moninfo(実行系でのサーバ引き継ぎ情報の設定/待機系でのサーバ引き継ぎ情報の参照・表示)
形式
moninfo サーバ識別名 {-p サーバ引き継ぎ情報|-g} |
実行できるユーザ
機能
実行サーバと待機サーバとの間にペアが成立した際,ペアになる待機サーバに引き継がれるサーバ引き継ぎ情報を設定します。また,設定されているサーバ引き継ぎ情報を参照・表示します。
moninfoコマンドは,ユーザコマンド内でだけ発行できます。
オプション
- サーバ識別名
ペアになる待機サーバに引き継がせたいサーバ引き継ぎ情報を設定する,実行サーバの識別名を指定します。または,設定されているサーバ引き継ぎ情報を参照・表示したい,サーバの識別名を指定します。
- -p サーバ引き継ぎ情報
ペアになる待機サーバに引き継がせたいサーバ引き継ぎ情報を指定します。サーバ引き継ぎ情報は,半角のパス名で80文字まで指定できます。パス名の指定値については,「8.2.2(3) 構文要素記号」を参照してください。
-pオプションを指定した場合,サーバ引き継ぎ情報は省略できません。
- -g
設定されているサーバ引き継ぎ情報を,参照または標準出力に表示します。
リターンコード
値 | 意味 |
---|
0 | 正常終了(サーバ引き継ぎ情報の設定・参照・表示が完了しました) |
0以外 | 異常終了 |
注意事項
- 設定したサーバ引き継ぎ情報は,実行サーバと待機サーバとの間にペアが成立した時点で引き継がれます。
- サーバ引き継ぎ情報を半角で81文字以上指定した場合は,設定・引き継ぎは実行しません。
- サーバ識別名で指定したサーバが待機サーバの場合は,設定・引き継ぎは実行しません。
- サーバ引き継ぎ情報はサーバ単位で設定します。一つのサーバに設定できるサーバ引き継ぎ情報は,一つだけです。
- サーバ引き継ぎ情報の設定は,実行サーバの起動処理開始時(online -s start)に実行してください。
- HAモニタの環境設定のexitcodeオペランドにtype2を指定した場合,次のメッセージ出力時にもリターンコードが0となります。
KAMN021-E,KAMN322-E,KAMN372-E,KAMN465-E
使用例
ユーザコマンド内でのmoninfoコマンドの使用例を示します。
- 例1
- moninfo -pコマンドで,共有リソースとして使用したいエイリアスIPアドレスを設定します。
- 対象となるサーバの識別名:server1
- エイリアスIPアドレス:1.2.3.4
- サーバ引き継ぎ情報を設定するタイミング:実行サーバの起動処理開始時(online -s start)
- ユーザコマンドの一部分を次に示します。この例では,実行サーバと待機サーバとの間にペアが成立した際,設定されたエイリアスIPアドレスが待機サーバに引き継がれます。
case "$2" in
"server1")
case "$4" in
"online")
case "$5" in
"-s")
if [ "$6" = "start" ]
then
#server1 online start!!
moninfo server1 -p 1.2.3.4
fi |
(凡例) 太字:サーバ引き継ぎ情報の設定部分
- 例2
- moninfo -gコマンドで,サーバ引き継ぎ情報を参照し,エイリアスIPアドレスを設定するコマンドに引き渡します。
- 対象となるサーバの識別名:server1
- エイリアスIPアドレスを設定するコマンド名:/sbin/ifconfig
- サーバ引き継ぎ情報を引き渡すタイミング:待機サーバの系切り替え処理開始時(standby -a start)
- ユーザコマンドの一部分を次に示します。
case "$2" in
"server1")
case "$4" in
"standby")
case "$5" in
"-a")
if [ "$6" = "start" ]
then
#server1 system exchange start!!
IPADDR='moninfo server1 -g'
/sbin/ifconfig eth1:1 inet $IPADDR netmask 255.255.255.0 broadcast 1.2.3.255
/sbin/arping -U -c 2 -I eth1 $IPADDR
/bin/echo 0 > /proc/sys/net/ipv4/route/flush
fi |
(凡例) 太字:サーバ引き継ぎ情報の参照部分