Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ AIX(R)編


6.8 SCSIデバイスに関する設定

ハイブリッドフェンシングを使用するために,サーバ対応の環境設定のscsi_deviceオペランドに物理デバイス名(PV名)または論理デバイス名を指定します。scsi_deviceオペランドの指定方法は,共有ディスクのボリュームグループが制御グループに登録されているかどうかで異なります。

共有ディスクのボリュームグループが制御グループに登録されていない場合

「共有ディスクのパスの冗長化をしない場合」または「共有ディスクのパスをHDLMで冗長化する場合」の手順を実施してください。

共有ディスクのボリュームグループが制御グループに登録されている場合

物理デバイス名(PV名)または論理デバイス名を確認するために,次のコマンドを実行して,事前にボリュームグループ名を確認する必要があります。

# /opt/hitachi/habooster/habhd_lsvg 制御グループID

制御グループIDは,サーバ対応の環境設定のhab_gidオペランドの指定値です。

制御グループIDに0を指定する場合の例を次に示します。

<実行例>

# /opt/hitachi/habooster/habhd_lsvg 0

<実行結果>

CGPID Mode    status  VGName
    0 disable valid   vg00
    0 disable valid   vg01

下線で示す部分がボリュームグループ名です。

次に「共有ディスクのパスの冗長化をしない場合」または「共有ディスクのパスをHDLMで冗長化する場合」の手順を実施してください。

共有ディスクのパスの冗長化をしない場合

サーバ対応の環境設定のscsi_deviceオペランドに共有ディスクの物理デバイス名(PV名)を指定してください。

共有ディスクの物理デバイス名(PV名)は,次のコマンドを実行して確認できます。

# lspv | grep ボリュームグループ名

ボリュームグループ名に,vg01を指定する場合の例を次に示します。

<実行例>

# /usr/sbin/lspv | grep vg01

<実行結果>

hdisk1       00cb7c8fa2f76a9a            vg01

下線で示す部分が共有ディスクの物理デバイス名(PV名)です。サーバ対応の環境設定のscsi_deviceオペランドに指定するときは,先頭に「/dev/」を加えて絶対パスで指定してください。

共有ディスクのパスをHDLMで冗長化する場合

サーバ対応の環境設定のscsi_deviceオペランドに,HDLMの論理デバイス名を絶対パスで指定してください。

HDLMの論理デバイス名は,次のコマンドを実行して確認できます。

# lspv | grep ボリュームグループ名

ボリュームグループ名に,dlmvg01を指定する場合の例を次に示します。

<実行例>

# /usr/sbin/lspv | grep dlmvg01

<実行結果>

dlmfdrv1       00cb7c8fa2f76a9b            dlmvg01

下線で示す部分がHDLMの論理デバイス名です。サーバ対応の環境設定のscsi_deviceオペランドに指定するときは,先頭に「/dev/」を加えて絶対パスで指定してください。

上記で求めたHDLMの論理デバイスすべてで,OSのchdevコマンドによってdlmrsvlevel属性にhamonitorを設定してください。すべての系切り替え構成で設定する必要があります。

HDLMの論理デバイスがdlmfdrv1の場合の例を次に示します。

<設定例>

# chdev -l dlmfdrv1 -a dlmrsvlevel=hamonitor

共有ディスクのパスをHDLMで冗長化する場合の設定および確認方法の詳細については,マニュアルHitachi Dynamic Link ManagerSoftwareユーザーズガイド(AIX(R)用)およびソフトウェア添付資料を参照してください。設定されていない場合,定義チェックコマンド(moncheckコマンド)実行時にメッセージKAMN113-Eを出力します。また,サーバ起動時は,メッセージKAMN237-Eを出力してサーバの起動を中止します。

重要

HDLMの論理デバイス名は,系間で一致していない可能性があります。系切り替え構成内のすべての系でこの手順を実施し,サーバ対応の環境設定のscsi_deviceオペランドの指定値を確認してください。

注意事項
  • 一つの物理デバイスに複数のパーティションを作成し,パーティションごとに別々のサーバで使用することはできません。

    SCSIリザーブは,物理デバイスごとに実行します。パーティションごとに別々のサーバで使用すると,SCSIリザーブが正しく確保できないため,ディスクの保護ができません。

  • サーバ対応の環境設定のscsi_deviceオペランドに設定するデバイス名は,系間で同じ名前を同じ順番で設定します。系間で設定する名前,設定順番が異なると,SCSIリザーブが正しく確保できないことがあります。

    ただし,HDLMによる冗長化構成の場合,scsi_deviceオペランドに設定するデバイス名は,系間で同じ順番で設定します。系切り替え構成内のすべての系が同じディスクであれば,異なる名前を指定できます。

  • scsi_deviceオペランドには,diskオペランドに指定した各ボリュームグループを構成する物理ボリュームのデバイスファイル名に対応するデバイス名をすべて指定します。

  • scsi_deviceオペランドに設定する論理デバイスに対応する共有ディスクには,LVMミラーリングを使用しないでください。