13.2.2 データ項目の分類方法

辞書を分割して運用する場合のデータ項目の分類方法を,次に示します。

<この項の構成>
(1) 抽出元(データのソース)での分類
(2) ドメインでの分類
(3) アクセスする人又はグループなどでの分類
(4) 結合関係での分類

(1) 抽出元(データのソース)での分類

何から抽出されたデータ項目かによって分類します。主にDB設計で抽出されたデータ項目とそれ以外の項目に分けられます。

(a) 抽出元での分類の利点

抽出元でデータ項目を分類すると,次のような利点があります。

(b) 分類例

分類辞書に格納するデータ項目
RDB項目RDBのテーブル(最上位結合項目)及びカラム(単項目)
RDB以外の項目
  • ファイルや電文などで使用する項目(結合項目,単項目)
  • ファイルや電文のレコード(最上位結合項目)
RDB以外の項目は,ファイルや電文など更に細かく分類できます。

(2) ドメインでの分類

ドメインになるデータ項目及びドメインを継承するデータ項目を一つの辞書フォルダにまとめることで,ドメインを利用しないデータ項目と区別します。

(a) ドメインでの分類の利点

継承は,異なる辞書フォルダ間ではできません。そのため,継承関係を結びたいデータ項目が,本来の分類ではない分類の辞書フォルダに格納されてしまうことがあります。これを避けるため,他の分類とは独立したドメインだけの辞書フォルダを作成します。

(b) 分類例

分類辞書に格納するデータ項目
ドメイン項目ドメインになるデータ項目及びドメインを継承するデータ項目。
非ドメイン項目ドメインにならないデータ項目で,ドメインを利用しないデータ項目。

(3) アクセスする人又はグループなどでの分類

データ項目を作成する人,データ項目を参照する人及びそれらのグループによって分類します。

(a) アクセスする人又はグループなどでの分類の利点

アクセスする人又はグループなどでデータ項目を分類すると,次のような利点があります。

(b) 分類例

分類辞書に格納するデータ項目
共通項目すべての業務で共通に使用するデータ項目。
業務別項目特定の業務だけで使用するデータ項目。

(4) 結合関係での分類

最上位結合項目とその構成項目で分類します。

(a) 結合関係での分類の利点

結合関係でデータ項目を分類すると,次のような利点があります。

(b) 分類例

分類辞書に格納するデータ項目
単項目,結合項目
  • 単項目
  • 最上位結合項目以外の結合項目
データ分析者が作成し,レコード作成者が参照する。
レコード最上位結合項目
レコード作成者が作成する。