

User ID = aaaaaaaa(no user)

Directory = (サーバ作業領域ディレクトリ)¥aaaaaaaa

Work Document = b

Inconsist Work Document = c

Activate Information = d

Inconsist Activate Information = e

Delete UserID (aaaaaaaa) Directory

ffff…ffff

# ISdirchk LOG FILE END : ログファイル作成終了日時

#ISdirchk LOG FILE : ログファイル作成開始日時
ログファイルの作成を開始した日時が出力されます。
UserID=aaaaaaaa(no user)
チェック対象のユーザ名が出力されます。なお,このユーザ名がGroupmax Address,又はDocument ManagerとGroupmax Workflow共通のユーザ登録ファイルに登録されていない場合は,ユーザ名に続けて(no user)と出力されます。
Directory =(サーバ作業領域ディレクトリ)¥aaaaaaaa
チェック対象のユーザ名に対応するサーバの作業領域のディレクトリのパスが出力されます。
Work Document = b
-oオプションにWORK,BOTH又はDEACTを指定した場合に出力されます。
「Directory」に取り出されている文書の総数(存在するディレクトリ数)が出力されます。
Inconsist Work Document = c
-oオプションにWORK又はBOTHを指定した場合に出力されます。
Document Managerデータベースに「文書が作業領域に取り出されていない」と記憶されているのにサーバの作業領域にディレクトリが存在する文書数が出力されます。
Activate Information = d
-oオプションにDB,BOTH又はDEACTを指定した場合に出力されます。
Document Managerデータベースに「文書が作業領域に取り出されている」と記憶されている文書の総数が出力されます。
Inconsist Activate Information = e
-oオプションにDB又はBOTHを指定した場合に出力されます。
サーバの作業領域にディレクトリが存在しないのにDocument Managerデータベースに「文書が作業領域に取り出されている」と記憶されている文書数が出力されます。
Delete UserID(aaaaaaaa) Directory
Groupmax Address,又はDocument ManagerとGroupmax Workflow共通のユーザ登録ファイルに登録されていないユーザ名に対応するディレクトリを,削除する場合に出力されます。
ffff…ffff
ログファイル内の任意の位置にメッセージが出力されます。これらのメッセージが出力された場合は,不要なディレクトリが削除されていない場合がありますので,メッセージに対処してから,再度ユティリティを実行してください。
それぞれのメッセージの要因と対処を示します。
unknown file or directory:XX, skipped.
Document Managerが作成したのではないと思われるディレクトリ又はファイルが存在します。このディレクトリ又はファイルを削除又は退避した後で,再度サーバ作業領域チェックユティリティを実行してください。
textsearch information exist. continue.
全文検索サーバに反映されていない情報があります。全文検索用テキスト登録・削除ユティリティを実行した後で,再度サーバ作業領域チェックユティリティを実行してください。
remove error:XX, skipped.
ファイル又はディレクトリの削除に失敗しました。原因を調査して取り除いてから,再度サーバ作業領域チェックユティリティを実行してください。
directory is not empty:XX, skipped.
ディレクトリが空ではありません。Document Managerが作成したのではないディレクトリ若しくはファイルがあるか,又はディレクトリ若しくはファイルの削除に失敗していますので,それぞれに対処してください。
#ISdirchk LOG FILE END : (ログファイル作成終了日時)
ログファイルの作成が終了した日時が出力されます。

(5) 注意事項