5.2.6 仮想化環境を系切り替え構成にする場合の考慮点(KVM使用時)
KVMで仮想化する場合,HAモニタはゲストOS上で稼働し,ゲストOSを系切り替えの単位にできます。KVMを利用して仮想マシンを稼働させるための設定方法については,RHELのドキュメントを参照してください。
ここでは,ゲストOSを系切り替えの単位にする場合の考慮点について説明します。
(1) 系切り替え構成にしたいゲストOSを検討する
KVMによる仮想化環境と通常の環境とでは,系の監視対象がゲストOSかプロセサか,ということ以外は,HAモニタの動作に差異はありません。KVMによる仮想化環境では,共有ディスクのSCSIリザーブを使用します。系切り替え構成にできるのは,KVMのゲストOS間だけです。
信頼性確保の観点から,別プロセサ上のゲストOS間を系切り替え構成にしてください。
(2) HAモニタのバージョンを確認する
KVMによる仮想化環境では,系切り替え構成内のすべてのHAモニタのバージョンを01-76以降にしてください。
既存システムと同一の監視パスを使用する場合は,既存システムのHAモニタと接続しないように監視パスを設定してください。
(3) マシン環境を確認する
KVMで仮想化する場合,次のマシン環境であることを確認してください。
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共有ディスクを必須とし,SCSIリザーブを使用する環境である。
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共有ディスクはファイバーチャネル接続である。
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共有ディスクの接続がマルチパス構成の場合は,ゲストOSでDMMPによるマルチパス制御構成とする。なお,ホストOSでDMMPで制御する論理パスを,ゲストOSに割り当てる構成はできない。