2.3.2 検索の方法
ここでは,一般文書の検索の方法について説明します。
- <この項の構成>
- (1) フォルダ検索
- (2) 条件検索
- (3) 分類索引検索
- (4) 論理演算検索
(1) フォルダ検索
フォルダはディレクトリを使用したファイル管理のような働きをします。フォルダをたどりながら,下位フォルダに格納されている一般文書の一覧を表示できます。
一般文書は,どれか一つのフォルダに格納されます。したがって,フォルダの階層構造をたどることで,属性の適切な値や,条件にする単語が思い付かなくても一般文書を絞り込んで検索できます。
(2) 条件検索
一般文書に付けられている様々な情報を検索条件として,目的の文書を検索できます。条件検索を実行する場合は,次に示す情報を検索条件として指定できます。これらの条件は組み合わせて指定できるので,複合的な検索条件を指定した文書の検索ができます。
(a) 一般文書が格納されているフォルダを検索条件にする
一般文書が格納されているフォルダを検索条件とした検索ができます。例えば,「フォルダ『勤労課』に格納された一般文書を探す」のような検索ができます。
(b) 一般文書に付けられている属性を検索条件にする
Document Managerによって付けられた属性やユーザが定義した属性を条件として検索できます。例えば,「鈴木さんが作成した一般文書を探す」のような検索ができます。また,「2000年12月1日から2000年12月31日までに作成された一般文書を探す」のように,属性の範囲を指定した検索もできます。
(c) 一般文書中のキーワードを検索条件にする
一般文書に含まれる単語を条件にして検索できます(全文検索)。例えば,「『オープンシステム』という単語が含まれる一般文書を探す」のように検索する方法です。
- 全文検索をする前に
全文検索するには,Document Managerサーバと全文検索サーバとを連携する必要があります。連携するための環境設定については,「5.8 全文検索サーバと連携するための環境設定」を参照してください。
全文検索するには,Document Managerデータベースと全文検索サーバのテキストデータベースの両方に文書を登録します。Document Managerデータベースには,一般文書の実体と属性が格納されます。また,全文検索サーバのテキストデータベースには,一般文書から抽出したテキストデータが格納されます。したがって,Wordなどで作成した一般文書からテキストデータを格納する場合は,あらかじめテキストデータを抽出しておいてください。なお,テキスト自動抽出機能を使用すると,文書を登録する時に自動的に一般文書からテキストファイルを抽出することができます。テキスト自動抽出機能については,「5.8.5 テキスト自動抽出機能の設定」を参照してください。
- 全文検索の種類
全文検索には,次の2種類の方法があります。
全文検索では,一般文書に含まれる単語をキーワードにして検索します。このキーワードを,検索タームといいます。例えば「『新製品』という単語が現れる一般文書を検索する」という場合は,「新製品」が検索タームになります。また,「『最先端技術』及び『半導体』の両方の単語が含まれる一般文書を検索する」のように検索タームの論理積での検索もできます。さらに,「『新人教育資料』又は『新人育成計画書』のうちどちらかの単語が含まれる一般文書を検索する」のように,検索タームの論理和での検索もできます。
検索タームの同義語及び異表記の単語をキーワードにして検索する方法です。
同義語・異表記展開で指定できる展開モードは,使用する全文検索サーバによってことなります。
それぞれの展開モードについて説明します。
- 同義語展開
- 検索タームと,その同義語を条件にして検索します。検索タームを「コンピュータ」として同義語も一緒に検索すると,「電子計算機」「パソコン」などの同義語を含む一般文書も検索されます。ただしこの場合,全文検索サーバで,「電子計算機」「パソコン」が「コンピュータ」と同義語であると定義した同義語辞書を設定しておく必要があります。
- アルファベット異表記展開
- 検索タームと,アルファベット異表記を条件にして検索します。「DATA」を検索タームとすると,アルファベットの異表記の「Data」「data」なども検索されます。異表記は全文検索サーバの辞書によって設定されています。なお,アルファベット展開できる文字は,全角の英字だけです。
- 片仮名異表記展開
- 検索タームと,片仮名異表記を条件にして検索します。「バイオリン」を検索タームにすると,片仮名異表記の「ヴァイオリン」なども検索されます。この展開モードは全文検索サーバとしてBibliotheca2 TextSearchを使用する場合に指定できます。
- 全角・半角異表記展開
- 検索タームと,全角・半角異表記を条件にして検索します。「Text」を検索タームとすると,「Text」なども検索されます。この展開モードは全文検索サーバとしてBibliotheca2 TextSearchを使用する場合に指定できます。
- 全文検索の注意事項
- Document Managerデータベースに登録されていても,テキストデータベースに登録されていない一般文書は,全文検索できません。
- TS管理ファイルがない場合は,全文検索はできません。TS管理ファイルについては,「5.8 全文検索サーバと連携するための環境設定」を参照してください。
- 全文検索サーバとしてBibliotheca2 TextSearchを使用する場合,Document Managerのサーバで一般文書の最新のバージョンを削除すると,Bibliotheca2 TextSearchのテキストデータベースから対応するテキストデータが削除されます。この場合,該当するテキストデータがない状態になるので,該当する文書を全文検索することができません。文書の最新バージョンを削除した場合は,サーバから文書を1度取り出して,テキストデータを抽出してからサーバに保存し直してください。なお,AP情報管理ファイルの関連ファイルに,テキストファイルを指定しておくと,Document Managerデータベースにテキストファイルを残しておくことができます。
- 全文検索サーバとしてBibliotheca2 TextSearchを使用する場合,Bibliotheca2 TextSearch Serverを起動しておいてください。また,テキストファイルを格納するテキストデータベースをオープンしておいてください。Bibliotheca2 TextSearch Serverの起動方法及びテキストデータベースをオープンする方法については,マニュアル「Bibliotheca2 TextSearch Version 2 システム管理者ガイド」を参照してください。
- 全文検索条件を指定する場合,できるだけフォルダ又は分類索引を指定した検索条件と組み合わせるようにしてください。全文検索条件だけで検索すると,登録件数によっては時間が掛かる場合があります。
(d) 分類索引への一般文書のリンクを検索条件にする
一般文書を登録した分類を条件にして検索できます。例えば「分類索引『AV機器』に登録した一般文書を探す」のような検索ができます。また,1回の検索で複数の分類を指定できます。例えば「分類索引『組織』の『営業第1課』と,分類索引『電気製品』の『ステレオ』の両方に登録した文書を探す」又は「分類索引『組織』の『営業第1課』若しくは分類索引『電気製品』の『ステレオ』のどちらかに登録した文書を探す」のような検索ができます。
(e) 一般文書が管理されている一般文書データーベースを検索条件にする
一般文書データベースを複数作成して運用している場合は,文書が管理されている一般文書データベースを検索条件にして,文書を検索できます。例えば「文書データベース『営業日報』で管理している一般文書を探す」のような検索ができます。
(f) 検索条件を複合的に指定した文書の検索の例
複合的な検索条件を指定した文書の検索例を示します。
図2-5にフォルダ,分類索引及び一般文書データベースを使った検索例を示します。
図2-5 分類索引,フォルダ及び一般文書データベースを使った検索例
![[図データ]](figure/zu020900.gif)
(3) 分類索引検索
分類索引をたどりながら一般文書を探す方法を,分類索引検索といいます。分類索引検索では,一つの分類を下位にたどって一般文書を絞り込めます。
また,分類索引検索では,拡張文書参照モードを使用できます。拡張文書参照モードは,条件検索で分類索引への一般文書のリンクを検索条件にして検索した場合にも使用できます。
- 拡張文書参照モードとは
- 分類索引検索で一般文書を検索する場合は,拡張文書参照モードを使用できます。拡張文書参照モードとは,分類索引検索で一般文書を検索する場合に,一般文書及び一般文書が属するフォルダや一般文書データベースのアクセス権とは関係なく,分類索引(分類)に登録されているすべての一般文書を参照できるモードです。
- ただし,拡張文書参照モードの場合も,分類索引検索で指定する分類索引(分類)には,参照権(読み出し権)が必要です。分類索引(分類)に参照権(読み出し権)が与えられていないユーザは,その分類索引(分類)に登録されている一般文書を検索できません。
- 拡張文書参照モードの運用例
- 拡張文書参照モードでは,一般文書,一般文書が属するフォルダ及び一般文書データベースに対して参照権(読み出し権)を持たないユーザでも,その文書が分類索引(分類)に登録されていれば,分類索引検索で検索できます。したがって,通常,特定のユーザだけが参照できる一般文書に対して,ほかのユーザも参照できるようになります。
- 拡張文書参照モードを使用する場合の運用例を次に示します。
- (例)
- フォルダ「議事録」に属する一般文書は,営業1課のユーザだけが参照できるようにする。ただし,分類索引「営業地区支店」に登録されている一般文書については,営業2課のユーザも分類索引検索できるようにする。
- なお,分類索引「営業地区支店」に対しては,すべてのユーザが一般文書を登録できるようにする。
- 拡張文書参照モードで上記のような運用をする場合,アクセス権は次のように設定します。
- すべての一般文書データベースで,すべてのユーザにすべての権限を与える。
- フォルダ「議事録」に対しては,営業1課のユーザにだけ参照権(読み出し権)を与える。そのほかのユーザには,アクセス権を与えない。
- 分類索引「営業地区支店」には,営業1課及び営業2課のユーザにだけ,参照権(読み出し権)及び文書リンク権を与える。それ以外のユーザ(全ユーザ)には,文書リンク権だけを与える。
- 営業1課のユーザは,フォルダ「議事録」に属する一般文書のうち,営業2課のユーザに検索させてもよい一般文書だけを分類索引「営業地区支店」に登録する。
- この例のように,拡張文書参照モードでは,一般文書及び一般文書が属するフォルダ及び一般文書データベースのアクセス権の制限を受けない,柔軟な分類索引検索ができます。
- 拡張文書参照モードの設定方法
- 拡張文書参照モードは,環境設定ユティリティで定義します。環境設定ユティリティについては,「8.2 Document Managerの環境を設定する」を参照してください。
(4) 論理演算検索
Document Managerでの一般文書の検索は,一般文書を集合化するという考え方に基づいています。例えば,Aという条件で一般文書を検索するとします。このAという条件に該当する一般文書を検索結果として,一つの集合とします。このように検索で得られる集合を検索結果集合といいます。
条件検索及びフォルダ検索で得た検索結果集合同士を論理演算して検索する方法を,論理演算検索といいます。論理演算検索の例を示します。
- 「オープンシステム」という検索タームで全文検索した結果
- 作成者が鈴木である一般文書を属性検索した結果
- 1と2の集合の論理積(AND論理演算)の一般文書を検索する
論理演算検索で,論理和と論理積を組み合わせて検索する場合は,2回以上に分けて検索してください。