2.2.4 属性の管理

ここでは,一般文書などに付けられる属性の概念と管理方法について説明します。

<この項の構成>
(1) Document Managerのオブジェクトと属性
(2) システム定義属性
(3) ユーザ定義属性

(1) Document Managerのオブジェクトと属性

ここでは,Document Managerでのデータの分類と,属性について説明します。

(a) オブジェクトとは

Document Managerで扱うデータを総称して,オブジェクトといいます。オブジェクトには,一般文書,フォルダ,分類索引,一般文書データベース,フォーム文書,フォーム文書データベース及びDocument Managerデータベースが含まれます。

(b) 属性とは

オブジェクトには,それぞれ属性が付けられて管理されています。属性とは,オブジェクトを作成したユーザの名前や識別子などの付加情報です。属性に対して付けられる具体的なデータを属性値といいます。例えば,「作成日時」という属性には,オブジェクトを作成した日付,例えば「2000年5月10日」などの属性値が与えられます。

これらの属性は,オブジェクトサーバによって管理されます。属性は,連携するアプリケーションプログラムの起動や,一般文書のバージョン管理などに使われ,Document Managerの操作の基盤になります。また,これらの属性値をキーにして,一般文書を検索することもできます。

連携するアプリケーションプログラムが属性を参照する場合は,属性ファイルを使うことができます。属性ファイルとは,オブジェクトサーバに格納されている属性情報が複写されたファイルです。

属性には,次の2種類があります。

それぞれの属性について次に説明します。

(2) システム定義属性

オブジェクトごとに付けられるシステム定義属性を次に示します。

(a) 一般文書データベースの属性

一般文書データベースのシステム定義属性を次の表に示します。

表2-2 一般文書データベースのシステム定義属性

属 性意 味
文書データベースID一般文書データベースを指す固有の識別子
文書データベース名一般文書データベースの名称
所有者ユーザ名所有者のユーザID
所有者アクセス権所有者のアクセス権の種類
グループアクセス権グループのアクセス権の種類
全ユーザアクセス権全ユーザのアクセス権の種類
作成日時作成した日時
作成者名作成時に設定する作成者に関する情報
更新日時更新した日時
更新者ユーザ名更新したユーザのユーザID
上位文書データベースID上位一般文書データベースの一般文書データベースID
上位文書データベース名上位一般文書データベースの一般文書データベース名
AP識別子AP情報管理ファイルに記述されているAP識別子
文書ひな形ファイルサイズ一般文書ひな形ファイルのファイルサイズ
文書ひな形ファイル名一般文書ひな形ファイルのファイル名
文書ひな形ファイルバージョン番号一般文書ひな形ファイルのバージョン番号
TS使用フラグ全文検索サーバ使用の有無を示すフラグ
TS情報IDTS管理ファイルに記述されているTS情報ID
コメントユーザの作成したコメント

(b) 一般文書の属性

一般文書のシステム定義属性を次の表に示します。

表2-3 一般文書のシステム定義属性

属 性意 味
文書ID一般文書を指す固有の識別子
文書名一般文書の名称
文書データベースID一般文書を作成した一般文書データベースID
文書データベース名一般文書を作成した一般文書データベース名
所有者ユーザ名所有者のユーザID
所有者アクセス権所有者のアクセス権の種類
グループアクセス権グループのアクセス権の種類
全ユーザアクセス権全ユーザのアクセス権の種類
作成日時作成した日時
作成者名作成時に設定する作成者に関する情報
更新日時更新した日時
更新者ユーザ名更新したユーザのユーザID
文書配布フラグ一般文書配布状況を示すフラグ
文書実体ファイルサイズ一般文書の文書実体ファイルのファイルサイズ
文書実体ファイル名一般文書の文書実体ファイルのファイル名
文書バージョン番号一般文書の文書実体ファイルのバージョン番号
TS情報ID一般文書を登録したTS情報ID
TS文書ID全文検索用文書ID
コメントユーザの作成したコメント

(c) フォルダの属性

フォルダのシステム定義属性を次の表に示します。

表2-4 フォルダのシステム定義属性

属 性意 味
フォルダIDフォルダを指す固有の識別子
フォルダ名フォルダの名称
所有者ユーザ名所有者のユーザID
所有者アクセス権所有者のアクセス権の種類
グループアクセス権グループのアクセス権の種類
全ユーザアクセス権全ユーザのアクセス権の種類
作成日時作成した日時
作成者名作成時に設定する作成者に関する情報
更新日時更新した日時
更新者ユーザ名更新したユーザのユーザID
所属文書IDリストフォルダに所属する文書IDのリスト
上位フォルダID上位フォルダのフォルダID
下位フォルダIDリスト下位フォルダのフォルダIDのリスト
文書実体格納ディレクトリ文書を格納するディレクトリパス
コメントユーザの作成したコメント

注※ フォルダ名に半角コンマを使用すると,障害が発生する機能があります。このため,フォルダ名に半角コンマは使用しないでください。使用した場合に発生する障害については,「付録L 分類索引・分類・フォルダ名称に半角コンマを使用した場合に発生する障害」を参照してください。


(d) 分類索引の属性

分類索引のシステム定義属性を次の表に示します。

表2-5 分類索引のシステム定義属性

属 性意 味
分類ID分類を指す固有の識別子
分類名分類の名称
所有者ユーザ名所有者のユーザID
所有者アクセス権所有者のアクセス権の種類
グループアクセス権グループのアクセス権の種類
全ユーザアクセス権全ユーザのアクセス権の種類
作成日時作成した日時
作成者名作成時に設定する作成者に関する情報
更新日時更新した日時
更新者ユーザ名更新したユーザのユーザID
所属文書IDリスト分類に所属する文書IDのリスト
上位分類ID上位分類の分類ID
下位分類IDリスト下位分類の分類IDのリスト
コメントユーザの作成したコメント

注※ 分類名に半角コンマを使用すると,障害が発生する機能があります。このため,分類名に半角コンマは使用しないでください。使用した場合に発生する障害については,「付録L 分類索引・分類・フォルダ名称に半角コンマを使用した場合に発生する障害」を参照してください。


(3) ユーザ定義属性

システム定義属性に追加して,ユーザが任意に定義する属性をユーザ定義属性といいます。システム定義属性以外の属性を検索条件にして,一般文書を検索する場合は,一般文書データベースにユーザ定義属性を定義しておきます。

例えば,「議事録」という一般文書データベースに「開催日」というユーザ定義属性を追加しておきます。すると,一般文書データベース「議事録」で作成された一般文書には,「開催日」という属性に「2000年12月8日」などの属性値(日付)を設定できます。これによって,「2000年12月8日に開催した会議の議事録」などの条件で一般文書を検索できます。

(a) ユーザ定義属性の属性型

ユーザ定義属性として定義できる属性型を次の表に示します。

表2-6 ユーザ定義属性として定義できる属性型

属性名属性型属性検索
ユーザが指定した属性名1文字列型(STRING)
固定長文字列型(FIXED_STRING)2
整数型(INT)
日時型(TIME)
オブジェクト型(OBJECT)3×
オブジェクトリスト型
(OBJECT_LIST)3
×

(凡例)

○:属性検索の条件として指定できる項目

×:属性検索の条件として指定できない項目

注※1 指定できる属性名には,次の制限があります。

・1~63バイトで指定します。

・属性名として使用できるのは,次に示す文字です。

 ・1バイトコードの<英大文字>,<英小文字>,<数字>,「_」(アンダースコア)

 ・2バイトコードの文字(ただし,空白を除く)

 ・「IS_」又は「_」(アンダースコア)で始まる名称は,使用できません。

注※2 1~255バイトで定義できます。

ただし,固定文字列型の文字列データには,文字列の終わりを示すNULL文字が含まれます。このため,実際に格納できるデータの最大長は,定義サイズよりも1バイト少なくなります。

注※3 オブジェクト型及びオブジェクトリスト型の属性は,Groupmax Integrated Desktop及びDocument Manager Clientから定義及び参照できません。


(b) ユーザ定義属性を定義するときの注意事項

ユーザ定義属性を定義するときの注意事項を次に示します。