6.5.3 HAモニタのリセット手順ファイルの設定(H9000V)

HAモニタでは,系のリセットをするために,リセット手順を記述したリセット手順ファイルを作成する必要があります。リセット手順ファイルの内容は,GSPファームウェアバージョンごとに異なります。

HAモニタは,ホスト名.rspというリセット手順ファイルがある場合はホスト名.rspに示された手順を,ホスト名.rspがない場合はdefault.rspに示された手順を使用して,リセットを実行します。

<この項の構成>
(1) リセット手順ファイルの作成方法
(2) HAモニタのリセット手順ファイルの編集

(1) リセット手順ファイルの作成方法

HAモニタのサンプルファイル用ディレクトリの下に,ファームウェアバージョン.rspというファイル名で,GSPのファームウェアバージョンに対応したリセット手順ファイルが用意されています。

自系のGSPのファームウェアバージョンに合ったリセット手順ファイルを,HAモニタ環境設定用ディレクトリの下にコピーして,ファイル名をdefault.rspに変更してください。リセット手順ファイルのサンプルファイルをコピーするときは,自系で使用しているGSPのファームウェアバージョンを確認の上,正しいサンプルファイルを使用してください。GSPのファームウェアバージョンは,GSPのヘルプコマンドで参照できます。

他系に,自系と異なるGSPのファームウェアバージョンの系がある場合,default.rspのほかにリセット手順ファイルを用意する必要があります。他系のGSPのファームウェアバージョンに合ったリセット手順ファイルをHAモニタ環境設定用ディレクトリの下にコピーして,ファイル名をホスト名.rspに変更してください。

リセット手順ファイルの作成例を次に示します。この構成例では,三つの系を準備し,各系が他系をリセットすることを想定しています。また,host1およびhost2のGSPのファームウェアバージョンは同じで,host3のGSPのファームウェアバージョンが異なります。

図6-8 リセット手順ファイルの作成例(H9000V)

[図データ]

host1およびhost2では,自系のGSPのファームウェアバージョンに合った0640.rspをコピーして,default.rspに変更します。この系切り替え構成では,host1/host2とhost3のGSPのファームウェアバージョンが異なるため,host3のGSPのファームウェアバージョンに合ったA0109.rspをコピーして,host3.rspに変更します。

host3では,自系のGSPのファームウェアバージョンに合ったA0109.rspをコピーして,default.rspに変更します。この系切り替え構成では,host3とhost1/host2のGSPのファームウェアバージョンが異なるため,host1およびhost2のGSPのファームウェアバージョンに合った0640.rspをコピーして,それぞれhost1.rspおよびhost2.rspに変更します。

(2) HAモニタのリセット手順ファイルの編集

通常は,HAモニタのリセット手順ファイルを編集する必要はありません。ただし,GSPのログイン名またはパスワードをデフォルト値から変更する場合,リセット手順ファイルを編集する必要があります。

HAモニタでは,GSPに対してシステム管理者権限のアクセスレベルが必要です。リセット手順ファイルには,GSPに対してシステム管理者権限を持つユーザのログイン名とパスワードを設定してください。GSPのアクセスレベルについては,ハードウェアのマニュアルを参照してください。

ログイン名とパスワードを変更する場合の,HAモニタのリセット手順ファイルの編集方法を,次に示します。設定するログイン名,およびパスワードの最後に"¥n"を必ず定義してください。


# The reception of login prompt
R:login
S:ログイン名¥n

# The reception of password prompt
R:password
S:パスワード¥n