付録E.1 概要

Address Server - Data CollectionをAIXのHigh Availability Cluster Multi-Processing for AIX(以下HACMP for AIX)を使用したクラスタ環境で使用するための設定について説明します。

Address Server - Data Collection が提供する機能範囲は次のとおりです。

<この項の構成>
(1) クラスタ環境
(2) 注意事項
(3) 物理ボリューム,論理ボリューム,及びボリュームグループの設定
(4) サービスIPアドレスの設定
(5) スーパーユーザの設定

(1) クラスタ環境

HACMP for AIXと連携した場合のAddress Server - Data Collection 環境は,次のような構成になります。概要図を図E-1に示します。

(2) 注意事項

(a) 環境設定時の注意事項

運用ノードにインストールするAddress Server - Data Collectionと,待機ノードにインストールするAddress Server - Data Collectionは,必ずバージョンレビジョンを同じにしてください。

(b) 運用時の注意事項

Address Server - Monitorでクラスタ環境のAddress Server - Data Collectionを登録する場合,「Data Collectionの設定画面」の「追加/変更するホスト名(H)」に指定するホスト名には,クラスタで使用する論理IPアドレスに対応したホスト名を設定してください。

(3) 物理ボリューム,論理ボリューム,及びボリュームグループの設定

Address Server - Data Collectionデータ格納ディレクトリに設定するディスク環境を,まず最初に作成する必要があります。ディスク環境の作成方法についてはAIXのマニュアル等を参照してください。

ただし,項番5と6については,「付録E.3 Address Server - Data Collection環境の作成」で説明する手順の中で作成します。

環境を作成した結果の例を次に示します。

表E-1 ディスク構成

項番作成項目
1ノード1から見た共用ディスクの物理ボリューム0001a90fcaf86430
2ノード2から見た共用ディスクの物理ボリューム0001a90fcaf86430
3ボリューム・グループ名/GMAXvg
4ボリューム・グループのファイルシステム名/GMAX
5Address Server - Data Collectionデータ格納ディレクトリ/GMAX/GACOLCT
6Address Server - Data Collection定義ディレクトリ用リンクファイル/opt/GAColct/Conf

図E-2 ディスク構成例

[図データ]

(4) サービスIPアドレスの設定

各ノードのローカルIPアドレスとは別にクラスタで使用する論理IPアドレスを設定する必要があります。すべてのノードがクラスタで使用する論理IPアドレスを解決できるように,DNS定義ファイルまたはhostsファイルに設定してください。設定内容の例を次に示します。

ネットワーク構成は図E-2ディスク構成を参照してください。

表E-2 ネットワーク構成

項番作成項目
1ノード1のローカルIPアドレス172.1.1.1
2ノード1のドメイン名またはホスト名node1
3ノード2のローカルIPアドレス172.1.1.2
4ノード2のドメイン名またはホスト名node2
5クラスタで使用する論理IPアドレス172.1.1.3
6クラスタで使用するドメイン名またはホスト名gmaxhost

(5) スーパーユーザの設定

ノード1とノード2のスーパーユーザ(root)は,同じユーザIDでかつ同じグループIDを持つグループに所属させてください。