7.4.1 待ち状態のサーバを起動して業務を再開する
HAモニタは,他系のHAモニタと連絡を取り合っています。実行系と待機系とで,サーバの状態を監視し,他系のサーバの状態に合わせて,自系のサーバの状態を決定します。そのため,起動したサーバが,起動完了しないで待ち状態になることがあります。ここでは,待ち状態になったサーバを,起動したり停止したりする方法について説明します。
サーバの待ち状態には複数の種類があり,それぞれ起動方法および停止方法が異なります。サーバが待ち状態になった場合,待ち状態であることを通知するメッセージが一定間隔で出力されます。サーバの待ち状態の種類と操作方法を次の表に示します。
種類 |
monshowコマンドでの表示 |
説明 |
メッセージ |
起動・停止方法 |
---|---|---|---|---|
再起動待ち状態 |
*ONL* |
実行サーバに障害が発生したあと,実行サーバを再起動させることができます。障害が発生してから再起動が完了するまでの間を,再起動待ち状態と呼びます。 |
KAMN258-D |
起動:プログラムが提供する起動コマンド 停止:mondeact |
系切り替え待ち状態 |
ONL?? |
系のリセットをする場合,系切り替えが発生すると,HAモニタは,待機系の待機サーバを実行サーバに切り替えます。実行サーバに切り替える際,HAモニタは,実行系(障害が発生した系)の実行サーバが停止したかどうかを確認します。 停止を確認できた場合,待機系の待機サーバは実際に実行サーバとして起動されます。 停止を確認できなかった場合,待機系の待機サーバは実行サーバとして実際に起動する前に,いったん待ち状態になります。この待機系の実行サーバが,実行サーバとして実際に起動するのを待っている状態を,系切り替え待ち状態と呼びます。 ハイブリッドフェンシングで系のリセットに失敗したあと,共有ディスクのSCSIリザーブの確保に失敗した場合にも,系切り替え待ち状態になります。 |
KAMN368-D |
起動:monact 停止:mondeact |
実行サーバの起動待ち状態 |
*SBY* |
監視パスの障害などの理由で,実行サーバの状態が確認できない場合,待機サーバは,実行サーバが起動するのを待ちます。実行サーバの起動を待っている状態を,実行サーバの起動待ち状態と呼びます。 |
KAMN238-D |
起動:monact 停止:mondeact |
リソースサーバの起動待ち状態 |
リソースサーバが起動を完了していない場合,子サーバはリソースサーバの起動を待ちます。リソースサーバの起動を待っている状態を,リソースサーバの起動待ち状態と呼びます。 |
なし |
起動:リソースサーバの起動後に,monact 停止:リソースサーバの停止後,または起動後に,mondeact |
|
連動系切り替え待ち状態 |
SBY?? |
複数のサーバをグループ化している場合,あるサーバに,障害が発生しても連動系切り替えをしない設定ができます。連動系切り替えをしない設定にしているサーバに障害が発生した場合,対応する待機サーバは連動系切り替え待ち状態になります。 なお,そのホスト以外で実行サーバまたは待機サーバが起動した場合は,系切り替え可能状態に戻ります。 |
なし |
起動:monact 停止:monsbystp |
起動リトライ中 |
>ONL |
系切り替え時,切り替え先の系でリソースの接続やサーバの起動に失敗し,ほかに切り替えできる系がない場合,系切り替え時に起動リトライする機能を使用していると,HAモニタはサーバに再起動指示を出します。系切り替え失敗時からサーバ起動処理開始までの状態のことを起動リトライ中と呼びます。 |
KAMN296-I |
起動:プログラムが提供する起動コマンド 停止:mondeact |
表中の起動・停止方法に記載されているのは,HAモニタのコマンド名です。また,表中のmonshowコマンドでの表示は,サーバ・系の状態表示コマンド(monshowコマンド)を実行したときに表示されるサーバの状態を示しています。HAモニタのコマンドの詳細については,「9. コマンド」を参照してください。サーバの状態遷移については,「4.1.3 サーバの状態遷移」を参照してください。