9.1.2 ユーザで障害を回復できない場合の処置

ユーザで障害を回復できない場合は,障害情報として,アプリケーションログ,レジストリ情報,及びトレースファイルなどを収集したうえ,保守員に連絡してください。収集が必要な障害情報は,次のとおりです。

  1. 必ず収集する障害情報
    SEWB+/REPOSITORYが動作するサーバで,次に示す障害情報を収集してください。
    • アプリケーションログ
    • レジストリ情報
    • 関数トレース
  2. 再現性のある障害が発生する場合に収集する障害情報
    再現性のある障害が発生する場合には,1.に示した障害情報に加えて,次の障害情報を収集してください。これらの障害情報を収集するには,環境設定が必要です。
    • 通信トレース…サーバ及びクライアントで収集
    • 辞書APIトレース…辞書の操作で障害が発生した場合,クライアントで収集
    • ドキュメントAPIトレース…ドキュメントの操作で障害が発生した場合,クライアントで収集
    • リポジトリブラウザのトレース…クライアントで収集

 

次に,各障害情報の収集の仕方について説明します。

<この項の構成>
(1) アプリケーションログを収集する
(2) レジストリ情報を収集する
(3) 関数トレースを収集する
(4) 通信トレースを収集する
(5) ドキュメントAPIトレースを収集する
(6) 辞書APIトレースを収集する
(7) リポジトリブラウザのトレースを収集する

(1) アプリケーションログを収集する

サーバで,アプリケーションログを収集してください。

  1. サーバに「Administrator」でログインする
  2. 「管理ツール」の「イベントビューア」を起動する
  3. イベントビューアでアプリケーションログの一覧を表示する
    Windows NT Serverの場合,[ログ]メニューから[アプリケーション]を選ぶ。Windows 2000 Serverの場合,[ツリー]から[アプリケーションログ]を選ぶ。
  4. アプリケーションログをファイルに保存する。
    Windows NT Serverの場合,[ログ]メニューから[名前を付けて保存]選ぶ。Windows 2000 Serverの場合,[操作]メニューから[ログファイルの名前を付けて保存]を選ぶ。
  5. イベントビューアを終了する
  6. アプリケーションログを保存したファイルを収集する

(2) レジストリ情報を収集する

サーバで,レジストリ情報を収集してください。

  1. レジストリエディタ((システムディレクトリ)¥SYSTEM32¥REGEDT32.EXE)を起動する
    システムディレクトリは,Windows NT Server又はWindows 2000 Serverが組み込まれているディレクトリです。
  2. 「ローカルマシン(コンピュータ)上のHKEY_LOCAL_MACHINE」ウィンドウをアクティブにする
  3. ツリービューの「SOFTWARE」,「HITACHI」を順にダブルクリックする
  4. ツリービューの「SEWB+/REPOSITORY」を選択する
  5. [レジストリ]メニューから[名前を付けてサブツリーを保存]を選択する
    [ファイル名を付けて保存]ダイアログが表示されます。
  6. ファイル名を入力して[OK]ボタンを選択する
  7. [レジストリ]メニューから[レジストリエディタの終了]を選択する
    レジストリエディタが終了します。
  8. レジストリ情報を保存したファイルを収集する

(3) 関数トレースを収集する

サーバで,関数トレースとして次に示す2種類のファイルを収集してください。関数トレースは,サーバの起動中,常に採取されています。

(4) 通信トレースを収集する

再現性のある障害が発生する場合には,通信トレースを収集してください。通信トレースは,サーバとクライアントの両方で収集する必要があります。通信トレースを収集するには,環境設定が必要です。

なお,通信トレースは,障害の要因を調査するための情報ですので,正常に動作しているときは収集しないようにしてください。情報を収集すると,レスポンスが遅くなるなどの処理速度の低下が発生します。

(a) サーバの通信トレースを収集する

■環境設定

通信トレースを収集するには,レジストリキー「HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥HITACHI¥SEWB+/REPOSITORY¥Debug」に,次に示す二つの値を設定します。

値の名前値のデータ
RPCOMUNICATIONLOGall(固定)
RPCOMUNICATIONLOGSIZEトレースファイルのサイズをバイト単位で指定する。
省略時は,1,048,576バイトが仮定される。

レジストリへの環境変数の設定には,レジストリエディタを使用します。次に,レジストリエディタでの設定手順を示します。

  1. レジストリエディタ((システムディレクトリ)¥REGEDIT.EXE)を起動する
    システムディレクトリは,Windows NT又はWindows 2000が組み込まれているディレクトリです。
  2. ツリービューの「HKEY_LOCAL_MACHINE」,「SOFTWARE」,「HITACHI」,「SEWB+/REPOSITORY」,「Debug」を順に選択する
  3. [編集]メニューから[新規作成]-[文字列]を選択し,値の名称を設定する
  4. 設定した値の名称をダブルクリックする
    [文字列の編集]ダイアログが表示されます。
  5. 値のデータを入力して[OK]ボタンを選択する
  6. 4,5の操作を設定する値の数だけ繰り返す
  7. [レジストリ]メニューから[レジストリエディタの終了]を選択する
    レジストリエディタが終了します。
■サーバの通信トレースファイル
サーバの通信トレースは次に示すファイルに保存されます。
  • (環境変数TEMPに指定したディレクトリ)¥RPcomSV1.xxx※1
  • (環境変数TEMPに指定したディレクトリ)¥RPcomSV2.xxx※1
  • (インストールディレクトリ)¥spool¥RPcomSV1.yyy※2
  • (インストールディレクトリ)¥spool¥RPcomSV2.yyy※2
注※1
ファイル拡張子”xxx”には,SEWB+のセッションのプロセス番号が設定されます。この二つのファイルは,SEWB+サービスの起動時に削除されます。
注※2
ファイル拡張子”yyy”には,ログインユーザ名が設定されます。
インストールディレクトリは,SEWB+/REPOSITORYが組み込まれているディレクトリで,デフォルトでは次のように設定されています。
  • Windows NT Server 4.0又はWindows 2000 Serverの場合
    (システムドライブ):
    ¥Program Files¥HITACHI¥Sewb¥REPOSITORY
    システムドライブは,Windows NT Server 4.0又はWindows 2000 Serverが組み込まれているドライブです。
  • Windows NT Server 3.51の場合
    (システムドライブ):¥Win32app¥HITACHI¥Sewb¥REPOSITORY
    システムドライブは,Windows NT Server 3.51が組み込まれているドライブです。

(b) クライアントの通信トレースを収集する

■環境設定

通信トレースを収集するには,次に示す二つの環境変数を設定します。

変数名変数の値
RPCOMUNICATIONLOGall(固定)
RPCOMUNICATIONLOGSIZEトレースファイルのサイズをバイト単位で指定する。
省略時は,1,048,576バイトが仮定される。

環境変数の設定手順を,次に示します。

■クライアントの通信トレースファイル
クライアントの通信トレースは,次の二つのファイルに保存されます。
  • 環境変数TEMPに指定したディレクトリ¥RPcomCL1.xxx
  • 環境変数TEMPに指定したディレクトリ¥RPcomCL2.xxx
ファイル拡張子”xxx”には,プロセス番号が設定されます。
この二つのファイルは,SEWB+ログインの起動時に削除されます。

(5) ドキュメントAPIトレースを収集する

ドキュメントの操作で再現性のある障害が発生する場合には,クライアントでドキュメントAPIトレースを収集してください。ドキュメントAPIトレースを収集するには,環境設定が必要です。

なお,ドキュメントAPIトレースは,障害の要因を調査するための情報ですので,正常に動作しているときは収集しないようにしてください。情報を収集すると,レスポンスが遅くなるなどの処理速度の低下が発生します。

(a) 環境設定

ドキュメントAPIトレースを収集するには,次に示す二つの環境変数を設定します。

変数名変数の値
API_PROC2(固定)
API_ASSERTnormal(固定)

環境変数の設定手順を,次に示します。

(b) トレースファイル

ドキュメントAPIトレースは,次の二つのファイルに保存されます。

この二つのファイルは,同一のクライアントで次回ログインする際に削除されます。

(6) 辞書APIトレースを収集する

辞書の操作で再現性のある障害が発生する場合には,クライアントで辞書APIトレースを収集してください。辞書APIトレースを収集するには,環境設定が必要です。

なお,辞書APIトレースは,障害の要因を調査するための情報ですので,正常に動作しているときは収集しないようにしてください。情報を収集すると,レスポンスが遅くなるなどの処理速度の低下が発生します。

(a) 環境設定

辞書APIトレースを収集するには,次に示す二つの環境変数を設定します。

変数名変数の値
RPDICTIONARYLOGall(固定)
RPDICTIONARYLOGSIZEトレースファイルのサイズをバイト単位で指定する。
省略時は,1,048,576バイトが仮定される。

環境変数の設定手順を,次に示します。

(b) トレースファイル

辞書APIトレースは,次の二つのファイルに保存されます。

ファイル拡張子”xxx”には,プロセス番号が設定されます。

この二つのファイルは,SEWB+ログインの起動時に削除されます。

(7) リポジトリブラウザのトレースを収集する

リポジトリブラウザに障害が発生した場合は,トレース情報を収集してください。

トレース情報は,次の環境変数を設定することでファイルに出力できます。

[図データ]

トレース情報ファイルは,環境変数TEMPで指定したディレクトリに「DCXXXX.tmp(XXXXは,システムが仮定する英数字)」 の名称で出力されます。