LANを監視して障害時に自動的に系切り替えをする場合,LANの監視設定ファイルを作成して設定する必要があります。LANの監視設定ファイルの種類を,次に示します。
これらのファイルは,サーバごとにHAモニタの環境設定用ディレクトリの下に作成します。ここでは,LANの監視設定ファイルの設定方法について説明します。
LANの監視については,「3.2.6 LANの監視および障害時の自動系切り替え」を参照してください。
LAN監視定義ファイルには,LANを監視するための確認用パケット送出先のIPアドレスを設定します。hbondingのステータスだけを監視する場合,LAN監視定義ファイルは空(0バイト)にします。
このファイルは監視対象ごとに,HAモニタを起動する前に設定しておく必要があります。HAモニタの稼働中に追加・変更・削除はできません。
設定するファイル名は,"LANインタフェース名称.conf"です。ファイル名の"LANインタフェース名称"の部分には,サーバ対応の環境設定のswitchbyfailオペランドの指定値と同じ値を指定します。また,先頭に"."(ピリオド)を指定すると,ファイルが無効になります。
LAN監視定義ファイルの作成規則を,次に示します。
LAN監視定義ファイルにIPラベルを設定する場合は,各IPアドレスとそれに対応するIPラベルを,/etc/hostsファイルに指定してください。
なお,HAモニタの環境設定用ディレクトリには,LAN監視定義ファイル以外に,拡張子が".conf"のファイルを作成しないでください。
LAN監視定義ファイルの例を,次に示します。この例では,LANインタフェース名称が"eth0",物理IPアドレスが"192.168.0.1",ネットワークが"192.168.0"です。
192.168.0.2 |
パケット数を監視する方法でLANを監視する場合に設定します。設定するファイル名は,"lanpatrol.sh"です。監視対象がhbondingで,hbondingのステータスだけを監視する場合には設定不要です。
このファイルは,HAモニタのサンプルファイル用ディレクトリの下に,サンプルファイルが用意されています。HAモニタ環境設定用ディレクトリの下にコピーして使用してください。サンプルファイルの内容を,次に示します。
#!/bin/sh |
このファイルで設定するスクリプトは,次のように動作します。
LAN監視スクリプトのコマンドラインを次に示します。
lanpatrol.sh△LANインタフェース名称 |
サンプルファイルは,必要に応じて修正することもできます。サンプルファイルをそのまま使用する場合とサンプルファイルを修正する場合とに分けて,注意事項を以降に説明します。
サンプルファイルをそのまま使用し,かつHAモニタの環境設定のlancheck_patrolオペランドの値をデフォルト(15)よりも小さくする場合,LAN監視スクリプトの実行時間を短くする必要があります。LAN監視スクリプトの実行時間は,次の計算式を満たすように設定します。
lancheck_patrolオペランドの指定値>LAN監視スクリプトの実行時間+2 |
LAN監視スクリプトの実行時間は,次の計算式で求めます。
(WAIT_TIME変数の値+1)×RETRY変数の値 |
サンプルファイルでは,LAN監視スクリプトの実行時間は,(3+1)×3=12秒となります。LAN監視スクリプトの実行時間を短くする場合は,WAIT_TIME変数,またはRETRY変数の値を小さくしてください。WAIT_TIME変数の最小値は0,RETRY変数の最小値は1です。
サンプルファイルを修正する場合の注意事項を,次に示します。
表6-7 LANの状態に応じて返すEXITコード
監視対象のLANの状態 | EXITコード | 説明 |
---|---|---|
正常 | 0 | LANを正常に使用できると判断した場合は,EXITコード0を返します。HAモニタは,LANが正常,または復旧したと判断します。 |
障害 | 1 | LANを使用できないと判断した場合は,EXITコード1を返します。HAモニタは,LANに異常が発生したと判断します。サーバ対応の環境設定のswitchbyfailオペランドに該当するLANインタフェースを指定している場合,実行サーバの系切り替えをします。 |
監視不可 | 2 | LANの状態が判断できない場合は,0または1以外のEXITコードを返します。HAモニタは,LANの監視ができないため,サーバ対応の環境設定のswitchbyfailオペランドに該当するLANインタフェース名称を指定していても実行サーバの系切り替えをしません。 |