5.2.4 仮想化環境を系切り替え構成にする場合の考慮点(日立サーバ仮想化機構(Virtage)使用時)

日立サーバ仮想化機構を搭載したBladeSymphonyの場合,プロセサを論理パーティション(LPAR)で分割し,LPARを系切り替えの単位にできます(LPARモード)。LPAR単位での系切り替えについては,「3.2.8 仮想化環境での物理パーティションリセット機能」を参照してください。また,日立サーバ仮想化機構を利用してLPARを稼働させるための設定方法については,BladeSymphonyのマニュアルを参照してください。

ここでは,LPARを系切り替えの単位にする場合の考慮点について説明します。

<この項の構成>
(1) 系切り替え構成にしたいLPAR,プロセサを検討する
(2) HAモニタのバージョンを確認する
(3) ハードウェアの制約に対処する

(1) 系切り替え構成にしたいLPAR,プロセサを検討する

LPARモードとBasicモードとでは,リセットの対象がLPARかプロセサか,ということ以外は,HAモニタの動作に差異はありません。LPAR・LPAR間,LPAR・プロセサ間のどちらでも系切り替え構成にできます。

系切り替え構成にする系同士が同一シャーシ内にあっても問題ありません。ただし,信頼性確保の観点から,系切り替え構成にする系同士は別プロセサにすることを推奨します。

(2) HAモニタのバージョンを確認する

LPARモードに対応しているHAモニタのバージョンを次に示します。

LPARモードに対応していないバージョンのHAモニタをLPARモードの系で稼働させた場合,リセットパス異常になるため系のリセットができません。

LPARモードに対応していないバージョンのHAモニタをBasicモードの系で稼働させ,LPARモードの系と接続することはできます。ただし,LPARモードの系と接続している場合,物理パーティションリセット機能は使用できません。

(3) ハードウェアの制約に対処する

BladeSymphonyの場合,一つのシャーシに増設できる周辺機器の数に制限があります。そのためLPARモードによってシャーシ当たりの系の数を増やすと,通常と同じハードウェア構成にできないことがあります。

ハードウェアの制約の詳細については,ハードウェアのマニュアルを参照してください。