6.7.1 共有ディスクの設定
(1) ボリュームグループの作成
HAモニタは,サーバまたは系に障害が発生した場合,実行系から待機系に共有ディスクの切り替えをします。共有ディスクの切り替えは,ボリュームグループ単位で実行されるため,システム管理者はOSのコマンドでボリュームグループを作成する必要があります。ボリュームグループを作成するときは,次の事項に従ってください。
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複数の異なるサーバで系切り替え構成にする場合,各サーバが使用するデータは異なるボリュームグループに配置するよう,共有ディスクを構成してください。
ただし,同じサーバグループ内でリソースサーバを使用する場合は,各サーバが使用するデータを同じボリュームグループに配置できます。
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共有ディスク上に作成するボリュームグループの名称を両方の系で同じにしてください。
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他系からのvaryonvgコマンドの失敗を防ぐため,システム起動時に自動的にvaryonする設定にはしないでください。
共有ディスク上に作成するボリュームグループは,HAモニタが制御します。したがって,この設定にしていた場合,ゴーストディスクが作成されてvaryonvgコマンドが失敗することがあります。この場合の対処については,「7.5.8 共有ディスクの障害に対処する」を参照してください。
- ゴーストディスクとは
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ボリュームグループをvaryonする場合に,varyonvgコマンドを-uなしで実行すると,ディスクがリザーブされます。自系がディスクをリザーブしていると,他系がディスクのPVID(ディスクに付ける識別子)を読み込めないため,実際のディスクデバイスに対して,PVIDを持たない第2の論理デバイスが作成されます。この第2の論理デバイスをゴーストディスクと呼びます。
ゴーストディスクはPVIDを持たないため,他系から実行するvaryonvgコマンドが失敗し,共有ディスクを使用できません。
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拡張コンカレント・モード・ボリューム・グループは使用できません。VGコンカレント機能を付加しないでください。
(2) HA Boosterの制御グループの設定
HA Boosterを使用する場合,制御グループ単位で共有ディスクを切り替えます。HAモニタは,制御グループのアクセス権限をサーバ単位で変更することで,共有ディスクを制御します。
HA Boosterの制御グループには,ボリュームグループを登録します。サーバごとに,制御グループを独立させてください。
(3) ファイルシステムの設定
共有ディスク上のファイルシステムを使用する場合,OSに対してファイルシステムの設定をする必要があります。
ファイルシステムの切り替え制御では,HAモニタがマウント・アンマウントします。したがって,システム起動時に自動的にマウントしないように設定してください。設定方法は,OSのマニュアルを参照してください。