ユーザは,サーバモードのサーバを,プログラムが提供する起動コマンドを実行することで起動します。また,モニタモードのサーバを,モニタモードのサーバ起動コマンド(monbeginコマンド)を実行することで起動します。
サーバ起動時には,HAモニタはサーバ対応の環境設定および他系のサーバの状態を確認した上で,サーバを実行サーバとして起動するか,待機サーバとして起動するかを決定します。ここでは,実行サーバと待機サーバの決定方法,および監視パスの障害などの理由で他系のサーバの状態が確認できない場合のHAモニタの動作について説明します。
通常,実行サーバと待機サーバの決定は,サーバ対応の環境設定のinitialオペランドで指定した起動種別および他系の状態を基にしてHAモニタが行います。実行サーバと待機サーバの決定方法を次の表に示します。
表4-1 実行サーバと待機サーバの決定方法
他系の状態 | サーバ対応の環境設定 | ||
---|---|---|---|
実行サーバとして定義 | 待機サーバとして定義 | ||
実行サーバあり | 起動処理中 | 起動不可※1 | 待機サーバとして起動 |
実行処理中 | 待機サーバとして起動 | 待機サーバとして起動 | |
停止処理中 | 起動不可※1 | 起動不可※1 | |
待機サーバあり | 起動処理中 | 実行サーバとして起動 | 起動不可※1 |
実行処理中 | 実行サーバとして起動 | 起動不可※1 | |
停止処理中 | 実行サーバとして起動 | 実行サーバの起動待ち※3 | |
連動系切り替え待ち状態※2 | 実行サーバとして起動 | 実行サーバとして起動 | |
待機サーバから実行サーバへ系切り替え処理中 | 待機サーバとして起動 | 待機サーバとして起動 | |
サーバなし(またはHAモニタ停止中) | 実行サーバとして起動 | 実行サーバの起動待ち※3 | |
サーバの状態確認不可 | リトライ処理※4 | 実行サーバの起動待ち※3 |
注※1 サーバの起動を中止します。
注※2 連動系切り替え待ち状態の詳細は,「4.4.1 連動系切り替え時のサーバの切り替え種別」を参照してください。
注※3 他系の実行サーバの起動が確認できるまで待機サーバの起動を待たせます(実行サーバの起動待ち状態)。実行サーバの起動開始を確認できたら,待機サーバとして起動させます。
注※4 他系や監視パスの障害によって,他系で起動しているサーバの状態を確認できない場合は,1分間だけリトライします。リトライしてもさらに確認できない場合は,他系の障害でサーバがないものと判断し,実行サーバの起動待ち状態にします。
なお,障害発生によって,実行サーバとして定義されたサーバが再起動した場合は,実行サーバと待機サーバの決定方法が異なります。この場合については,「4.1.1(2) サーバの再起動時の起動種別」を参照してください。
待ち状態のサーバを実行サーバとして起動したり,停止したりする方法については,「7.3.1 待ち状態のサーバを起動して業務を再開する」を参照してください。
障害が発生した場合などにオペレータがコマンドを実行してサーバを再起動すると,HAモニタは,そのサーバが実行サーバとして定義されていても,他系のサーバの状態が確認できるまでは自動的に待機サーバとして待機させます。これは,他系のサーバの状態が確認できない間は,他系ですでに実行サーバが稼働しているおそれがあるためです。実行サーバが複数起動しないようHAモニタが制御します。
他系のサーバの状態が確認できたら,HAモニタがサーバを実行サーバとして起動するか,待機サーバとして起動するかを決定します。
実行サーバとして定義されたサーバを再起動する際の起動種別の決定方法を,次の表に示します。
表4-2 サーバ再起動時の起動種別の決定方法
他系の状態 | サーバの起動種別※1 | |
---|---|---|
実行サーバあり | 起動処理中 | 待機サーバとして起動 |
実行処理中 | 待機サーバとして起動 | |
停止処理中 | 起動不可※2 | |
待機サーバあり | 起動処理中 | 実行サーバとして起動 |
実行処理中 | 起動不可※2 | |
停止処理中 | 実行サーバの起動待ち※3 | |
連動系切り替え待ち状態 | 実行サーバとして起動 | |
待機サーバから実行サーバへ系切り替え処理中 | 待機サーバとして起動 | |
サーバなし(またはHAモニタ停止中) | 実行サーバの起動待ち※3 | |
サーバの状態確認不可 | 実行サーバの起動待ち※3 |
注※1 サーバ対応の環境設定のinitialオペランドで指定した起動種別は,無視されます。
注※2 サーバの起動を中止します。
注※3 他系の実行サーバの起動が確認できるまで待機サーバの起動を待たせます(実行サーバの起動待ち状態)。実行サーバの起動開始を確認できたら,待機サーバとして起動させます。
待ち状態のサーバを実行サーバとして起動したり,停止したりする方法については,「7.3.1 待ち状態のサーバを起動して業務を再開する」を参照してください。