Groupmax Formで作成する伝票の画面構成,及び帳票の印刷形式を説明します。
(1) 伝票の構成
伝票発行画面の基本となる要素は,文字列,見出し項目,明細項目,及び総括項目です。見出し項目,明細項目,総括項目の集まりをそれぞれ見出し部,明細部,総括部といいます。また,データを入力・表示するこれらの項目を,まとめて処理項目といいます。伝票発行画面には,これらの項目のほかにも,プッシュボタンなどのボタン項目や,メモ項目,捺印項目,画像項目,OLE項目,リッチテキスト項目を作成できます。
伝票発行画面の構成例を,図3-23に示します。
図3-23 伝票発行画面の構成例
文字列
伝票のタイトルや項目の見出しなど,画面上に表示するだけの文字列です。データ処理には関係しません。
見出し項目
画面のデータ全体に関係する情報などを示す項目です。データを入力したり処理結果を表示したりできます。
明細項目
同じ形式のデータ(レコード)を,縦方向に繰り返して表示する項目です。データを入力したり処理結果を表示したりできます。
総括項目
明細項目のデータの合計値などを表示する項目です。明細項目にデータが入力されるに従って,総括項目のデータも変化します。総括項目にデータを入力することはできません。
ボタン項目
ボタン項目には,プッシュボタン,チェックボックス,及びラジオボタンがあります。ボタンをクリックしたり候補を選択したりすると,処理が実行されます。チェックボックス及びラジオボタンの場合は,ほかの項目のデータに応じて,候補を選択状態にすることもできます。
メモ項目
メモを表示する項目です。メモ項目には,伝票の項目の説明や情報などを記述できます。メモ項目を参考にしてデータを入力したり,処理を実行したりできます。
捺印項目
捺印項目をダブルクリックすると,捺印できます。捺印対象項目を指定しておけば,捺印することでその項目のデータを変更できなくすることができます。
画像項目
画像(ビットマップ形式ファイル)を表示する項目です。処理コマンドを使って,画像の表示・非表示を切り替えたり,画像を回転させたりできます。
OLE項目
ほかのアプリケーションで作成したグラフなどのオブジェクトを,OLE機能を使って埋め込む項目です。ほかのアプリケーションで作成済みのオブジェクトを,リンクして埋め込むこともできます。
リッチテキスト項目
書式付きの文字列(リッチテキスト)を表示する項目です。リッチテキスト項目のデータには,文字修飾やインデントなどの書式を設定できるので,レイアウトを工夫できます。
(2) 帳票の構成
帳票は,見出し部,明細部,及び総括部から成ります。それぞれの部には,文字列や処理項目を作成できます。また,部によっては,条件印刷領域や小計領域を作成できます。
帳票の構成例を,図3-24に示します。
図3-24 帳票の構成例
帳票を構成する要素の関係を,図3-25に示します。
図3-25 要素の関係
見出し部
帳票のタイトルなどの見出し情報を印刷します。文字列や処理項目のほかに,ページ項目を作成できます。また,条件印刷領域を作成できます。
明細部
同じ形式のデータ(レコード)を,繰り返し印刷します。繰り返す領域は,文字列(見出し)と明細項目とで作成します。また,小計領域を作成できます。
総括部
明細部の下に作成して,明細の合計などを印刷します。文字列や処理項目のほかに,ページ項目を作成できます。また,条件印刷領域を作成できます。
条件印刷領域
特定の条件が成立したときだけ印刷します。見出し部及び総括部に作成できます。
小計領域
明細データの小計を印刷します。明細部に作成できます。
文字列
帳票のタイトルや項目の見出しなど,常に同じ内容を印刷します。
処理項目
データや処理結果を印刷します。明細部で繰り返し印刷する項目を,特に明細項目といいます。
ページ項目
帳票のページ数を印刷します。見出し部及び総括部に作成できます。
伝票発行画面と同様に,帳票には画像項目及びOLE項目も作成できます。これらの項目には,画像(ビットマップ形式ファイル)を貼り付けたり,オブジェクトを埋め込んだりして印刷します。また,メモ項目,捺印項目,リッチテキスト項目を作成して,伝票の同じ種類の項目のデータを印刷することもできます。
(3) レイアウト機能
伝票・帳票では,罫線を作成したり,文字や領域の属性を変更したりして,見た目を整えることができます。また,グリッドなどを利用して,項目の配置を調整できます。
罫線の作成
通常の罫線だけでなく,囲み罫線や矩形も作成できます。複数の項目をまとめて囲んだりして,画面や帳票の見た目を工夫できます。
罫線の利用例を,図3-26に示します。
図3-26 罫線の利用例
属性の変更
文字の大きさや領域の背景色などの属性を変更して,見やすく使いやすい伝票・帳票を作成できます。属性の初期値をあらかじめ変更(カスタマイズ)することもできます。
属性の変更例を,図3-27に示します。
図3-27 属性の変更例
配置の調整
伝票・帳票の形式を作成するとき,グリッドを利用できます。グリッドの間隔は,自由に設定できます。また,メニューコマンドを使って,項目の間隔・サイズ・位置を自動的に揃えられます。