3.3.6 他系のOSパニック検知
HAモニタが動作している系でOSパニックが発生したときに,その系の障害を瞬時に検知して他系のHAモニタに通知することで高速に系切り替えができます。これを,他系のOSパニック検知機能といいます。
他系のOSパニック検知機能を使用するには,すべての系がこの機能を使用できるシステム環境である必要があります。定義チェックコマンド(moncheckコマンド)を実行して,すべての系でこの機能が使用できるシステム環境かどうかを事前に確認してください。
他系のOSパニック検知機能は,HA BoosterとHAモニタが連携することで実現しています。
(1) 他系のOSパニック検知機能使用時の動作
実行系でOSパニックが発生したときに,実行系のHA Boosterが瞬時にOSパニックを検知し,待機系のHAモニタに障害通知をします。通知を受けた待機系のHAモニタは待機サーバを実行サーバに切り替えます。他系のOSパニック検知機能使用時の動作を次の図に示します。
(2) システム構成
他系のOSパニック検知機能は,リセットパスを使用してOSパニックが発生した系から他系へ障害通知をします。そのため,他系のOSパニック検知機能では,リセットパスで接続されている系を他系と呼びます。他系のOSパニック検知機能を使用したシステム構成例を次の図に示します。
上記の図では,系1から見れば系2,および系3が他系になります。また,系4から見れば系5だけが他系になります。
(3) 動作環境
他系のOSパニック検知機能を使用できる動作環境について説明します。
他系のOSパニック検知機能は,OSパニックが発生した系と他系のシステムが次の場合に動作します。システムがここで説明する動作環境でない場合は,実行系にOSパニックが発生しても瞬時に系切り替えをするのではなく,HAモニタの環境設定のpatrolオペランドで指定した系障害監視時間が経過してから系切り替えをします。
(a) ハードウェア
次に示す系切替機構が必要です。
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THE-HA-0031
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THE-HA-0041
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THE-HA-0041UP42
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THE-HA-0042
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THE-HA-0043
(b) ソフトウェア
系切替機構にTHE-HA-0031を使用する場合は,次のソフトウェアが必要です。
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Hitachi HA Booster Pack for AIX 01-01以降
系切替機構にTHE-HA-0041,THE-HA-0041UP42,THE-HA-0042,またはTHE-HA-0043を使用する場合は,次のソフトウェアが必要です。
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Hitachi HA Booster Pack for AIX 01-02以降
(c) 必要な環境設定
次の設定が必要です。
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HAモニタの環境設定のdfpオペランドの指定
「use」を指定します(デフォルト値が「use」であるため,通常は指定する必要はありません)。
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システムのダンプデバイスの指定
ダンプデバイスの設定方法については,対応するOSのマニュアルなどで確認してください。また,HAモニタ稼働中にダンプデバイスを変更した場合は,ユーザがダンプデバイス情報の登録コマンド(mondumpdevコマンド)でダンプデバイスの再登録をする必要があります。ダンプデバイス情報の登録コマンド(mondumpdevコマンド)を実行しないと他系のOSパニック検知機能が使用できません。