はじめに

このマニュアルは,HAモニタの機能,設定,および運用方法について説明したものです。このマニュアルを読むことで,ユーザが,HAモニタを使用して系切り替え構成を設計・構築できること,および適切に運用できることを目的としています。

このマニュアルでは,次のプログラムプロダクトについて説明しています。HAモニタは,システムの可用性を高めるために,系切り替えを実現する製品です。

対象読者

システム管理者およびオペレータの方を対象としています。システム管理者は,システムの導入,設計,構築をすることを想定しています。オペレータは,構築されたシステムで日々の運用をすることを想定しています。

また,次の知識をお持ちの方を前提としています。

系切り替え構成にするプログラムとして,OpenTP1またはHiRDBを使用する場合は,あらかじめOpenTP1またはHiRDBのマニュアルをお読みいただくことをお勧めします。

マニュアルの構成

このマニュアルは,次に示す編,章と付録から構成されています。

第1編 概要
第1章 HAモニタの概要
HAモニタの目的,系切り替え機能の概要,HAモニタを適用したシステム形態,およびHAモニタの動作環境について説明しています。
第2章 HAモニタを使用した系切り替え
HAモニタを使用して実現できる系切り替え構成,系切り替えの流れなど,HAモニタの基本的な機能について説明しています。
第2編 解説
第3章 HAモニタで使用できる機能
系切り替えのために使用できる機能を,サーバ,系,および共有リソースの分類に分けて説明しています。
第4章 システムの管理
HAモニタがサーバや系をどのように管理しているかについて説明しています。系切り替え時のHAモニタの動作などを説明しています。
第3編 導入・運用
第5章 HAモニタの導入とシステムの設計
HAモニタを導入するに当たり,検討する内容について説明しています。
第6章 システムの構築
HAモニタに必要な設定方法を,HAモニタのインストール後からシステムの動作確認までの流れで説明しています。
第7章 システムの運用
システムを構築したあと,業務を運用するときのオペレータの操作について説明しています。
第4編 リファレンス
第8章 環境設定で定義するファイル
HAモニタの環境設定で定義するファイルについて説明しています。
第9章 コマンド
HAモニタのコマンドについて説明しています。
付録A HAモニタのイベントID
HAモニタが発行するイベントIDについて説明しています。JP1を使用してシステムを運用する場合に,参照してください。
付録B 監視履歴として出力されるメッセージ
HAモニタが監視履歴を取得することで出力されるメッセージの内容,およびメッセージの出力タイミングについて説明しています。
付録C 用語解説
このマニュアルで使用している用語について説明しています。

関連マニュアル

HAモニタのマニュアル体系を次に示します。

[図データ]

HAモニタのマニュアル以外で,このマニュアルと関連するマニュアルを次に示します。必要に応じてお読みください。

プログラムにOpenTP1を使用する場合

プログラムにHiRDBを使用する場合

イベント管理によってシステムの運用を自動化する場合

ディスクパスを冗長化する場合

なお,このマニュアルでは,次のマニュアルを省略して表記しています。マニュアルの正式名称とこのマニュアルでの表記を次の表に示します。

マニュアルの正式名称このマニュアルでの表記
JP1 Version 7i JP1/BaseJP1/Base 運用ガイド
JP1 Version 8 JP1/Base 運用ガイド
OpenTP1 Version 5 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作
OpenTP1 Version 6 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作
OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作
スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 6 システム運用ガイド(UNIX(R)用)スケーラブルデータベースサーバ HiRDB システム運用ガイド
スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 7 システム運用ガイド(UNIX(R)用)
スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

読書手順

このマニュアルは,利用目的に合わせて章を選択して読めます。使用目的別に,次の流れに従ってお読みいただくことをお勧めします。

[図データ]

このマニュアルでの表記

このマニュアルで使用する英略語を,次に示します。

英略語英字での表記
ARPAddress Resolution Protocol
BMCBaseboard Management Controller
C/SClient/Server
CPUCentral Processing Unit
DBDatabase
DNSDomain Name System
FDFloppy Disc
FEPFront-End Processor
FSFile System
GSPGuardian Service Processor
HAHigh Availability
I/OInput/Output
IPFItanium(R) Processor Family
IS8Interface Switch 8
LANLocal Area Network
LSLine Switch
LVMLogical Volume Manager
MACMedia Access Control
MOMagneto-Optical disk
MPManagement Processor
NLSNational Language Support
OSOperating System
OSIOpen Systems Interconnection
PA-RISCPrecision Architecture - Reduced Instruction Set Computer
PCPersonal Computer
PVPhysical Volume
RAIDRedundant Arrays of Inexpensive Disks
RS-232CRecommended Standard 232 versionC
SVPService Processor
TCP/IPTransmission Control Protocol/Internet Protocol
UAPUser Application Program
WANWide Area Network
WSWorkstation
XNFExtended Hitachi Network Architecture Based Communication Networking Facility

このマニュアルでは,日立製品およびその他の製品の名称を省略して表記しています。製品の正式名称と,このマニュアルでの表記を次の表に示します。

製品の正式名称このマニュアルでの表記
AIX 5L Version5.1AIX
AIX 5L Version5.2
AIX 5L Version5.3
HI-UX/workstation Extended Version 2HI-UX/WE2
HiRDB Advanced High Availability Version 7HiRDB Advanced High AvailabilityHiRDB
HiRDB Advanced High Availability Version 8
HiRDB/High AvailabilityHiRDB High Availability
HiRDB High Availability Version 7
HiRDB/Parallel Server Version 6HiRDB/Parallel Server
HiRDB/Parallel Server Version 6(32)
HiRDB/Parallel Server Version 6(64)
HiRDB/Parallel Server Version 7
HiRDB/Parallel Server Version 7(64)
HiRDB/Parallel Server Version 8
HiRDB/Parallel Server Version 8(64)
HiRDB/Single Server Version 6HiRDB/Single Server
HiRDB/Single Server Version 6(32)
HiRDB/Single Server Version 6(64)
HiRDB/Single Server Version 7
HiRDB/Single Server Version 7(64)
HiRDB/Single Server Version 8
HiRDB/Single Server Version 8(64)
HP-UX 11HP-UX(PA-RISC)HP-UX
HP-UX 11i
HP-UX 11i V2(PA-RISC)
HP-UX 11i V2(IPF)HP-UX(IPF)
Job Management Partner 1JP1
JP1/Integrated ManagerJP1/IM
JP1/System Event ServiceJP1/SES
JP1/HiCommand Dynamic Link ManagerHDLM
TP1/High AvailabilityTP1/High AvailabilityOpenTP1
uCosminexus TP1/High Availability
TP1/Message ControlTP1/Message Control
uCosminexus TP1/Message Control
TP1/NET/High AvailabilityTP1/NET/High Availability
uCosminexus TP1/NET/High Availability
TP1/NET/LibraryTP1/NET/Library
uCosminexus TP1/NET/Library
TP1/NET/TCP/IPTP1/NET/TCP/IP
uCosminexus TP1/NET/TCP/IP
TP1/Server BaseTP1/Server Base
uCosminexus TP1/Server Base
UNIX(R)UNIX
VERITAS File SystemVxFS
XNF/for HP-UXXNF/H

前提機種の違いによる相違点の表記

HAモニタは前提機種が複数あります。前提機種によって,ハードウェアの構成や名称が異なります。このマニュアルでは,次に示す表記を使用して,機種によって説明の異なる部分を示しています。また,説明が同じ場合は,ハードウェア名称に総称を使用しています。使用している機種のハードウェア名称に読み替えてください。

表記意味ハードウェア名称
BladeSymphonyの場合,または(BladeSymphony)マシンの機種が統合サービスプラットフォームBladeSymphonyの場合に該当します。SVP障害管理プロセサ(総称)
H9000Vの場合,または(H9000V)マシンの機種がHITACHI 9000Vシリーズサーバの場合に該当します。GSPまたはMP
まとめてGSPと呼びます。
HA8500の場合,または(HA8500)マシンの機種が日立アドバンストサーバHA8500シリーズの場合に該当します。MPまたはBMC
まとめてMPと呼びます。

このマニュアルの図中で使用する記号

このマニュアルの図中で使用する記号を,次のように定義します。

[図データ]

このマニュアルで使用している記号

注意
HAモニタを使用する際,システム構成時や操作時などに注意する必要がある事項,および考慮してほしい事項について説明します。
参考
記載内容に関連する機能,およびその参照先について説明します。

常用漢字以外の漢字の使用について

このマニュアルでは,常用漢字を使用することを基本としていますが,次に示す用語については,常用漢字以外の漢字を使用しています。

個所(かしょ) 筐体(きょうたい) 桁(けた) 同梱(どうこん) 必須(ひっす) 閉塞(へいそく)

KB(キロバイト)などの単位表記について

1KB(キロバイト),1MB(メガバイト),1GB(ギガバイト),1TB(テラバイト)はそれぞれ1,024バイト,1,0242バイト,1,0243バイト,1,0244バイトです。