2.5 開発効率の向上

業務アプリケーションの開発では,開発ツールの操作が容易で機能が豊富な程,開発効率が向上します。Groupmax Formでは,マウスやダイアログボックスを使って,対話形式で簡単にアプリケーションを開発できます。また,部品を再利用できるなど,開発効率を向上させる機能を備えています。

Groupmax Formでの業務作成の流れと特長を,図2-19に示します。

図2-19 業務作成の流れと特長

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<この節の構成>
(1) 対話形式での業務作成
(2) 日本語の処理コマンド
(3) スパイラルアプローチでの開発
(4) 部品の再利用
(5) ほかのアプリケーションの利用

(1) 対話形式での業務作成

Groupmax Formでは,画面や帳票の形式を,マウスを使って作成できます。また,業務を実行するときの処理を,ダイアログボックスを使って定義できます。このように,対話形式で簡単に業務を作成できます。

画面や帳票の形式の作成

データ入力画面(伝票発行画面)の形式や帳票の印刷形式(書式)を,マウス操作で簡単に作成できます。タイトル,データ入力領域,ボタンなどの要素を組み合わせて,業務に合った形式の画面や書式を,自由に作成できます。

データ領域の桁数や,文字の大きさ・色などの属性は,ダイアログボックスで指定できます。また,データベースの項目を参照しながら,伝票の項目を作成できます。

画面の作成操作の例を,図2-20に示します。また,データベースを基にした項目作成の例を,図2-21に示します。

図2-20 画面の作成操作の例

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図2-21 データベースを基にした項目作成の例

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各種オプションの指定

業務の実行で使う機能を,オプションとしてダイアログボックスで選択できます。メニューや標準で提供されるボタンを表示するかどうか,データベースを参照する機能を使うかどうかなどを,ダイアログボックスでチェックするだけで指定できます。

伝票発行画面のオプションを指定するダイアログボックスを,図2-22に示します。

図2-22 伝票発行画面のオプションを指定するダイアログボックス

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処理定義の作成

Groupmax Formには,処理定義のひな型(スケルトン)を自動的に作成するスケルトン生成機能があります。データベースの読み込みなどの典型的な処理は,業務に応じたパラメタをダイアログボックスで入力するだけで,簡単に定義できます。

また,処理コマンド簡易入力機能を使って,コマンドのオペランドを対話形式で指定できます。ダイアログボックスで値を選択したり入力したりするだけで,オペランドを指定できます。

スケルトン生成機能で使うダイアログボックスの例を,図2-23に示します。また,処理コマンド簡易入力機能で使うダイアログボックスの例を,図2-24に示します。

図2-23 スケルトン生成機能で使うダイアログボックスの例(データベースの読み込み)

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図2-24 処理コマンド簡易入力機能で使うダイアログボックスの例(データベースの参照)

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伝票の自動作成

マウス操作で伝票を作成する方法のほかに,伝票の形式,構成,項目,ボタンなどの必要な情報をダイアログボックスで指定して,伝票を自動的に作成することもできます。この機能を伝票自動生成機能といいます。

伝票自動生成機能で使うダイアログボックスの例を,図2-25に示します。

図2-25 伝票自動生成機能で使うダイアログボックスの例

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(2) 日本語の処理コマンド

Groupmax Formには,いろいろな処理に対応できるように豊富な処理コマンドが用意されています。コマンドの名前は,「DB更新」,「サーバ呼出」のようにすべて日本語なので,機能を理解しやすく,容易に習得できます。これらのコマンドを様々に組み合わせることで,業務に応じたきめ細かな処理を,簡単に定義できます。

処理定義の例を,図2-26に示します。

図2-26 処理定義の例

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コマンド名を正確に覚えていなくても,ダイアログボックスから目的のコマンドを選択して入力できます。また,処理コマンド簡易入力機能を利用すれば,ダイアログボックスでオペランドを指定できます。さらに,データベースの読み込みなどの典型的な処理は,スケルトン生成機能を使って,自動的に作成できます。

(3) スパイラルアプローチでの開発

GUIを使った業務アプリケーションを開発する場合,スパイラルアプローチを採用することが有効だといわれています。スパイラルアプローチとは,プロトタイプを作成してから,エンドユーザの意見を取り入れて修正・追加を繰り返し,アプリケーションを完成させていく方式です。

Groupmax Formでは,プログラムを翻訳(コンパイル)する必要がありません。そのため,作成した業務を,その場で実行して確認できます。実行した結果,画面形式や処理定義に不都合な点や不足している点があれば,すぐに修正・追加作業に移れます。

このように,Groupmax Formは,アプリケーションのテストや修正が容易なので,スパイラルアプローチで業務を開発できます。これによって,開発効率を向上できます。

スパイラルアプローチでの開発例を,図2-27に示します。

図2-27 スパイラルアプローチでの開発例

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(4) 部品の再利用

Groupmax Formでは,作成した画面形式や印刷形式と処理定義とをひとまとめにして,部品として登録できます。また,作成した処理定義を,ライブラリファイルに登録できます。

業務で定型的に使う画面項目や処理定義を,部品として登録して再利用することで,開発効率を向上できるだけでなく,統一された業務を開発できます。

部品の再利用の例を,図2-28に示します。

図2-28 部品の再利用の例

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(5) ほかのアプリケーションの利用

Groupmax Formでは,OLE機能・DLL機能を使って,ほかのアプリケーションで作成したデータやプログラムを利用できます。既存のアプリケーション資産を利用することで,開発効率を向上できます。

ほかのアプリケーションの利用例を,図2-29に示します。

図2-29 ほかのアプリケーションの利用例

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オブジェクトの埋め込みOLE機能

OLE機能を使って,ほかのアプリケーションで作成したグラフや画像などのオブジェクトを,画面や帳票に埋め込めます。リンクして埋め込めば,オブジェクトの修正を,埋め込み元と埋め込み先の両方に反映できます。

プログラムの呼び出しDLL機能

DLL機能を使って,ほかのアプリケーションで作成したプログラムを呼び出して実行できます。呼び出したプログラムの実行結果を受け取って,利用できます。