3.2.2 Agent Serverの環境設定

Agent Serverのインストール後,運用を開始する前に環境設定が必要です。初めてAgent Serverを運用する場合,及び環境を再設定する場合は,次の1.~4.の設定をしてください。

  1. servicesファイルの設定
  2. システム環境の設定(メール環境の設定とシステム情報の初期化)
  3. クライアントの環境設定
  4. Object Serverの環境設定

Agent Serverがインストールされているマシンのservicesファイル,及びメール環境については,Groupmax Server Setup Wizardを使って設定することもできます。Groupmax Server Setup Wizardを使った設定の流れは「3.2.2(5) Groupmax Server Setup Wizardを使った設定の流れ」で説明します。

なお,バージョンアップして旧バージョンの環境をそのまま使用する場合の操作及び注意事項については,「3.1 バージョンの移行・混在に関する注意」を参照してください。

<この項の構成>
(1) servicesファイルの設定
(2) システム環境の設定
(3) クライアントの環境設定
(4) Object Serverの環境設定
(5) Groupmax Server Setup Wizardを使った設定の流れ

(1) servicesファイルの設定

Agent Serverがインストールされているマシンのservicesファイルに,次の内容を追加してください。servicesファイルはWindowsシステムフォルダ(ディレクトリ)¥system32¥drivers¥etcに格納されています。

agcscom   20027/tcp
agsvrcon  20028/tcp
aggml     20039/tcp

Agent ServerをGroupmax Mail Serverと別のマシンにインストールした場合は,Groupmax Mail Serverがインストールされているマシンのservicesファイルに次の内容を追加してください。

agsvrcon  20028/tcp
aggml     20039/tcp

 

なお,これらのservicesファイルは,Groupmaxサーバ環境設定ユティリティを使って設定することもできます。Groupmaxサーバ環境設定ユティリティの操作方法は,マニュアル「Groupmax Object Server Version 6 システム管理者ガイド」を参照してください。

(2) システム環境の設定

Agent Serverの運用コマンド及び管理ツールを使用してメール環境の設定及びシステム情報の初期化をします。

Agent Serverの運用コマンドの使用方法については,「5.2 Agent Serverの運用コマンド」を参照してください。また,管理ツールによるメール環境の設定については「5.6.4 メールに関する情報を参照・更新する」を,システム情報の初期化については「5.6.5 システム情報を初期化する」を参照してください。

(a) 電子メール環境の設定

Agent Server管理ツールを使用して電子メール環境を設定します。電子メール環境を設定する場合は,接続するメールサーバのホスト名又はIPアドレスをあらかじめ調べておいてください。また,メールを送信するエージェントを利用した場合のメールの送付元名称を決めておいてください。

  1. Administrator権限でWindows NTにログオンします。
  2. コマンドプロンプト画面を表示します。
    フォルダ(ディレクトリ)をインストール先フォルダ(ディレクトリ)¥GroupmaxAgent¥SVbinに移動します。
  3. 「agmgr」と入力してリターンキーを押します。
  4. Agent Serverの管理ツールのメインメニューで「Command:」の後に「2」を入力します。
  5. システム情報を参照・更新するためのメニューで「Setup:」の後に「4」を入力します。
  6. メールに関する設定メニューで「Change?(y/n[default]):」の後に「y」を入力します。
  7. 使用するメール環境に関して次の情報を設定します。
    E-mail use? y/n
    E-mail(SMTP)を使用するかどうかを指定します。使用する場合は「y」,使用しない場合は「n」を入力します。
    E-mail Server host name
    E-mailサーバのホスト名又はIPアドレスを入力します。
    Mail sender name
    E-mailの送信者名称を入力します。この場合の送信者とは,メールを送信するエージェントを動作させた場合のメールの送付元です。
    E-mail送信者の送受信トレーの不要メールはそのまま残りますので,削除してください。
    Groupmax Mail use? y/n
    Groupmax Mailを使用するかどうかを指定します。使用する場合は「y」,使用しない場合は「n」を入力します。
    Mail Server host name
    Groupmax Mailサーバのホスト名又はIPアドレスを入力します。
    UserID
    Agent ServerがGmax MailにログインするためのユーザIDを入力します。
    Groupmax MailにログインするためのユーザIDは,そのユーザIDの送受信トレーのメールがすべて削除されるため,エージェント用のIDを指定します。
  8. 設定が終わったら,「OK?(y/n[default]):」の後に「y」を入力します。
    次にシステム情報を初期化します。
(b) システム情報の初期化
  1. システム情報を設定するためのメニューに戻ったら「Setup:」の後に「5」を入力します。
  2. 「Groupmax Agent Server initialize OK? y/n(default):」の後に「y」を入力します。
    これで,システム情報の初期化が終わりました。
注意事項
上書きインストールの場合は,この初期化操作をすると,これまで登録されているエージェントがすべて消去されます。

(3) クライアントの環境設定

クライアントでテンプレートを使用してサーバエージェントを生成する場合,Agent Clientはエージェント生成のために次のファイルを必要とします。

使用したことのないテンプレートを初めて使用する場合,通常クライアント環境にはこれらのファイルがないため,Agent ClientはこれらのファイルをAgent Serverからダウンロードします。しかし,既にクライアント環境にこれらのファイルがあれば,Agent ClientはAgent Serverからのダウンロードをしません。

したがって,あらかじめクライアントが使用するファイルをAgent ServerからAgent Clientにコピーしておけば,テンプレート使用時のファイルのダウンロードを回避することができます。これは,システム導入時に多数のクライアントからのファイルのダウンロードを回避しサーバの負荷を軽減するのに有効です。

ただし,Agent Clientにコピーしたファイルの更新日時又はサイズがAgent Server側と異なる場合,Agent Clientにあるファイルは使用されません。Agent Serverからダウンロードしたファイルが使用されます。

ファイルのダウンロードを回避するためには,次のAgent ServerのファイルをAgent Clientにコピーしておいてください。なお,Agent Serverのファイルは各Agentの実行エンジンからコピーしておく必要があります。

(a) テンプレート定義ファイルのコピー
システムテンプレート
  • Agent Server(コピー元):<GmaxAgentDir>※1¥SVtmp¥templateV3※4¥<テンプレートファイル>
  • Agent Client(コピー先):<TransDir>※2¥template¥system¥<テンプレートファイル>
ユーザカスタマイズテンプレート(共通)
  • Agent Server(コピー元):<CustomDir>※3¥commonV3※4¥<テンプレートファイル>
  • Agent Client(コピー先):<TransDir>※2¥template¥shared¥<テンプレートファイル>
ユーザカスタマイズテンプレート(個人用)
  • Agent Server(コピー元):<CustomDir>※3¥usersV3※4¥<ユーザID>¥<テンプレートファイル>
  • Agent Client(コピー先):<TransDir>※2¥template¥users¥<ユーザID>¥<テンプレートファイル>
(b) 詳細ダイアログのDLLファイルのコピー
システムテンプレート詳細ダイアログのDLL
  • Agent Server(コピー元):<GmaxAgentDir>※1¥SVtmp¥templateV3※4¥library¥<詳細ダイアログDLL>
  • Agent Client(コピー先):<TransDir>※2¥library¥system¥<詳細ダイアログDLL>
ユーザカスタマイズテンプレート(共通)詳細ダイアログのDLL
  • Agent Server(コピー元):<CustomDir>※3¥commonV3※4¥library¥<詳細ダイアログDLL>
  • Agent Client(コピー先):<TransDir>※2¥library¥shared¥<詳細ダイアログDLL>
ユーザカスタマイズテンプレート(個人用)詳細ダイアログのDLL
  • Agent Server(コピー元):<CustomDir>※3¥usersV3※4¥<ユーザID>¥library¥<詳細ダイアログDLL>
  • Agent Client(コピー先):<TransDir>※2¥library¥users¥<ユーザID>¥<詳細ダイアログDLL>
注※1 <GmaxAgentDir>:Agent Serverインストールフォルダ(ディレクトリ)
注※2 <TransDir>:ファイル転送用フォルダ(ディレクトリ)
これは,<Groupmaxインストールフォルダ(ディレクトリ)>¥Agent¥Tmpに設定されています。
注※3 <CustomDir>:ユーザカスタマイズファイル用フォルダ(ディレクトリ)
詳細は,「5.6.3 フォルダ(ディレクトリ)情報を参照・更新する」を参照してください。
手動で「usersV3フォルダ(ディレクトリ)および「usersV3¥ユーザIDフォルダ(ディレクトリ)」を作成する必要があります。
注※4 クライアントのバージョンが02-31の場合は,コピー元はそれぞれ次のフォルダ(ディレクトリ)名となります。
手動で「usersフォルダ(ディレクトリ)および「users¥ユーザIDフォルダ(ディレクトリ)」を作成する必要があります。
  • templateV3 → template
  • commonV3 → common
  • usersV3 → users

(4) Object Serverの環境設定

システム共通定義ファイルのprc_process_countとtrn_tran_process_countに,1(Agent Serverが使用する分)を加えてください。なお,すでにprc_process_countとtrn_tran_process_countに最大値が設定されている場合には値を変更しないで,他製品のチューニングによって追加した分を-1するよう他製品のチューニングを見直してください。

Agent Server Mail Option(Agentメール送信ライブラリ)を使用している場合は,インストールしたマシンに対して,Agent Serverと同様の設定が必要です。Agentメール送信ライブラリが使用する分のシステム共通定義ファイルのprc_process_countとtrn_tran_process_countは1となります。

注意事項
運用中におけるObject Serverへの接続プロセス数は,xodpinfoコマンドで確認することができます。運用中にObject Serverへの接続数を定期的に確認してObject Serverへの接続数を確認してください。接続数がprc_process_countとtrn_tran_process_countで定義した接続数に満たない場合(Agent Serverの接続数の1が余っている場合)には,他製品のチューニングの見直しは必要ありません。

(5) Groupmax Server Setup Wizardを使った設定の流れ

Groupmax Server Setup Wizardを使った設定の流れを次に示します。なお,Groupmax Server Setup Wizardの操作方法は,マニュアル「Groupmax Version6iサーバ環境設定ガイド」を参照してください。

  1. Agent Server及びagmgrコマンドが動作している場合は,これらを終了します。
  2. Groupmax Server Setup Wizardを起動します。
  3. Groupmax Server Setup Wizardのダイアログに表示されるポート番号,メール環境,システム情報などの項目を設定します。
  4. Groupmax Server Setup Wizardを終了します。
  5. クライアントの環境設定をします。設定方法は「3.2.2(3) クライアントの環境設定」を参照してください。

なお,初期設定時だけでなく,運用開始後でもGroupmax Server Setup Wizardを使って次の情報の変更ができます。

Agent Serverのスケジューラ情報,定義情報,フォルダ情報,メール情報,

システム情報

運用開始後に変更する場合は,Agent Server及びagmgrコマンドを停止してからGroupmax Server Setup Wizardを起動してください。