Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ AIX(R)編


9.9 mondevice(実行サーバ稼働中の共有リソースの変更)

形式

共有リソースの追加
mondevice サーバ識別名 -a デバイス種別 リソース名
共有リソースの削除
mondevice サーバ識別名 -d デバイス種別 リソース名
共有リソースの変更
mondevice サーバ識別名 -c デバイス種別 リソース名 変更種別 属性
コマンドを対話形式で実行
mondevice -Q

実行できるユーザ

スーパユーザ

機能

実行サーバ稼働中に,共有リソースを追加・削除します。また,共有リソースの属性も変更します。サーバ対応の環境設定も自動で変更します。

オプション

共有リソースの追加
  • サーバ識別名

    共有リソースを追加するサーバの識別名を指定します。

  • -a

    共有リソースを追加する場合に指定します。

  • デバイス種別

    追加の対象となる共有リソースの種別を指定します。

    disk:共有ディスクを追加の対象とします。

    la:LAを追加の対象とします。

    hls:回線切替装置を追加の対象とします。

  • リソース名

    追加する自系の共有リソースの名称を指定します。

共有リソースの削除
  • サーバ識別名

    共有リソースを削除するサーバの識別名を指定します。

  • -d

    共有リソースを削除する場合に指定します。

  • デバイス種別

    削除の対象となる共有リソースの種別を指定します。

    disk:共有ディスクを削除の対象とします。

    la:LAを削除の対象とします。

    hls:回線切替装置を削除の対象とします。

  • リソース名

    削除の対象となる自系の共有リソースの名称を指定します。

共有リソースの変更
  • サーバ識別名

    共有リソースを変更するサーバの識別名を指定します。

  • -c

    共有リソースの属性を変更する場合に指定します。

  • デバイス種別

    変更の対象となる共有リソースの種別を指定します。

    disk:共有ディスクを変更の対象とします。

    la:LAを変更の対象とします。

    hls:回線切替装置を変更の対象とします。

  • リソース名

    変更の対象となる自系の共有リソースの名称を指定します。

  • 変更種別

    変更の対象となる自系の共有リソースに対する変更種別を次から選んで指定します。このオプションは-cオプションを使用している場合だけ指定します。また,このオプションを指定した場合は,続けて,属性オプションを指定してください。

    vg_neck

    ボリュームグループのオンラインに失敗した場合にサーバの起動を中止するかどうかを変更します。サーバ対応の環境設定のvg_neckオペランドに相当しています。

    vg_on_opt

    ボリュームグループのオンライン化コマンド実行時のオプションを変更します。サーバ対応の環境設定のvg_on_optオペランドに相当しています。

    vg_forced_varyon

    強制varyon機能の使用有無を変更します。サーバ対応の環境設定のvg_forced_varyonオペランドに相当します。

  • 属性

    変更の対象となる自系の共有リソースの属性を次のように指定します。このオプションは-cオプションを使用している場合だけ指定します。

    変更種別オプションがvg_neckの場合

    use:ディスクリソースのオンライン失敗時にサーバの起動を中止させます。

    nouse:ディスクリソースのオンライン失敗時にサーバの起動を中止させないで,処理を続行します。

    変更種別オプションがvg_on_optの場合

    ディスクリソースのオンライン化コマンド実行時のオプションを指定します。オプションをなしに変更するには属性に「""」(二つの引用符)を指定します。デフォルトのオプションに変更する場合には「,」(コンマ)を指定します。複数のオプションを指定する場合は,属性全体を"(引用符)で囲んで指定します。

    変更種別オプションがvg_forced_varyonの場合

    use:強制varyon機能を使用します。

    nouse:強制varyon機能を使用しません。

コマンドを対話形式で実行
  • -Q

    mondeviceコマンドを,対話形式で実行します。

リターンコード

意味

0

正常終了(実行サーバ稼働中の共有リソースの変更が完了しました)

0以外

異常終了

注意事項

使用例

共有リソースの追加

共有リソースを追加する場合,サーバ対応の環境設定には「xxx_add」というオペランドで追加されます。xxxには,追加したリソースのデバイス種別が入ります。

mondevice server1 -a disk /dev/vg01を実行した場合の,サーバ対応の環境設定の内容を,次の例に示します。

/*  サーバ対応の環境設定  */
 server    name       /users/server1,
           alias      server1,
             :
             :
             :
             :
           disk_add   /dev/vg01;
共有リソースの削除

共有リソースを削除する場合,サーバ対応の環境設定には「xxx_del」というオペランドで追加されます。xxxには,削除したリソースのデバイス種別が入ります。

mondevice server1 -d disk /dev/vg01を実行した場合の,サーバ対応の環境設定の内容を,次の例に示します。

/*  サーバ対応の環境設定  */
 server    name       /users/server1,
           alias      server1,
             :
             :
             :
             :
           disk_del   /dev/vg01;
共有リソースの追加・削除

xxx_addオペランドで追加,xxx_delオペランドで削除した共有リソースは,次のサーバの起動時にも自動的に追加・削除されますが,ユーザは必要な時期にサーバ対応の環境設定の内容を修正してください。

diskを追加・削除した場合の,サーバ対応の環境設定の内容を次の例に示します。

修正前
        disk         /dev/vg:/dev/vg2,
        disk_add     /dev/vg3,
        disk_del     /dev/vg2;
修正後
        disk         /dev/vg:/dev/vg3;
共有リソースの変更

共有リソースの属性を変更する場合,サーバ対応の環境設定には「xxx_chg」というオペランドで追加されます。xxxには,変更した属性を持つリソースのデバイス種別が入ります。

mondevice server1 -c disk /dev/vg01 vg_neck use を実行した場合の,サーバ対応の環境設定の内容を,次の例に示します。

/*  サーバ対応の環境設定  */
 server    name       /users/server1,
           alias      server1,
             :
             :
             :
             :
           disk       /dev/vg01,
           disk_chg   /dev/vg01:vg_neck:use;
共有リソースの追加・変更・削除

xxx_addオペランドで追加,xxx_delオペランドで削除,またはxxx_chgオペランドで属性値を変更した共有リソースは,次のサーバの起動時にも自動的に追加,変更,削除されますが,ユーザは必要な時期にサーバ対応の環境設定の内容を修正してください。

diskオペランドに/dev/vg04を追加し,/dev/vg03に対応するvg_neckオペランドの値をuseに指定してから/dev/vg01を削除した場合の,サーバ対応の環境設定の内容を,次の例に示します。

修正前
        disk       /dev/vg01:/dev/vg02:/dev/vg03,
        vg_neck    use:nouse:nouse,
        disk_add   /dev/vg04,
        disk_chg   /dev/vg03:vg_neck:use,
        disk_del   /dev/vg01;
修正後
        disk       /dev/vg02:/dev/vg03:/dev/vg04,
        vg_neck    nouse:use:nouse;

diskオペランドの指定値を変更する場合には,変更種別に指定されたオペランドの値も同時に変更してください。

コマンドを対話形式で実行

-Qオプションを指定することで,対話形式でコマンドを実行できます。実行中に指定を誤ったなどの理由でコマンドの実行を取りやめたい場合は,コントロールキーを押しながら[D]キー([CTRL][D])を押してください。使用例の詳細を次に示します。ここでは,サーバ識別名がserver1のサーバのdiskを追加する場合を例に示します。

> mondevice -Q
このコマンドでは,共有リソースを変更します。
処理を中断する場合は,[CTRL]+[D]キーを押してください。
Q.処理の対象となるサーバ識別名を指定してください。
[サーバ識別名]:
> server1
Q.実行する処理を次の番号から選択してください。
(1)デバイスの追加
(2)デバイスの削除
(3)デバイスの属性変更
[追加(1)/削除(2)/変更(3)]:
> 1
Q.処理の対象となるデバイスの種別を次の番号から選択してください。
(1)disk  (共有ディスク装置)
(2)hls  (回線切替装置)
(3)la   (LA)
[デバイス種別]:
> 1
Q.追加/削除/変更するデバイスの名称を指定してください。
[デバイス名称]:
> /dev/vg01
コマンドを作成しました。:mondevice server1 -a disk /dev/vg01
Q.コマンドを実行しますか?
実行する場合は,[送信]キーを押してください。
>
コマンドを実行します。

(凡例) >:ユーザの操作を示します。