Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ パブリッククラウド編


5.5 【AWS】【Azure】レプリケーションソフト(DRBD)の設定

レプリケーションソフト(DRBD)を使用する場合に必要な設定について説明します。詳細については,DRBDのドキュメントを参照してください。

定義チェックコマンド(moncheckコマンド)による定義チェック前までに実施する設定
  1. 業務ディスクを構成するDRBD論理デバイスの作成

  2. 作成したDRBD論理デバイスを物理ボリュームとしてボリュームグループを構成

OS起動時にレプリケーションソフト(DRBD)を自動起動する設定

OSのsystemctlコマンドを実行して,サービスを有効化してください。

サービスの有効化方法を,次に示します。

# systemctl enable drbd
リソースの設定

次に示す項目は必ず設定してください。次に示す項目以外は環境に合わせて設定してください。

  • ハンドラの設定

    commonセクションのfence-peerハンドラに,/opt/hitachi/HAmon/bin/parts/monfence-peer.shを設定します。

  • 自動プロモーション(auto-promoteオプション)

    yesを指定します。

  • 同期モード(protocolオプション)

    系切り替え時のデータの欠損を防止するため,プロトコルCの設定を推奨します。

  • フェンシングの設定(fencingオプション)

    resource-and-stonithを設定します。

  • レプリケーションパスの設定(addressオプション)

    レプリケーションパスのIPアドレスを指定します。

  • 対向ノード接続待ちの設定(wfc-timeoutオプション)

    DRBD起動時に対向ノードと接続できるまで待機する時間を指定します。

レプリケーションソフト(DRBD)の設定例を次に示します。

/etc/drbd.d/global_common.conf

global {
  usage-count no;
}
common {
handlers {
    fence-peer "/opt/hitachi/HAmon/bin/parts/monfence-peer.sh";
 }
  options {
    auto-promote yes;
  }
net {
    protocol C;
    fencing resource-and-stonith;
  }
  startup {
    wfc-timeout 30;
  }
}

/etc/drbd.d/r0.res(リソース名:r0,複数ボリュームグループがある場合)

resource r0 {
  volume 0 {
    device    /dev/drbd1;
    disk      /dev/xvdf1;
    meta-disk internal;
  }
  volume 1 {
    device    /dev/drbd2;
    disk      /dev/xvdf2;
    meta-disk internal;
  }
  on host1 {
    address   10.1.1.31:7789;
  }
  on host2 {
    address   10.1.2.32:7789;
  }
}

設定方法の詳細については,レプリケーションソフト(DRBD)のドキュメントを参照してください。

DRBD用シェルスクリプト群の展開

DRBDのプライマリへの昇格を抑止するために,HAモニタはDRBD用のシェルスクリプト群を提供しています。「5.7 【AWS】AWS用のシェルスクリプト群の展開」を参照し,シェルスクリプト群を展開してください。

サーバ対応の環境設定の定義
  • 業務ディスクを構成するレプリケーションソフト(DRBD)のリソース名をサーバ対応の環境設定のrep_deviceオペランドに指定します。

    rep_deviceオペランドの詳細については,「(1) rep_device」を参照してください。

  • 構成したボリュームグループをサーバ対応の環境設定のdiskオペランドに指定します。

    diskオペランドの詳細は,マニュアル高信頼化システム監視機能 HA モニタ Linux(R)(x86)編の「サーバの環境設定」を参照してください。

リソース制限の変更

ディスクをレプリケーションする構成でHAモニタを使用する場合,次の計算式で求められる値によっては,リソース制限を変更する必要があります。

「サーバ対応の環境設定のrep_deviceオペランドに指定したリソースの合計(サーバ対応の環境設定全体のDRBDのリソース数)」×「接続する系の数-1」

上記の計算式の値に従って,次のとおりに対応してください。

  • 計算式の値が512以下の場合:リソース制限の設定は変更不要です。

  • 計算式の値が512を超える場合:計算式の値に1,024を加えた値を,HAモニタのUnit設定ファイルのServiceセクションの「LimitNOFILE」に指定します。

計算式の例を次に示します。

計算式の例

サーバ対応の環境設定のrep_deviceオペランドに指定したリソースの合計が250,接続する系の数が5の場合は,次のとおりになります。

250×(5-1)=1,000
1,000+1,024=2,024

2,024をLimitNOFILEに設定します。

リソース制限の設定例を次に示します。次のファイルの太字部分を変更してください。

/usr/lib/systemd/system/HAmon-powercontrol.service

[Unit]
Description=HA Monitor(power control)
After= sysinit.target network.target sshd.service jp1_base.service HABooster.service ltd.service haconnd.service drbd.service

[Service]
Type=oneshot
RemainAfterExit=yes
ExecStart=/bin/sh -c '/opt/hitachi/HAmon/bin/HApwon >/dev/null 2>&1'
ExecStop=/bin/sh -c '/opt/hitachi/HAmon/bin/HApwoff >/dev/null 2>&1'
LimitNOFILE=2024

[Install]
WantedBy=multi-user.target