TPモニタを使用したC/SシステムのサーバAPを作成する場合,システム化機能の詳細設計をします。システム化機能詳細設計では,処理フロー設計,内部インタフェース設計及びシステム化処理内容設計が必要です。ただし,これらを設計する場合,業務機能設計で業務処理概要図が作成されていること,及びユーザインタフェース基本設計で画面遷移図が作成されていることを確認し,作成されていない場合は,該当する工程に戻って作成してください。次にTPモニタを使用したC/SシステムのサーバAP作成の流れを示します。
図7-2 TPモニタを使用したC/SシステムのサーバAP作成の作業の流れ
(1) 処理フロー設計
処理フロー設計では,ユーザインタフェース基本設計で作成した画面遷移図とシステム処理方式設計で作成したシステム処理フローから,プログラム関連図を作成します。プログラム関連図では,オンライン処理のプログラム間及びDB間の関連を明確にします。なお,処理フロー設計では,適用するテンプレートを考慮し,プログラム関連図を追加したり修正したりします。
(a) プログラム関連図の作成
画面遷移図とシステム処理フロー図を基にプログラム関連図を作成します。各プログラム,処理内容,整合性実現方法及びDB間のデータ項目の受け渡しに必要な情報を明記します。記述する情報を次に示します。
なお,SEWB+/OLTP DEFINERを使用すると,プログラム,画面,帳票などのシンボルを配置することで簡単にプログラム関連図を作成できます。SEWB+/OLTP DEFINERでのプログラム関連図の作成方法については,マニュアル「SEWB+/OLTP DEFINER ユーザーズガイド」を参照してください。
プログラム関連図を次に示します。
図7-3 プログラム関連図
(b) テンプレート適用の検討
新規のプログラムを作成する場合は,SEWB+で提供されているテンプレートや共通部品設計で作成したプロジェクト用のテンプレートを適用した方が,品質及び保守性に優れたプログラムを作成できます。
テンプレートを適用すると,プログラムの本数は増えますが,プログラムごとの規模は小さくなります。なお,プログラム関連図上のプログラム構造に適応する処理テンプレートがない場合は,必要に応じてプログラムを分割するか,共通部品設計に戻ってテンプレートをカスタマイズするかを検討してください。
(2) 内部インタフェース設計
プログラム中で利用する中間ファイルなどに対し,ファイル編成やレコード形式などの属性情報を設定し,ファイル,RPCインタフェース及び内部テーブルなどの各仕様を作成します。SEWB+/CONSTRUCTIONのデータ定義機能を利用して仕様書を作成する場合,既にリポジトリに登録されているドキュメントをチェックアウトして,設定します。
(a) 最上位結合項目の確認
設定するレコード形式は,既に最上位結合項目としてデータ項目辞書に登録されていなければなりません。必要な最上位結合項目がない場合は,データ項目管理者やシステム設計者に依頼して作成してください。なお,最上位結合項目の構成は,SEWB+/RECORD EDITORを使用しても編集できます。
(b) ファイル仕様の作成
ファイルのレコード形式を設定します。なお,ファイルはER図のエンティティと対応します。そのため,ファイルに設定するレコード定義(最上位結合項目)は,ER図のエンティティを取り込んで作成された結合項目から選ばれます。
(c) テーブル仕様及びインタフェース仕様の作成
RPCインタフェースなどのプログラム間インタフェースや,主記憶上の内部テーブルについて,それぞれ仕様書を作成します。テーブル仕様及びインタフェース仕様には,テーブルなどの具体的な構成情報を含む結合項目を設定します。結合項目は,データ項目辞書から選ばれます。
(d) テーブル仕様及びファイル仕様からのレコードソースの生成
コンパイル時にレコードソースをCOPY文で取り込む場合は,SEWB+/CONSTRUCTIONのデータ定義機能でレコードソースを生成しておきます。なお,テンプレート中に「@@expand文」を記述すると,展開時,レコード情報を自動的に取り込んでレコードソースを生成します。そのため,データ定義機能でレコードソースを生成しておく必要はありません。
(3) システム化処理内容設計
プログラム関連図に記述した各プログラムについて,入出力と処理の概要をまとめ,プログラム処理概要図を作成します。システム化処理内容設計書は,プログラム仕様設計で使用されます。
図7-4 プログラム処理概要図