(a) LAN環境の設定
LAN環境の設定では,Address Server - Data Collection及びAddress Server - Monitorで使用するホスト名とサービス名及びポート番号を登録します。
- ホスト名の登録
- 登録には,hostsファイルを使用する場合とDNS(Domain Name System)を利用する場合があります。
- hostsファイルを使用する場合
ホスト名は,次のファイルに登録します。
<Windows NTインストールディレクトリ>¥system32¥drivers¥etc¥hosts
接続するすべてのAddress Server - Monitorのホスト名とIPアドレスを登録してください。
最後のエントリ(行)にも,必ず改行を入れてください。
- DNSを利用する場合
DNSを利用する場合,DNSサーバにホスト名を登録してください。
接続するすべてのAddress Server - Monitorのホスト名とIPアドレスを登録してください。
- サービス名とポート番号の登録
- <Windows NTインストールディレクトリ>¥system32¥drivers¥etc¥servicesファイルに,次のサービス名とポート番号を追加します。
- gadcolct 20144/tcp
- <インストールディレクトリ>¥Sample¥servicesファイルに追加の例があります。
- ファイアウォールの設定
- ファイアウォールの設定については,マニュアルの「3.2 LAN環境の設定」の「(3)ファイアウォールの設定」を参照してください。
(b) 時間の設定
Address Server - Monitorを使用する場合は,Windows NTのコントロールパネルにある「日付と時刻」を使って,次に示す時間の設定を確認してください。
- Address Server - Data CollectionとAddress Server - Monitorに同一のタイムゾーン(時間帯)が設定されていることを確認してください。タイムゾーンが異なる場合, Address Server - MonitorはAddress Server - Data Collectionの情報を正しく取得できません。
- Address Server - Data CollectionとAddress Server - Monitorのシステムクロックの時刻を合わせてください。
(c) Address Server - Data Collectionのセットアップ
Address Server - Data Collectionのセットアップの手順を次に示します。
- システム管理者のアカウントでログオンする
- 「Address Server - Data Collection」サービスが起動している場合は,サービスを停止する
- 「スタート」メニューから「Groupmaxサーバ」を選択し,さらに「Address Server - Data Collection セットアップ」をクリックする。
- Address Server - Data Collectionのセットアップ画面が表示されます。
- 必要に応じてセットアップ画面内の設定を行い,「OK」をクリックする
設定が完了します。
セットアップの各画面の設定の詳細については「画面の説明 」を参照してください。
(d) Address Serverの設定
Address Server - Data Collectionが確実にデータを取得できるように,Address Serverを設定する必要があります。ここで説明する設定を実行した場合は,「Address Server」サービスの再起動が必要です。
- 注意
- ここで説明する設定を行った場合,Address Server/Mail Serverの動作に多少オーバヘッドが発生するため十分注意して必要最小限のユーザについて設定するようにしてください。
- gmpublicinfoファイルの設定
- gmpublicinfoファイルはAddress Server,及びMail Serverの設定値を定義するファイルです。ファイルの場所は,<Address Serverインストールディレクトリ>¥nxcdir¥gmpublicinfoです。
- gmpublicinfoファイルに次の設定を行います。
- NXCLOG_COUNT およびNXCLOG_SIZE
- Address Server - Data Collectionは,Address Serverの出力するnxclogファイルから稼働結果情報を取得しています。「採取開始時刻」に,nxclogファイルに必要分(最低前日分)の情報が残っていないとデータも不十分な情報となってしまいます。Address Server - Data Collectionを正しく使用するために,nxclogファイルの世代およびサイズを調整する必要があります。
- nxclogファイルはデフォルトで5世代,最大1000世代で管理されています。nxclog及びnxclog.001~nxclog.999がそのファイルです。Address Server - Data Collectionはすべての世代を参照しています。このためAddress Server - Data Collectionでは少なくとも,すべてのファイル上に常に最近2日分の以上の情報が格納されるように設定する必要があります。
- NXCLOG_COUNTにはnxclogファイルのバックアップファイル数を指定します。gmpublicinfoファイルにNXCLOG_COUNTが記述されていない場合は,4(5世代)が仮定されます。
- 例えば,nxclogを10世代で管理する場合は,次のように指定します。
NXCLOG_COUNT=9
- NXCLOG_SIZEにはnxclogファイルの個々の最大サイズをMB(メガバイト)単位で指定します。gmpublicinfoファイルにNXCLOG_SIZEが記述されていない場合は,10MBが仮定されます。
- 例えば,最大ファイルサイズを20MBに指定する場合は,次のように指定します。
NXCLOG_SIZE=20
- gmpublicinfoファイルにNXCLOG_COUNT=9および,NXCLOG_SIZE=20の記述がある合,総nxclogファイルサイズは,200MBになります。
- LOG_DIR_SV_RESPONSE
- Address Server - Monitorでレスポンス情報を表示する,又はAddress Server - Data Collectionでmlresprv.csvファイルを取得する場合に設定が必要です。フルパスで指定してください。ただし,ドライブ直下(例えば C:¥ など)は指定できません。
- 指定したディレクトリはあらかじめ作成しておく必要があります。
- ファイルの記述例を次に示します。
LOG_DIR_SV_RESPONSE=C:¥LogDir
- 記述例のサンプルは,<Address Server - Data Collectionインストールディレクトリ>¥Sample¥gmpublicファイルにあるので参照してください。
- 注意
- LOG_DIR_SV_RESPONSEに指定するディレクトリには,既に存在するスペースを含まないディレクトリを指定する必要があります。また,次に説明するloguser.txtで指定したユーザ数×LOG_VALID_SV_RESPONSEに指定した値×2(MB)の空き容量が必要です。
- LOG_DIR_SV_RESPONSEに指定したディレクトリには,Address Serverのシステム管理者のユーザアカウントに対して,書き込み権限を設定してください。
- Address Server - Monitorでレスポンス情報を監視したり,mlresprv.csvを利用する必要がない場合は,LOG_DIR_SV_RESPONSE,及びLOG_VALID_SV_RESPONSEの指定は削除してください。
- LOG_VALID_SV_RESPONSE
- レスポンスを監視する1ユーザ当たりのログの最大サイズをMB(メガバイト)単位で1~9までの範囲で指定します。通常1を指定します。
- ファイルの記述例を次に示します。
LOG_VALID_SV_RESPONSE=1
- 記述例のサンプルは,<Address Server - Data Collectionインストールディレクトリ>¥Sample¥gmpublicファイルにあるので参照してください。
- loguser.txtファイルの設定
- Address Server - Monitorでレスポンス情報を表示する,又はAddress Server - Data Collectionでmlresprv.csvファイルを取得する場合に設定が必要です。
- loguser.txtファイルはレスポンスを監視するユーザのユーザIDを指定するファイルです。<Address Serverインストールディレクトリ>¥nxcdir¥loguser.txtを新規に作成してください。
- このファイルで指定したユーザのレスポンス情報が監視できます。
- 監視するユーザのユーザIDを一行に1ユーザ指定します。
- ファイルの記述例を次に示します。
UserId1
UserId2
UserId3
- 記述例のサンプルは,<Address Server - Data Collectionインストールディレクトリ>¥Sample¥loguser.txtファイルにあるので参照してください。
- 注意
- 指定するユーザは最小限必要なユーザだけ指定してください。ここで指定したユーザ数に比例してAddress Serverの動作のオーバヘッドが大きくなります。
- ユーザID以外の余計な空白,タブなどは含まないようにしてください。
- 改行コードだけの行は無視されます。
- Address Server - Monitorでレスポンス情報を監視したり,mlresprv.csvを利用する必要がない場合は,<Address Serverインストールディレクトリ>¥nxcdir¥loguser.txtファイルを削除してください。
- isplocal.iniファイルの設定
- Address Server - Data Collectionでmlpop3.csvファイルを取得する場合に参照するisplog.logファイルのバックアップ数を定義するファイルです。
- ファイルの場所は,<Address Serverインストールディレクトリ>¥isp¥isplocal.ini です。
- Address Server - Data Collectionは,Address Serverの出力するisplog.logファイルからmlpop3.csvファイルの情報を取得しています。「採取開始時刻」に,isplog.logファイルに必要分(最低前日分)の情報が残っていないとデータも不十分となってしまいます。Data Collectionを正しく使用するために,isplog.logファイルの世代を調整する必要があります。
- isplog.logファイルはデフォルトで3世代,最大50世代で管理されています。isplog.logおよびisplog01.log~,isplog49.logがそのファイルです.。1ファイルあたりのサイズは5MBです。Address Server - Data Collectionはすべての世代を参照しています。このためAddress Server - Data Collectionでは少なくとも,すべてのファイル上に常に最近2日分の以上の情報が格納されるように設定する必要があります。
- isplog.logの世代数は,LogBackupで指定します。例えばisplog.logを10世代で管理したい場合は,次のように指定します。
LogBackup=10
- LogBackupに10を指定した場合,総isplog.logファイルサイズは,50MBになります。
(e) サービスの起動と停止
稼働結果を取得するためには,「Address Server - Data Collection」サービスが起動している必要があります。
ここでは,サービスの起動と停止の方法について説明します。
- 起動方法
- サービスの起動方法には自動と手動とがあります。それぞれの起動方法について説明します。
- なお,Address Server - Data Collectionが稼働結果を取得したり,Address Server - Monitorに稼働結果を転送するためには「Address Server - Data Collection」サービスが起動している必要があります。このため,サービスが自動で起動するように設定することをお勧めします(インストール直後は「自動」起動に設定されています) 。
- 注意
- 「Address Server - Data Collection」サービスを手動で起動する場合は,先に「Address Server」サービスを起動してください。自動で起動する場合は,「Address Server」サービスのスタートアップの種類も自動にしてください。
- 自動で起動する場合
- 自動起動を設定した場合,次のマシン起動時から有効になります。
- 「コントロールパネル」から「管理ツール」の「サービス」を開く。
- 「Address Server - Data Collection」サービスを選択し,「プロパティ」ボタンを選択する。
- 「スタートアップの種類」で「自動」を選択する。
- 「OK」を選択する。
- 注意
- 「ログオン」タブで「デスクトップとの対話サービスに許可」をチェックしないでください。
- 手動で起動する場合
- 「コントロールパネル」から「管理ツール」の「サービス」を開く。
- 「Address Server - Data Collection」サービスを選択する。
- 「サービスの開始」を選択する。
- 停止方法
- 「Address Server - Data Collection」サービスを停止するための手順を次に示します。
- 「コントロールパネル」から「管理ツール」の「サービス」を開く。
- 「Address Server - Data Collection」サービスを選択する。
- 「サービスの停止」を選択する。
(a) 稼働情報CSVファイルの概要
稼働情報とは,Address Server - Data Collectionが採取したAddress Server,及びMail Serverの稼働結果に関する情報です。システム管理者には19種類の稼働情報CSVファイルを提供します。
(b) 稼働情報CSVファイルの分類
Address Server - Data Collectionが出力する稼働情報CSVファイルは,Address Server - Data Collectionセットアップで指定したデータ採取時刻に定期的に出力されます。一回に出力されるデータは前日までの稼働結果(通常は毎日出力されるので前日のデータだけになる)で既存の稼働情報CSVファイルに追加されていきます。
稼働情報CSVファイルは19種類あり,Address Server稼働CSVファイル,及びMail Server稼働情報CSVファイルに分類されます。これらはさらに,履歴タイプと日単位タイプ,及びユーザ実行タイプに分類されます。履歴タイプは,Address Server,及びMail Serverの事象を,そのまま出力したファイルです。日単位タイプは,1日毎に0時0分0秒から23時59分59秒までの情報をユーザ,記事,掲示板に着目してまとめたファイルです。ユーザ実行タイプは,コマンドの実行によって出力されるファイルです。
稼働情報CSVファイルの項目の詳細については, マニュアルの「4.3 稼働情報CSVファイルの詳細」を参照してください。
- Address Server稼働情報CSVファイル
- 履歴タイプ
- adpasswd.csv(パスワード変更履歴情報)
- adauthen.csv(認証履歴情報)
- 日単位タイプ
- Mail Server稼働情報CSVファイル
- 履歴タイプ
- mllogin.csv(ログイン・ログアウト履歴情報)
- mlsend.csv(メール送信履歴情報)
- mlrecv.csv(メール受信履歴情報)
- mlopen.csv(メール参照履歴情報)
- mldel.csv(メール削除履歴情報)
- mlnput.csv(記事掲示履歴情報)
- mlnopen.csv(記事参照履歴情報)
- mlndel.csv(記事削除履歴情報)
- mlpop3.csv(インターネットクライアント履歴情報)
- mlsvcom.csv(サーバ間メール転送履歴情報)
- mlresprv.csv(受信メールレスポンス履歴情報)
- 日単位タイプ
- mluser.csv(ユーザ操作日単位情報)
- mlnews.csv(掲示板記事参照日単位情報)
- mlboard.csv(掲示板記事操作日単位情報)
- ユーザ実行タイプ
- mlstat.csv(メールボックス使用情報)
- mlbstat.csv(掲示板使用情報)
(c) 稼働情報CSVファイルのフォーマット
CSVファイルのフォーマットについては,マニュアルの「4.3稼働情報CSVファイルの詳細」を参照してください。
(d) gcolcsvコマンド
Address Server - Data Collectionのユーザ実行タイプの稼働情報CSVファイルを出力するためにはgcolcsvコマンドを使用します。ここではgcolcsvコマンドについて説明します。
gcolcsvコマンドは,<Address Server - Data Collectionインストールディレクトリ>¥Toolディレクトリにあります。このコマンドの実行手順の詳細については「ユーザ実行タイプの稼働情報CSVファイルを出力する」を参照してください。
- 機能
- ユーザ実行タイプの稼働情報CSVファイルを出力します。出力先は次のディレクトリです。
- <Address Server - Data Collectionセットアップで指定したデータ格納ディレクトリ>¥ColData¥Csvディレクトリ
- このコマンドで出力できる稼働情報CSVファイルは, mlstat.csv(メールボックス使用情報)及び,mlbstat.csv(掲示板使用情報)です。
- 形式
gcolcsv { -mlstat [-all [-d <保存期間> [-r]]] | -mlbstat } [-f] [-s]
- 引数を指定しなかった場合,簡単な使用方法を出力します。
usage: gcolcsv {-mlstat [-all [-d <1-999> [-r]]] | -mlbstat } [-f] [-s]
- 引数
- -mlstat
- mlstat.csv(メールボックス使用情報)を出力します。-mlbstatオプションと同時に指定することはできません。
- -all
- mlstat.csvに未既読情報を出力する場合に指定します。
- -mlstatオプションが指定された場合だけ有効です。
- -d <保存期間>
- 保存期間外メールをカウントする場合の保存期間(日数)を指定します。保存期間は1から999まで指定することができます。
- 保存期間は省略できません。
- -allオプションが指定された場合だけ有効です。
- -r
- 保存期間外メールをカウントする場合,未読メールもカウント対象とする場合に指定します。
- -dオプションが指定された場合だけ有効です。
- -mlbstat
- mlbstat.csv(掲示板使用情報)を出力します。-mlstatオプションと同時に指定することはできません。
- -f
- 出力する稼働情報CSVファイルを上書きする場合に指定します。このオプションを省略すると,出力対象の稼働情報CSVファイルが既に存在する場合,上書きせずに追加出力されます。
- -s
- 標準出力へのメッセージ出力を抑止します。バッチ運用などでメッセージを標準出力に表示すると問題がある場合に指定します。
引数を指定しなかった場合,簡単な使用方法を出力します。
usage: gcolcsv {-mlstat [-all [-d <1-999> [-r]]] | -mlbstat } [-f] [-s]
- 終了値
- コマンド終了時,次の値で終了します。
- 0
- 正常終了。
- 1
- 引数が不正です。
- 20
- Address Server - Data Collectionが正常にインストールされていません。
- 26
- Address Server - Data Collectionのセットアップが完了していません。
- 31
- 終了シグナルを受信しました。
- 80
- Address Serverが起動していません。
- 81
- Mail Serverがインストールされていません。
- 82
- Mail Serverが正常にインストールされていません。
- 83
- gcolcsvコマンドが実行中又は,Address Server - Data Collectionセットアップが処理中のため,コマンドの実行を中止しました。
- 84
- Address Serverが停止したためコマンドの実行を中止しました。
- 85
- 稼働情報の取得ができませんでした。
- 86
- 範囲外の保存期間が指定されました。
- 注意
- このコマンドを実行するためには,Mail Serverがインストールされている必要があります。
- このコマンドを実行するためには,Address Serverが起動している必要があります。
- このコマンドは,「Address Server - Data Collection」サービスの起動状態に関わらず実行できます。
- mlstat.csv及び,mlbstat.csv出力中にコマンドを強制終了した場合,mlstat.csv及び,mlbstat.csvの出力内容に不正な行が出力される場合があります。
- Address Server - Data Collectionセットアップが処理中の場合,gcolcsvコマンドは実行できません。
(e) ユーザ実行タイプの稼働情報CSVファイルを出力する
ユーザ実行タイプの稼働情報CSVファイルを出力する方法を説明します。この操作で作成される稼働情報CSVファイルの詳細については,マニュアルの「4.3.2 Mail Server稼働情報CSVファイル」の「(3)ユーザ実行タイプ」を参照してください。gcolcsvコマンドの詳細については,「gcolcsvコマンド」を参照してください。
ユーザ実行タイプの稼働情報CSVファイルを出力するためには,次の手順で,gcolcsvコマンドを実行してください。
- システム管理者のアカウントでログオンする。
- <Address Server - Data Collectionインストールディレクトリ>¥Tool¥gcolcsvを実行する。
稼働情報CSVファイルが,次のディレクトリに出力されます。
<Address Server - Data Collectionセットアップで指定したデータ格納ディレクトリ>¥ColData¥Csvディレクトリ
- 注意
- データ量が多い場合gcolcsvコマンドの実行に時間がかかる場合があります。
- 毎日定刻に1回実行するなど,自動的に実行させたい場合は,OSの機能を使用してください。