7.7 捺印機能の利用

伝票に捺印項目を作成しておくと,電子印で捺印できます。捺印対象項目を指定しておけば,捺印すると,その項目のデータは変更できなくなります。こうした捺印機能を使うことで,電子認証業務ができます。

捺印項目の作成については,「第3編 7.2.2(9) 捺印項目の作成」を参照してください。

<この節の構成>
(1) 電子印の作成と変更
(2) 捺印の実行

(1) 電子印の作成と変更

捺印機能で使用する印を電子印といいます。電子印は,あらかじめユーザごとに作成しておきます。

電子印の種類

捺印時のユーザ認証方式に応じて,次に示す2種類の電子印を作成できます。

一つの電子印ファイルには,異なる種類の電子印を定義できません。Groupmax Addressと連携しない電子印ファイルを開いているときは,電子印定義ウィンドウのタイトルに,「電子印定義」と表示されます。Groupmax Addressと連携する電子印ファイルを開いているときは,「電子印定義(Address連携)」と表示されます。

電子印を作成する

電子印は,電子印ファイル(ファイルタイプ「.DMH」)として保存されます。新しい電子印ファイルを作成する場合,開発ウィンドウで[ファイル]-[新規作成...]を選択して,[新規作成]ダイアログボックスで電子印のアイコンを選択します。既存の電子印ファイルを更新する場合は,開発ウィンドウでファイルのアイコンをダブルクリックするか,又はアイコンをクリックしてから[ファイル]-[編集]を選択します。

これらの操作をすると,電子印定義ウィンドウが表示されます。電子印を作成するには,[編集]-[電子印の編集...]を選択して,電子印の利用者のユーザID・パスワード及び印影を指定します。Groupmax Addressと連携する電子印の場合は,パスワードを指定する必要はありません。

電子印の印影は,氏名や日付などのテキストを組み合わせて作成します。あらかじめ作成したビットマップ形式データを,利用することもできます。また,[オプション]-[ファイルから取り込み...]を選択すると,他の電子印ファイルから印影を取り込めます。

電子印を使うには,開発ウィンドウで[オプション]-[電子印ファイル名設定...]を選択して,使用する電子印ファイルを指定します。

なお,ユーザIDなどの情報を格納したCSV形式ファイルを元にして,複数の電子印をまとめて作成できます。作成方法については,「付録D 電子印の一括作成」を参照してください。

電子印を変更する

作成した電子印の印影を変更するには,電子印定義ウィンドウで[編集]-[電子印の編集...]を選択します。また,[編集]-[電子印の削除...]を選択すると,電子印を削除できます。

Groupmax Addressと連携しない電子印に設定したパスワードを変更するには,電子印定義ウィンドウで[オプション]-[パスワードの変更...]を選択して,[パスワードの変更]ダイアログボックスで,変更後のパスワードなどを指定します。Groupmax Addressと連携する電子印は,電子印にパスワードが設定されていないので,パスワードを変更できません。

電子印の種類を変更する

電子印定義ウィンドウで,[オプション]-[Groupmax Address連携...]を選択すると,電子印の種類(認証方式)を変更できます。電子印ファイルに,既に電子印が定義されている場合,すべての電子印の種類が変更されます。

Groupmax Addressと連携しない電子印を,Groupmax Addressと連携する電子印に変更した場合,電子印に設定されたパスワードは,無効になります。Groupmax Addressと連携する電子印を,Groupmax Addressと連携しない電子印に変更した場合,電子印には,ユーザIDと同じパスワードが設定されます。

MS-DOSプロンプトで次に示すコマンドを実行して,電子印の種類を変更することもできます。

(2) 捺印の実行

捺印項目をダブルクリックすることで,捺印したり,捺印を取り消したりできます。Groupmax Addressと連携する電子印を使う場合,捺印の実行時にGroupmax Addressが必要です。また,捺印項目に捺印権限を指定している場合,電子印の種類に関係なく,捺印の実行時にGroupmax Addressが必要です。

捺印する

捺印項目をダブルクリックすると,その項目に捺印できます。

捺印項目を作成するときの,[項目属性]ダイアログボックスでの設定によって,次に示すように,操作や処理が異なります。

捺印を取り消す

捺印済みの捺印項目をダブルクリックすると,捺印を取り消せます。捺印を取り消すと,捺印対象項目のデータを変更できるようになります。

伝票を起動したときに,既に捺印されている場合,次に示すように,電子印の種類によって操作や処理が異なります。

処理定義との関係

処理定義で@捺印や@捺印取消を使うと,捺印項目に捺印したり捺印を取り消したりできます。また,@捺印情報を使って,捺印者のユーザIDや捺印日付を参照できます。

処理定義では,捺印項目の状態を,0又は1の数値で表せます。0は捺印されていないことを,1は捺印されていることを,それぞれ表します。このことを利用して,@判定開始や@分岐値のオペランド(条件文)で捺印項目の状態を判定して,判定結果に従って処理を分岐できます。

@SQL実行を使って,捺印項目とODBCデータベースとの間でデータを入出力する場合,印影と捺印項目の状態のどちらを対象にするかを指定できます。開発ウィンドウで[オプション]-[外部データベースオプション]-[ODBC...]を選択して,[ODBCオプション情報]ダイアログボックスの「電子印の印影」で指定します。