Workflowエージェントとは,Workflow Serverと連携して活動するエージェントのことです。ここでは,各Workflowエージェント共通の運用方法を説明します。
なお,管理コマンドの使用方法や障害情報の取得方法など,詳細は,マニュアル「Windows NT Groupmax Agent Version 5 システム管理者ガイド」又は「Groupmax Agent Version 5 システム管理者ガイド」を参照してください。
(1) システム構成
Workflowエージェントを運用する場合のシステム構成例を図3-1に示します。
図3-1 システム構成例(Workflowエージェントを運用する場合)
(2) 使用できるエージェントとWorkflowのユーザ
管理者用のエージェントは,ドメイン管理者,ワークフロー運用管理者,ビジネスプロセス管理者の方が使用できます。
一般ユーザ用のエージェントは,上記の管理者に加え,一般ユーザの方が使用できます。
(3) ユーザID一覧ファイルの作成
特定のユーザのトレーを監視対象又は監視対象外とする場合は,ユーザトレーの所有者のユーザIDをまとめたファイルが必要になります。ユーザID一覧ファイルは,Workflow Agentのwaulistコマンド(Windows NTの場合),又はWAulistコマンド(UNIXの場合)を使って作成し,ワークフローサーバに格納しておきます。個人エージェントの作成時には,ファイルの格納場所を指定するだけで済みます。ユーザID一覧を使用するのは,次のエージェントです。
ユーザID一覧の作成方法は,マニュアル「Windows NT Groupmax Agent Version 5 システム管理者ガイド」又は「Groupmax Agent Version 5 システム管理者ガイド」を参照してください。
(4) ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルの作成
案件の着信をE-mailで通知する場合は,トレーの所有者のユーザIDに対応するE-mailアドレスが必要になります。ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルは,Workflow Agentのwaemtblコマンド(Windows NTの場合),又はWAemtblコマンド(UNIXの場合)を使って作成し,ワークフローサーバに格納しておきます。個人エージェントの作成時には,ファイルの格納場所を指定するだけで済みます。対応ファイルを使用するのは,次のエージェントです。
対応ファイルの作成方法は,マニュアル「Windows NT Groupmax Agent Version 5 システム管理者ガイド」又は「Groupmax Agent Version 5 システム管理者ガイド」を参照してください。
(5) ユーザIDの削除
あるユーザのIDが異動などで削除された場合,そのユーザのエージェントは管理コマンドで削除してください。ユーザID一覧を使用しているときは,次のようにしてください。
(6) 監視時刻
次のWorkflowエージェントは,ある一定の時間間隔(監視間隔)でトレーを監視し,このときに該当する案件があれば通知するようになっています。
監視する時刻は,起点時間及び監視間隔によって決まります。例えば,起点時間を8:00,監視間隔を7時間とした場合,監視時刻は,8:00,15:00,22:00,5:00となります。ただし,5:00の次は12:00ではなく,起点時間の8:00になります。
各エージェントの監視時刻のデフォルトは,3.2節以降でそれぞれ説明します。
監視の起点時間及び監視間隔は,Workflow Agentの管理コマンドで変更できます。
(7) エージェント数と監視間隔
Workflowエージェントを円滑に運用するためには,登録するエージェント数とエージェントの監視間隔を考慮する必要があります。
一つのAgent Serverに登録できるエージェント数は,最大3,000です。ただし,推奨エージェント数は,使用するマシンの環境によって異なります。
エージェントの着信監視は,ある一定の時間間隔(監視間隔)でユーザトレーを調べ,該当するユーザに対してメールを送信します。したがって,監視間隔の時間内に該当ユーザに対して処理する必要があります。
例えば,監視間隔を1時間とした場合,1時間以内にエージェントが対象ユーザ全員にメールを送信する必要があります。1時間以内に処理できないと,次の監視時刻がきてもエージェントは次の処理ができません。このため,1時間ごとに結果を通知するように設定しても,2時間ごとや3時間ごとに通知するようになります。
指定した監視間隔でエージェントに処理させるためには,次の計算式を目安にして監視間隔とエージェント数を算出してください。
監視間隔>1エージェントの処理時間×エージェント数
ユーザのマシン環境でのメール送信処理性能及び監視間隔の時間によって,円滑に運用できるエージェント数とユーザ数が決まります。また,Workflowエージェントが動作すると,ワークフローサーバの性能が低下します。このため,エージェントが動作する監視時間間隔は,ワークフローサーバにログインしているユーザが少ない時間帯に動作するよう,設定してください。
なお,メモリやディスク容量に余裕がない場合は,登録できるエージェント数の最大値をwamgrコマンド(Windows NTの場合),又はWAmgrcmdコマンド(UNIXの場合)で小さくしてください。ただし,最大値を小さくする場合は,登録済みのエージェントを一度削除する必要があります。
(8) 活動状況の参照
Workflowエージェントの活動状態は,通常クライアントから参照します。ただし,クライアントから参照できるエージェントは該当ユーザが登録したエージェントだけです。すべてのWorkflowエージェントの活動状態を参照するには,Agent Serverのagmgrコマンドを使用します。
また,Workflowエージェントの動作に関するメッセージは,活動ログに出力されます。障害が発生した場合は,更に詳細情報がイベントログやメッセージに出力されます。
(9) サーバ間の情報の一致
通信障害やサーバの異常終了などによって,エージェントの動作状態がサーバ間で一致しなくなることがあります。動作状態が一致しなくなると,障害発生の原因となります。次のコマンドを使って,Workflow AgentとAgent Serverの情報を一致させてください。
(10) 障害情報の取得
Workflow Agentに障害が発生した時は,障害情報を取得してください。Workflow Agentの動作はAgent Serverと密接に関係していますので,Agent Server側での障害情報を合わせて取得してください。
(11) バックアップ・リストア
Workflow Agent側のバックアップ及びリストアは,関連するAgent Serverと同期を取って実施してください。同期を取らないと各エージェントの状態がWorkflow AgentとAgent Serverとで不一致となり,正常に動作しない可能性があります。エージェントの動作が不正となった場合は,該当するエージェントをクライアント又はAgent Serverのagmgrコマンドで一度停止させた後,再度起動してください。