1.4.1 Document Managerでの文書の管理の仕組み

ここでは,Document Managerで扱う文書の概念と,その管理の仕組みについて説明します。

<この項の構成>
(1) Document Managerデータベース
(2) Document Managerで扱う文書
(3) 文書を管理する体系
(4) 文書と作業領域

(1) Document Managerデータベース

Document Managerでは,ユーザがアプリケーションプログラムを使って作成したファイル(文書実体ファイル)に,作成した日時やユーザ名などの属性を付けたものを併せて,文書と呼びます。

Document Managerでは,文書をDocument Managerデータベースで管理しています。

Document Managerデータベースは,アプリケーションプログラムで作成した文書実体ファイルを格納する領域と,文書の属性情報を格納する領域で構成されます。文書の属性を格納する領域は,オブジェクトサーバ上に作成されます。このエリアは,オブジェクトサーバのスキーマと1対1で対応しています。なお,Document Managerデータベースは,サーバに一つあります。

(2) Document Managerで扱う文書

Document Managerで扱う文書には一般文書フォーム文書があります。

(3) 文書を管理する体系

(a) 一般文書を管理する体系

一般文書は,次に示す三つの体系で管理されます。これらの体系はDocument Managerデータベースで管理されています。

(b) フォーム文書を管理する体系

フォーム文書はフォーム文書データベースで管理されます。フォーム文書データベースはDocument Managerデータベースで管理されます。

(4) 文書と作業領域

(a) 作業領域とは

文書を作成したり編集したりするには,Document Managerによってユーザごとに割り当てられた作業領域を使います。Document Managerデータベースのデータを直接編集しないので,不当なデータの更新を防ぐことができます。また,作業領域を経由すれば,Document Managerと連携していないほかのプログラムとデータを交換できます。

(b) 作業領域の利用形態

作業領域は,サーバとクライアントのそれぞれのディスク上にあります。「文書を開く」などの要求があると,文書はDocument Managerデータベースからサーバの作業領域に複写されます。次にクライアントの作業領域(クライアントで定義されたエリア)に転送されます。

作業領域を使った文書の操作の概要を,図1-2に示します。

図1-2 作業領域を使った一般文書の操作の概要

[図データ]