基幹業務では,大量のデータをいろいろな形で処理する必要があります。Groupmax Formでは,様々な処理を組み合わせて基幹業務を作成し,クライアントサーバシステムで運用できます。
(1) 複数の業務を組み合わせて実行(手順業務)
オフィスの基幹業務は,伝票の入力,データベースの更新,帳票の印刷といった,種類の異なる処理の組み合わせで構成されています。業務の内容によって,扱うデータが異なるため,それぞれの処理内容も異なります。
Groupmax Formでは,伝票入力やデータベース更新などの業務を個々に作成するだけでなく,これらを一つの業務(手順業務)に組み合わせて,まとめて実行できます。業務をメニュー画面に登録すれば,ボタンをクリックするなどの簡単な操作で実行できます。
業務を組み合わせて実行する例を,図2-16に示します。
図2-16 業務を組み合わせて実行する例
(2) クライアントサーバシステムでの運用
パーソナルコンピュータを中心としたシステムで,大量のデータを効率良く処理するためには,クライアントサーバシステムでの運用が不可欠です。Groupmax Formでは,Windows NTサーバを使ったクライアントサーバシステムで業務を実行できます。クライアントとサーバとで処理を分散することで,コンピュータ資源を有効に活用して,業務効率を向上できます。また,オフィスサーバ(elles7)を使った処理分散もできます。
クライアントサーバシステムの構成例を,図2-17に示します。
図2-17 クライアントサーバシステムの構成例
Groupmax Formでは,クライアントで作成した業務をWindows NTサーバに登録して,クライアントから呼び出して実行できます。また,クライアントの業務の一部を,サーバに依頼して実行できます。大量のデータを扱う処理や大量の帳票を印刷する処理を,処理能力が高いサーバで実行することで,業務効率を向上できます。
Windows NTサーバを使った処理分散の例を,図2-18に示します。
図2-18 処理分散の例
処理を分散するときに,データベースをアップロードしたりダウンロードしたりできます。処理の実行結果をデータベースに格納して,クライアントとサーバとの間で受け渡しできます。
サーバで複数の処理を実行するとき,一つずつ実行することも,並行して実行することもできます。処理と処理との間に関連がない場合は,並行して実行すれば処理効率を向上できます。
クライアントで実行するのに適した業務,及びサーバで実行するのに適した業務を,次に示します。
(3) Groupmaxとの連携
Groupmax Formは,日立のグループウェアGroupmaxのアプリケーションです。Groupmaxのほかのアプリケーションと連携して,帳票処理業務の効率を向上できます。
Groupmax Mailの利用
Groupmax Formの伝票をGroupmax Mailを使ったメールシステムで送信できます。これによって,複数の作業者や部署の間で,伝票を配布したり回覧したりする業務を実現できます。
Groupmax Workflowの利用
Groupmax Workflowで定義したワークフローでは,各ノードのフォーム(作業画面)としてGroupmax Formの伝票発行画面を使えます。これによって,伝票の記入・承認・受付などの業務の流れを自動化できます。
Groupmax Document Managerの利用
Groupmax Document Managerで作成したフォーム文書データベースのデータを登録・参照するフォームとして,Groupmax Formの伝票発行画面を使えます。これによって,営業報告などの非定型データをデータベースに登録して,データを共有できます。
また,Groupmax Formの伝票をGroupmax Document Managerに登録できます。これによって,大量の伝票を効率良く管理できます。
Groupmax Addressの利用
Groupmax Formの伝票で,審査・承認などの捺印の権限を指定しておくと,Groupmax Addressの電子アドレス帳を使って,捺印時に捺印者に対して捺印できるかどうかを判定できます。これによって,不正な捺印を防げます。
WWWの利用
Groupmax Formの伝票を,JavaアプレットファイルやASPファイルに変換して,WWWブラウザ上で実行できます。変換した伝票は,Groupmax Workflowで定義されたワークフローのデータを処理するフォームとして,利用できます。また,Groupmax Document Managerで作成されたフォーム文書データベースのデータを登録・参照するフォームとして,利用できます。なお,Groupmax Formで作成した電子印を使って,伝票に捺印することもできます。
(4) Businesspowerとの連携
Businesspowerは,Windows NTサーバを中心とした基幹業務を構築するために不可欠なソフトウェアを,体系化したものです。Groupmax Formでは,Businesspowerの各プログラムを利用することで,幅広い形態の基幹業務を作成できます。
FAXコネクションの利用
FAXコネクションは,FAXから入力した伝票の文字を認識して,データファイルに格納するプログラムです。FAXコネクションを使ってFAXから入力したデータを,Groupmax Formで加工できます。また,Groupmax FormのデータをFAXへ出力できます。
EURの利用
エンドユーザ帳票作成機能EURで作成したレポート形式を使って,Groupmax Formのデータを印刷できます。伝票やデータベースのデータを,幅広い形式の帳票で印刷できます。
拡張プリンタマネージャの利用
拡張プリンタマネージャは,Windows NTのプリントマネージャに不足しているリカバリ機能を持っています。ページ単位での印刷リカバリなどの機能を使うことで,Groupmax Formで大量の帳票を印刷する業務を,効率良く処理できます。
JP1/ジョブ管理機能の利用
JP1/ジョブ管理機能は,Windows NTサーバでのバッチジョブ機能を提供します。Groupmax Formでは,サーバにある実行形式ファイルをJP1/ジョブ管理機能のキューに登録して,バッチ形式で実行できます。
ISAMの利用
索引順編成ファイル管理ISAMを使って,Groupmax FormからISAMファイルを利用できます。これによって,クライアントでもサーバでも,COBOL85とファイルを共有した業務を作成できます。