Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ パブリッククラウド編


7.2.1 パブリッククラウド環境固有のHAモニタの環境設定

ここでは,パブリッククラウド環境固有のHAモニタの環境設定sysdefについて説明します。

HAモニタの環境設定をする定義ファイルを,次に示します。太字部分は,系間で同じ値を指定してください。太字以外の部分は,系間で矛盾がないように設定してください。

/*    HAモニタの環境設定    */
  environment
       :
            〔,lanport_ltd
                     TCP/IPのサービス名〕
       :
〔function
       :
            〔,public_cloudusenouse}〕
            〔,fence_networkusenouse}〕
       :
〈この項の構成〉

(1) environment定義文

HAモニタの動作環境を定義します。environment定義文のオペランドを,次に示します。

(a) lanport_ltd

ユーザ指定値

値の種別

数値の範囲

値の省略

指定を省略したときの仮定値

132文字の英数字

--

(単位:--)

--

説明

AWS環境の場合に,Linux Tough Dumpとの連携に使用するTCP/IP LANのサービス名を指定します。系切り替え構成内のすべての系で同じ値を指定してください。

メモ

Linux Tough Dumpについては,弊社担当営業にお問い合わせください。

このオペランドには,/etc/servicesファイルに設定したサービス名と同じサービス名を指定してください。

/etc/servicesファイルにサービス名を登録する方法と設定例を次に示します。

サービス名の登録方法

/etc/servicesファイルに,TCP/IP LANのサービス名,ポート番号,およびプロトコル名を指定します。

  • TCP/IP LANのサービス名には,lanportオペランドに指定したサービス名とは異なるサービス名を指定してください。

  • ポート番号の値は,5001以上で,かつシステムで未使用の番号を指定してください。また,プロトコル名にはudpを指定してください。

  • 系切り替え構成内のすべての系で同じサービス名,および同じポート番号を指定してください。

/etc/servicesファイルの設定例
# サービス名    ポート番号/プロトコル名
HAmon_ltd       7790/udp

(2) function定義文

HAモニタの動作オプションを定義します。定義は任意です。定義していない場合は,仮定値が設定されます。function定義文のオペランドを,次に示します。

(a) public_cloud

ユーザ指定値

値の種別

数値の範囲

値の省略

指定を省略したときの仮定値

usenouse

--

(単位:--)

nouse

説明

パブリッククラウド環境で,系切り替えをするかどうかを指定します。系切り替え構成内のすべての系で同じ値を指定してください。

  • use:パブリッククラウド環境で系切り替えをする

  • nouse:パブリッククラウド環境で系切り替えをしない

(b) fence_network

ユーザ指定値

値の種別

数値の範囲

値の省略

指定を省略したときの仮定値

usenouse

--

(単位:--)

nouse

説明

AWS環境の場合に,ネットワーク遮断による系切り替え機能を使用するかどうかを指定します。系切り替え構成内のすべての系で同じ値を指定してください。public_cloudオペランドにuseを指定していない場合は,このオペランドを指定しても無視されます。

  • use:ネットワーク遮断による系切り替え機能を使用する

  • nouse:ネットワーク遮断による系切り替え機能を使用しない

このオペランドにuseを指定した場合,次の点に注意してください。

  • clearwaitオペランドとclearcheckオペランドの値は30秒になります。

  • fence_networkオペランドにuseを指定した場合も系のリセットによって系切り替えをするため,パブリッククラウド環境でのリセットに関するオペランドが有効になります。詳細については,「7.2.2 パブリッククラウド環境で注意が必要なHAモニタの環境設定のオペランド」を参照してください。また,注意が必要なHAモニタの環境設定のオペランドとして記載されていないcpudownオペランドおよびreset_typeオペランドも有効になります。

  • HAモニタのネットワーク遮断設定ファイルを設定してください。

    ネットワーク遮断設定ファイルの設定については,「5.12.3 【AWS】ネットワーク遮断設定ファイルの設定」を参照してください。