Hitachi

高信頼化システム監視機能 HAモニタ Linux(R)(x86)編


6.25.1 複数系切り替え構成間での設定・定義のチェック

使用するOSに関係なく,同じリセットパスのネットワーク内に系切り替え構成が複数存在するシステムでは,HAモニタの環境設定のaddressオペランドの値,およびHAモニタのリセットパスに設定したポート番号に重複がある場合,系切り替え構成間で次のような事象が発生するおそれがあります。

これらの事象を事前に回避するため,系切り替え構成が複数存在するシステムの場合は,addressオペランドの値に重複がないか,およびHAモニタのリセットパスに設定したポート番号に重複がないかをチェックします。同じリセットパスのネットワーク内にある機器のリストアップには,IPアドレス検出コマンド(monlistipコマンド)を使用できます。IPアドレス検出コマンド(monlistipコマンド)については,「9.13 monlistip(IPアドレスの検出)」を参照してください。

複数系切り替え構成間での設定・定義のチェック手順を,次の図に示します。

図6‒65 複数系切り替え構成間での設定・定義のチェック手順

[図データ]

チェック手順の詳細について説明します。番号は,図中の番号と対応しています。

  1. リセットパスのネットワーク内にある機器をリストアップする。

    次のどちらかの方法でリストアップできます。リストアップの漏れがないようにしてください。

    • IPアドレス検出コマンド(monlistipコマンド)を実行する。

      このコマンドは,どれか一つの系から実行します。実行結果は,csvファイルで出力されます。このファイルをWindows OSのマシンに転送すれば,表計算ソフトで編集できます。以降の手順の調査結果の入力などに利用できます。

    • ネットワーク管理者に問い合わせる。

  2. HAモニタを適用できる機器かどうかを調査する。

    手順1.でリストアップした機器の中から,マシンの機種,およびOSを確認し,HAモニタを使用している可能性がある機器かどうかを調査します。HAモニタを適用できるマシンの機種については,リリースノートを参照してください。HAモニタを適用できるOSは,AIX,HP-UX,およびLinuxです。OSの調査方法の例を次に示します。

    • telnetでログイン時のプロンプトから判断する。

    • リモートシェル(rsh)でunameコマンドを実行し,その結果から判断する。

  3. HAモニタの使用有無を調査する。

    手順2.でHAモニタを使用している可能性があると判断した機器に,HAモニタのディレクトリが存在するかどうかでHAモニタを使用しているかどうかを判断します。手順2.で調査したマシンにログインして次のコマンドを実行します。

    ls /opt/hitachi/HAmon

    binetclibspoolの四つのディレクトリが見つかった場合,HAモニタを使用していると判断できます。

  4. HAモニタを使用しているすべての機器に設定されている,HAモニタの環境設定のaddressオペランドの値を調査する。

    複数の機器で使用しているHAモニタで,addressオペランドの値が重複していないかを確認します。

    addressオペランドの値が重複している場合は,手順5.に進みます。重複していない場合,チェックはこれで完了です。

  5. HAモニタを使用しているすべての機器で,HAモニタの環境設定コマンド(monsetupコマンド)を実行して,リセットパスの設定を調査する。

    HAモニタの環境設定コマンド(monsetupコマンド)に-ttyオプション(OSがAIXの場合)または-resetpathオプション(OSがHP-UXまたはLinuxの場合)を指定して,リセットパスの設定内容を調査します。

    調査項目を次に示します。

    • リセットパスのポート番号

    • SVPのポート番号,または接続先の系切替機構のポート番号

    • 交代用リセットパスのポート番号

    • 接続先の交代用系切替機構のポート番号

  6. ポート番号の重複がないかを確認する。

    手順4.で調査したaddressオペランドの指定値が重複しているそれぞれの系で,手順5.で調査した項目のどれか一つ以上が重複している場合,手順7.に進みます。重複していない場合,チェックはこれで完了です。

  7. ポート番号の重複に対処する。

    ポート番号が重複している系同士が通信できないように,ネットワークを分けます。