Groupmax Formで作成する業務は,「伝票発行業務」,「データベース更新業務」,「書式印刷業務」,「手順業務」の4種類に分けられます。
(1) 伝票発行業務
画面でデータを入力して,伝票を発行する業務を,伝票発行業務といいます。この業務で使うデータ入力画面を,伝票発行画面といいます。
伝票発行業務では,データベースの内容を参照したり,データをデータベースに格納したりできます。また,入力した伝票を印刷できます。
伝票発行業務の概要を,図3-1に示します。
図3-1 伝票発行業務の概要
伝票のデータを利用して,データベースをより細かい処理で更新したい場合は,データベース更新業務を作成して,伝票発行業務から呼び出します。また,伝票のデータを画面と異なる形式で印刷したい場合は,書式印刷業務を作成して,呼び出します。
伝票発行業務は,データベース更新業務や手順業務のパラメタ入力処理などにも応用できます。伝票発行画面で入力したデータに応じて,ほかの業務を実行させたりできます。
手順業務での応用例を,図3-2に示します。
図3-2 手順業務での応用例
(2) データベース更新業務
データベースのデータを変更したり,データを追加・削除したりする業務を,データベース更新業務といいます。この業務では,伝票やほかのデータベースのデータを基にして,データを更新します。
データベース更新業務の概要を,図3-3に示します。
図3-3 データベース更新業務の概要
伝票のデータをそのまま利用して,データベースを更新したり,データベースにデータを追加したりする処理は,伝票発行業務で作成できます。しかし,業務によっては,伝票のデータを基にして,ほかのデータベースを参照しながらデータベースを更新するなど,より複雑な処理も必要です。このような場合に,データベース更新業務を作成します。
データベース更新業務では,データの抽出・分類や併合・統合など,データベースの内容を加工することもできます。加工結果を基にして,別のデータベースを作成できます。このとき,項目を追加することもできます。
データベースの加工例を,図3-4に示します。
図3-4 データベースの加工例
(3) 書式印刷業務
データベースや伝票の内容を帳票として印刷する業務を,書式印刷業務といいます。この業務で使う帳票の印刷形式を,書式といいます。
書式印刷業務では,データベースの特定の項目だけを印刷したり,小計や合計を算出して印刷したりできます。また,印刷するデータベースを基に,ほかのデータベースを参照して,データを編集して印刷することもできます。
書式印刷業務の概要を,図3-5に示します。
図3-5 書式印刷業務の概要
書式印刷業務では,伝票の内容を印刷することもできます。伝票のデータを画面と異なる形式で印刷したい場合に,書式印刷業務を作成します。
伝票データの印刷例を,図3-6に示します。
図3-6 伝票データの印刷例
(4) 手順業務
伝票発行業務,データベース更新業務,書式印刷業務を組み合わせて,一つの業務にまとめたものを,手順業務といいます。作成した手順業務をメニューウィンドウに登録すれば,ボタンをクリックするなどの簡単な操作で,複数の業務を連続して実行できます。
手順業務の概要を,図3-7に示します。
図3-7 手順業務の概要
手順業務では,複数の業務を,定義した順序や条件に従って呼び出して実行できます。データベースやメモリファイル(作業用のデータファイル),変数を使えば,業務から業務へデータを受け渡しできます。また,伝票発行画面を利用して,業務の実行条件を対話形式で指定することもできます。
手順業務の例を,図3-8に示します。
図3-8 手順業務の例
手順業務では,クライアントの業務だけでなく,サーバに登録した業務を呼び出せます。また,クライアントやサーバのデータベースを加工する処理や,アップロード・ダウンロードする処理も実行できます。さらに,ほかの手順業務を呼び出すこともできます。手順業務を作成することで,様々な形態の業務を実現できます。
(5) メニューの利用
メニューウィンドウを作成して,手順業務を登録できます。ボタンなどの部品を使ってメニューウィンドウを作成し,複数の業務を登録しておけば,簡単な操作で業務を選択して実行できます。
メニューウィンドウには,Groupmax Form以外のアプリケーションで作成したプログラムも登録できます。また,別のメニューを登録して,呼び出すこともできます。
メニューウィンドウの利用例を,図3-9に示します。
図3-9 メニューウィンドウの利用例
(6) ファイルパスの設定
業務を実行するときに,どのドライブ・ディレクトリ(ファイルパス)にあるファイルを使うかを,あらかじめ設定できます。ファイルパスを設定しておくことで,処理コマンドのオペランドでファイル名だけを指定して,格納場所を意識することなくファイルを利用できます。
ファイルパスを設定するには,ファイル名とファイルパスとを対応付けて,その情報をファイルパス設定ファイルとして保存します。複数のファイルを使う場合,ファイルごとにファイルパスを設定できます。また,クライアントのファイルパスだけでなく,サーバのファイルパスも設定できます。業務を実行するときにどのファイルパス設定ファイルを使うかは,業務ごとに指定できます。