ここでは,フォルダを設計するときに考慮する点について説明します。
(1) どのようなフォルダを定義するのかを考える
まず,文書を管理するフォルダ体系を考えます。しかし,ディレクトリを定義するときと同様に,フォルダを定義するときも,体系や名称を決定するような規則性はありません。例えば,次のようなフォルダ定義が考えられます。
管理する文書は,Document Managerを利用する人の業種や部門によって異なります。したがって,通常の業務でどのような文書を作成して,管理しているのかを十分考慮して,体系的にフォルダを定義しておくことをお勧めします。ただし,Document Managerは文書を共有するためのプログラムですから,利用者全員がどのような文書を格納しているフォルダなのか分かるような,一般的な名称を付けることをお勧めします。
(2) 文書実体ファイル格納ディレクトリを考える
フォルダごとに,文書実体ファイルのサーバ側の格納ディレクトリを指定できます。フォルダを定義するときに,Document Manager管理者が指定してください。文書実体ファイル格納ディレクトリは,フォルダに格納する文書数や文書の容量を考慮して指定してください。この指定がない場合は,上位フォルダで指定されたディレクトリを文書実体ファイル格納ディレクトリとします。また,最上位フォルダとデフォルトフォルダの文書実体ファイル格納ディレクトリは,環境初期化ユティリティで定義します。したがって,文書実体ファイル格納ディレクトリを指定しないでフォルダを定義した場合は,すべての文書実体ファイルが同じディレクトリに格納されることになります。なお,文書実体ファイル格納ディレクトリにはシステムドライブ以外のドライブを指定することをお勧めします。環境初期化ユティリティについては,「8.4 Document Managerの環境を初期化する」を参照してください。
また,格納先のディスク容量が一杯になった場合は,文書実体ファイル格納ディレクトリ変更ユティリティを使用して,文書実体ファイル格納ディレクトリを変更できます。文書実体ファイル格納ディレクトリ変更ユティリティについては「8.25 文書実体ファイル格納ディレクトリを変更する」を参照してください。
(3) アクセス権によるフォルダの運用方法を考える
フォルダごとにアクセス権を設定できます。あるフォルダに設定したアクセス権は,下位フォルダに引き継がれます。Document Managerの運用形態やフォルダの共有の度合いなどを考慮してアクセス権を変更してください。
例えば,一般ユーザにはフォルダの参照と文書の作成だけを許可して運用します。この場合は,すべてのユーザに読み出し権と文書作成権を与えます。なお,フォルダのアクセス権は下位フォルダへ引き継がれます。したがって,最上位フォルダに下位フォルダを作成する前に,最上位フォルダに対して,各下位フォルダに共通するアクセス権を設定しておくと便利です。
フォルダのアクセス権については,「2.2.5 アクセス権の管理」を参照してください。
(4) 改変禁止モードによるフォルダの運用方法を考える
フォルダごとに改変禁止モードを設定できます。改変禁止モードは,決裁書や規則集など不用意に更新,改ざん,削除されては困る文書を管理するフォルダに対して設定すると便利です。ただし,次に示すフォルダには設定できません。
改変禁止モードは,作成した下位フォルダに引き継がれます。したがって,フォルダ体系を新規に定義する場合は,「改変禁止モードを設定するフォルダの階層」と「通常の状態で使用するフォルダの階層」と体系を分けて管理者が構築することをお勧めします。既に文書が格納されているフォルダに,改変禁止モードを設定すると,今まで文書を更新できていたユーザが,文書を更新できなくなりますので注意してください。
また,改変禁止モードが設定されたフォルダのアクセス権のうち,「グループ」と「全ユーザ」の権限を次のように制御してください。