7.2.2 特定のフォルダに格納されている文書の抽出と登録の操作
特定のフォルダに格納されている文書を抽出して,登録する操作について説明します。ここでは,抽出元サーバと登録先サーバが同じ場合と異なる場合について,それぞれ説明します。また,登録が失敗した場合の対処についても説明します。
- <この項の構成>
- (1) 抽出元サーバと登録先サーバが同じ場合の操作手順
- (2) 抽出元サーバと登録先サーバが異なる場合の操作手順
- (3) 文書登録時にエラーが発生した場合の操作手順
- (4) 注意事項
(1) 抽出元サーバと登録先サーバが同じ場合の操作手順
抽出元サーバと登録先サーバが同じサーバの場合,次の手順で文書を抽出,登録します。
- 文書を抽出するフォルダのオブジェクトIDを指定してエクスポートユティリティ(ISexportコマンド)を実行する
指定されたディレクトリ又はスプールディレクトリ下にエクスポートファイルが作成されます。エクスポートユティリティについては,「8.16 特定のフォルダに格納されている文書を抽出して登録する」を参照してください。
- 文書を登録するフォルダのオブジェクトID及び手順1.で作成したエクスポートファイルを指定して,インポートユティリティ(ISimportコマンド)を実行する
インポートユティリティについては,「8.16 特定のフォルダに格納されている文書を抽出して登録する」を参照してください。
- 文書が正常に登録されているか確認する
エクスポートファイルが存在するディレクトリに拡張子が.msgのファイルが作成されている場合,エラーが発生しています。この場合は,「(3)文書登録時にエラーが発生した場合の操作手順」を参照して,文書を再登録する必要があります。
(2) 抽出元サーバと登録先サーバが異なる場合の操作手順
抽出元サーバとは別のサーバに抽出した文書を登録する場合,次の手順で文書を抽出,登録します。
- 文書を抽出するフォルダのオブジェクトIDを指定してエクスポートユティリティ(ISexportコマンド)を実行する
指定されたディレクトリ又はスプールディレクトリ下にエクスポートファイルが作成されます。エクスポートユティリティについては,「8.16 特定のフォルダに格納されている文書を抽出して登録する」を参照してください。
- 登録先サーバで抽出元サーバと同じ階層のフォルダに文書を登録する場合は,登録先サーバに抽出元サーバと同じ階層のフォルダ,文書データベース又は分類索引(分類)を作成する
- 登録先サーバの任意のディレクトリ又はスプールディレクトリ下に,手順1.で作成したエクスポートファイルを複写する
- 文書を登録するフォルダのオブジェクトID及び手順1.で作成したエクスポートファイルを指定して,インポートユティリティ(ISimportコマンド)を実行する
インポートユティリティについては,「8.16 特定のフォルダに格納されている文書を抽出して登録する」を参照してください。
この時,手順2.で抽出元サーバと同じ名称のフォルダを登録先サーバに作成した場合は,そのフォルダに文書が登録されます。また,登録先サーバに抽出元サーバと同一名称のフォルダが存在しない場合は,最上位フォルダの直下のデフォルトフォルダに文書が登録されます。
- 文書が正常に登録されているか確認する
エクスポートファイルが存在するディレクトリに拡張子が.msgのファイルが作成されている場合,エラーが発生しています。この場合は,「(3)文書登録時にエラーが発生した場合の操作手順」を参照して,文書を再登録する必要があります。
(3) 文書登録時にエラーが発生した場合の操作手順
(1)又は(2)の手順に従って文書を登録した後で,エクスポートファイルがあったディレクトリにエラーメッセージファイル(拡張子が.msgのファイル)が存在する場合,文書登録時にエラーが発生しています。この場合,登録されていない文書があります。
エラーが発生した場合は,次の手順に従って,文書を再度登録してください。これによって,登録されなかった文書だけが登録できます。
- 拡張子が.msgのファイルの内容を参照して,エラーの要因を取り除く
- エクスポートファイルと同一ディレクトリに作成されている拡張子が.cobのファイルの拡張子を,.conに変更する
- 登録対象フォルダのオブジェクトIDと手順2.で拡張子を変更したファイルを定義ファイルとして指定して,インポートユティリティを実行する
(4) 注意事項
- 抽出の対象になる文書は,最新バージョンの文書だけです。
- 抽出及び登録する対象になるのは一般文書だけです。フォーム文書,一般文書データベース,フォーム文書データベース,フォルダ,分類索引,及び文書配布対象グループは対象になりません。
- 抽出した文書を別のサーバに登録する場合,登録先のサーバには,次の階層やデータベースを事前に作成しておく必要があります。
- 抽出対象フォルダ下のフォルダ階層と同じ名称のフォルダ階層
同じ名称のフォルダが存在しない場合は,最上位フォルダの直下のデフォルトフォルダに文書が登録されます。
- 抽出された文書群が登録されている分類索引と同じ名称の分類索引階層
同じ名称の分類索引が存在しない場合は,該当する文書はリンクされません。
- 同じ名称及びユーザ定義属性を保持する一般文書データベース
名称が同じでも,属性が異なる一般文書データベースに対しては,文書を登録できません。
- 抽出した文書を登録する時に同時に全文検索用テキストファイルを全文検索サーバに登録したい場合は,全文検索用テキストファイルを文書関連ファイルとして抽出元サーバに格納しておくか,又はテキスト自動抽出機能を使用してエクスポートファイル作成時にテキストデータベースから既に登録されているテキストを抽出する必要があります。
- 抽出した文書を登録する時に同時に全文検索用テキストファイルを全文検索サーバに登録したい場合,又は登録先サーバの文書の更新日時や更新者を抽出元と一致させたい場合は,環境設定ユティリティの「ユティリティのテキストファイル登録方法」にautoを指定してください。
ただし,autoを指定すると,文書を登録する時の性能がmanualを指定した場合に比べて劣る可能性があります。
なお,manualを指定した場合は,抽出後に全文検索用テキスト登録・削除ユティリティを実行して全文検索用テキストファイルを全文検索サーバに登録する必要があります。
- DAT,CMTなどのリムーバブルディスクに対して,オペレーティングシステムのファイルシステムを経由しないファイルの抽出,登録はしません。
- 文書を登録するDocument Managerサーバに,同じ名称の文書データベース若しくは分類索引が存在する場合,又は指定したフォルダの階層以下に同じ名称のフォルダが存在する場合は,それぞれオブジェクトIDの値が最も小さい文書データベース,フォルダ又は分類索引に文書は登録されます。
- 文書のオブジェクトIDの値は抽出元と登録先で異なります。このため,登録先で分類索引帳を再作成したり,文書へのURLを変更する必要があります。また,OBJECT型及びOBJECT_LIST型のユーザ定義属性については,登録先の値にはNULLが設定されます。
- エクスポートファイルのファイルサイズが2ギガバイトを超えると,インポートユティリティ(ISimportコマンド)実行時にエラーになります。このような場合は,エクスポートファイルのファイルサイズが2ギガバイトを超えないようにフォルダを分割してエクスポートユティリティ(ISexportコマンド)を実行してください。
- エクスポートファイルをファイル転送する場合は,バイナリモードでファイル転送してください。
- 分類索引,分類又はフォルダの名称に半角コンマが含まれている場合,正しく文書を抽出及び登録することができません。発生する障害及び対処方法については,「付録L 分類索引・分類・フォルダ名称に半角コンマを使用した場合に発生する障害」を参照してください。