3.2.5 運用環境を構築する

リポジトリの運用時に,システム管理者はドキュメントや辞書の運用環境を設定します。運用環境は,「SEWB+/REPOSITORY」の「環境構築ユティリティ」を起動して設定します。各項目の設定規則については,ヘルプを参照してください。

環境構築ユティリティの設定項目
  • 管理者用のパスワードの設定
  • リポジトリのサーバに同時にログインできるユーザ数の設定
  • 辞書フォルダの作成
  • データ項目と業務ルールの設定
  • 辞書ユティリティのタイプマッピングの設定
  • ドキュメントの設定
  • リポジトリで扱うドキュメント種別の登録
  • ルートドキュメントフォルダの作成
  • バックアップ用コマンドファイルの作成
環境構築ユティリティで設定した環境情報の配布
環境構築ユティリティの環境情報は,エクスポート・インポート機能を利用して,ほかのサーバ上のリポジトリに配布できます。
複数のサーバでリポジトリを使用する環境では,リポジトリの運用環境を統一することが必要です。この場合は,環境構築ユティリティで環境を設定するサーバを決め,環境情報を管理してください。そのほかのサーバは,管理元のサーバから配布された環境情報を利用して運用環境を構築します。環境情報を受け取るサーバでは,配布された運用環境の設定を,変更したり追加したりしないよう,留意してください。
環境情報のエクスポート・インポートについては,「5.1 エクスポート・インポートの概要」を参照してください。
<この項の構成>
(1) 管理者用のパスワード設定
(2) 同時にログインできるユーザ数
(3) 辞書フォルダの作成
(4) データ項目と業務ルールの設定
(5) 辞書ユティリティのタイプマッピングの設定
(6) ドキュメントの設定
(7) ドキュメント種別の登録
(8) ルートドキュメントフォルダの作成
(9) バックアップ用コマンドファイルの作成

(1) 管理者用のパスワード設定

最初に環境構築ユティリティを起動すると,管理者用のパスワードを設定するダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで,パスワードを設定してください。パスワードは,6~8バイトの半角の英数字で記述します。2回目以降に起動するときには,このダイアログボックスは表示されません。パスワードを問い合わせるダイアログボックスが表示されます。

設定したパスワードを変更する場合は,[環境構築ユティリティ]ダイアログで「管理者のパスワード」を選択して設定します。

(2) 同時にログインできるユーザ数

リポジトリのサーバに,同時にログインできるユーザ数(接続クライアント数)を設定します。ユーザ数は,[環境構築ユティリティ]ダイアログで「サーバ」を選択して設定します。設定できる範囲は,1~230です。デフォルトでは32に設定されています。

同時にログインできるユーザ数は,サーバのスペックやメモリサイズなどを考慮して設定してください。サーバのメモリについては,「付録D.1 サーバに必要なハードウェアリソース」を参照してください。

設定値が有効になるのは,設定値の変更後にSEWB+/REPOSITORYを再起動したときです。

(3) 辞書フォルダの作成

辞書を格納する辞書フォルダを作成します。辞書フォルダは,[環境構築ユティリティ]ダイアログで「辞書フォルダ」を選択して作成します。複数の辞書フォルダが作成できます。

辞書フォルダを作成するには,次の項目を設定します。

(4) データ項目業務ルールの設定

データ項目と業務ルールは,[環境構築ユティリティ]ダイアログで「データ項目」を選択して設定します。データ項目や業務ルールに対して,次の項目を設定します。

設定値が有効になるのは,設定値の変更後にSEWB+/REPOSITORYを再起動したときです。

(5) 辞書ユティリティのタイプマッピングの設定

CSV入力を使ってERwin/ERXのデータ分析情報をデータ項目辞書に取り込む場合,又はODBC入力(RPOdbcin)コマンドを使用する場合に,入力元で定義されたデータベースのタイプとSEWB+/REPOSITORYのデータ項目属性との対応規則を設定します。

これをタイプマッピングといい,[環境構築ユティリティ]ダイアログで「辞書ユティリティタイプマッピング」を選択して設定します。

データベース種別「ORACLE」と「HiRDB」のタイプマッピングの標準値が設定されています。必要に応じてこれをカスタマイズしたり,任意のデータベース種別のタイプマッピングを追加したりします。

(6) ドキュメントの設定

ドキュメント,ドキュメントフォルダ,システムバージョン,及びシステムバージョンフォルダを新規に作成したとき又は登録したとき,所有者のアクセス権の初期属性を設定します。ドキュメントなどの設定は,[環境構築ユティリティ]ダイアログでドキュメントを選択後,「設定」を選択して行います。

ドキュメントの初期属性は,次の項目から設定します。

また,チェックアウト先コンピュータのIPアドレスを管理するかしないかを設定します。

(7) ドキュメント種別の登録

SEWB+/REPOSITORYで扱わせたいドキュメント種別を登録します。ドキュメント種別は,[環境構築ユティリティ]ダイアログで「ドキュメント種別」を選択して登録します。

ドキュメントは,メインファイルとメインファイルに従属するサブファイルで構成されます。このため,ドキュメント種別を登録するには,メインファイルとサブファイルについてそれぞれ設定します。

(a) メインファイルとサブファイルの設定

(i) メインファイル

ドキュメント種別の名称やファイルエクステンション(拡張子)を設定します。また,ドキュメント種別にファイルエクステンションを持たないファイルの設定や,登録するドキュメント種別ごとに履歴の保有数もメインファイルに対して設定できます。ただし,エクステンションを持たない,ドキュメント種別をエクスポートしたエクスポートファイルをインポートする時は,サーバのバージョンを02-02以降にしてください。

メインファイルには次の項目を設定します。

(ii) サブファイル

サブファイルがある場合は,サブファイルを設定します。サブファイルには次の項目を設定します。

(b) 他の方法でのドキュメント種別の登録

環境構築ユティリティを使った方法のほか,次に示す方法でも登録されます。

(c) ドキュメント種別の登録の注意事項

環境構築ユティリティやインポートでドキュメント種別を登録をしたとき,異なる名称で同じファイルエクステンションのドキュメント種別が既に存在していた場合には,そのファイルエクステンションに対するドキュメント種別が二重になってしまうため,注意してください。

(8) ルートドキュメントフォルダの作成

ドキュメントを格納する最上位のフォルダを作成します。ルートドキュメントフォルダは,[環境構築ユティリティ]ダイアログで「ルートドキュメントフォルダ」を選択して作成します。一つのリポジトリに複数のルートドキュメントフォルダが作成できます。

ルートドキュメントフォルダを作成するには,次の項目を設定します。

(9) バックアップ用コマンドファイルの作成

バックアップ用のコマンドファイルを生成します。バックアップ用のコマンドファイルを生成するための設定は,[環境構築ユティリティ]ダイアログで「バックアップ」を選択して行います。

バックアップ用のコマンドファイルを生成するには,次の項目を設定します。

バックアップについては,「7. 資源のバックアップとリストア」を参照してください。