Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ AIX(R)編


4.4.1 連動系切り替え時のサーバの切り替え種別

サーバモードのサーバの場合,サーバグループ内の各サーバに,そのサーバに障害が発生したときに連動系切り替えをするかどうかを指定できます。この指定をサーバの切り替え種別と呼びます。ここでは,サーバの切り替え種別の指定と,HAモニタの動作の関係について説明します。

サーバの切り替え種別として,そのサーバにサーバ障害が発生したときに連動系切り替えをすると指定した場合,そのサーバにサーバ障害が発生するとHAモニタは連動系切り替えをします。連動系切り替えをしない指定にした場合,HAモニタはサーバ障害が発生したサーバを異常終了させ,対応した待機サーバを連動系切り替え待ち状態にします。

また,OpenTP1またはHiRDBをサーバモードのサーバとして使用する場合で,サーバにサーバ障害が発生しても連動系切り替えをしない設定にするときは,サーバのスローダウンが発生したときサーバを異常終了させて連動系切り替え待ち状態にするか,またはスローダウンが発生してもサーバを異常終了させないでそのままサーバの監視を続けるかを指定できます。

サーバの切り替え種別は,サーバ対応の環境設定のgroupオペランドに指定します。サーバに障害が発生したときに連動系切り替えをする場合はexchangeを,連動系切り替えをしない場合はno_exchangeを指定します。また,連動系切り替えをしない場合で,サーバのスローダウンを検出したときにサーバを異常終了するにはcancelを,検出してもそのまま監視を続けるにはno_cancelを指定します。

注意事項

no_exchangeを指定した場合でも,次のときは連動系切り替えをします。

  • サーバグループ内にリソースサーバがある構成で,リソースサーバを親サーバに指定しているすべてのサーバが障害になったとき

no_exchangeを指定した場合でも,サーバ障害時には連動系切り替えさせたくないときは,次のどちらかのサーバ構成にしてください。

  • リソースサーバを使用しない。代わりに,リソースだけを定義したモニタモードのサーバを使用する。

  • サーバグループ内のリソースサーバの子にモニタモードのサーバを定義する。

    なお,モニタモードのサーバの環境設定は,次のどちらかにする。

    ・サーバの監視コマンドは設定しない。

    ・サーバの環境設定のservexec_retryオペランドに9999を指定し,障害になっても無制限にサーバを再起動する設定にする。

すでに,これらの設定をしたモニタモードのサーバがサーバグループ内に存在する場合は,新たに追加する必要はありません。

これらのサーバ構成にすると,「系障害」や「サーバの計画系切り替え(monswap -g)」の場合にだけ連動系切り替えします。

サーバの切り替え種別の指定と連動系切り替えの関係を,次の図に示します。この図では,サーバグループAとサーバグループBの二つを例に挙げて説明します。

図4‒31 サーバの切り替え種別の指定と連動系切り替えの関係

[図データ]

groupAのサーバグループでは,exchangeが指定されている実行サーバ1に障害が発生したため,HAモニタは連動系切り替えをします。実行サーバ1および実行サーバ2は,待機系で業務を継続します。

groupBのサーバグループでは,no_exchangeが指定されている実行サーバ4に障害が発生したため,HAモニタは系切り替えをしません。実行サーバ3はそのまま実行系で業務を継続します。