ここでは,HAモニタが検出する障害について説明します。
HAモニタは,サーバに発生するサーバ障害と,系に発生する系障害を検出して,系切り替えをします。
サーバ障害は,サーバ自身が検知できる障害と,サーバ自身が検知できない障害に分けられます。
サーバ自身が検知できる障害を次に示します。
サーバ自身が検知できる障害が発生すると,サーバはHAモニタに障害の発生を連絡して異常終了します。障害連絡を受けたHAモニタは系切り替えを実行します。系切り替え時には,待機していたサーバは引き継ぎ情報からサーバ自身が持つ回復機能で再開始し,業務処理を引き継ぎます。
サーバ自身が検知できない障害には,サーバのスローダウンがあります。
サーバ自身が検知できない障害は,HAモニタが検出します。障害を検出すると,HAモニタは障害が発生したサーバを停止させて系切り替えをします。
系障害とは,サーバを除いた系に発生する障害です。系障害を次に示します。
系障害が発生すると,HAモニタは障害が発生した系を停止させて,系切り替えをします。
サーバをサーバモードで運用するか,モニタモードで運用するかによって,検出できる障害が異なります。障害の分類,検出方法,およびサーバの運用方法での検出可否を次の表に示します。
表1-2 障害の分類,検出方法,およびサーバの運用方法での検出可否
障害の分類 | 検出方法 | サーバモード | モニタモード |
---|---|---|---|
サーバ障害 | サーバが検知してHAモニタに連絡する | ○ | ○ (サーバの監視コマンドの作成が必要) |
HAモニタがサーバを監視して検出する | ○ | × | |
系障害 | HAモニタが系を監視して検出する | ○ | ○ |
(凡例)○:検出できる ×:検出できない
モニタモードの場合,サーバ自身が検知できる障害が発生したときに,HAモニタで自動的に系切り替えをするには,サーバの監視コマンドを作成する必要があります。詳細については,「3.1.1 モニタモードのサーバの監視」を参照してください。
HAモニタは,サーバ障害および系障害を検出するために,サーバや系を監視しています。
システム構成のうち,HAモニタが監視する範囲を次の図に示します。
図1-3 HAモニタが監視する範囲
HAモニタは,共有ディスクなどのリソースに発生した障害は検出しません。ただし,リソースに発生した障害が原因で,サーバ障害が発生した場合は,サーバ障害を検出します。