3.2.4 サーバの切り替え順序制御
系切り替えの際に,サーバグループ内のサーバの停止順序,および切り替え先の系でのサーバの起動順序を制御できます。順序制御をするには,複数のサーバをグループ化し,起動したい順序に合わせてサーバの親子関係を定義しておきます。
サーバの切り替え順序制御は,サーバ障害発生時,系障害発生時,および計画系切り替え時の連動系切り替え時だけ制御できます。通常の,サーバの起動・停止時にはサーバの切り替え順序を制御できません。サーバの起動・停止時には,指定した順序とは関係なく,起動・停止されます。
なお,プログラム管理機能を使用しているモニタモードのサーバの場合,サーバの管理対象となるUAPやプログラムについての切り替え順序制御はできません。
- 〈この項の構成〉
(1) サーバの起動順序と親子関係の対応
サーバの起動順序に合わせて,親子関係を定義する方法について説明します。
あるサーバを起動するための前提となるサーバを,親サーバといいます。親サーバのあとに起動するサーバを子サーバといいます。
サーバの起動時には,親サーバから順番に起動されます。親サーバの起動が完了したら,子サーバを起動します。停止順序は起動順序の逆となります。すべての子サーバの停止が完了してから,親サーバの停止処理が開始されます。
サーバグループの親子関係と起動順序の関係について,図に示します。例えば,「サーバ1,サーバ2,サーバ3およびサーバ4」の順序で起動したい場合,親子関係は次の図のとおりになります。
この例では,サーバ2の親サーバはサーバ1,サーバ3およびサーバ4の親サーバはサーバ2となります。
サーバの親子関係は,次の点を考慮してください。
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子サーバは,親サーバを一つだけ持ちます。そのため,子サーバには,親サーバを一つだけ定義できます。複数の親サーバを定義できません。一方,親サーバは,複数の子サーバを持てます。そのため,親サーバには,複数の子サーバを定義できます。
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グループ内に順序関係を持たないサーバも定義できます。
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サーバグループ内にリソースサーバが含まれる場合,リソースサーバが最も上位の親サーバとなります。
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起動・停止順序は,同一グループ内のサーバ間で制御できます。複数グループにわたる順序制御はできません。
サーバの切り替え順序制御をする場合の処理の流れについては,「4.1.5 サーバの切り替え順序制御をする場合の処理の流れ」を参照してください。
(2) 必要な環境設定
前提として,サーバのグループ化の設定を,サーバ対応の環境設定のgroupオペランドに定義しておく必要があります。
さらに,サーバの起動順序を考慮して,グループ内の複数のサーバに親子関係を定義する必要があります。親子関係の定義は,サーバ対応の環境設定のparentオペランドに指定します。parentオペランドは,すべてのサーバに対して指定する必要はありません。
定義済みの起動順序を確認するには,サーバ順序制御状態表示コマンド(monodrshwコマンド)を使用します。グループ内の親子関係が確認できます。