7.5.5 共有リソースの切り離し失敗に対処する
共有リソースの切り離しに失敗した場合の対処について説明します。共有リソースの切り離しは,通常HAモニタが行います。障害が発生した場合は,オペレータが手動で共有リソースの切り離しをする必要があります。どのタイミングで共有リソースの切り離しが失敗したかによって,対処が異なります。
- 重要
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共有リソースの制御処理中にサーバの異常終了,サーバの強制停止,または共有リソース引き継ぎのタイムアウトを検出した場合,共有リソースの状態が不定になります。このため,共有リソースの状態を必ず確認したあとにサーバを再起動してください。このほかの共有リソースを操作するときの注意については,「7.2.3 共有リソースをメンテナンスするときの注意事項」を参照してください。これらの注意に従わないと,共有リソースが破壊されたり,系切り替えができなかったりするおそれがあります。
- 〈この項の構成〉
(1) 系切り替え時
系切り替え時に,実行系で共有リソースの切り離しに失敗すると待機系に系切り替えをします。系切り替えは,系のリセットをする場合はHAモニタが系のリセットをして,共有ディスクのSCSIリザーブをする場合は共有リソースの切り離しに失敗した系がカーネルパニックを発生する方法でOSを停止して,実施します。オペレータの対処は必要ありません。
系切り替え時に,実行系で共有リソースの切り離しに失敗すると,両系で共有リソースが競合し,共有リソースが破壊されたり,システムが停止したりするおそれがあります。両系での共有リソースの競合を防止するため,系のリセットをする場合はHAモニタは系のリセットをし,共有ディスクのSCSIリザーブをする場合は共有リソースの切り離しに失敗した系がカーネルパニックを発生する方法でOSを停止します。
(2) サーバの停止時
サーバの停止時に共有リソースの切り離しに失敗した場合,共有リソースの切り離しが失敗した旨のメッセージが出力されます。オペレータは,出力されたメッセージの内容を確認し,各共有リソースに対応した切り離し操作をしてください。
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共有ディスク
次のコマンドを実行します。
vgchange -a n ボリュームグループのパス名
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ファイルシステム
次の手順で操作します。
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OSのumountコマンドで,アンマウントをします。
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アンマウントに失敗した場合は,OSのfuserコマンドで,ファイルシステムを使用しているすべてのプロセスを強制停止して,アンマウントをリトライします。
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LAN
手動でLANの切り離しをするには,LANの状態設定ファイルを修正し,実行します。
修正するファイルは,/opt/hitachi/HAmon/etc/サーバ識別名.downです。
OSのifconfigコマンドを使って切り離しをすることもできます。
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HA Boosterの制御グループ
HA Boosterが提供する,制御グループのアクセス制御状態を変更するためのコマンドを実行し,アクセス制御状態をアクセス禁止(disable)に設定したあとで参照専用(ro)に設定します。