6.3.1 【AWS】【Azure】レプリケーションソフトを使用する場合の注意事項
レプリケーションソフトを使用する場合の注意事項について,説明します。
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HAモニタのメッセージだけでなく,レプリケーションソフトが出力するメッセージにも従い,適切に対処してください。
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レプリケーションソフトを使用する場合,系ごとに業務ディスクを配置する構成にします。これらの業務ディスクのデータをレプリケーションソフトによって同期します。業務ディスクのデータが同期できている場合は,最新の業務ディスクのデータにアクセスできている状態のため,問題ありません。しかし,次の状態の場合は,業務ディスクのデータが同期されていないため,どれかの系の業務ディスクのデータが古くなっています。
- ・系間のレプリケーションパスが接続できていない状態
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セカンダリ側の系の業務ディスクのデータが古くなっています。
- ・系またはレプリケーションソフトが起動していない状態
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起動していない系の業務ディスクのデータが古くなっています。
- ・業務ディスクに障害が発生した状態
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障害が発生した業務ディスクのデータが古くなっています。
これらの状態になっている場合は,速やかに系間でレプリケーションできる状態に回復し,データを同期させてください。状態を回復させるまでは,業務ディスクのデータが古い系で,実行サーバを起動しないでください。状態が回復しないままシステムを停止し,業務ディスクのデータが古い系だけを起動した場合,業務ディスクのデータが古い系で実行サーバが起動するおそれがあります。業務ディスクのデータが古い系で実行サーバが起動してしまった場合は,速やかに実行サーバを停止してください。
なお,実行サーバが,データが古い業務ディスクを更新した場合は,その業務ディスクと最新のデータを持つ業務ディスクは同期できません。最新のデータを持つ業務ディスクを同期の元として生かすように,レプリケーションソフトの回復運用をしてください。詳細は,レプリケーションソフトのドキュメントを参照してください。
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プライマリ側の系からセカンダリ側の系に業務ディスクのデータを同期中に,プライマリ側の系障害による系切り替えが発生した場合,セカンダリ側では業務ディスクにアクセスできません。このため,セカンダリ側の実行サーバの停止,およびプライマリ側の系と実行サーバを再起動してください。
プライマリ側の系からセカンダリ側の系に業務ディスクのデータを同期中に,プライマリ側の実行サーバ障害による系切り替え,または計画系切り替えが発生した場合は,ディスクにアクセスできるため,対処は不要です。
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レプリケーションする別の系が障害で起動できない場合などに,系をスタンドアロンで運用するときは,次のことを確認してください。
・OSを起動したあと,サーバを起動する前に,DRBDリソースのdiskの状態がUpToDateになっていること
レプリケーションソフトは,別の系とレプリケーションパスで接続して互いに状態を確認するまで,diskの状態がConsistentになっている場合があります。この場合,auto-promoteによる自動プライマリ化ができないため,ディスクを使用できず,サーバの起動に失敗するおそれがあります。diskの状態がConsistentになっている場合は,次の操作をして,diskの状態がUpToDateになったことを確認してからサーバを起動してください。
- 手動でプライマリ化する
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# drbdadm primary リソース名
- diskの状態がUpToDateになったことを確認する
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# drbdadm status リソース名
- auto-promoteによる自動プライマリ化を有効にするため,セカンダリ化する
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# drbdadm secondary リソース名