9.6 monchange(HAモニタ・サーバ稼働中の設定・動作の変更)
形式
- HAモニタの設定変更
-
monchange -m オペランド名 指定値
- システムディスクの監視動作の変更
-
monchange –m オペランド名 {-stop_patrol | -start_patrol}
- 実行サーバレスモードの設定・解除
-
monchange –m オペランド名 {-use | -nouse}
- サーバの設定変更
-
monchange -s サーバ識別名 オペランド名 指定値
- サーバの監視動作の変更
-
monchange –s サーバ識別名 オペランド名 {-stop_patrol | -start_patrol}
- モニタモードのプログラムの設定変更
-
monchange -p モニタモードのプログラム識別名 オペランド名 指定値
実行できるユーザ
スーパユーザ
機能
HAモニタやサーバの稼働中に,次の設定および動作を変更できます。
- HAモニタの設定変更
-
HAモニタの環境設定のpatrolオペランドに指定した系障害監視時間を変更できます。
- システムディスクの監視動作の変更
-
HAモニタの環境設定のdisk_ptrlオペランドに指定したシステムディスクの監視を一時停止・再開できます。システムディスクの監視を再開した場合,監視を再開した時点のシステムディスクの監視定義ファイルが有効になります。
- 実行サーバレスモードの設定・解除
-
実行サーバレスモードの設定・解除ができます。
実行サーバレスモードに設定するには,すべてのサーバが停止状態である必要があります。実行サーバレスモードの設定に成功した場合,メッセージKAMN545-Iを出力します。失敗した場合,メッセージKAMN547-Eを出力します。
実行サーバレスモードを解除するには,すべてのサーバが次のどれかの状態である必要があります。
-
停止状態である
-
実行サーバが起動完了状態または系切り替え可能状態(サーバの状態:ONL)である
-
待機サーバが系切り替え可能状態(サーバの状態:SBY)である
実行サーバレスモードの解除に成功した場合,メッセージKAMN546-Iを出力します。失敗した場合,KAMN548-Eを出力します。
-
- サーバの設定変更
-
サーバ対応の環境設定のpatrolオペランドに指定したサーバ障害監視時間を変更できます。
- サーバの監視動作の変更
-
サーバ対応の環境設定のptrlcmd_exオペランド,またはsby_ptrlcmd_exオペランドに指定したモニタモードのサーバの監視を一時停止,再開できます。また,サーバ対応の環境設定のdisk_ptrlオペランドに指定したサーバの業務ディスクの監視を一時停止,再開できます。サーバの業務ディスクの監視を再開した場合,監視を再開した時点の業務ディスクの監視定義ファイルが有効になります。
- モニタモードのプログラムの設定変更
-
モニタモードのプログラム対応の環境設定のpatrolオペランドに指定した,プログラムのスローダウン監視時間を変更できます。
オプション
- HAモニタの設定変更
-
-
-m
HAモニタの設定を変更する場合に指定します。
-
オペランド名
変更したいHAモニタの設定に該当するオペランド名として,"patrol"を指定します。
-
指定値
変更後のpatrolオペランドの指定値を設定します。patrolオペランドの指定値については,「8.3.1 HAモニタの環境設定(sysdef)」を参照してください。
-
- システムディスクの監視動作の変更
-
-
-m
システムディスクの監視動作を変更する場合に指定します。
-
オペランド名
システムディスクの監視に該当するオペランド名として,"disk_ptrl"を指定します。
-
指定値
監視を一時停止する場合は,"-stop_patrol"を指定します。一時停止した監視を再開する場合は,"-start_patrol"を指定します。
-
- 実行サーバレスモードの設定・解除
-
-
-m
実行サーバレスモードの設定・解除をする場合に指定します。
-
オペランド名
実行サーバレスモードの設定・解除に該当するオペランド名として,"onlless_mode"を指定します。
-
指定値
実行サーバレスモードを設定する場合は,"-use"を指定します。実行サーバレスモードを解除する場合は,"-nouse"を指定します。
-
- サーバの設定変更
-
-
-s
サーバの設定を変更する場合に指定します。
-
サーバ識別名
設定を変更したいサーバのサーバ識別名を指定します。
-
オペランド名
変更したいサーバの設定に該当するオペランド名として,"patrol"を指定します。
-
指定値
変更後のpatrolオペランドの指定値を設定します。patrolオペランドの指定値については,「8.4.1 サーバ対応の環境設定(servers)」を参照してください。
-
- サーバの監視動作の変更
-
-
-s
サーバの監視動作を変更する場合に指定します。
-
サーバ識別名
監視動作を変更したいサーバのサーバ識別名を指定します。
-
オペランド名
変更したい監視動作の監視対象によって指定値は異なります。次のとおりに指定します。
監視対象が実行サーバの場合:"ptrlcmd_ex"
監視対象が待機サーバの場合:"sby_ptrlcmd_ex"
監視対象が業務ディスクの場合:"disk_ptrl"
-
指定値
監視を一時停止する場合は,"-stop_patrol"を指定します。一時停止した監視を再開する場合は,"-start_patrol"を指定します。
-
- モニタモードのプログラムの設定変更
-
-
-p
プログラム管理機能を使用するモニタモードのプログラムの設定を変更する場合に指定します。
-
モニタモードのプログラム識別名
設定を変更したいモニタモードのプログラムのプログラム識別名を指定します。
-
オペランド名
変更したいモニタモードのプログラムの設定に該当するオペランド名として,"patrol"を指定します。
-
指定値
変更後のpatrolオペランドの指定値を設定します。patrolオペランドの指定値については,「8.5.1 モニタモードのプログラム対応の環境設定(programs)」を参照してください。
-
リターンコード
値 |
意味 |
---|---|
0 |
正常終了(HAモニタ・サーバ稼働中の設定・動作の変更が完了しました) |
0以外 |
異常終了 |
注意事項
-
monchangeコマンドでは,定義ファイルの内容を書き換えません。設定を変更したあとにサーバやHAモニタを再起動すると,変更した値は各定義ファイルに設定した値に戻ります。必要に応じて環境設定を変更し,再起動してください。
-
次の場合,monchangeコマンドで実行した監視の一時停止は無効になり,監視を再開します。
-
系またはサーバを再起動した場合
-
系切り替えをした場合
-
-
HAモニタの設定を変更する場合の注意事項を次に示します。
-
変更するすべての系が接続中であることを確認してからコマンドを実行してください。
-
一つの系でmonchangeコマンドを実行すれば,接続しているすべての系の系障害監視時間を変更できます。
-
複数の系から同時にコマンドを実行しないでください。
-
系障害監視時間を変更したあとに系を再起動した場合や,通信障害などで系間での監視時間が不一致になった場合は,monchangeコマンドを再度実行し,系間での系障害監視時間を一致させてください。
-
系の監視履歴を取得している場合,変更後の系障害監視時間を系の監視履歴取得時間より長い値に設定してください。短い値を指定すると,監視履歴は取得されません。
-
-
システムディスクの監視動作を変更する場合の注意事項を次に示します。
-
monchangeコマンドでは,コマンドを実行した系だけシステムディスクの監視動作を変更します。
-
monchangeコマンドを実行したあとに,システムディスクの監視動作が変更されたかどうかを確認するには,"monshow -o -m"を実行してください。
-
HAモニタの環境設定のnotswitch_notifyオペランドにuseが指定されている場合,監視の一時停止状態が1時間経過するごとに,メッセージKAMN540-Wを出力します。
-
-
実行サーバレスモードを設定・解除する場合の注意事項を次に示します。
-
monchangeコマンドでは,コマンドを実行した系だけ実行サーバレスモードを設定・解除します。
-
monchangeコマンドを実行したあとに,実行サーバレスモードを設定・解除されたかどうかを確認するには,"monshow -j"を実行してください。
-
実行サーバレスモードでHAモニタが停止した場合,実行サーバレスモードが解除されます。必要に応じてHAモニタ再起動後に,再度実行サーバレスモードを設定してください。
-
マルチスタンバイ機能を使用している(multistanbyオペランドにuseが指定されている)場合,実行サーバレスモードを設定できません。メッセージKAMN547-Eメッセージを出力します。
-
-
サーバの設定を変更する場合の注意事項を次に示します。
-
monchangeコマンドでは,コマンドを実行した系のサーバ障害監視時間だけを変更します。待機サーバが稼働する系でもコマンドを実行してください。
-
サーバの監視履歴を取得している場合,変更後のサーバ障害監視時間をサーバの監視履歴取得時間より長い値に設定してください。短い値を指定すると,監視履歴は取得されません。
-
-
サーバの監視動作を変更する場合の注意事項を次に示します。
-
monchangeコマンドでは,コマンドを実行した系の稼働中のサーバの監視動作だけを変更します。
-
monchangeコマンドを実行したあとに,サーバの監視動作が変更されたかどうかを確認するには,"monshow -o -s"を実行してください。
-
HAモニタの環境設定のnotswitch_notifyオペランドにuseが指定されている場合,監視の一時停止状態が1時間経過するごとに,メッセージKAMN521-Wを出力します。
-
監視が一時停止している場合,監視コマンドで障害を検出できません。必要に応じて,監視を再開してください。
-
監視が一時停止している場合でも,系切り替えができる状態であれば,次の方法で系切り替えができます。
・サーバの系切り替えコマンド(monswapコマンド)による系切り替え
・連動系切り替え
・系障害による系切り替え
-
監視の一時停止中に,系切り替えをしないようにするには,待機サーバを停止してください。
-
-
モニタモードのプログラムの設定を変更する場合の注意事項を次に示します。
-
monchangeコマンドでは,コマンドを実行した系のプログラムのスローダウン監視時間だけを変更します。待機サーバが稼働する系でもコマンドを実行してください。
-
同一のプログラム識別名で稼働する複数プロセス構成の場合は,すべてのプロセスのプログラムのスローダウン監視時間を変更します。
-
使用例
- HAモニタの設定変更
-
monchange -m patrol 60
- システムディスクの監視動作の変更
-
システムディスクの監視を一時停止する場合
monchange –m disk_ptrl -stop_patrol
システムディスクの監視を再開する場合
monchange –m disk_ptrl -start_patrol
- 実行サーバレスモードの設定・解除
-
実行サーバレスモードを設定する場合
monchange -m onlless_mode -use
実行サーバレスモードを解除する場合
monchange -m onlless_mode -nouse
- サーバの設定変更
-
monchange -s server1 patrol 5
- サーバの監視動作の変更
-
実行サーバで,監視を一時停止する場合
monchange –s server1 ptrlcmd_ex -stop_patrol
実行サーバで,一時停止した監視を再開する場合
monchange –s server1 ptrlcmd_ex -start_patrol
- モニタモードのプログラムの設定変更
-
monchange -p program1 patrol 600