系切り替え構成の導入に当たり,IPアドレスを確保する必要があります。ここでは,IPアドレスを割り当てる対象およびIPアドレスの数について説明します。IPアドレスを割り当てる対象を次の図に示します。
図5-1 IPアドレスを割り当てる対象
図で示した,IPアドレスを割り当てる対象と指定するIPアドレスの数を次の表に示します。
表5-3 IPアドレスを割り当てる対象と指定するIPアドレスの数
図中の番号 | 割り当てる対象 | IPアドレスの数 | 単位 | 説明 | 設定個所 |
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1 | 監視パス | 3 | 1系につき | 監視パスは複線化する必要があり,最大3本指定できます。 各監視パスに異なるIPアドレスとポート番号を指定する必要があります。 IPアドレスについては,「(1) 複線化した監視パスに割り当てるIPアドレス」を参照してください。 ポート番号には,システムで未使用の5001以上の番号を指定します。実行系と待機系とでペアになっている監視パスには,同じポート番号を指定してください。 |
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2 | リセットパス※1 | 1 | 1系につき | 専用のIPアドレスとポート番号が必要です。
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3 | SVP※1 | 1 | 1系につき | 専用のIPアドレスとポート番号が必要です。
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3 | GSP※2 | 1 | 1系につき | 専用のIPアドレスが必要です。
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3 | MP※3 | 1 | 1系につき | 専用のIPアドレスが必要です。
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4 | LAN | 0以上 | 1系につき | サーバがLANを使用する場合は1個以上必要です。上限はありません。LANを使用しない場合は,不要です。 LANアダプタを二重化する場合は,一つのLANアダプタに二つのステーショナリIPアドレスを用意します。なお,予備LANアダプタには,IPアドレスを指定しないでください。 |
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5 | サーバ | 0以上 | 1サーバにつき | サーバがLANを使用する場合は1個以上必要です。 エイリアスIPアドレスを指定します。実行系と待機系とで同じ値を指定してください。エイリアスIPアドレスの詳細については,「(3) サーバに割り当てるIPアドレス」を参照してください。 |
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注※1 マシンの機種がBladeSymphonyの場合に必要な設定です。
注※2 マシンの機種がH9000Vの場合に必要な設定です。
注※3 マシンの機種がHA8500の場合に必要な設定です。
監視パスは複線化する必要があります。そのため,次の点に注意してください。
LAN | IPアドレス | ネットマスク | ネットワーク番号 | サブネット番号 | ホスト番号 |
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LAN1 | 100.2.1.130 | 255.255.255.0 | 100 | 2.1 | 130 |
LAN2 | 101.2.1.130 | 255.0.0.0 | 101 | なし | 2.1.130 |
LAN | IPアドレス | ネットマスク | ネットワーク番号 | サブネット番号 | ホスト番号 |
---|---|---|---|---|---|
LAN1 | 100.2.1.130 | 255.255.255.0 | 100 | 2.1 | 130 |
LAN2 | 100.2.2.130 | 255.255.0.0 | 100 | 2 | 2.130 |
LAN | IPアドレス | ネットマスク | ネットワーク番号 | サブネット番号 | ホスト番号 |
---|---|---|---|---|---|
LAN1 | 100.2.1.130 | 255.255.255.0 | 100 | 2.1 | 130 |
LAN2 | 100.2.2.130 | 255.255.255.0 | 100 | 2.2 | 130 |
図5-2 監視パスを複線化したネットワーク構成
マシンの機種がBladeSymphonyの場合,システム内で互いに監視し合わない系切り替え構成を複数構築すると,ハードウェアの制約上,複数の系切り替え構成間でリセットパスを共用することがあります。
このようなネットワーク構成で環境設定を誤ると,HAモニタは系同士を正しく識別できません。そのため,系障害時に障害と無関係な系がリセットされたり,HAモニタが異常終了したりするおそれがあります。ここでは,HAモニタが系同士を正しく識別するための設定時の注意事項を説明します。
複数の系切り替え構成間でリセットパスを共用する場合の設定時の注意事項は,系切り替え構成間でSVPを共用するかどうかで異なります。
複数の系切り替え構成間でリセットパスを共用したネットワーク構成で,系切り替え構成間でSVPを共用する場合の例を次に示します。
図5-3 系切り替え構成間でリセットパスを共用したネットワーク構成(SVPを共用する場合)
このような構成で,系1・系3間で一組,系2・系4間で一組,合計二組の系切り替え構成を構築する場合,各シャーシのSVPは,異なる系切り替え構成にある系二つと接続されているため,系切り替え構成間でSVPを共用する構成となります。このような場合は,次の設定をしてください。
設定例については,「6.4.2(3) 2シャーシ/4系の構成」を参照してください。
複数の系切り替え構成間でリセットパスを共用したネットワーク構成で,系切り替え構成間でSVPを共用しない場合の例を次に示します。
図5-4 系切り替え構成間でリセットパスを共用したネットワーク構成(SVPを共用しない場合)
このような構成で,系1・系3間で一組,系2・系4間で一組,合計二組の系切り替え構成を構築する場合,異なる系切り替え構成間でSVPは共用されません。このような場合は,次のどちらかの設定をしてください(両方の設定をしても問題ありません)。
設定例については,「6.4.2(4) 4シャーシ/4系の構成」を参照してください。
サーバがLANを使用する場合,サーバにはエイリアスIPを指定します。エイリアスIPアドレスを指定することで,一つのサーバに複数のエイリアスIPアドレスを指定できます。サーバにエイリアスIPアドレスを指定する場合,次の点に注意してください。