8.36 ユーザID,グループID一括変更ユティリティ
この節では,フォルダや一般文書データベース,一般文書などに指定されている所有者,作成者,及び更新者のユーザIDとグループIDを,マッピングファイルに従って一括変更するユティリティの機能及び起動方法について説明します。
- <この節の構成>
- (1) 機 能
- (2) 起動方法
- (3) 文 法
- (4) マッピングファイルの記述形式
- (5) 出力形式
- (6) 注意事項
(1) 機 能
フォルダ,一般文書データベース,分類索引・分類,フォーム文書データベース及び全一般文書,フォーム文書に指定されている所有者,作成者,更新者のユーザID,グループIDをマッピングファイルで指定されたユーザID,グループIDに一括変換します。ただし,既存のオブジェクトにユーザID,及びグループIDが指定されていない場合は変換しません。また,マッピングファイル中に存在しない場合,所有者,更新者のユーザIDはシステム管理者のIDに変更し,作成者のユーザID及びグループIDは変更しません。
(2) 起動方法
ユーザID,グループID一括登録ユティリティを実行する前に,次の準備をしてください。
- Windows NTにシステム管理者でログインする
- オブジェクトサーバを起動する
- オブジェクトサーバをGroupmax Address又はGroupmax Workflowと共用している場合は,それらのプログラムを停止する
- コマンドプロンプトを起動する
- 文法に従ってコマンドを入力する
(3) 文 法
(a) 形式
ISchusrid
{ -u ユーザ情報マッピングファイル
-g グループ情報マッピングファイル | -u ユーザ情報マッピングファイル |
-g グループ情報マッピングファイル }
-o出力ファイル
〔 -k 〕
(b) オプション
- -u ユーザ情報マッピングファイル
- 変換するユーザのマッピングを格納したファイルをフルパスで指定します。
- -g グループ情報マッピングファイル
- 変換するグループのマッピングを格納したファイルをフルパスで指定します。
- -o 出力ファイル
- 変更したオブジェクト情報を出力するファイル名をフルパスで指定します。
- -k
- システム中で,グループIDが重複している場合に指定します。このオプションを指定した場合,グループ情報マッピングファイルの記述方法が異なります。
(4) マッピングファイルの記述形式
(a) ユーザ情報マッピングテーブルの記述方式
- 形式
<ユーザ情報>‘改行文字’[<ユーザ情報>‘改行文字’…]
<ユーザ情報>::=<変更前ユーザID>,<変更後ユーザID>
- 指定内容
- <変更前ユーザID>
- 変更前のユーザIDの文字列を1~8バイト以内で指定します。
- ただし,ワイルドカード指定はできません。
- <変更後ユーザID>
- 変更後のユーザIDの文字列を1~8バイト以内で指定します。
- ただし,ワイルドカード指定はできません。
- 記述例
ユーザ情報マッピングファイルの記述例を示します。
USR_K001,USR_C111
USR_K002,USR_C112
USR_K003,USR_C113
(b) グループ情報マッピングテーブルの記述方式
- 形式
<グループ情報>‘改行文字’[<グループ情報>‘改行文字’…]
<グループ情報>::=<変更前グループID>,<変更後グループID>
- 指定内容
- <変更前グループID>
- ・システム中のグループIDがユニークである場合
- 変更前のグループIDの文字列を1~8バイト以内で指定します。
- ただし,ワイルドカード指定はできません。
- ・システム中のグループIDに同一名称がある場合
- 組織を識別するための組織種別子をグループIDの文字列の先頭に付け加えます。変更前のグループIDの文字列を組織種別子を含めて2~9バイト以内で指定します。ただし,ワイルドカード指定はできません。オプションには-kを指定します。
組織種別 | 組織種別子 | 形式 |
---|
最上位組織 | C | CグループID |
上位組織 | O | OグループID |
グループ | T | TグループID |
ローカルグループ | L | LグループID |
- <変更後グループID>
- ・システム中のグループIDがユニークである場合
- 変更後のグループIDの文字列を1~8バイト以内で指定します。
- ただし,ワイルドカード指定はできません。
- ・システム中のグループIDに同一名称がある場合
- 組織を識別するための組織種別子をグループIDの文字列の先頭に付け加えます。変更前のグループIDの文字列を組織種別子を含めて2~9バイト以内で指定します。ただし,ワイルドカード指定はできません。オプションには-kを指定します。
組織種別 | 組織種別子 | 形式 |
---|
最上位組織 | C | CグループID |
上位組織 | O | OグループID |
グループ | T | TグループID |
ローカルグループ | L | LグループID |
- 記述例
グループ情報マッピングファイルの記述例を示します。
- システム中のグループIDがユニークである場合(-k指定なし)
GRP_1,GRP_A
GRP_111,GRP_AAA
- システム中のグループIDに同一名称がある場合(-k指定あり)
OGRP_111,OGRP_AAA
LGRP_1111,LGRP_AAAA
TGRP_1111,TGRP_XXXX
(5) 出力形式
![[図データ]](figure/zu080700.gif)
- タイプ名
変更する属性のオブジェクトを格納したタイプ
- oid[ ]
データベース,フォルダ,文書のオブジェクトID
- offset[ ]
オブジェクトの先頭から変更する属性までのオフセット
- 変更前[ ]
変更前のユーザID又はグループID
- 変更後[ ]
変更後のユーザID又はグループID
- 出力ファイルには,オブジェクトの変更前の属性値と変更後の属性値を出力します。
- このユティリティの実行結果は,イベントビューア,標準出力及び出力ファイルの最終行に出力します。
(6) 注意事項
- このユティリティを実行できるのは,Windows NTのシステム管理者だけです。
- このユティリティを実行する前には,Document Managerのファイル,及びオブジェクトサーバファイルのバックアップを必ず取得してください。メッセージID「KIIS973-E」のエラーが発生した場合,バックアップからDocument Managerのファイル,及びオブジェクトサーバファイルを回復し,障害を取り除いた上で,このユティリティを再実行してください。
- このユティリティを実行する前に,オブジェクトサーバをユティリティモードで起動してください。
- このユティリティを実行する前に,Document Managerサーバを停止してください。
- 文書配布機能を使用している場合,すべての文書の配布状態の確認をし,文書の配布完了を確認後,このユティリティを実行してください。
- 文書配布機能を使用している場合,Groupmax Mailに登録している配布先サーバのユーザIDをユーザ情報マッピングファイルに記述してください。
- このユティリティを実行した後は,ユティリティ実行前のエクスポートファイルをインポート機能ユティリティで取り込まないでください。
- このユティリティはサーバ内の作業中文書が存在しない環境で実行する必要があります。そのため,Groupmax Integrated Desktopから作業中文書として取り出しているすべての文書を,作業領域から削除してください。Groupmax Integrated Desktopの作業領域に作業中文書が残っている場合,このユティリティ実行後,Groupmax Integrated Desktopの作業中文書が参照できなくなり,またその作業中文書は,編集モードで取り出せなくなります。その回避策として,サーバ作業領域チェックユティリティを使用することでサーバ内の作業領域に存在する作業中文書が削除できます。しかし,Groupmax Integrated Desktopとサーバ間で整合性が取れなくなり,Groupmax Integrated Desktopの作業領域に不要文書が残ります。また,変更後のユーザIDが,変更前のユーザIDと一致した場合,クライアントの作業領域にサーバへは登録不可能な作業中文書が不要文書として残ります。その場合,Groupmax Integrated Desktopからその作業中文書を削除してください。
- このユティリティを実行した後に,全文検索用テキスト登録・削除ユティリティを実行すると,このユティリティ実行前のユーザで作成した「全文検索に未登録のテキストファイル」が,全文検索サーバに登録されます。
- グループ情報マッピングファイルで組織種別子を指定する場合,変更前グループIDと変更後グループIDの組織種別子が同じでなければなりません。
- Document Manager管理者名をこのユティリティで変更する場合は,このユティリティ実行前に環境設定ユティリティでDocument Manager管理者名を変更しておいてください。
- 出力ファイルのサイズは大きくなることが見込まれます。出力ファイルは,ディスク容量の余裕のあるパスを指定してください。
- マッピングファイルには,改行キーや'¥'も含めて1行40バイト以内で記述してください。
- マッピングファイルに記述したユーザID又はグループIDに対しては,妥当性チェックは実行されません。このため,システムに存在しないユーザIDを設定してもエラーにはならないで,所有者又は更新者が不明の文書となります。このとき,クライアントでは,ユーザ属性情報がアスタリスク表示されます。
- このユティリティを再実行する場合は,このユティリティ実行前にサーバ作業領域チェックユティリティを実行し,整合性が取れた状態を確認しておいてください。