処理定義を作成する方法には,スケルトン生成機能を使って自動生成する方法と,処理定義ウィンドウで処理コマンドを入力する方法とがあります。
(1) 処理定義の自動作成
スケルトン生成機能を使って,項目処理や後処理の処理定義を自動的に作成できます。自動作成された処理定義は,処理定義ウィンドウで修正することもできます。
項目処理を自動作成する
項目処理を自動作成するには,項目を選択後,[処理定義]-[項目処理定義スケルトン...]を選択して,[項目処理定義スケルトン生成]ダイアログボックスで処理を選択します。
スケルトン生成機能で作成できる項目処理を次に示します。( )内は,[項目処理定義スケルトン生成]ダイアログボックスで選択するチェックボックスを表します。
後処理を自動作成する
後処理を自動作成するには,[処理定義]-[後処理定義スケルトン...]を選択して,[後処理スケルトン生成]ダイアログボックスで処理を選択します。
スケルトン生成機能で作成できる後処理を,次に示します。( )内は,[後処理スケルトン生成]ダイアログボックスで選択するチェックボックスを表します。
生成される処理定義の内容
スケルトン生成機能で生成される処理定義の内容を,表7-2及び表7-3に示します。
表7-2 スケルトン生成機能で生成される処理定義の内容(項目処理定義スケルトン)
処理の種類 | 生成される処理定義 |
---|---|
入力データ チェック処理 | (* データ入力チェック処理 *) @判定開始 (チェック条件) @不成立 @電文表示 '入力した値が不正です,再入力してください',R @再入力 2 @判定終了 |
データベース 参照処理 | (* データベース参照処理 *) @レコード入力 ファイル名,(参照条件),,,U:R ※1 (* データベース参照処理:レコード占有チェック処理 *) ※1 @判定開始 (¥使用中) @成立 @電文表示 '参照するデータが他で使用中です',R @再入力 2 @判定終了 (* データベース参照処理:データ存在チェック処理 *) @判定開始 (¥NIL=#項目名) @成立 @電文表示 '参照するデータがありません',R @再入力 2 @判定終了 (* データベース参照処理:参照データ代入処理 *) ※2 @代入 項目名=#項目名 |
データベース 読込み処理 | (* データベース読込み処理:データ存在チェック *) ※3 @レコード入力 ファイル名,(参照条件) @判定開始 (¥NIL=#項目名) @成立 @電文表示 '参照するデータがありません',R @再入力 2 @判定終了 (* データベース読込み処理:読込み処理 *) @一括読込 ファイル名,(読込み条件),,U:R,AUTO ※4 (* データベース読込み処理:レコード占有チェック処理 *) ※4 @判定開始 (¥使用中) @成立 @電文表示 '読込むデータが他で使用中です',R @再入力 2 @判定終了 |
演算処理 | (* 演算処理 *) @代入 (演算式) |
実行確認処理 | (* 実行確認処理 *) @分岐開始 項目名 @分岐値 '値' (* 次の伝票を実行する *) ※5 @次伝票 1 @分岐値 '値' (* 処理を取り消す *) ※5 @次伝票 2 @分岐値 '値' (* 伝票発行を終了する *) ※5 @処理終了 1 @分岐値 '値' (* 処理を取り消して伝票発行を終了する *) ※5 @処理終了 2 @分岐終了 |
注※1 「参照データを占有する」を選択した場合に,「U:R」が付けられて,レコード占有チェック処理が生成されます。
注※2 「参照項目対応付け」で項目を指定した場合に,生成されます。
注※3 「読込み前にデータ存在チェックを行なう」を選択した場合に,生成されます。
注※4 「読み込んだデータを占有する」を選択した場合に,「U:R」が付けられて,レコード占有チェック処理が生成されます。また,「読込み後処理を自動実行する」を選択した場合に,「AUTO」が付けられます。
注※5 選択した処理に対してだけ生成されます。
表7-3 スケルトン生成機能で生成される処理定義の内容(後処理定義スケルトン)
処理の種類 | 生成される処理定義 |
---|---|
データ削除処理 | (* データ削除処理 *) @レコード削除 ファイル名,(削除条件) |
データ置き換え処理 | (* データ置き換え処理 *) @レコード登録 ファイル名,C,(置き換え条件) |
データ更新処理 | (* データ更新処理 *) @レコード登録 ファイル名,R,(更新条件) |
データ追加処理 | (* データ追加処理 *) @レコード登録 ファイル名,A,(追加条件) |
印刷処理 | (* 印刷処理 *) @書式印刷 書式ファイル名,nn,Y,Y,Y ※ |
注※ 「nn」は,指定した印刷部数です。三つの「Y」は,それぞれ「罫線の印刷を抑止する」,「固定値の印刷を抑止する」,「継続印刷をしない」を選択したことを表します。選択しなかった場合は,「N」になります。なお,「印刷先」で「サーバ」を選択した場合は,@サーバ印刷が生成されます。
(2) 処理定義の表示
伝票編集ウィンドウで,[処理定義]メニューの各コマンドを選択すると,それぞれの処理定義ウィンドウ(ドキュメントウィンドウ)が表示されます。処理定義ウィンドウでは,処理コマンドやオペランドを入力して,処理定義を作成します。一つの処理定義ウィンドウに定義できる行数は,16,000行までです。1行に記述できる文字数は,70文字までです。オぺランドに記述できる条件文数は,65個までです。
項目処理の処理定義ウィンドウを開く方法には,次の2通りの方法があります。
項目処理定義ウィンドウでは,各イベント処理(クリック処理,データ入力前処理など)の処理定義が,それぞれ異なるシートに表示されます。
また,すべての項目の項目処理をまとめて表示したい場合,[処理定義]-[項目処理一括表示]を選択して,項目処理一括定義ウィンドウを表示できます。ただし,各項目の項目処理定義ウィンドウが開いているときは,このウィンドウは開けません。
(3) 処理定義の編集
処理定義ウィンドウでの処理定義の編集方法を説明します。
処理定義を編集する
[編集]メニューの各コマンドを選択すると,処理定義の切り取り,コピー,貼り付けなどの編集操作ができます。編集する処理定義を選択するには,範囲をドラッグする,コマンドやオペランドをダブルクリックする,行番号をクリック又はドラッグするなどの方法があります。
また,[編集]-[文字列の検索...]や[文字列の置換...]を選択すると,特定の文字列を検索したり,置換したりできます。
項目のイベント処理を編集する
項目処理定義ウィンドウでは,各イベント処理(クリック処理,データ入力前処理など)の処理定義が,それぞれ異なるシートに表示されます。[編集]-[イベント定義の編集...]を選択すると,イベント処理を追加・削除したり,シートの並び順を変更したりできます。
項目処理の表示を抑止する(一括表示の場合)
項目処理一括定義ウィンドウで,項目名をダブルクリックすると,その項目の処理定義の表示を抑止できます。再びダブルクリックすれば,元に戻ります。
共通処理の名称を変更する
共通処理にあらかじめ付けられた名称(共通1~共通64)を変更するには,ウィンドウ内の名称を選択してから,[編集]-[共通処理名称変更...]を選択します。
処理定義のエラーを表示する
[処理定義]-[構文チェック]を選択すると,エラー箇所の一覧を示すダイアログボックスが表示されます。また,処理定義ウィンドウを閉じようとしたとき,エラーがあった場合も,同様のダイアログボックスが表示されます。修正したい箇所を一覧から選択して,処理定義ウィンドウの該当する行に移動できます。
また,[表示]-[構文エラー一覧]を選択すると,直前の構文チェックで指摘されたエラー箇所の一覧が,構文エラー一覧ウィンドウに表示されます。項目処理一括定義ウィンドウでは,キャレット位置の項目処理のエラーが表示されます。
(4) 処理コマンドなどの簡易入力
処理コマンドやオペランドを直接入力する代わりに,処理コマンド一覧や項目名一覧から選択して入力できます。また,処理コマンド簡易入力機能を使えば,オペランドを簡単に指定できます。
処理コマンド一覧から処理コマンドを入力する
[表示]-[処理コマンド一覧]を選択すると,[処理コマンド一覧]ダイアログボックスが表示されます。一覧から処理コマンドを選択して,入力できます。
処理コマンド簡易入力機能を使ってオペランドを入力する
オペランドの指定内容が分からない場合,処理コマンド簡易入力機能を利用できます。[処理コマンド一覧]ダイアログボックスで[簡易入力]ボタンを選択すると,その処理コマンドに応じたダイアログボックスが表示されるので,必要な値を指定します。指定した値が,オペランドとして入力されます。
継続記号(@C)を入力する
処理コマンドのオペランドが長いために,複数の行にわたって記述する場合,継続記号「@C」を指定します。[編集]-[@C]を選択すると,キャレット位置に「@C」を入力できます。
(5) メッセージの抑止
伝票発行業務の実行時に,エラーが発生したときのエラーメッセージの表示を抑止できます。また,伝票発行業務の実行状況を伝える通知メッセージの表示を抑止できます。メッセージの抑止を設定するには,開発ウィンドウで[オプション]-[クライアントオプション...]を選択します。
メッセージを抑止した場合,¥ERMSGや¥ERRTNを使って,エラーが発生したときの処理などを作成できます。実行時にエラーが発生すると,¥ERMSGには,エラーメッセージが文字列で設定されます。また,¥ERRTNには,実行状況が数値で設定されます。
なお,次に示すメッセージは抑止できません。