Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ AIX(R)編


5.2.1 系切り替え構成の違い

ここでは,系切り替え構成の違いについて説明します。

各系切り替え構成の特徴を踏まえた上で,コストや系切り替え後の処理性能などを考慮して,業務システムに適切な系切り替え構成を選択してください。系切り替え構成の種類と特徴を次の表に示します。

表5‒1 系切り替え構成の種類と特徴

項番

系切り替え構成の種類

特徴

1

1:1系切り替え構成

専用の予備系を用意する系切り替え構成です。

コストは高くなりますが,系切り替え構成後も同等の性能で処理できます。

2

相互系切り替え構成

複数の実行サーバを異なる二つの系で稼働させ,それぞれの待機サーバを互いの系に配置して,業務を実行する系切り替え構成です。資源を有効に活用できますが,系切り替え後には,一つの系で両方の業務を実行するため,負荷が掛かります。

3

2:1系切り替え構成

二つの現用系に,一つの予備系を用意するため,複数の1:1系切り替え構成に比べると,資源を有効に活用できます。

片方の系だけに障害が発生した場合は,系切り替え後の処理性能は劣化しませんが,両方の現用系に障害が発生した場合,一つの予備系に業務が集中するため,負荷が掛かります。

4

複数スタンバイ構成

一つの現用系に,複数の予備系を用意するため,コストは高くなりますが,系切り替え後も同等の性能で処理できます。また,系切り替え後,さらに予備系に障害が発生した場合でも,別の予備系へ系切り替えができるため,業務を継続できます。

5

クラスタ型系切り替え構成

項番1から項番4までの系切り替え構成を組み合わせて,負荷分散をするための系切り替え構成です。

複数の系が実行系と待機系を兼ねることで,一つの業務を異なる系の複数のサーバで並列実行できるため,一つの系に掛かる処理を分散できます。

各系切り替え構成の構成例については,「2.1 系切り替え構成」を参照してください。