4.2.5 OAが冗長化されている場合の系のリセット(HA8500)

マシンの機種がHA8500で障害管理プロセサとしてOAを冗長化して使用する場合,OA切り替え時にHAモニタがOAにアクセスできなくなります。このとき,系障害が発生するとHAモニタは系のリセットに失敗し,サーバが系切り替え待ち状態になります。通常では系のリセットを中断しますが,OAを冗長化して使用する場合は,HAモニタの環境設定のmp_redundancyオペランドにuseを指定することで系のリセットを継続します。

系のリセット継続時の動作を,次の図に示します。この例では,現用系および予備系1~予備系3のリセット優先度が次のようになっているものとします。

予備系3>予備系2>予備系1>現用系

図4-15 系のリセット継続時の動作(HA8500)

[図データ]

[図データ]

注※
この図では,予備系2と予備系3のサーバ,および予備系1~予備系3のOAは省略しています。

次に,系のリセット継続時の動作の詳細を説明します。番号は,上記の図と対応しています。

  1. OA1で障害が発生し,OA1はOA2への切り替え処理を開始します。
  2. 現用系で系障害が発生し,予備系1~予備系3で障害を検出します。
  3. 予備系1~予備系3は,現用系のリセットを実行し,系のリセットに失敗します。
  4. すべての予備系で現用系のリセットに失敗し,予備系1のサーバの状態が,系切り替え待ち状態に遷移します。
  5. HAモニタがリセット処理を継続します。予備系1,および予備系2が現用系のリセットを実行し,系のリセットに失敗します。
  6. OAの切り替えが完了してOA2がアクティブになり,予備系3が現用系のリセットに成功します。現用系のサーバが停止します。
  7. 現用系のリセットに成功したため,系切り替え待ち状態の予備系1のサーバの系切り替えを再開します。

mp_redundancyオペランドについては,「8.3.1 HAモニタの環境設定(sysdef)」を参照してください。