ここでは,ERwin/ERX(バージョン2.6以前)で作成した属性レポートの辞書登録について説明します。
(1) ERwin/ERXでの属性レポートの出力設定
ERwin/ERXで次に示す設定をして,CSV形式ファイルを出力してください。
表B-11 属性レポートの出力項目と指定順序
指定順 | 出力項目(オプション名) | |
---|---|---|
ERwin/ERX 日本語版 | ERwin/ERX 英語版 | |
1 | カラム名(カラムオプション) | Column Name(Column Option) |
2 | 属性名(属性オプション) | Attribute Name(Attribute Option) |
3 | FK指定(属性オプション) | FK Designator(Attribute Option) |
4 | カラムデータタイプ(カラムオプション) | Column Datatype(Column Option) |
5 | デフォルト値(制約オプション) | Default Values(Constraint Option) |
6※1 | 属性コメント(属性オプション) | Note(Attribute Option) |
6※1 | 属性定義(属性オプション) | Definition(Attribute Option) |
7※2 | PK指定(属性オプション) | PK Designator(Attribute Option) |
8※2 | ベース名(属性オプション) | Basename(Attribute Option) |
9※3 | カンマ区切り(レポート形式) | Comma Delimited(Report Format) |
10※3 | ヘッダー(表示形式) | Header(Multi-Valued Format) |
11※3 | マージ(表示形式) | Merge(Multi-Valued Format) |
12※3 | 改行コードの除去※4 | Remove Newline |
注※1 どちらか一方を選択してください。両方の同時指定はできません。
注※2 属性レポートを同時入力する場合,又は物理名の異なる外部キーを識別する場合には,必ず指定してください。
注※3 指定順序どおりでなくてもかまいません。
注※4 ERwin/ERX 2.5以前のバージョンでは「新規行の除去」となります。
(2) 属性レポートからデータ項目辞書への変換規則
依存関係のある属性レポートを単独で辞書登録する場合の変換規則について説明します。エンティティレポートと同時に入力する場合については,「付録B.2(2) エンティティレポートからデータ項目辞書への変換規則」を参照してください。
属性レポート形式の辞書登録の例を,図B-4に示します。
図B-4 属性レポート形式の辞書登録の例
属性レポート形式のCSV形式ファイルを辞書に登録するとき,物理名の異なる外部キーの識別を指定するかどうかによって,登録されるデータ項目が異なります。図B-4は,物理名の異なる外部キーを識別する指定をした場合の登録例です。
物理名の異なる外部キーを識別して登録するには, CSV形式ファイル入力コマンドで引数「/Z 物理名の異なる外部キーを識別する」を省略するか,[CSV入力オプション]ダイアログの「物理名の異なる外部キーを識別する」のチェックをオンにします。
この指定をしない場合には,図B-4の「2'」と「4'」のデータ項目は登録されません。
(3) 属性レポートからデータ項目辞書への変換規則(同一カラム名をマージする場合)
属性レポート中に,同一のカラム名が定義された属性情報が複数ある場合,その情報をマージしてデータ項目辞書に登録できます。エンティティレポートと同時に入力する場合については,「付録B.2(3) エンティティレポートからデータ項目辞書への変換規則(同一カラム名をマージする場合)」を参照してください。
同一カラム名の属性をマージする場合の属性レポートの変換規則を,図B-5に示します。
図B-5 属性レポート形式の辞書登録の例(同一カラム名をマージする場合)
属性レポート形式のCSV形式ファイルを辞書に登録するとき,物理名の異なる外部キーの識別を指定するかどうかによって,登録されるデータ項目が異なります。図B-5は,物理名の異なる外部キーを識別する指定をした場合の登録例です。
(a) 同一カラム名をマージして登録する
同一カラム名をマージして辞書に登録するには,CSV形式ファイル入力コマンドで引数「/R 同一カラム名のマージ有無」に「use」を指定するか,又は[CSV入力オプション]ダイアログの「同一カラム名の属性をマージする」のチェックをオンにします。
なお,FK属性のカラム名と,その移行先のPK属性のカラム名が同じ場合は,この指定に関係なく,必ずマージされて登録されます。詳細については,「(2) 属性レポートからデータ項目辞書への変換規則」を参照してください。
(b) マージされる属性の条件
同一カラム名の属性のマージでは,マージされる属性間で,属性の値が一致している必要があります。マージされる属性間の条件を,表B-12に示します。
表B-12 マージされる属性間の条件
属性情報 | マージする属性間の条件 | |
---|---|---|
カラム名 | ○ | |
属性名 | ○ | |
カラムデータタイプ(精度,スケールを含む) | ○ | |
デフォルト値 | ○ | |
移行先を示す情報 | ベース名 | × |
PK指定 | × | |
FK指定 | × | |
属性コメント又は定義 | ×※ |
(凡例)
○:一致しなければならない
×:一致しなくてもよい
注※ コメント又は定義の情報が,マージ対象の複数の項目に設定されている場合は,その中で最も長い情報が,データ項目のコメントに設定されます。
(4) データ項目辞書と属性レポート形式の対応
データ項目辞書の定義項目と属性レポート形式の対応を,表B-13に示します。
表B-13 データ項目辞書と属性レポート形式の対応
データ項目辞書の定義項目 | 属性レポート形式 | ||
---|---|---|---|
構成項目 | |||
単項目 | 結合項目とその構成項目 結:結合項目 構:構成項目 | ||
名称 | データ項目名 | カラム名 | 結:カラム名 構:カラム名+サフィックス※1 |
標準名称 | 属性名 | 結:属性名 構:属性名+サフィックス※1 | |
フリガナ | × | 結:× 構:× | |
属性 | 分類 | カラムデータタイプから分類へ変換※1 | 結:結合データ 構:カラムデータタイプ から分類へ変換※1 |
けた数 | カラムデータタイプから抽出※1 | 結:- 構:カラムデータタイプ から抽出※1 | |
小数部けた数 | カラムデータタイプから抽出※1 | 結:- 構:カラムデータタイプ から抽出※1 | |
反復回数 | × | 結:- 構:× | |
付加情報 | フィールド1~n | × | 結:× 構:× |
コメント | 属性コメント/定義 | 結:属性コメント/定義 構:× | |
言語別詳細情報 | 名前 | カラム名 | 結:カラム名 構:カラム名+サフィックス※1 |
タイプ | カラムデータタイプから分類へ変換※1 | 結:- 構:カラムデータタイプ から分類へ変換※1 | |
タイプ修飾情報※3 | × | 結:- 構:× | |
取りうる値 | × | 結:- 構:× | |
初期値 | デフォルト値 | 結:- 構:※2 | |
言語別フィールド | × | 結:× 構:× |
(凡例)
×:データ項目辞書に対応するERwin/ERX側の情報がない項目
-:データ項目辞書に値がない項目
注※1 変換される分類とタイプの変換規則は,エンティティレポート形式と同じです。「付録B.2(5) ERwin/ERX タイプマッピングの規則」を参照してください。
注※2 サフィックス"-char"の構成項目にはデフォルト値を,サフィックス"-length"の構成項目にはデフォルト値の文字列長を初期値として設定します。
注※3 「COBOL又はOOCOBOL」で定義する編集文字列,「IDL(CORBA)」で定義するシーケンスを指します。
(5) 属性レポート形式フォーマット
ERwin/ERXの属性レポートに対応するCSV形式ファイルフォーマットについて説明します。
(a) ファイル内部の構成
属性レポート形式のファイル内部の構成を次に示します。
1行目にはヘッダを,2行目からは個々のデータ項目の定義情報を記述します。
(b) ヘッダ
ヘッダはERwin/ERXでレポートを出力した場合に付加されます。ヘッダの内容は任意ですが,ヘッダ行のカンマで区切られた列数は,定義情報と同じでなくてはなりません。
(c) 定義情報
定義情報のフォーマットと属性レポートで定義する必要のある値と省略できる値を,表B-14に示します。属性レポート形式では,文字列の値はすべてクォーテーション(「"」又は「'」)で囲まないで記述します。
表B-14 データ項目の定義情報の記述内容(属性レポート形式)
記述順 | 記述する定義情報 | 構成項目 |
---|---|---|
1 | カラム名 | ○ |
2 | 属性名 | △ |
3 | FK指定 | △ |
4 | カラムデータタイプ | △ |
5 | デフォルト値 | △ |
6※1 | 属性コメント | △ |
6※1 | 属性定義 | △ |
7※2 | PK指定 | △ |
8※2 | ベース名 | △ |
(凡例) ○:必要な値 △:省略できる値
注※1 どちらか一方を記述します。
注※2 物理名の異なる外部キーを識別する場合は,必ず記述します。