5.5.3 監視パスの構成

監視パスは,実行系と待機系との間で,互いの系を監視したり,系切り替えのための情報を交換したりするために使用します。

監視パスの接続方法
監視パス専用のTCP/IP LANを用意します。TCP/IP LANは,どの系切り替え構成でも使用できますが,専用のIPアドレスとポート番号が必要です。
監視パスは,LANアダプタを介して,監視し合う系同士(実行系と待機系)のプロセサ間を接続します。実行系と待機系,およびそれらを接続する監視パスは,同じネットワーク上に構成してください。一つの実行系に対して複数の待機系がある場合,実行系とすべての待機系を監視パスで接続し,同じネットワーク上に構成します。
監視パスの複線化
監視パスが1本の場合,監視パスに障害が発生すると,HAモニタが監視パスの障害を系障害と判断して,系切り替えを実行するおそれがあります。このような単一点障害での系切り替えを避けるために,監視パスを必ず複線化してください。また,1本以上は監視専用のパスにしてください。監視パスが1本の場合,系切り替え続行可否の判定が確実に行えない場合があります。
使用しているマシンの機種がBladeSymphonyの場合は,増設できるLANアダプタの数は限られます。そのため,監視パスを複線化するに当たって,監視パスと業務用LAN,および監視パスとリセットパスの兼用を考慮する必要がある場合があります。
監視パスは3本まで複線化できます。監視パスを複線化しておくと,1本の監視パスに障害が発生しても,ほかのパスで系の監視を続行できます。また,次のどちらかの運用を選択できます。
  • 監視パス1本当たりの情報量の負荷を減らせます。
    系間の通信のたびに異なる監視パスを使用するため,監視パス1本当たりの情報量の負荷を減らせます。優先して使用する監視パスを指定しない場合は,この運用になります。
  • 優先して使用する監視パスを指定できます。
    HAモニタの環境設定のlanオペランドで,優先して使用する監視パスを指定しておくと,系間の通信には設定した監視パスを優先して使用します。その監視パスに障害が発生すると,ほかの監視パスと交代して通信を続けます。
IPアドレスの構成
監視パスには,専用のIPアドレスとポート番号が必要です。監視パスを複線化するため,次のことに注意してください。
  • 使用するLANセグメントは,監視パス間で異なるものを使用してください。
  • ネットワークアドレスは,監視パス間で異なるものを使用してください。
IPアドレスの詳細については,「5.4.2 必要なIPアドレス」を参照してください。