4.1.3 CSV形式ファイル入力コマンドRPCsvin)の使い方

<この項の構成>
(1) CSV形式ファイル入力コマンドが格納されているディレクトリ
(2) コマンド実行時の注意事項
(3) CSV形式ファイル入力コマンド(RPCsvin)の指定

(1) CSV形式ファイル入力コマンドが格納されているディレクトリ

CSV形式ファイル入力コマンドが格納されているディレクトリを示します。

(a) SEWB+/REPOSITORY(サーバ)の場合

コマンドは,次のディレクトリに格納されています。

SEWB+/REPOSITORYの組み込み先パス名¥BIN

SEWB+/REPOSITORYの組み込み先パス名は,デフォルトでは次のように設定されています。システムドライブとは,Windows NT Server又はWindows 2000 Serverが組み込まれているドライブを指します。

組み込み先パス名

(b) SEWB+/REPOSITORY-BROWSER(クライアント)の場合

コマンドは,次のディレクトリに格納されています。

クライアントのSEWB+/REPOSITORY-BROWSERの組み込み先パス名

SEWB+/REPOSITORY-BROWSERの組み込み先パス名は,デフォルトでは次のように設定されています。システムドライブとは,Windows 95,Windows 98,Windows Me,Windows NT又はWindows 2000が組み込まれているドライブを指します。

組み込み先パス名

システムドライブ:¥Program Files¥HITACHI¥Sewb+ Repository-Browser

(2) コマンド実行時の注意事項

(a) コマンドを実行する前に

サーバでコマンドを実行するときは,サーバではSEWB+/REPOSITORYからログアウトしておいてください。

(b) コマンド実行中にほかの作業をする場合

CSV形式ファイル入力コマンドでは,実行中に排他制御を行っていません。したがって,コマンドの実行中でも並行してほかの作業をすることができます。ただし,次に示す点に注意してください。

(c) 他の辞書フォルダに構成項目を持つ結合項目をCSV形式ファイルに出力し,このファイルを再び辞書登録する場合

このCSV形式ファイルには構成項目IDが含まれるため,そのまま辞書に登録しようとすると構成項目が要因となってエラーが発生します。また,IDをシステム内部IDの形式で出力した場合,出力されたシステム内部IDがCSV形式ファイル又はリポジトリ内にないときにもエラーとなります。構成項目ID,又はその構成項目を参照している結合項目を削除してからCSV形式ファイル入力コマンドを実行してください。

(d) システム内部IDの注意事項

システム内部IDの形式で出力したCSV形式ファイルを,次の条件で入力してはなりません。

この条件で入力してエラーが発生した場合には,「3.3.1(4) 辞書をエクスポート・インポートするときの留意事項」を参照し,<インポート方法1>1.~3.の手順を実行してください。その後に,CSV形式ファイルを入力してください。

(3) CSV形式ファイル入力コマンド(RPCsvin)の指定

コマンドラインに,次に示す構文に従ってコマンドと引数を指定して実行します。

サーバ上では,リポジトリのシステム管理者の権限で実行します。起動時に表示されるダイアログに,システム管理者のパスワードを入力する必要があります。クライアント上では,SEWB+ログインに指定されたユーザの権限で実行します。起動時に表示されるダイアログに,ユーザ名,ログイン先,及びユーザのパスワードを入力する必要があります。

実行中には,データ項目又は業務ルールの登録件数が表示されます。また,詳細情報がログファイルに出力されます。

(a) 形式

RPCsvin /F 入力CSV形式ファイル名 /D 辞書フォルダ名
〔 /O 所有者名 〕〔 /G グループ名 〕
〔 /K 辞書種別 〕〔 /C 登録先国語別 〕〔 /N 登録先言語別 〕
〔 /I 登録先フィールド別 〕
〔 /E ファイルフォーマット種別(02-01互換用) 〕
〔 /M ファイルフォーマット種別 〕〔 /B データベース種別 〕
〔 /Z 物理名の異なる外部キーを識別する 〕
〔 /A 属性レポートファイル名 〕
〔 /T ヘッダの有無 〕
〔 /S 辞書への登録方法 〕
〔 /W 更新対象属性 〕
〔 /R 同一カラム名の属性のマージ有無 〕
〔 /P 継承関連の更新有無 〕
〔 /V 更新対象とする辞書フォルダの範囲 〕
〔 /H データ項目の一意性チェックの範囲 〕
〔 /J 業務ルールの一意性チェックの範囲 〕
〔 /L ログファイル名 〕
〔 /? 〕

(b) 引数

/F 入力CSV形式ファイル名
入力するCSV形式のファイル名を指定します。
/D 辞書フォルダ名
入力した辞書情報の登録先となる辞書フォルダ名を指定します。
/O 所有者名1
登録する辞書の所有者名を指定します。省略時はログインしたユーザが仮定されます。ただし,入力するCSV形式ファイルに所有者名が定義されている場合は,定義内容がこの引数の指定より優先されます。
/G グループ名1
登録する辞書のグループ名を指定します。省略時は,システム管理者でログインしている場合は“everyone”が,システム管理者以外の場合はログインしたユーザが所属するグループが仮定されます。ただし,入力するCSV形式ファイルにグループ名が定義されている場合は,定義内容がこの引数の指定より優先されます。
/K 辞書種別
登録する辞書の種別を指定します。省略時は「DI」が仮定されます。
DI:データ項目辞書
BR:業務ルール辞書
/C 登録先国語別
登録する国語区分を指定します。環境構築ユティリティで設定した国語区分の順序に対応して1~4の数字で指定します。省略時は,CSV形式ファイルに記述されている値が,記述順で国語区分の設定順に辞書へ登録されます。
/N 登録先言語別
登録する言語区分を指定します。環境構築ユティリティで設定した言語区分の順序に対応して1~10の数字で指定します。省略時は,CSV形式ファイルに記述されている値が,記述順で言語区分の設定順に辞書へ登録されます。
/I 登録先フィールド別
登録するフィールドを指定します。環境構築ユティリティで設定したフィールドの順序に対応してデータ項目の場合は1~20,業務ルールの場合は1~3の数字で指定します。省略時は,CSV形式ファイルに記述されている値が,記述順でフィールドの設定順に辞書へ登録されます。
/E ファイルフォーマット種別 (02-01互換用)
入力するCSV形式ファイルのフォーマット種別を次の値で指定します。省略時は「std」が仮定されます。
ただし,この引数は,SEWB+/REPOSITORYのバージョン02-01以前での指定と互換性を保つためのものです。したがって,SEWB+/REPOSITORYのバージョン02-02以降でのフォーマット種別の指定には,引数「/Mファイルフォーマット種別」で指定することをお勧めします。
std:標準フォーマット(「/M std」と同様)
  • ERwin/ERXのデータ分析情報を利用する場合(データベース:ORACLE)
    ewe_o :エンティティレポート形式フォーマット(「/M ewe /B ora_c」と同様)
    ewa_o :属性レポート形式フォーマット(「/M ewa /B ora_c」と同様)
    ewe_ox:エンティティレポート形式フォーマット(「/M ewe /B ora」と同様)
    ewa_ox:属性レポート形式フォーマット(「/M ewa /B ora」と同様)
    バージョン2.6以前のERwin/ERXでORACLEを使用する場合「ewe_o」,「ewa_o」はSEWB+/REPOSITORYのバージョン02-00以前との互換用フォーマットです。SEWB+/REPOSITORYのバージョンが02-01以降の場合,より効率的な「ewe_ox」,「ewa_ox」の使用をお勧めします。
  • ERwin/ERXのデータ分析情報を利用する場合(データベース:HiRDB)
    ewe_h :エンティティレポート形式フォーマット(「/M ewe /B hir」と同様)
    ewa_h :属性レポート形式フォーマット(「/M ewa /B hir」と同様)
/M ファイルフォーマット種別
入力するCSV形式ファイルのフォーマット種別を次の値で指定します。省略時には「std」が仮定されます。
std:標準フォーマット
ewe:ERwin/ERX(バージョン2.6以前)エンティティレポート形式
ewa:ERwin/ERX(バージョン2.6以前)属性レポート形式
ewt:ERwin/ERX(バージョン3.5)テーブルレポート形式
/B データベース種別
ERwin/ERXで使用するデータベース種別を次の値で指定します。省略時は「ora」が仮定されます。
ora:ORACLE
ora_c:ORACLE(SEWB+/REPOSITORY 02-00との互換用)
hir:HiRDB
この引数は,引数「/Mファイルフォーマット種別」又は「/E ファイルフォーマット種別(02-01互換用)」でERwin/ERX専用のフォーマット種別が指定されている場合に有効となります。
/Z 物理名の異なる外部キーを識別する
ERwin/ERXでPK属性と物理名の異なるFK属性を識別するかどうかを,次の値で指定します。省略時は「use」が仮定されます。
use:識別する
uouse:識別しない
この引数は,引数「/M ファイルフォーマット種別」又は「/E ファイルフォーマット種別(02-01互換用)」でERwin/ERX専用のフォーマット種別が指定されている場合に有効となります。
/A 属性レポートファイル名
引数「/F 入力CSV形式ファイル名」にエンティティレポートのファイル名を指定した場合,同時に入力する属性レポートのファイル名を指定します。この引数を省略すると,属性レポートは同時入力されません。この引数は,引数「/M ファイルフォーマット種別」又は「/E ファイルフォーマット種別(02-01互換用)」で,ERwin/ERX専用のフォーマット種別としてエンティティレポート形式が指定されている場合に有効となります。
/T ヘッダの有無
入力するCSV形式ファイルのヘッダの有無を次の値で指定します。省略時は「nouse」が仮定されます。
use:ヘッダあり
nouse:ヘッダなし
/S 辞書への登録方法
辞書から出力したCSV形式ファイルを再び入力したり,辞書のデータ項目又は業務ルールをCSV形式ファイル中のデータ項目名や業務ルール名で特定して更新したりする場合に指定します。CSV形式ファイル中に定義されている辞書の資源(データ項目又は業務ルール)を新規に登録するかどうかの判別と,更新する場合の資源の特定方法を指定します。データ項目又は業務ルールの定義情報を更新する場合,システム内部IDで識別するには「use」,データ項目名又は業務ルール名で識別するには「name」を指定します。元のデータ項目や業務ルールとは別に新しく作成する場合は「nouse」を指定してください。省略時は「use」が仮定されます。
use:CSV形式ファイル出力コマンドによって出力されたシステム内部IDで辞書の資源を特定し,既存の資源を更新する
nouse:CSV形式ファイル出力コマンドによって出力されたシステム内部IDを使わず,別のシステム内部IDで資源を新規に登録する
name:CSV形式ファイル出力コマンドで出力されたシステム内部IDを使わず,指定したデータ項目名又は業務ルール名から辞書の資源を特定し,既存の資源を更新する
/W 更新対象属性
ERwin/ERXからの辞書登録で,データ項目名から特定したデータ項目を更新する場合に,更新対象とする属性を指定します。省略時には「all」が仮定されます。
erwin:ERwin/ERXで定義した情報だけをデータ項目の属性として更新する
all:データ項目のすべての属性を更新する
この引数は,データ項目辞書への入力で,引数「/S 辞書の登録方法」へ「name」を指定し,更に,引数「/M ファイルフォーマット種別」又は「/E ファイルフォーマット種別」でERwin専用のフォーマット種別を指定している場合に有効となります。
/R 同一カラム名の属性のマージ有無
ERwin/ERXの定義情報の中に,同一カラム名の属性情報が複数ある場合,それらの情報をマージしてデータ項目辞書に登録するかどうかを指定します。省略時は「nouse」が仮定されます。
use:同一カラム名の属性をマージする
nouse:同一カラム名の属性をマージしない
/P 継承関連の更新有無
引数「/S 辞書の登録方法」に「name」を指定したときに,CSV形式ファイルの中で継承の最上位に定義されたデータ項目の継承の関連を更新するかどうかを指定します。省略時は「use」が仮定されます。
use:継承の関連を最上位に更新する
nouse:継承の関連を更新しない
なお,引数「/S 辞書の登録方法」に「name」を指定しなかったときには,この引数は指定できません。また,この引数は,データ項目辞書の入力時にだけ有効になります。
/V 更新対象とする辞書フォルダの範囲
データ項目又は業務ルールを一括更新する辞書フォルダの範囲を指定します。省略時は「only」が仮定されます。
only:引数「/D 辞書フォルダ名」で指定した辞書フォルダだけを更新対象とする
all:リポジトリのすべての辞書フォルダを更新対象とする
scope:一意性チェックの範囲内の辞書フォルダを更新対象とする
この引数は,引数「/S 辞書の登録方法」に「name」が指定されている場合に有効となります。
/H データ項目の一意性チェックの範囲
環境構築ユティリティで登録してあるデータ項目の一意性チェック範囲名を指定します。指定できる一意性チェック範囲名は,引数「/D辞書フォルダ名」で指定した辞書フォルダが存在する範囲名です。
この引数は,引数「/V 更新対象とする辞書フォルダの範囲」に「scope」が指定されている場合に有効となります。
/J 業務ルールの一意性チェックの範囲
環境構築ユティリティで登録してある業務ルールの一意性チェック範囲名を指定します。指定できる一意性チェック範囲名は,引数「/D辞書フォルダ名」で指定した辞書フォルダが存在する範囲名です。
この引数は,引数「/V 更新対象とする辞書フォルダの範囲」に「scope」が指定されている場合に有効となります。
/L ログファイル名2
ログファイルの出力先を指定します。省略時は登録する辞書の種別に応じて次のファイルがログファイルとして作成されます。
パス:環境変数「TEMP」又は「TMP」に代入されている値
ファイル名:rpdicsvi.log(データ項目辞書),rpbrcsvi.log(業務ルール辞書)
/?
コマンドの構文と引数の指定方法を表示します。

注※1
新しい辞書フォルダ,データ項目又は業務ルールを登録するときに指定します。ここで指定した所有者(ユーザ)名とグループ名は,辞書フォルダ,データ項目又は業務ルールに共通に設定されます。引数に指定する名称は,辞書登録するサーバに登録されているユーザ,グループの名称を使用してください。ユーザ,グループの登録についてはマニュアル「SEWB+/REPOSITORY 運用ガイド」を参照してください。なお,この指定では,既存の辞書情報に設定されている所有者及びグループ名は変更できません。
注※2
ログファイルはコマンドの実行ごとに上書きされます。残しておきたい場合は,異なるログファイル名を指定してください。

(c) リターン値

コマンドの実行が終了すると,次のリターン値が返されます。
0:正常終了した
1:その他のエラーが発生した
2:メモリが確保できない
3:引数が不正である
4:ログファイルが作成できない
5:辞書に対するアクセス権がない
6:入力ファイルがない
7:入力ファイルのフォーマットが不正である