2.4.3 データ項目の結合

データ分析で求められたデータの構造は,複数のデータ項目同士を結合関係で結び付けて,データ項目辞書に登録します。結合とは,複数のデータ項目を順序付けて連結することです。この結合の仕組みを利用すれば,COBOL言語での集団項目と基本項目の関係,C言語での構造体とそれを構成する変数の関係,又はアプリケーションに使用するレコードとレコードを構成するデータ項目の関係といったデータの構造を,データ項目辞書に登録できます。

ここでは,データ項目を設計,及び登録するための前提知識として,結合の考え方を解説します。

<この項の構成>
(1) 結合項目と構成項目
(2) 結合項目の定義項目
(3) 結合関係の継承

(1) 結合項目と構成項目

データ項目同士の関係を結合の関係でとらえる場合,複数のデータ項目をまとめるデータ項目を,結合項目といいます。結合項目は,COBOL言語での集団項目,C言語での構造体に相当します。また,結合項目の構成要素となるデータ項目を,構成項目といいます。例えば,データ項目「年月日」を複数のデータ項目「年」「月」「日」で構成する場合,「年月日」が結合項目,「年」「月」「日」が構成項目となります。

結合関係を定義するには,まず,基本的な要素となるデータ項目(構成項目)を設計及び登録します。結合項目を登録するには,既に登録されているデータ項目を順番に組み合わせて結合項目の構成を定義します。このようにして,データ項目同士に結合関係を定義したとき,データ項目の間には,関連種別「結合」の関連が自動的に付けられます。

結合関係は階層化できます。結合項目の構成の例を図2-7に示します。

図2-7 結合項目の構成の例

[図データ]

この例では,「商品発注レコード」を最上位結合項目として定義しています。最上位結合項目とは,アプリケーションで使用するレコード構造が定義された結合項目を意味します。レコード構造の定義は,データ項目の設計及び登録を終えた後,データ項目辞書に登録します。詳細については,「2.5 レコード構造の設計」を参照してください。

(2) 結合項目の定義項目

結合項目は,一つのデータ項目として扱えますが,定義できる項目が限られます。結合項目の定義項目を,表2-16に示します。

表2-16 結合項目の定義項目

定義項目定義区分
名称データ項目名※1
標準名称
フリガナ
属性分類※2
けた数
小数部けた数
反復回数
付加情報フィールド1~20
コメント
言語別名前
詳細情報タイプ
タイプ(フリー定義)
タイプ修飾情報※3
取りうる値
初期値
言語別フィールド

(凡例)〇:必ず定義しなければならない定義項目

    △:定義を省略できる定義項目

    ―:定義できない項目

注※1 データ項目名(結合項目の名称)は必ず定義しなければなりません。

注※2 「結合データ」が自動的に定義されます。

注※3 言語区分「IDL(CORBA)」のシーケンスだけ定義できます。


(3) 結合関係の継承

結合項目を,継承関係の上位のデータ項目として位置付けて,結合関係を継承できます。結合項目を継承するデータ項目は,その親となる結合項目と同じ構造(構成項目の並びや数が同じ)の結合項目になります。親となる結合項目の構成項目が継承関係の下位のデータ項目を持つ場合には,同じ位置の構成項目を,その下位のデータ項目の中から選択できます。この例を図2-8に示します。例えば,「受注年月日」の年を定義するための構成項目を,「年」「営業年」又は「受注年」から選択できます。

図2-8 結合関係の継承の例

[図データ]

 結合項目ではないデータ項目から,その定義情報を継承する結合項目を定義することはできません。