付録B 属性ファイル

ここでは,属性ファイルの概要及び形式について説明します。属性ファイルは,一般文書だけを対象にします。

<この節の構成>
(1) 属性ファイルとは
(2) 属性ファイルの形式

(1) 属性ファイルとは

文書に付けられた属性は,オブジェクトサーバに格納されます。オブジェクトサーバから必要な属性を複写したファイルを,属性ファイルといいます。属性ファイルは,文書実体ファイル格納ディレクトリに格納されます。

属性ファイルには,次の2種類があります。

(a) 参照用属性ファイル

オブジェクトサーバに格納されている属性を参照するために使用します。参照用属性ファイルを使用する場合は,AP情報管理ファイルに参照用属性ファイル名を記述しておきます。AP情報管理ファイルでの参照用属性ファイル名の記述例を,次に示します。

WORD:1::*.arf:*.txt::::*.txt:¥
"OPEN"="WINWORD|SYSTEM [FILEOPEN .NAME=%"%wf%"]"on-client:¥
"OPEN"="WINWORD|SYSTEM [FILEOPEN .NAME=%"%wf%"]"on-client

*.arfの部分が参照用属性ファイル名の指定です。*の部分は文書名の拡張子を除いた部分に置き換えられます。AP情報管理ファイルについては,「5.7.4 アプリケーションプログラムと連携するための環境設定」を参照してください。

これによって,文書を作業領域に取り出したとき,参照用属性ファイルが自動的に作業領域に作成されます。文書を作業領域に取り出すごとに,属性が参照用属性ファイルに書き出されます。

参照用属性ファイルの形式は,「(2)属性ファイルの形式」に従ってください。

(b) 登録用属性ファイル

登録する文書の属性を記述するために使用します。例えば,クライアントのDDE機能を使ってファイルをサーバへ保存する場合に,属性などの登録に使用します。

登録用属性ファイルは,文書を取り出した作業領域に作成してください。

登録用属性ファイルを作成する形式は,「(2)属性ファイルの形式」に従ってください。また,参照用属性ファイルを複写して作成することもできます。

(2) 属性ファイルの形式

属性ファイルの形式を次に示します。形式は,参照用属性ファイル及び登録用属性ファイルで共通です。

(a) 属性ファイルの構成

属性ファイルは,属性テーブルという形式が集まって構成されています。各属性の情報は,属性テーブルの形式で格納されています。

属性ファイルの構成を,図B-1に示します。

図B-1 属性ファイルの構成

[図データ]

注 括弧付きの数字は,表B-1の項番と対応しています。

(b) 属性テーブルの形式

AAAAA △1 BB…BB △1 CC…CC △1 DD…DD △1 EE △1 FF…FF △1 G ←
HH…HH←

(凡例)

(c) 属性ファイルでの属性の並び

属性ファイルでの属性の並びを,文書の場合を表B-1,文書データベースの場合を表B-2に示します。なお,表中の項番は,図B-1の数字に対応しています。

参照用属性ファイルでは,属性は表中の項番の順で出力されます。

登録用属性ファイルを作成する場合,各属性に対応する項目は固定です。したがって,表B-1及び表B-2の内容に従って各属性の項目を記述してください。

表B-1 属性ファイルでの属性の並び(一般文書の場合)

項番内容属性
識別子
属性名属性型属性
種類
属性
アク
セス
属性
検索
属性値
情報
行数
属性値長さ
(バイ
ト)
指定
種別
文書ID1IS_
object_
id
OBJECTBASEROSEL
_NO
1オブ
ジェクト
属性値
16×
文書名2IS_
object_
name
STRINGBASERWSEL
_OK
1文字列
属性値
1~
80※1
文書
データ
ベースID
3IS_
class_
id
CLASSBASEROSEL
_NO
1文書
データ
ベース
属性値
16×
文書
データ
ベース名
4IS_
class_
name
STRINGBASEROSEL
_NO
1文字列
属性値
1~
63
×
予約項目※25IS_
owner_
uid
UIDBASEROSEL
_NO
1ユーザ
識別子
属性値
1~
14
×
所有者名6IS_
owner_
name
STRINGBASEROSEL
_OK
1ユーザ名
属性値
1~
8
×
作成日時11IS_
create_
time
TIMEBASEROSEL
_OK
1日時
属性値
21~
30
×
作成者名12IS_
creator_
name
STRINGBASERWSEL
_OK
1~
127
文字列
属性値
1~
255
更新日時13IS_
modify_
time
TIMEBASEROSEL
_OK
1日時
属性値
21~
30
×
10予約項目※214IS_
modifier
_uid
UIDBASEROSEL
_NO
1ユーザ
識別子
属性値
1~
14
×
11更新者名15IS_
modifier
_name
STRINGBASEROSEL
_OK
1ユーザ名
属性値
1~
8
×
12文書配布
フラグ
18IS_
replica_
flag
INTBASEROSEL
_NO
1符号付き整数
属性値
1~
10
×
13文書実体
ファイル
サイズ
21IS_
file_
size
SIZEDOCROSEL
_OK
1サイズ
属性値
1~
10
×
14文書実体
ファイル名
22IS_
file_
name
STRINGDOCROSEL
_OK
1文字列
属性値
1~
255
×
15文書実体
ファイル
バージョン
番号
23IS_
version_
no
VERSIONDOCROSEL
_NO
1バー
ジョン
属性値
1~
10
×
16TS情報
ID
25IS_ts_idINTDOCROSEL
_NO
1符号付き整数
属性値
1~
10
×
17TS文書
ID
26IS_ts_
document_id
INTDOCROSEL
_NO
1符号付き整数
属性値
1~
10
×
18コメント27IS_
comment
STRINGDOCRWSEL
_OK
1~
3583
文字列
属性値
1~
7167
19フォルダ名2000IS_
folder_
list
FOLDER
_LIST
DOCROSEL
_NO
1フォルダ
名称
属性値
1~
268
×
20分類索引名1000IS_view_
name_
list
VIEW_
NAME_
LIST
DOCRWSEL
_NO
1~
4095
分類索引名称
リスト
属性値
1~
528
21ユーザ定義属性
文字列型30000
指定された属性名STRINGUSERRWSEL
_OK
1~
3583
文字列
属性値
1~
7167
整数型30000
指定された属性名INTUSERRWSEL
_OK
1符号付き整数
属性値
1~
10
日時型30000
指定された属性名TIMEUSERRWSEL
_OK
1日時
属性値
21~
30
オブ
ジェクト
※3
30000
指定された属性名OBJECTUSERRWSEL
_NO
1オブ
ジェクト
属性値
16
オブ
ジェクト
リスト型※3
30000
指定された属性名OBJECT
_LIST
USERRWSEL
_NO
1~
4095
オブ
ジェクト
リスト
属性値
※4
(凡例)
○:
登録用属性ファイルに任意で指定する項目。指定した場合,変更した内容で登録されます。
×:
登録用属性ファイルに指定しても変更されない項目です。
文字列属性値は,クライアントでは255バイトまでしか表示できません。
注※1
Groupmax文書管理管理ツールの環境設定で,「文書名称長を80バイトに拡張」を「use」にしている場合,80バイトまで指定できます。
注※2
システムで予約されている項目です。
注※3
クライアントからは設定できません。
注※4
16×n+(n-1)で算出される値になります。

表B-2 属性ファイルでの属性の並び(一般文書データベースの場合)

項番内容属性
識別子
属性名属性型属性
種類
属性
アク
セス
属性
検索
属性値
情報
行数
属性値長さ
(バイ
ト)
指定
種別
文書
データ
ベースID
1IS_
object_
id
OBJECTBASEROSEL
_NO
1オブ
ジェクト
属性値
16×
文書
データ
ベース名
2IS_
object_
name
STRINGBASERWSEL
_NO
1文字列
属性値
1~
63
予約項目※15IS_
owner_
uid
UIDBASEROSEL
_OK
1ユーザ
識別子
属性値
1~
14
×
所有者名6IS_
owner_
name
STRINGBASEROSEL
_NO
1ユーザ名
属性値
1~
8
×
作成日時11IS_
create_
time
TIMEBASEROSEL
_NO
1日時
属性値
21~
30
×
作成者名12IS_
creator_
name
STRINGBASERWSEL
_OK
1~
127
文字列
属性値
1~
255
更新日時13IS_
modify_
time
TIMEBASEROSEL
_NO
1日時
属性値
21~
30
×
予約項目※114IS_
modifier
_uid
UIDBASEROSEL
_NO
1ユーザ
識別子
属性値
1~
14
×
更新者名15IS_
modifier
_name
STRINGBASEROSEL
_NO
1ユーザ名
属性値
1~
8
×
10文書配布
フラグ
18IS_
replica_
flag
INTBASEROSEL
_NO
1符号付き整数
属性値
1~
10
×
11上位文書
データ
ベース
ID※2
21IS_super_class
_id
CLASSCLASSROSEL
_NO
1文書
データ
ベース
属性値
16×
12上位文書
データ
ベース名※2
22IS_super_class
_name
STRINGCLASSROSEL
_NO
1文字列
属性値
1~
63
×
13AP識別子28IS_
application_id
INTDOC_
CLASS
RWSEL
_NO
1符号付き整数
属性値
1~
10
14文書ひな形ファイル
サイズ
29IS_form_sizeSIZEDOC_
CLASS
ROSEL
_NO
1サイズ
属性値
1~
10
×
15文書ひな形ファイル名30IS_form_nameSTRINGDOC_
CLASS
ROSEL
_NO
1文字列
属性値
1~
255
×
16文書ひな形
バージョン
番号
35IS_
version
_no
VERSIONDOC_
CLASS
ROSEL
_NO
1バー
ジョン
属性値
1~
10
×
17TS使用
フラグ
37IS_ts_
use_flag
INTDOC_
CLASS
ROSEL
_NO
1真偽
属性値
1×
18TS情報
ID
38IS_ts_idINTDOC_
CLASS
ROSEL
_NO
1符号付き整数
属性値
1~
10
×
19コメント39IS_
comment
STRINGDOC_
CLASS
RWSEL
_NO
1~
3583
文字列
属性値
1~
7167
20予約項目※140IS_
hitfile_
use_flag
INTDOC_
CLASS
ROSEL
_NO
1真偽
属性値
1×
(凡例)
○:
登録用属性ファイルに任意で指定する項目。指定した場合,変更した内容で登録されます。
×:
登録用属性ファイルに指定しても変更されない項目です。
文字列属性値は,クライアントでは255バイトまでしか表示できません。
注※1
システムに予約されている項目です。
注※2
システム文書データベース以外の文書データベースの属性ファイルにだけ出力又は記述します。

(d) 属性の説明

属性識別子を示す10進文字列を出力又は記述します。

属性名を示す文字列を出力又は記述します。

属性型を示す次の文字列を出力又は記述します。

OBJECT:オブジェクト型

STRING:文字列型

CLASS:文書データベース型

UID:ユーザ識別子型

TIME:日時型

SIZE:サイズ型

VERSION:バージョン型

INT:符号付き整数型

VIEW_NAME_LIST:分類索引名称リスト型

FOLDER_LIST:フォルダ名称型

OBJECT_LIST:オブジェクトリスト型

属性の種類を示す次の文字列を出力又は記述します。

BASE:システム基本属性

CLASS,DOC_CLASS:文書データベース固有のシステム定義属性

DOC:文書固有のシステム定義属性

USER:ユーザ定義属性

属性ファイルにアクセスできるかどうかを示す次の文字列を出力又は記述します。

RO:属性の読み込みができる

RW:属性の読み書きができる

属性検索で条件として指定できるかどうかを示す次の文字列を出力又は記述します。

SEL_OK:検索条件として指定できる

SEL_NO:検索条件として指定できない

属性値情報の行数を,10進文字列で出力又は記述します。

属性値を複数行指定する場合,改行文字分として最大2バイトが付加されます。したがって,属性値の長さには,この改行文字分を加えてください。

属性値の情報を示します。

オブジェクト属性値
オブジェクトIDの属性値を,16進文字列で出力又は記述します。
文字列属性値
属性値を文字列で出力又は記述します。ただし,オブジェクト名の属性値を記述する場合は,次の制限があります。
  • 使用できる文字は次のとおりです。
・1バイトコードの文字(ただし,制御コード(0x00~0x20及び0x7F~0xFF)を除く)
・2バイトコードの文字(ただし,空白を除く)
  • 「IS_ 」及び「_ 」(アンダースコア)で始まる名称は使用できません。なお,クライアントで表現できないコードを指定すると,GUIで正しく表示されない場合があります。
文書データベース属性値
文書データベースIDの属性値を,16進文字列で出力又は記述します。
ユーザ識別子属性値
<整数型ダミー属性値>△<ユーザ名属性値>の形式で出力又は記述します。
  • 整数型ダミー属性値
1~5バイトの任意の整数値を出力又は記述します。
  • ユーザ名属性値
ユーザ名を示す文字列属性値を出力又は記述します。Groupmax AddressのユーザIDの規則に従って記述してください。
日時属性値
<整数日時属性値>△<文字列日時属性値>の形式で出力されます。
  • 整数日時属性値
日時が1~10バイトの10進文字列で出力されます。世界標準時1970/01/01-00:00:00からの経過秒数で示します。登録用属性ファイルには,0を指定してください。
  • 文字列日時属性値
サーバのローカル時間が,YYYY/MM/DD-HH:MM:SSの形式で出力されます。
サイズ属性値
サイズの属性値が,10進文字列で出力されます。
バージョン属性値
バージョン番号の属性値が,10進文字列で出力されます。
符号付き整数属性値
属性値が符号付き10進文字列で出力されます。負数の場合だけ-が付きます。
分類索引名称リスト属性値
<分類索引名属性値>〔,〔<分類名属性値>〕〔,<分類のオブジェクト属性値>〕〕の形式で記述します。
  • 分類索引名属性値
分類索引名の属性値を1~63バイトの文字列で記述します。
  • 分類名属性値
分類名の属性値を1~63バイトの文字列で記述します。
  • 分類のオブジェクト属性値
分類のオブジェクトIDの属性値を,16進文字列で記述します。
フォルダ名称
<最上位フォルダ名属性値>〔,<フォルダ名属性値>〔,<フォルダのオブジェクト属性値>〕〕
  • 最上位フォルダ名属性値
最上位フォルダ名の属性値を1~63バイトの文字列で記述します。
  • フォルダ名属性値
フォルダ名の属性値を1~63バイトの文字列で記述します。
  • フォルダのオブジェクト属性値
フォルダのフォルダIDを16進文字列で出力又は記述します。
オブジェクトリスト属性値
<オブジェクトID>〔,<オブジェクトID>…〕
  • オブジェクトID
オブジェクトIDの属性値を16進文字列で出力又は記述します。

(e) 属性ファイルの作成例

登録用属性ファイルの作成例を次に示します。

2 IS_object_name STRING BASE  RW  SEL_OK  1
文書
3 IS_class_id CLASS BASE  RO  SEL_NO  1
C0020000000002B3
4 IS_class_name STRING BASE  RO  SEL_NO  1
顧客情報

(f) 属性ファイル作成時の注意事項