システム管理者が設定した見出しは,見出し定義ファイルに記述するため,サーバを入れ替えても,同じファイルを使用して移行後のサーバに同一の見出しを登録できます。しかし,ユーザがクライアントから設定した見出しの値にはそのようなデータファイルがありません。このため,サーバを入れ替えたり,ユーザを削除したりすると設定値が消去されます。そこで,ユーザが登録した見出しの値を保存するadpdaexpコマンドと回復するadpdasetコマンドを使用して,見出しの値を移行します。
見出しの値を保存・回復するコマンドは次のような場合に使用します。
- マスタ管理サーバを入れ替える場合
システム管理者が定義した見出しや,ユーザが設定した見出しの値は,マスタ管理サーバからアドレスサーバに配信されるため,マスタ管理サーバを入れ替えると,登録済みのユーザ任意情報がすべて消去されます。アドレスサーバを入れ替える場合は,入れ替えたアドレスサーバに,マスタ管理サーバのユーザ任意情報をレプリケーションするよう指定することで,ユーザ任意情報を引き継げます。
- 兼任ユーザが存在するユーザ(主体ユーザ)を一括登録ユティリティを使用して移動する場合
主体ユーザを移動すると,主体ユーザがいったん消去されるため,兼任ユーザも自動的に消去されます。そのため,兼任ユーザで設定した見出しの値が消去されます。この場合,兼任ユーザを再登録した後で,見出しの値を回復する必要があります。
- ユーザ任意情報のバックアップを取得する場合
ユーザ任意情報だけをバックアップする場合,adpdaexpコマンドで見出しの値を保存できます。保存した見出しの値はadpdasetコマンドで回復できます。