1.1 Workflowのツール
オフィスの業務をワークフロー管理システムで運用するためには,ビジネスプロセスの定義,運用前のテスト,及び運用後の管理といった作業が必要です。
このような作業には多くの手間が掛かりますが,次に示すWorkflowのツールを使うと,それらの作業がより簡単にできます。
- 業務の流れと作業者を定義するビジュアル定義(Workflow Definer)
- ビジュアル定義で定義したビジネスプロセスの性能を,運用前にシミュレートして確認するシミュレータ(Workflow Simulator)
- ビジネスプロセスの運用時に運用状況を監視したり,必要に応じてワークや案件を操作する運用モニタ(Workflow Monitor)
ビジネスプロセスの定義から運用までの作業の流れと,上記のツールが各作業をどのように支援しているかを,図1-1に示します。
図1-1 ビジネスプロセスの定義から運用までの流れとWorkflowの各ツール
![[図データ]](figure/zu010001.gif)
図1-1について説明します。
- 現行の業務を見直す
業務の流れに着目して,現行の業務にむだや矛盾がないかを見直します。
この作業の後で業務をワークフロー化することで,業務の効率を向上できます。
- ビジネスプロセスを定義する
業務をワークフロー化するために,次の事柄を定義します。これらの作業にはビジュアル定義を使います。
- 業務に携わる人(ユーザ)を定義します。
- ユーザの役割(ロール)を定義します。
- 業務の流れをワークフローとして定義します。
- ビジネスプロセスをシミュレートする
一通り定義の終わったビジネスプロセスは,運用前に次の方法でシミュレートして確認します。この作業にはシミュレータを使います。
- 定義したビジネスプロセスのフローの経路に,誤りや矛盾がないかを確認します(経路解析)。
- ビジネスプロセスを実際に運用したときに,スムーズに業務を実行できるかどうかを確認するため,作業時間,ケース量などの状況を想定してシミュレートします(流量シミュレーション)。
- シミュレーションの結果を基にビジネスプロセスを修正する
シミュレータで確認した結果を,必要に応じてビジネスプロセスに反映します。ビジネスプロセスを修正するには,ビジュアル定義を使います。
- ビジネスプロセスをサーバに登録・配布する
ビジネスプロセスを,実際に運用するためにWorkflow管理サーバに登録します。同時に,ビジネスプロセスをどのWorkflowサーバに配布するかを決めます。ビジネスプロセスをサーバに登録・配布するには,ビジュアル定義を使います。
- 業務を実行する
Groupmax上で実際に業務を運用します。
- 業務の状況を管理する
運用中の業務を次のように管理します。この作業には,運用モニタを使います。
- ビジネスプロセスの進ちょくやユーザの作業状況を参照します。
- 参照した内容に問題があれば,業務の優先度を変更したり作業量を調整したりして状況を改善します。
なお,業務の流れに大きな変更が生じた場合はもう一度1.~6.の作業を繰り返します。