6.1.2 ユーザプログラムの作成

エージェント開発者は,6.1.1項に示したエージェントの仕組みに合わせて,次のプログラムをそれぞれ作成します。

このマニュアルでは,これらエージェントの活動内容を定義するプログラムのことをユーザプログラムと呼びます。各ユーザプログラムについて説明します。

<この項の構成>
(1) トリガを監視するプログラム
(2) アクションを実行するプログラム
(3) アクション条件を判定するプログラム
(4) ユーザプログラムとエージェント定義データ

(1) トリガを監視するプログラム

トリガを監視するプログラムには,「メールが届くのを待つ」のように,監視するトリガの内容を定義します。

トリガを監視するプログラムは,トリガ監視登録プログラムとトリガ監視プログラムから構成されます。トリガ監視登録プログラムはAgent Serverから直接呼び出され,トリガ監視プログラムにトリガの監視を依頼します。トリガ監視プログラムはトリガ監視登録プログラムから呼び出され,実際にトリガを監視します。

(2) アクションを実行するプログラム

アクションを実行するプログラムには,「メッセージを表示する」のように,アクションの内容を定義します。このプログラムをアクション実行プログラムと呼びます。

アクションの処理量が多い場合は,プログラムをアクション実行プログラムとアクション実行補助プログラムに分割します。アクション実行プログラムはAgent Serverから直接呼び出され,アクション実行補助プログラムにアクションの実行を依頼します。アクション実行補助プログラムは,実際にアクションを実行します。

(3) アクション条件を判定するプログラム

アクション条件を判定するプログラムには,「届いたメールが至急であれば」のように,アクションの条件を定義します。このプログラムは必要に応じて作成します。このプログラムをアクション選択プログラムと呼びます。

(4) ユーザプログラムとエージェント定義データ

ユーザプログラムは,エージェント定義データを基にして呼び出されます。

エージェント定義データとは,エージェントの名称やユーザプログラムの名称など,エージェント固有の情報をまとめたものです。エージェント定義データは,ユーザが個人エージェントを作成したときに,ユーザが画面で指定した情報などを基にAgent Serverが作成します。このエージェント定義データの内容に従って各ユーザプログラムが実行され,一つのエージェントが活動することになります。

ユーザプログラムとエージェント定義データの関係を図6-1に示します。図6-1は,「メールの到着を監視する」というトリガと「メッセージを表示する」というアクションのエージェントの例です。

図6-1 ユーザプログラムとエージェント定義データの関係

[図データ]