9.3.2 サーバ間の情報の一致
Groupmax Agentシステムでは,Agent ServerとPPサーバとの間で連携処理をしています。そのため,通信障害やサーバの異常終了などの障害が発生した場合,連携しているサーバ間でエージェント情報が一致しなくなってしまうことがあります。サーバ間の情報が一致しないとエージェントは正常に動作しません。
このような場合には,Groupmax Agentが提供する整合性確保コマンドを実行することによって,サーバ間の情報を一致させることができます。
サーバ間の整合性確保の例を図9-7に示します。
図9-7 整合性確保の例
![[図データ]](figure/zu0802.gif)
クライアント側で生成した各エージェントの定義情報は,Agent Serverで管理しています。そのため,PPサーバ側でエージェント情報が失われてしまった場合でも,Agent Server側の定義情報を利用すれば復元できます。
- 注意事項
- Agent Server側でエージェント情報が失われた場合は,バックアップした情報からAgent Serverのエージェント情報を回復した後で,整合性の確保を実施してください。
- <この項の構成>
- (1) 整合性確保コマンドの実行
- (2) 整合性確保の対象となるサーバの情報を取得する
- (3) 取得したサーバ情報を基に整合性を確保する
(1) 整合性確保コマンドの実行
整合性確保コマンドは,Agent Server及びAgent - Applicationのコンポーネントそれぞれにあります。このため,障害が発生したサーバ上でコマンドを実行できます。
ただし,図9-8に示すように,整合性確保の処理中のサーバに対しては,コマンドは実行できません。この場合は,処理が終了してからコマンドを実行してください。
図9-8 整合性確保コマンドを実行できない例
![[図データ]](figure/zu0905.gif)
整合性確保コマンドは次の手順で実行します。
- 整合性確保の対象となるPPサーバ又はAgent Serverの情報を取得する
- 取得したPPサーバ又はAgent Serverの情報を基に整合性を確保する
それぞれについて(2)及び(3)で説明します。
(2) 整合性確保の対象となるサーバの情報を取得する
(a) Agent Serverの整合性確保コマンドの実行
Agent Serverの整合性確保の対象となるすべてのPPサーバの「PPサーバ種別」と「PPサーバ識別情報」を一覧表示します。
- Administrator権限でログオンします。
- コマンドプロンプト画面を表示します。
- 次のフォルダ(ディレクトリ)に移動します。
インストール先フォルダ(ディレクトリ)¥AgentServer¥SVbin
- 次のコマンドを入力します。
agmatch /l [/o PPサーバ情報出力先ファイル名]
出力先ファイル名を省略した場合は,標準出力に出力されます。
(b) Agent - Applicationの整合性確保コマンドの実行
特定のPPサーバと接続しているAgent Serverのホスト名を一覧表示します。
- Administrator権限でログオンします。
- コマンドプロンプト画面を表示します。
- 次のフォルダ(ディレクトリ)に移動します。
- Workflow Agentの場合
- インストール先フォルダ(ディレクトリ)¥WorkflowAgent¥SVbin
- Mail Agentの場合
- インストール先フォルダ(ディレクトリ)¥MailAgent¥SVbin
- Document Manager Agentの場合
- インストール先フォルダ(ディレクトリ)¥DocumentManagerAgent¥SVbin
- 次のコマンドを入力します。
- Workflow Agentの場合
- wamatch /l [/o ホスト名一覧出力先ファイル名]
- Mail Agentの場合
- mamatch /l [/o ホスト名一覧出力先ファイル名]
- Document Manager Agentの場合
- damatch /l [/o ホスト名一覧出力先ファイル名]
- 出力先ファイル名を省略した場合は,標準出力に出力されます。
(3) 取得したサーバ情報を基に整合性を確保する
(a) Agent Serverの整合性確保コマンドの実行
接続しているPPサーバのエージェント情報をAgent Serverのエージェント情報と一致させ,両者の整合性を確保します。
オプションを省略した場合は,整合性確保の対象となるすべてのPPサーバと整合性を確保します。オプションの指定によって,特定のPPサーバだけと整合性を確保することができます。
- Administrator権限でログオンします。
- コマンドプロンプト画面を表示します。
- 次のフォルダ(ディレクトリ)に移動します。
インストール先フォルダ(ディレクトリ)¥AgentServer¥SVbin
- 次のコマンドを入力します。
agmatch [/p PP種別 /s サーバ識別情報] [/t タイマ値(分)]
「PPサーバ種別」を指定した場合は,「PPサーバ識別情報」も同時に指定します。
- 注意事項
- Agent Server側でエージェント情報が失われた場合は,バックアップした情報からAgent Serverのエージェント情報を回復した後で,整合性の確保を実施してください。
- 整合性処理中にエラーが発生した場合,エラー発生の旨だけが画面上に表示されます。エラーの内容についてはイベントログを参照してください。
- すべてのPPサーバとの整合性処理中に一つのPPサーバでエラーが発生した場合,エラー発生後もほかのPPサーバとの整合性処理は続行します。エラーの発生したPPサーバについては,イベントログでエラーの原因を確認して対策してください。その後,このコマンドを再度実行して整合性を確保してください。
- このコマンドを実行できるのは,対象となるPPサーバのバージョンが03-00以降の場合です。
- Agent Server及び対象となるPPサーバのバージョンが共に03-10以降の場合は,PPサーバ上でトリガ監視をしないでアクションの実行だけをするエージェント(時間を監視するエージェント)も整合性処理の対象となります。
- Agent Server又は各PPサーバの実行エンジンがバージョン03-00の場合,整合性確保の対象となるPPサーバのサービスが起動していることを確認してからこのコマンドを実行してください。サービスが未起動でもこのコマンドは正常終了しますが,実際には整合性は確保されていません。
(b) Agent - Applicationの整合性確保コマンドの実行
PPサーバのエージェント情報を,接続しているAgent Serverのエージェント情報と一致させ,両者の整合性を確保します。
オプションを省略した場合は,接続しているすべてのAgent Serverを整合性確保の対象とします。オプションの指定によって,特定のAgent Serverだけと整合性を確保することができます。
- Administrator権限でログオンします。
- コマンドプロンプト画面を表示します。
- 次のフォルダ(ディレクトリ)に移動します。
- Workflow Agentの場合
- インストール先フォルダ(ディレクトリ)¥WorkflowAgent¥SVbin
- Mail Agentの場合
- インストール先フォルダ(ディレクトリ)¥MailAgent¥SVbin
- Document Manager Agentの場合
- インストール先フォルダ(ディレクトリ)¥DocumentManagerAgent¥SVbin
- 次のコマンドを入力します。
- Workflow Agentの場合
- wamatch [/s Agent Serverのホスト名又はIPアドレス] [/t タイマ値(分)]
- Mail Agentの場合
- mamatch [/s Agent Serverのホスト名又はIPアドレス] [/t タイマ値(分)]
- Document Manager Agentの場合
- damatch [/s Agent Serverのホスト名又はIPアドレス] [/t タイマ値(分)]
- 注意事項
- 整合性処理中にエラーが発生した場合,エラー発生の旨だけが画面上に表示されます。エラーの内容についてはイベントログを参照してください。
- すべてのAgent Serverとの整合性処理中に一つのAgent Serverでエラーが発生した場合,エラー発生後もほかのAgent Serverとの整合性処理は続行します。エラーの発生したAgent Serverについては,イベントログでエラーの原因を確認して対策してください。その後,このコマンドを再度実行して整合性を確保してください。
- このコマンドを実行できるのは,対象となるPPサーバのバージョンが03-10以降の場合です。