6.7.2 LANの状態設定ファイルの設定
HAモニタの場合,LANはサーバ単位に接続,切り離しをします。通常,ネットワークの設定にはOSのODMを使用しますが,HAモニタでは,LANの状態設定ファイルを作成して設定する必要があります。
LANの状態設定ファイルの種類を,次に示します。
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サーバ識別名.upファイル
LANを接続する場合に使用します。サーバが使用するIPアドレスをLANアダプタに割り当てるための情報を指定します。
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サーバ識別名.downファイル
LANの切り離しをする場合に使用します。サーバが使用するIPアドレスをLANアダプタから削除するための情報を指定します。
これらのファイルは,サーバごとにHAモニタの環境設定用ディレクトリの下に作成します。ファイル名のサーバ識別名の部分は,サーバ対応の環境設定のaliasオペランドで指定した値にしてください。
HAモニタには,HAモニタサンプルファイル用ディレクトリの下に,server.upおよびserver.downというファイル名で,LANの状態設定ファイルのサンプルファイルが用意されています。これらのファイルをHAモニタ環境設定用ディレクトリの下にコピーして書き換えることで,LANの状態設定ファイルを最初から作成する手間が省けます。また,ファイルには実行権限を与えてください。
HAモニタでのLANの切り替えは,エイリアスIPアドレスを使用します。LANの状態設定ファイルには,OSのifconfigコマンドの引数として,LANアダプタに追加・削除するエイリアスIPアドレスを指定します。
また,HAモニタは,LANの状態設定ファイルをrootユーザのソフト制限のstackサイズ値で実行します。rootユーザのソフト制限のstackサイズ値が768KBより小さく設定されていると,LANの状態設定ファイルを正常に実行できない場合があります。stackサイズ値の制限によって正常に実行できない場合は,LANの状態設定ファイルの処理の先頭にOSのulimitコマンドを追加して制限を解除してください。
- 例:
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ulimit -s 32768
OSのコマンドについては,OSのマニュアルを参照してください。
なお,rootユーザのソフト制限のstackサイズ値は2GB以上に設定しないでください。
ここでは,エイリアスIPアドレスを使用した場合の,LANの状態設定ファイルの設定方法について説明します。
(1) サーバ識別名.upファイルの設定
サーバ識別名.upファイルには,系ごとに割り当てられたLANアダプタのインタフェース名,およびエイリアスIPアドレスを設定します。必要に応じてネットマスクおよびブロードキャストアドレスを設定してください。
また,エイリアスIPアドレスの設定前後に任意の処理を実行したい場合は,その処理を記載できます。
- 注意事項
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任意の処理を記載する際,無限ループしないようにしてください。無限ループすると,サーバが起動または停止処理中のままになるおそれがあります。
サーバ識別名.upファイルの内容を,次に示します。
/usr/sbin/ifconfig xxx inet n.n.n.n alias netmask nn.nn.nn.nn broadcast nnn.nnn.nnn.nnn
- (凡例)
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xxx:インタフェース名
n.n.n.n:エイリアスIPアドレス
nn.nn.nn.nn:ネットマスク
nnn.nnn.nnn.nnn:ブロードキャストアドレス
(2) サーバ識別名.downファイルの設定
サーバ識別名.downファイルには,系ごとに割り当てられたLANアダプタのインタフェース名,およびエイリアスIPアドレスを設定します。
また,エイリアスIPアドレスの設定前後に任意の処理を実行したい場合は,その処理を記載できます。
- 注意事項
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任意の処理を記載する際,無限ループしないようにしてください。無限ループすると,サーバが起動または停止処理中のままになるおそれがあります。
サーバ識別名.downファイルの内容を,次に示します。
/usr/sbin/ifconfig xxx inet n.n.n.n delete
- (凡例)
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xxx:インタフェース名
n.n.n.n:エイリアスIPアドレス