SEWB+/CONSTRUCTIONを使ったアプリケーション開発の準備として,サーバアプリケーション,及びクライアントとサーバのインタフェースに使用するレコードの構造をデータ項目辞書に用意します。適切なレコード定義を用意するために,あらかじめ,辞書のレコード定義とプログラムの関係を理解しておきましょう。辞書のレコード定義がアプリケーション開発に利用され,プログラムに反映されるまでの流れを,図2-9に示します。
図2-9 レコード定義がプログラムに反映されるまで
(1) レコード定義の登録
データベースやファイル設計,及び業務設計から求められたC/S(クライアントサーバ)システムのインタフェース仕様などの情報を基に,辞書に登録するレコード構造を設計します。このレコード構造に従って,既に辞書に登録してあるデータ項目を組み合わせて結合項目を構成します。この結合項目は,SEWB+/CONSTRUCTION,SEWB+/EUR Professional Edition,及びAPPGALLERY Enterpriseでレコードとして扱われるために「最上位結合項目」として定義します。
SEWB+/CONSTRUCTIONでは,データ定義を使って,実際にアプリケーションで使用するデータを定義するときに,辞書に用意されているレコード定義を参照します。例えば,RDBの定義では,RDBの表の構造としてレコード定義が参照され,データが定義されます。このため,辞書の作成者は,アプリケーション開発に使用するデータの種類を考慮しながら,辞書に用意するレコード構造を決めてください。
SEWB+/CONSTRUCTIONで定義できるデータ種別を次に示します。
データ定義や,データ種別の詳細については,マニュアル「SEWB+/CONSTRUCTION アプリケーション開発ガイド」を参照してください。
(2) SEWB+/CONSTRUCTIONのデータ定義との関係
実際にアプリケーションで使用するファイルやRDBの情報を,SEWB+/CONSTRUCTIONのデータ定義機能で定義します。図2-9のデータ定義の例では,辞書に登録された「商品レコード」を,実際に使用する「商品マスタファイル」のレコードとして定義しています。データ定義情報をリポジトリにチェックインすると,レコード定義(「最上位結合項目」が指定されたデータ項目)とデータ定義のドキュメントとの間に,自動的に関連(関連種別「辞書参照」)が付けられます。
(3) ソースコードの生成
辞書のレコード定義情報は,データ定義と関連付けられた後,プログラム定義機能を経て,ソースプログラムが生成されるときに,レコードの記述として展開されます。また,クライアントとサーバ間のインタフェーステーブルを作成したい場合には,データ定義機能から,個別のCOPYメンバ(COBOL言語の場合)又はヘッダファイル(C言語の場合)を生成することもできます。生成時には,SEWB+/REPOSITORYのデータ項目の定義情報と共にレコード生成キーワードが参照されます。参照されるデータ項目の定義情報を表2-17に示します。
表2-17 プログラム生成時に参照されるデータ項目の定義情報
定義項目 | COBOL又はOOCOBOL | C又はC++ | |
---|---|---|---|
名称 | データ項目名 | ×※ | ×※ |
標準名称 | × | × | |
フリガナ | × | × | |
属性 | 分類 | × | ○ |
けた数 | ○ | ○ | |
小数部けた数 | ○ | ○ | |
反復回数 | ○ | ○ | |
付加情報 | フィールド1~20 | × | × |
コメント | × | × | |
言語別 詳細情報 | 名前 | ○ | ○ |
タイプ | ○ | ○ | |
タイプ修飾情報 (編集文字列) | ○ | - | |
取りうる値 | ○ | ○ | |
初期値 | △ | × | |
言語別フィールド | × | × |
(凡例)○:生成時に参照される
△:生成するかどうかを指定できる
×:生成時に参照されない
-:定義できない
注※ 言語別の名前を定義していない場合には,データ項目名が参照されます。