文書の配布状態管理機能とは,配信中,取り込み成功又は取り込み失敗といった,文書の配布状態を配布元サーバで表示したり,配布に失敗した場合にエクスポートファイルを再配布したりする機能です。配布先サーバで異常が発生してエラーメッセージファイルが作成されている場合には,メッセージファイルを配布先サーバから自動的に取得して,配布元サーバでエラー原因を究明できます。また,すべての配布先サーバに対しての配布が正常に完了した場合に,配布元サーバのエクスポートファイルを削除できます。
なお,この機能は,文書配布をメールシステムと連携して行っている場合に使用できます。ftpなどを使用して,手動で文書を配布している場合には使用できません。
次に,配布元サーバと配布先サーバ間の文書配布状態の受け渡しの仕組みと,それぞれの運用に必要な機能について説明します。
(1) 文書の配布状態の受け渡しの仕組み
文書の配布状態は,メールシステムを使用して,配布先サーバから配布元サーバに受け渡されます。
文書の配布状態は,配布先サーバの文書配布受信デーモンによって,メールを使用して送付され,配布元サーバの文書配布受信デーモンによって受信されます。
したがって,文書配布状態管理機能を使用する場合には,配布元サーバ,配布先サーバそれぞれで,文書配布送受信デーモンを起動しておく必要があります。
(2) 文書の配布状態表示
文書の配布状態表示は,文書の配布状態表示ユティリティ(ISrpstatコマンド)を使用して,コンソール又はファイルに出力することができます。不要になった配布状態を初期化する場合にも,このユティリティを使用します。文書の配布状態表示ユティリティについては,「8.13 文書の配布状態を表示する」を参照してください。
(3) 文書の再配布
配布が異常終了している場合,原因を取り除いた後に,該当する配布先サーバを指定して文書の再配布を実行できます。文書の再配布は,文書再配布機能ユティリティ(ISrprsndコマンド)を使用して実行します。文書再配布機能ユティリティについては,「8.14 文書を再配布する」を参照してください。
(4) エクスポートファイルの自動削除
文書配布状態管理機能を使用している場合,すべての配布先サーバに対して配布が正常に完了した時点で,該当するエクスポートファイルを自動的に削除できます。この機能を実行する場合は,環境設定ユティリティの「エクスポートファイルの削除モード」を設定しておく必要があります。