計画系切り替え時の,サーバの停止順序,および切り替え先の系でのサーバの起動順序の流れを次の図に示します。この図で示すサーバの親子関係については,「3.1.3(1) サーバの起動順序と親子関係の対応」を参照してください。
図4-4 計画系切り替え時の順序制御の流れ
![[図データ]](figure/zu030500.gif)
次に,図に示した流れの詳細について説明します。番号は,図中の番号と対応しています。
- 実行系に実行サーバ1~4,待機系に待機サーバ1~4が起動完了していて,連動系切り替えができる状態です。
- 計画系切り替えコマンド(monswapコマンド)を実行して,計画系切り替えを開始します。
- 親子関係上,最も下位のサーバであるサーバ3とサーバ4の停止処理を開始します。サーバ1とサーバ2は停止待ちになります。
なお,サーバ・系の状態表示コマンド(monshowコマンド)を使用すると,サーバ1およびサーバ2の状態は「ONL」と表示されます。「ONL」は実行サーバの起動完了という意味ですが,実際サーバは停止待ち状態であり,コマンドの表示と実際のサーバの状態が異なります。
- サーバ3とサーバ4は,それぞれ並行して停止処理を実施します。停止処理は「サーバの停止」,「共有リソースの切り離し」の順に処理されます。共有リソースの切り離しが完了すると,待機系に系切り替えのための連絡をします。その後,サーバ3およびサーバ4は親サーバであるサーバ2の系切り替え完了を待つため,サーバ3およびサーバ4が前提サーバの起動待ち状態になります。
なお,サーバ・系の状態表示コマンド(monshowコマンド)を使用すると,サーバ3およびサーバ4の状態は「(ONL)」と表示されます。「(ONL)」は実行サーバの起動中という意味ですが,実際,サーバは前提サーバの起動待ち状態であり,コマンドの表示と実際のサーバの状態が異なります。
- サーバ3とサーバ4の両方の停止処理が完了すると,続けてそれらの親サーバであるサーバ2の停止処理を開始します。
- サーバ2の停止処理が完了すると,その親サーバであるサーバ1の停止処理を開始します。
- 最も上位のサーバであるサーバ1の停止処理が完了すると,待機系へ連絡し,まず,サーバ1の系切り替えを開始します。
- サーバ1が系切り替えによって実行サーバとして起動完了すると,続けて,その子サーバであるサーバ2の系切り替えを開始します。
- サーバ2の系切り替えが完了すると,その子サーバであるサーバ3,およびサーバ4の系切り替えを並行して開始します。サーバ3およびサーバ4の系切り替えが完了すると,連動系切り替えが完了します。
サーバ障害が発生した場合の,サーバの停止順序,および切り替え先の系でのサーバの起動順序の流れを次の二つに分けて説明します。
- 親サーバと子サーバの両方を持つサーバに障害が発生した場合
- サーバの親子関係で最下位のサーバに障害が発生した場合
これらの図で示すサーバの親子関係については,「3.1.3(1) サーバの起動順序と親子関係の対応」を参照してください。
(a) 親サーバと子サーバの両方を持つサーバに障害が発生した場合
ここでは,親サーバと子サーバの両方を持つサーバに障害が発生した場合の順序制御の流れを図で示します。
図4-5 サーバ障害時の順序制御の流れ(親サーバと子サーバの両方を持つサーバに障害が発生した場合)
![[図データ]](figure/zu030610.gif)
次に,図に示した流れの詳細について説明します。番号は,図中の番号と対応しています。
- 実行系に実行サーバ1~4,待機系に待機サーバ1~4が起動完了していて,連動系切り替えができる状態です。
- 実行サーバ2に障害が発生すると,連動系切り替えを開始します。
- 障害が発生した実行サーバ2と,親子関係上,最も下位のサーバであるサーバ3とサーバ4の停止処理を開始します。サーバ1は停止待ちになります。
なお,サーバ・系の状態表示コマンド(monshowコマンド)を使用すると,サーバ1の状態は「ONL」と表示されます。「ONL」は実行サーバの起動完了という意味ですが,実際サーバは停止待ち状態であり,コマンドの表示と実際のサーバの状態が異なります。
- サーバ2~4は,それぞれ並行して停止処理を実施します。停止処理は「サーバの停止」,「共有リソースの切り離し」の順に処理されます。共有リソースの切り離しが完了すると,待機系に系切り替えのための連絡をします。その後,サーバ2~4は前提サーバの起動待ち状態になります。
なお,サーバ・系の状態表示コマンド(monshowコマンド)を使用すると,サーバ2~4の状態は「(ONL)」と表示されます。「(ONL)」は実行サーバの起動中という意味ですが,実際,サーバは前提サーバの起動待ち状態であり,コマンドの表示と実際のサーバの状態が異なります。
- サーバ2~4のすべての停止処理が完了すると,最も上位のサーバであるサーバ1の停止処理を開始します。
- サーバ1の停止処理が完了すると,待機系へ連絡し,まず,サーバ1の系切り替えを開始します。
- サーバ1の系切り替えが完了すると,その子サーバであるサーバ2の系切り替えを開始します。
- サーバ2の系切り替えが完了すると,その子サーバであるサーバ3,およびサーバ4の系切り替えを並行して開始します。サーバ3およびサーバ4の系切り替えが完了すると,連動系切り替えが完了します。
(b) サーバの親子関係で最下位のサーバに障害が発生した場合
ここでは,サーバの親子関係で最下位のサーバに障害が発生した場合の起動順序制御の流れを図で示します。
図4-6 サーバ障害時の順序制御の流れ(サーバの親子関係で最下位のサーバに障害が発生した場合)
![[図データ]](figure/zu030600.gif)
次に,図に示した流れの詳細について説明します。番号は,図中の番号と対応しています。
- 実行系に実行サーバ1~4,待機系に待機サーバ1~4が起動完了していて,連動系切り替えができる状態です。
- 実行サーバ3に障害が発生すると,連動系切り替えを開始します。
- 親子関係上,最も下位のサーバであるサーバ3とサーバ4の停止処理を開始します。サーバ1とサーバ2は停止待ちになります。
なお,サーバ・系の状態表示コマンド(monshowコマンド)を使用すると,サーバ1およびサーバ2の状態は「ONL」と表示されます。「ONL」は実行サーバの起動完了という意味ですが,実際サーバは停止待ち状態であり,コマンドの表示と実際のサーバの状態が異なります。
- サーバ3とサーバ4は,それぞれ並行して停止処理を実施します。停止処理は「サーバの停止」,「共有リソースの切り離し」の順に処理されます。共有リソースの切り離しが完了すると,待機系に系切り替えのための連絡をします。その後,サーバ3およびサーバ4は親サーバであるサーバ2の系切り替え完了を待つため,サーバ3およびサーバ4が前提サーバの起動待ち状態になります。
なお,サーバ・系の状態表示コマンド(monshowコマンド)を使用すると,サーバ3およびサーバ4の状態は「(ONL)」と表示されます。「(ONL)」は実行サーバの起動中という意味ですが,実際,サーバは前提サーバの起動待ち状態であり,コマンドの表示と実際のサーバの状態が異なります。
- サーバ3およびサーバ4両方の停止処理が完了すると,続けて,それらの親サーバであるサーバ2の停止処理を開始します。
- サーバ2の停止処理が完了すると,その親サーバであるサーバ1の停止処理を開始します。
- 最も上位のサーバであるサーバ1の停止処理が完了すると,待機系へ連絡し,まず,サーバ1の系切り替えを開始します。
- サーバ1の系切り替えが完了すると,その子サーバであるサーバ2の系切り替えを開始します。
- サーバ2の系切り替えが完了すると,その子サーバであるサーバ3,およびサーバ4の系切り替えを並行して開始します。サーバ3およびサーバ4の系切り替えが完了すると,連動系切り替えが完了します。