3.3.6 他系のOSパニック検知
HAモニタが動作している系でOSパニックが発生したときに,その系の障害を瞬時に検知して他系のHAモニタに通知することで高速に系切り替えができます。これを,他系のOSパニック検知機能といいます。
他系のOSパニック検知機能を使用するには,すべての系がこの機能を使用できるシステム環境である必要があります。定義チェックコマンド(moncheckコマンド)を実行して,すべての系でこの機能が使用できるシステム環境かどうかを事前に確認してください。
他系のOSパニック検知機能は,HA BoosterとHAモニタが連携することで実現しています。なお,必要なソフトウェアは,OSのバージョンによって異なります。
- 〈この項の構成〉
(1) 他系のOSパニック検知機能使用時の動作
実行系でOSパニックが発生したときに,実行系のHA Boosterが瞬時にOSパニックを検知し,待機系のHAモニタに障害通知をします。通知を受けた待機系のHAモニタは待機サーバを実行サーバに切り替えます。他系のOSパニック検知機能使用時の動作を次の図に示します。
(2) 動作環境
他系のOSパニック検知機能を使用できる動作環境について説明します。
他系のOSパニック検知機能は,OSパニックが発生した系と他系のシステムが次に示すすべての条件を満たす場合に動作します。システムがここで説明する動作環境でない場合は,実行系にOSパニックが発生しても瞬時に系切り替えをするのではなく,HAモニタの環境設定のpatrolオペランドで指定した系障害監視時間が経過してから系切り替えをします。
-
すべての系で,Linux Tough Dumpがインストールされている。
-
すべての系で,HA Boosterがインストールされている。
-
すべての系で,Linux Tough Dumpが起動している。
通常は,HAモニタ起動前にLinux Tough Dumpが起動されます。
-
HAモニタ起動時に,他系のOSパニック検知機能が有効化されている。
これらの条件を満たしているかどうかは,出力されるメッセージによって確認できます。他系のOSパニック検知機能の使用条件を満たしていることを確認する方法として,確認するタイミング,メッセージID,およびメッセージの出力先を次に示します。
条件 |
確認するタイミング |
確認する メッセージID |
メッセージ の出力先 |
---|---|---|---|
Linux Tough Dump,およびHA Boosterがインストールされている。 |
定義チェックコマンド(moncheckコマンド)実行時 |
KAMN180-I |
標準出力 |
Linux Tough Dumpが起動している。 |
HAモニタ起動時※1 |
KAMN699-I |
syslog |
他系のOSパニック検知機能が有効化されている。※2 |
HAモニタ起動時※1 |
KAMN699-I |
syslog |
注※1 HAモニタ起動時にメッセージKAMN696-WまたはKAMN651-Eがsyslogに出力された場合は,該当する条件を満たしていないおそれがあるため,出力されたメッセージの説明に従って対処をしてください。
注※2 ただし,定義チェックコマンド(moncheckコマンド)実行時に,KAMN180-Iが出力されている場合です。
Linux Tough Dump,およびHA Boosterについては,弊社担当営業にお問い合わせください。