Groupmax Formで業務を作成するには,画面や帳票の形式と処理定義とを作成します。作成した業務は,単独で実行したり,ほかの業務から呼び出して実行したりします。Groupmax Formでの業務作成・実行の概要を説明します。
(1) 伝票発行業務の作成と実行
伝票発行業務の作成
伝票発行業務の作成では,伝票処理ウィンドウで画面の形式と処理定義とを作成します。伝票発行業務の作成の流れを,図3-18に示します。
図3-18 伝票発行業務の作成の流れ
伝票のタイトルや項目,ボタンなどの画面の形式は,伝票編集ウィンドウでマウスを使って作成します。また,文字の大きさや罫線の太さなどの属性を,必要に応じて変更します。
項目のデータを演算する処理や,データをデータベースに格納する処理など,典型的な処理は,スケルトン生成機能を使って簡単に作成できます。更に詳しい処理を作成したい場合は,処理定義ウィンドウ(ドキュメントウィンドウ)で,処理コマンドを入力します。ここでも,処理コマンド簡易入力機能を使って,コマンドやオペランドを簡単に入力できます。
伝票発行業務で作成できる処理を,表3-1に示します。
表3-1 伝票発行業務で作成できる処理
処理名称 | 処理内容 |
---|---|
開始処理 | 伝票発行業務を開始したときに,最初の前処理を実行する前に,一度だけ実行する処理 |
再開始処理 | メール形式ファイルを,起動したときに実行する処理 |
前処理 | 一つの伝票発行業務内で,伝票を起動したときに,実行する処理 |
項目処理 | 項目ごとに実行する処理 |
タイマ処理 | 設定した時間が経過するごとに(設定した時間の間隔で)実行する処理 |
キー入力処理 | 指定したキーを押したときに実行する処理 |
印刷前処理 | 伝票を印刷したときに,印刷処理を実行する前に,実行する処理 |
後処理 | 一つの伝票発行業務内で,伝票を終了したときに,実行する処理 |
最終処理 | 伝票発行業務を終了したときに,最後の後処理を実行した後に,一度だけ実行する処理 |
共通処理 | 項目処理から呼び出したときに実行する処理 |
伝票発行業務の実行
伝票発行業務の実行では,伝票発行ウィンドウ(伝票発行画面)でデータを入力したり,ボタンをクリックして処理を選択したりします。
伝票発行ウィンドウ(伝票発行画面)の例を,図3-19に示します。
図3-19 伝票発行ウィンドウ(伝票発行画面)の例
(2) データベースの作成と更新,データベース更新業務の作成と実行
データベースの作成と更新
データベースを作成・更新するときは,データベース定義ウィンドウ及びデータベース編集ウィンドウを使います。
データベース定義ウィンドウでは,データベースの項目を作成して,属性を定義します。項目を変更したり,追加したりすることもできます。
データベース編集ウィンドウには,データベースの内容がそのままの形式で表示されるので,対話形式でデータベースを更新できます。データの入力や更新だけでなく,抽出・分類などの加工もできます。
データベース定義ウィンドウとデータベース編集ウィンドウとは,ボタンをクリックして切り替えられます。ウィンドウを切り替えることで,定義作業と編集作業が交互にできます。
データベース更新業務の作成
データベース更新業務の作成では,データを更新したり追加したりするための処理定義を作成します。これらの処理定義は,データベース更新処理定義ウィンドウで処理コマンドを入力して作成します。処理コマンド簡易入力機能を使えば,コマンドやオペランドを簡単に入力できます。
データベース更新業務の実行
データベース更新業務は,伝票発行業務や手順業務から呼び出して実行します。伝票発行業務から呼び出すことで,伝票のデータを基にしてデータベースを更新できます。また,手順業務から呼び出すことで,変数などを使ってほかの業務とデータを受け渡しできます。
(3) 書式印刷業務の作成と実行
書式印刷業務の作成
書式印刷業務の作成では,書式処理ウィンドウで帳票の印刷形式(書式)と処理定義とを作成します。
伝票発行業務と同様に,帳票のタイトルや項目などの印刷形式は,書式編集ウィンドウでマウスを使って作成します。また,項目の印刷内容などの処理定義は,処理定義ウィンドウ(ドキュメントウィンドウ)で処理コマンドを入力して作成します。処理コマンド簡易入力機能を使えば,コマンドやオペランドを簡単に入力できます。
書式印刷業務では,データベースから検索したデータを,帳票の項目に取り込む処理を作成できます。また,特定の範囲のデータを加算して小計を印刷する処理や,合計を印刷する処理なども作成できます。
書式印刷業務の実行
書式印刷業務は,伝票発行業務や手順業務から呼び出して実行します。伝票発行業務から呼び出すことで,データベースの内容を印刷するだけでなく,伝票のデータを画面とは異なる形式で印刷することもできます。また,手順業務から呼び出すことで,変数などを使ってほかの業務とデータを受け渡しできます。
(4) 手順業務の作成と実行
手順業務の作成
手順業務の作成では,業務を呼び出したりデータベースを加工したりするための処理定義を作成します。これらの処理定義は,手順処理定義ウィンドウで処理コマンドを入力して作成します。処理コマンド簡易入力機能を使えば,コマンドやオペランドを簡単に入力できます。
手順業務の実行
手順業務は,通常,メニューウィンドウから呼び出して実行します。ほかの手順業務から呼び出すこともできます。手順業務として組み合わされた個々の業務の間では,変数などを使ってデータを受け渡しできます。
(5) 業務の呼び出し
伝票発行業務からは,データベース更新業務や書式印刷業務だけでなく,ほかの伝票発行業務も呼び出せます。また,手順業務からほかの手順業務を呼び出すこともできます。
それぞれの業務の関係を,図3-20に示します。
図3-20 業務の関係
(6) メニューの利用
メニューウィンドウを作成して業務を登録しておくと,ボタンをクリックするなどの簡単な操作で業務を実行できます。
メニューウィンドウの作成
メニューウィンドウは,メニュー編集ウィンドウで作成します。メニューのタイトルや,業務を実行するためのボタン・アイコンなどを作成して,実行する業務を登録します。
メニューウィンドウの例を,図3-21に示します。
図3-21 メニューウィンドウの例
メニューウィンドウからの業務の実行
メニューウィンドウでは,ボタンをクリックしたり,アイコンをダブルクリックしたりして,業務を呼び出して実行します。メニューウィンドウから呼び出せるのは,手順業務及びほかのメニューウィンドウです。また,Groupmax Formで作成した業務以外のプログラム(実行形式ファイル)も,メニューウィンドウに登録して呼び出せます。
伝票発行業務やデータベース更新業務を単独で実行したい場合にも,メニューウィンドウを利用できます。この場合,伝票発行業務やデータベース更新業務だけを呼び出す手順業務を作成して,メニューウィンドウに登録しておきます。
(7) ファイルパスの設定
業務を実行するときに,どのドライブ・ディレクトリ(ファイルパス)にあるファイルを使うかを,あらかじめ設定できます。
ファイルパスを設定するには,ファイルパス設定ウィンドウで,ファイル名とファイルパスとを対応付けます。複数のファイルを使う場合,ファイルごとにファイルパスを設定できます。また,Windows NTサーバやオフィスサーバのファイルパスも設定できます。
ファイルパス設定ウィンドウを,図3-22に示します。
図3-22 ファイルパス設定ウィンドウ
設定が終わったら,その情報をファイルパス設定ファイルとして保存します。業務を実行するときは,どのファイルパス設定ファイルを使うかを指定することで,目的のファイルを利用できます。