1.2.2 辞書フォルダによるマルチ辞書の構築

一つのリポジトリで,複数の辞書フォルダを管理できます。これを,マルチ辞書といいます。マルチ辞書の構成は,システム開発形態,プロジェクトの体制といった独自の環境に合わせて構築できます。また,辞書フォルダには,独自の名称を付けられます。

マルチ辞書の構成の例を,図1-2に示します。

図1-2 マルチ辞書の例

[図データ]

この例では,顧客管理システムの開発で使用する「顧客管理データ辞書」,売上管理システムの開発で使用する「売上管理データ辞書」,プロジェクトで共通に使用する「プロジェクト共通辞書」というように,辞書をプロジェクトの用途に応じて分類しています。

この例のように用途別に分類するほか,システムの開発単位などで分類することもできます。例えば,あるシステムの開発を終了する場合,それまで開発に使用してきた辞書を,新たに作成した別の保管用の辞書フォルダで管理するというような運用もできます。

異なる各国語,プログラミング言語の情報を一元管理する

データ項目や業務ルールの定義内容をアプリケーション開発に使用するプログラミング言語間,国語間で共通化して一元管理できます。このため,同じ辞書を異なる国語圏で相互に使用するというような運用形態に対応できます。また,同じ辞書からCやCOBOLなどの複数のプログラミング言語に対応できます。

独自の辞書にカスタマイズする

システムで使用する国語や開発言語,登録時の制限,データ項目や業務ルールの名称基準など,開発内容に合わせて辞書をカスタマイズできます。

辞書の構築を支援する検査機能

辞書登録やメンテナンス時などに,定義内容の妥当性を診断するための検査機能が提供されています。名称をリポジトリ内で重複して付けていないか,プロジェクトの名称基準(命名ルール)に従って名称が付けられているかどうかなど,辞書の構築を支援する検査項目が用意されています。また,ユーザ独自の検査項目を作成し,利用することもできます。

他のアプリケーションと辞書情報を連携する

他のアプリケーションから生成したCSV(Comma Separated Values)形式ファイルを辞書に登録できます。また,辞書情報を,CSV形式ファイルに出力できます。このほか,ODBC(Open Database Connectivity)インタフェースをサポートしているDBMS(Database Management System)上のデータベースから,データ項目辞書の情報を生成できます。