7.3.1 待ち状態のサーバを起動して業務を再開する

HAモニタは,他系のHAモニタと連絡を取り合っています。実行系と待機系とで,サーバの状態を監視し,他系のサーバの状態に合わせて,自系のサーバの状態を決定します。そのため,起動したサーバが,起動完了しないで待ち状態になることがあります。ここでは,待ち状態になったサーバを,起動したり停止したりする方法について説明します。

サーバの待ち状態には複数の種類があり,それぞれ起動方法および停止方法が異なります。サーバが待ち状態になった場合,待ち状態であることを通知するメッセージが一定間隔で出力されます。サーバの待ち状態の種類と操作方法を次の表に示します。

表7-1 サーバの待ち状態の種類と操作方法

種類monshowコマンドでの表示説明メッセージ起動・停止方法
再起動待ち状態*ONL*実行サーバに障害が発生したあと,実行サーバを再起動させることができます。障害が発生してから再起動が完了するまでの間を,再起動待ち状態と呼びます。KAMN258-D起動:プログラムが提供する起動コマンド
停止:mondeact
系切り替え待ち状態ONL??系切り替えが発生すると,HAモニタは,待機系の待機サーバを実行サーバに切り替えます。実行サーバに切り替える際,HAモニタは,実行系(障害が発生した系)の実行サーバが停止したかどうかを確認します。
停止を確認できた場合,待機系の待機サーバは実際に実行サーバとして起動されます。
停止を確認できなかった場合,待機系の待機サーバは実行サーバとして実際に起動する前に,いったん待ち状態になります。この待機系の実行サーバが,実行サーバとして実際に起動するのを待っている状態を,系切り替え待ち状態と呼びます。
KAMN368-D起動:monact
停止:mondeact
実行サーバの起動待ち状態*SBY*監視パスの障害などの理由で,実行サーバの状態が確認できない場合,待機サーバは,実行サーバが起動するのを待ちます。実行サーバの起動を待っている状態を,実行サーバの起動待ち状態と呼びます。KAMN238-D起動:monact
停止:mondeact
連動系切り替え待ち状態SBY??複数のサーバをグループ化している場合,あるサーバに,障害が発生しても連動系切り替えをしない設定ができます。連動系切り替えをしない設定にしているサーバに障害が発生した場合,対応する待機サーバは連動系切り替え待ち状態になります。
なお,そのホスト以外で実行サーバまたは待機サーバが起動した場合は,系切り替え可能状態に戻ります。
なし起動:monact
停止:monsbystp

表中の「起動・停止方法」に記載されているのは,HAモニタのコマンド名です。また,表中の「monshowコマンドでの表示」は,サーバ・系の状態表示コマンド(monshowコマンド)を実行したときに表示されるサーバの状態を示しています。HAモニタのコマンドの詳細については,「9. コマンド」を参照してください。サーバの状態遷移については,「4.1.3 サーバの状態遷移」を参照してください。