6.2.1 運用コマンドの概要

ここでは,どのような場合に運用コマンドを使用するかについて説明します。また,運用コマンドの記述形式や使用方法についても説明します。

<この項の構成>
(1) どのような場合に運用コマンドを使用するか
(2) 運用コマンドの実行
(3) 運用コマンドの記述形式
(4) 運用コマンドの説明で使用する記号

(1) どのような場合に運用コマンドを使用するか

ユーザID一覧ファイルの作成と参照(waulist)
ユーザID一覧ファイルを作成,参照する場合に使用します。ユーザID一覧ファイルとは,Workflow Agentの次のエージェントで,監視対象となるユーザをユーザIDで指定する場合に必要なファイルのことです。
  • ユーザトレー内案件の新着を一括監視するエージェント
  • ユーザトレー内案件の処理期限を一括監視するエージェント
ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルの作成と参照(waemtbl)
ユーザID・E-mailアドレスの対応ファイルを作成,参照する場合に使用します。ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルとは,Workflow Agentの次のエージェントで,結果をE-mail(SMTP)で通知する場合に必要なファイルのことです。
  • ユーザトレー内案件の新着を一括監視するエージェント
  • 業務ロールトレー内案件の着信を監視するエージェント
  • ユーザトレー内案件の処理期限を一括監視するエージェント
Workflow Agent管理ツールの起動(wamgr)
エージェントの運用・管理やトラブルシュートを支援するWorkflow Agent管理ツールを起動する場合に使用します。なお,Workflow Agent管理ツールの詳細については,6.3節以降で説明しています。
Agent Serverのホスト名一覧表示・Agent Serverとの整合性の確保(wamatch)
Workflow Agentのエージェント情報をAgent Serverのエージェント情報と一致させ,両者の整合性を確保する場合に使用します。Workflow Agentがダウンした場合や,エージェント情報が失われた場合,このコマンドで整合性を確保することによって回復できます。
Workflow Agentのトレースの参照(watrc)
Workflow Agentが提供する内部関数のトレースを参照したい場合に使用します。内部関数のトレースは障害時の保守情報として使用します。
Workflow Agentのバージョンの移行(waconv)
Workflow Agentをバージョンアップした場合に使用します。このコマンドを使用すると,旧バージョンで使用してきた動作環境を新バージョンでそのまま使用できます。なお,Workflow Agentのバージョン移行に必要な操作及び注意事項については「3.1 バージョンの移行・混在に関する注意」を参照してください。
Workflow Agentのファイルの回復(warecvry)
マシンダウンなどでWorkflow Agentが異常終了し,システムファイルが破壊された場合に使用します。このコマンドによって,Workflow Agentのシステムファイルを回復できます。

(2) 運用コマンドの実行

Workflow Agentの運用コマンドを実行できるのは,Administrator権限を持つユーザだけです。次の手順で実行してください。

  1. コマンドプロンプト画面を表示します。
  2. 次のディレクトリ(フォルダ)に移動します。

    <WorkflowAgentインストール先>¥WorkflowAgent¥SVbin

  3. 運用コマンドを入力します。

(3) 運用コマンドの記述形式

形式
コマンド名称 [オプション...]
機能
コマンドの機能を説明しています。
オプション
スラント記号(/)で始まる文字列です。オプションによっては引数が必要な場合があります。

(4) 運用コマンドの説明で使用する記号

運用コマンドの説明で使用する記号を次に示します。

記号意味
[  ]この記号で囲まれているオペランドは省略できることを示す。
(例)ABC [/D ] [/E ]
この場合,次の指定が可能となる。
  • ABC
  • ABC /
  • ABC /
  • ABC /D /E