3.7.2 系の最大数の変更
一つの系切り替え構成での系の最大数は,デフォルトでは32です。HAモニタ Extensionを使用すると,一つの系切り替え構成での系の最大数を33以上に変更できます。稼働する系の数が33以上の大規模なシステムでも,系切り替え構成を一つに集約できるようになります。
(1) 指定できる系の最大数
HAモニタ Extensionを使用すると,一つの系切り替え構成での系の最大数として,32〜256を指定できます。
(2) 系の最大数を33以上に設定した場合の動作
系の最大数を33以上に設定した場合,すべての監視パスでaliveメッセージがマルチキャストで送受信されます。マルチキャストで一つのaliveメッセージを送信すると,自系を除くすべてのHAモニタがaliveメッセージを受信します。aliveメッセージについては,「(1) 系間の監視」を参照してください。
(3) 必要な環境設定
系の最大数を変更するには,次の環境設定が必要です。
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一つの系切り替え構成での系の最大数を,HAモニタの環境設定のhostmaxオペランドに指定します。
系切り替え構成の中に,系の最大数を変更した系が含まれる場合は,系切り替え構成内のすべての系でこのオペランドを指定する必要があります。
なお,系の最大数を33以上に設定すると,aliveメッセージの通信方式が,自動的にマルチキャストになります。マルチキャストでの通信は,HAモニタの環境設定のalive_multicastオペランドでも指定できます。
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マルチキャストグループIDを任意に指定したい場合は,マルチキャストグループID,およびマルチキャストグループIDに対応するホスト名を,/etc/hostsファイルに指定します。また,/etc/hostsファイルに指定したホスト名を,HAモニタの環境設定のmulticast_lanオペランドに指定します。
multicast_lanオペランドの指定を省略した場合は,マルチキャストグループIDとして,"239.0.0.1"を使用します。
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HAモニタの環境設定コマンド(monsetup -exコマンド)を実行して,HAモニタ Extensionの機能を使用できるように設定します。
系の最大数を変更する場合の環境設定例を次の図に示します。
この例では,系1〜系32を現用系,系33を予備系とします。系1〜系32では,それぞれ系33と接続するため,接続する系の数は自系を含めて2になります。系33では,系1〜系32と接続するため,接続する系の数は自系を含めて33になります。このため,系33はhostmaxオペランドに33を指定します。系1〜系32が接続する系の数は2ですが,系の最大数を33以上に指定した系33と接続しているため,系1〜系32でもhostmaxオペランドに33を指定します。