1.2.4 HAモニタが検出する障害

ここでは,HAモニタが検出する障害について説明します。

HAモニタは,サーバに発生するサーバ障害と,系に発生する系障害を検出して,系切り替えをします。

<この項の構成>
(1) サーバ障害
(2) 系障害
(3) サーバの運用方法による,検出できる障害の違い
(4) HAモニタが監視する範囲

(1) サーバ障害

サーバ障害は,サーバ自身が検知できる障害と,サーバ自身が検知できない障害に分けられます。

(a) サーバ自身が検知できる障害

サーバ自身が検知できる障害を次に示します。

サーバ自身が検知できる障害が発生すると,サーバはHAモニタに障害の発生を連絡して異常終了します。障害連絡を受けたHAモニタは系切り替えを実行します。系切り替え時には,待機していたサーバは引き継ぎ情報からサーバ自身が持つ回復機能で再開始し,業務処理を引き継ぎます。

(b) サーバ自身が検知できない障害

サーバ自身が検知できない障害には,サーバのスローダウンがあります。

サーバ自身が検知できない障害は,HAモニタが検出します。障害を検出すると,HAモニタは障害が発生したサーバを停止させて系切り替えをします。

(2) 系障害

系障害とは,サーバを除いた系に発生する障害です。系障害を次に示します。

系障害が発生すると,HAモニタは障害が発生した系を停止させて,系切り替えをします。

(3) サーバの運用方法による,検出できる障害の違い

サーバをサーバモードで運用するか,モニタモードで運用するかによって,検出できる障害が異なります。障害の分類,検出方法,およびサーバの運用方法での検出可否を次の表に示します。

表1-2 障害の分類,検出方法,およびサーバの運用方法での検出可否

障害の分類検出方法サーバモードモニタモード
サーバ障害サーバが検知してHAモニタに連絡する
(サーバの監視コマンドの作成が必要※1
HAモニタがサーバを監視して検出する×※2
系障害HAモニタが系を監視して検出する
(凡例)
○:検出できます。
×:検出できません。
注※1
モニタモードの場合,サーバ自身が検知できる障害が発生したときに,HAモニタで自動的に系切り替えをするには,サーバの監視コマンドを作成する必要があります。詳細については,「3.1.1 モニタモードのサーバの監視」を参照してください。ただし,モニタモードのプログラム管理機能でUAPを監視すれば,サーバの監視コマンドにUAPの監視処理を組み込む必要がなくなります。詳細については,「3.4.1 UAPの監視」を参照してください。
注※2
モニタモードのプログラム管理機能を使用すれば,UAPを監視できます。

(4) HAモニタが監視する範囲

HAモニタは,サーバ障害および系障害を検出するために,サーバや系を監視しています。

システム構成のうち,HAモニタが監視する範囲を次の図に示します。

図1-3 HAモニタが監視する範囲

[図データ]

HAモニタは,共有ディスクなどのリソースに発生した障害は検出しません。ただし,リソースに発生した障害が原因で,サーバ障害が発生した場合は,サーバ障害を検出します。