3.1 Workflowエージェントの運用方法

Workflowエージェントとは,Workflow Serverと連携して活動するエージェントのことです。ここでは,各Workflowエージェント共通の運用方法を説明します。

なお,管理コマンドの使用方法や障害情報の取得方法など,詳細は,マニュアル「Windows NT Groupmax Agent Version 5 システム管理者ガイド」又は「Groupmax Agent Version 5 システム管理者ガイド」を参照してください。

<この節の構成>
(1) システム構成
(2) 使用できるエージェントとWorkflowのユーザ
(3) ユーザID一覧ファイルの作成
(4) ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルの作成
(5) ユーザIDの削除
(6) 監視時刻
(7) エージェント数と監視間隔
(8) 活動状況の参照
(9) サーバ間の情報の一致
(10) 障害情報の取得
(11) バックアップ・リストア

(1) システム構成

Workflowエージェントを運用する場合のシステム構成例を図3-1に示します。

図3-1 システム構成例(Workflowエージェントを運用する場合)

[図データ]

(2) 使用できるエージェントとWorkflowのユーザ

管理者用のエージェントは,ドメイン管理者,ワークフロー運用管理者,ビジネスプロセス管理者の方が使用できます。

一般ユーザ用のエージェントは,上記の管理者に加え,一般ユーザの方が使用できます。

(3) ユーザID一覧ファイルの作成

特定のユーザのトレーを監視対象又は監視対象外とする場合は,ユーザトレーの所有者のユーザIDをまとめたファイルが必要になります。ユーザID一覧ファイルは,Workflow Agentのwaulistコマンド(Windows NTの場合),又はWAulistコマンド(UNIXの場合)を使って作成し,ワークフローサーバに格納しておきます。個人エージェントの作成時には,ファイルの格納場所を指定するだけで済みます。ユーザID一覧を使用するのは,次のエージェントです。

ユーザID一覧の作成方法は,マニュアル「Windows NT Groupmax Agent Version 5 システム管理者ガイド」又は「Groupmax Agent Version 5 システム管理者ガイド」を参照してください。

(4) ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルの作成

案件の着信をE-mailで通知する場合は,トレーの所有者のユーザIDに対応するE-mailアドレスが必要になります。ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルは,Workflow Agentのwaemtblコマンド(Windows NTの場合),又はWAemtblコマンド(UNIXの場合)を使って作成し,ワークフローサーバに格納しておきます。個人エージェントの作成時には,ファイルの格納場所を指定するだけで済みます。対応ファイルを使用するのは,次のエージェントです。

対応ファイルの作成方法は,マニュアル「Windows NT Groupmax Agent Version 5 システム管理者ガイド」又は「Groupmax Agent Version 5 システム管理者ガイド」を参照してください。

(5) ユーザIDの削除

あるユーザのIDが異動などで削除された場合,そのユーザのエージェントは管理コマンドで削除してください。ユーザID一覧を使用しているときは,次のようにしてください。

  1. ユーザID一覧からユーザIDを削除します。
  2. 該当するエージェントを停止します。
  3. 管理コマンドで,修正後のユーザID一覧を登録します。
  4. 再度エージェントを活動させます。

(6) 監視時刻

次のWorkflowエージェントは,ある一定の時間間隔(監視間隔)でトレーを監視し,このときに該当する案件があれば通知するようになっています。

監視する時刻は,起点時間及び監視間隔によって決まります。例えば,起点時間を8:00,監視間隔を7時間とした場合,監視時刻は,8:00,15:00,22:00,5:00となります。ただし,5:00の次は12:00ではなく,起点時間の8:00になります。

各エージェントの監視時刻のデフォルトは,3.2節以降でそれぞれ説明します。

監視の起点時間及び監視間隔は,Workflow Agentの管理コマンドで変更できます。

(7) エージェント数と監視間隔

Workflowエージェントを円滑に運用するためには,登録するエージェント数とエージェントの監視間隔を考慮する必要があります。

一つのAgent Serverに登録できるエージェント数は,最大3,000です。ただし,推奨エージェント数は,使用するマシンの環境によって異なります。

エージェントの着信監視は,ある一定の時間間隔(監視間隔)でユーザトレーを調べ,該当するユーザに対してメールを送信します。したがって,監視間隔の時間内に該当ユーザに対して処理する必要があります。

例えば,監視間隔を1時間とした場合,1時間以内にエージェントが対象ユーザ全員にメールを送信する必要があります。1時間以内に処理できないと,次の監視時刻がきてもエージェントは次の処理ができません。このため,1時間ごとに結果を通知するように設定しても,2時間ごとや3時間ごとに通知するようになります。

指定した監視間隔でエージェントに処理させるためには,次の計算式を目安にして監視間隔とエージェント数を算出してください。

監視間隔>1エージェントの処理時間×エージェント数

 

ユーザのマシン環境でのメール送信処理性能及び監視間隔の時間によって,円滑に運用できるエージェント数とユーザ数が決まります。また,Workflowエージェントが動作すると,ワークフローサーバの性能が低下します。このため,エージェントが動作する監視時間間隔は,ワークフローサーバにログインしているユーザが少ない時間帯に動作するよう,設定してください。

なお,メモリやディスク容量に余裕がない場合は,登録できるエージェント数の最大値をwamgrコマンド(Windows NTの場合),又はWAmgrcmdコマンド(UNIXの場合)で小さくしてください。ただし,最大値を小さくする場合は,登録済みのエージェントを一度削除する必要があります。

(8) 活動状況の参照

Workflowエージェントの活動状態は,通常クライアントから参照します。ただし,クライアントから参照できるエージェントは該当ユーザが登録したエージェントだけです。すべてのWorkflowエージェントの活動状態を参照するには,Agent Serverのagmgrコマンドを使用します。

また,Workflowエージェントの動作に関するメッセージは,活動ログに出力されます。障害が発生した場合は,更に詳細情報がイベントログやメッセージに出力されます。

(9) サーバ間の情報の一致

通信障害やサーバの異常終了などによって,エージェントの動作状態がサーバ間で一致しなくなることがあります。動作状態が一致しなくなると,障害発生の原因となります。次のコマンドを使って,Workflow AgentとAgent Serverの情報を一致させてください。

Windows NTの場合
Agent Serverのagmgrコマンド,agmatchコマンド,Workflow Agentのwamgrコマンド,wamatchコマンド
UNIXの場合
Agent Serverのagmgrコマンド,agmatchコマンド,Workflow AgentのWAmgrcmdコマンド

(10) 障害情報の取得

Workflow Agentに障害が発生した時は,障害情報を取得してください。Workflow Agentの動作はAgent Serverと密接に関係していますので,Agent Server側での障害情報を合わせて取得してください。

(11) バックアップ・リストア

Workflow Agent側のバックアップ及びリストアは,関連するAgent Serverと同期を取って実施してください。同期を取らないと各エージェントの状態がWorkflow AgentとAgent Serverとで不一致となり,正常に動作しない可能性があります。エージェントの動作が不正となった場合は,該当するエージェントをクライアント又はAgent Serverのagmgrコマンドで一度停止させた後,再度起動してください。