HAモニタは,共有ディスク上のファイルシステムをマウントおよびアンマウントによって切り替えます。ファイルシステムの切り替えの制御方法と,HAモニタの処理内容を,次の表に示します。
表4-6 ファイルシステムの切り替えの制御方法とHAモニタの処理内容
制御方法 | HAモニタの処理内容 |
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マウント | 共有ディスクの接続後,次の処理によって接続します。
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アンマウント | 共有ディスクの切り離し前に,次の処理によって切り離します。なお,実行サーバが停止した場合は,停止の原因に関係なく,必ずアンマウントします。
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ファイルシステムのマウントは,サーバ対応の環境設定のfs_nameオペランドに指定した順で実行されます。また,アンマウントは逆順に実行されます。
HAモニタは,実行サーバがファイルシステムを使用できるよう,実行サーバ起動時に,待機系からアンマウントしたあと,実行系からマウントします。アンマウントする際は,OSのfuserコマンドによって,ファイルシステムを使用しているすべてのプロセスを強制停止します。また,マウントする際は,OSのfsckコマンドによってファイルシステムの一貫性をチェックします。
ファイルシステムとの接続の流れを,次の図に示します。
図4-18 ファイルシステムとの接続の流れ
HAモニタは,障害が発生した系からアンマウントし,業務処理を引き継ぐ系からはマウントすることで,ファイルシステムを切り替えます。アンマウントする際は,OSのfuserコマンドによって,ファイルシステムを使用しているすべてのプロセスを強制停止します。ファイルシステムの切り替えの流れは,サーバ障害時と系障害時とで異なります。
サーバ障害時のファイルシステムの切り替えの流れを,次の図に示します。
図4-19 サーバ障害時のファイルシステムの切り替えの流れ
系障害時のファイルシステムの切り替えの流れを,次の図に示します。
図4-20 系障害時のファイルシステムの切り替えの流れ
ファイルシステムの切り替え実施時,サーバごとに/opt/hitachi/HAmon/spool/サーバ識別名称.fslogというファイルに実行結果を出力します。切り替えエラーが発生した場合などに,このログファイルを参照することによって,エラー要因を調査できます。
ログファイルの最大サイズはHAモニタの環境設定のfs_log_sizeオペランドで設定できます。ログ取得時にログファイルのサイズが最大を超えている場合,ファイルを「サーバ識別名称.fslog_old」という名称でバックアップし,クリアしてからログを再取得します。