6.10.2 LANの状態設定ファイルの設定

HAモニタの場合,LANはサーバ単位に接続,切り離しをします。HAモニタでは,LANの状態設定ファイルを作成して設定する必要があります。

LANの状態設定ファイルの種類を,次に示します。

これらのファイルは,サーバごとにHAモニタの環境設定用ディレクトリの下に作成します。ファイル名のサーバ識別名の部分は,サーバ対応の環境設定のaliasオペランドで指定した値にしてください。

HAモニタには,HAモニタサンプルファイル用ディレクトリの下に,server.upおよびserver.downというファイル名で,LANの状態設定ファイルのサンプルファイルが用意されています。これらのファイルをHAモニタ環境設定用ディレクトリの下にコピーして書き換えることで,LANの状態設定ファイルを最初から作成する手間が省けます。また,ファイルには実行権限を与えてください。

HAモニタでのLANの切り替えは,エイリアスIPアドレスを使用します。LANの状態設定ファイルには,OSのifconfigコマンドおよびarpingコマンドの引数として,LANアダプタに追加・削除するエイリアスIPアドレスを指定します。OSのコマンドについては,OSのマニュアルを参照してください。

ここでは,エイリアスIPアドレスを使用した場合の,LANの状態設定ファイルの設定方法について説明します。

<この項の構成>
(1) サーバ識別名.upファイルの設定
(2) サーバ識別名.downファイルの設定

(1) サーバ識別名.upファイルの設定

サーバ識別名.upファイルには,系ごとに割り当てられたLANアダプタのインタフェース名IPインデックス番号,およびエイリアスIPアドレスを設定します。必要に応じてネットマスクおよびブロードキャストアドレスを設定してください。また,エイリアスIPアドレスを追加したあと,echoコマンドおよびarpingコマンドを実行します。echoコマンドの実行によって,ルーティングキャッシュをクリアし,arpingコマンドの実行によって,ARPリクエストがブロードキャストされ,IPアドレスとMACアドレスのマッピングが更新されます。

サーバ識別名.upファイルの内容を,次に示します。

/sbin/ifconfig  xxx:y inet n.n.n.n netmask nn.nn.nn.nn broadcast nnn.nnn.nnn.nnn
/bin/echo 0 > /proc/sys/net/ipv4/route/flush
/sbin/arping -U -c 2 -I xxx n.n.n.n

(凡例)
xxx:インタフェース名
y:IPインデックス番号
n.n.n.n:エイリアスIPアドレス
nn.nn.nn.nn:ネットマスク
nnn.nnn.nnn.nnn:ブロードキャストアドレス

一つのインタフェースで複数のエイリアスIPアドレスを使用する場合は,各エイリアスIPアドレスに対応して異なるIPインデックス番号を設定します。

なお,サーバ対応の環境設定でip_neckオペランドにuseを指定したサーバについては,「3.3.3 共有リソース接続失敗時のサーバの起動中止」にある,サーバ識別名.upファイルの例を参考に,LANの状態設定ファイルを設定してください。

(2) サーバ識別名.downファイルの設定

サーバ識別名.downファイルには,系ごとに割り当てられたLANアダプタのインタフェース名,およびIPインデックス番号を設定します。

サーバ識別名.downファイルの内容を,次に示します。

/sbin/ifconfig   xxx:y down
/bin/echo 0 > /proc/sys/net/ipv4/route/flush

(凡例)
xxx:インタフェース名
y:IPインデックス番号