3.2.1 系の同時リセットの防止

系の同時リセットとは,実行系と待機系の両方が同時に系のリセットをすることです。系の同時リセットが発生すると,両方の系が停止してしまい業務を継続できなくなるため,HAモニタは系の同時リセットを防止します。ここでは,系の同時リセットを防止する方法について説明します。

<この項の構成>
(1) 系の同時リセットが起こるおそれがある構成
(2) 必要な環境設定

(1) 系の同時リセットが起こるおそれがある構成

系切り替え構成や使用する機能によっては,実行系と待機系が同時にリセットをし合い,業務が停止してしまうおそれがあります。

このため,どちらの系のリセットを優先させるか(リセット優先系)を決めておく必要があります。特に,次の系切り替え構成では,実行系と待機系が同時にリセットされるおそれがあります。

系の同時リセットが起こるおそれがある構成を,次の図に示します。

図3-7 系の同時リセットが起こるおそれがある構成

[図データ]

図で示す構成では,二つの系が同時に系障害を検出した場合,両方の系から同時にリセット要求を発行し,系を同時にリセットするおそれがあります。

(2) 必要な環境設定

系の同時リセットを防ぐためには,二つの系で同時に系障害が発生したとき優先的にリセット要求を発行する系を,事前に決定しておきます。これを,リセット優先系といいます。

リセット優先系は,HAモニタの環境設定のcpudownオペランドに指定された内容に従って,自動的にHAモニタが決定します。デフォルトでは,実行系からのリセットを優先する設定になっています。

リセット優先系の動作の詳細については,「4.2.2 両系が障害を同時に検出した場合の系切り替え」を参照してください。