3.2 HAモニタの環境設定

HAモニタの環境を設定する定義ファイルは,HAモニタの環境設定用ディレクトリの下にsysdefというファイル名で作成します。

また,HAモニタサンプルファイル用ディレクトリの下に,sysdefというファイル名の定義の記述サンプルファイルが用意されています。このファイルをHAモニタの環境設定用ディレクトリにコピーし,書き換えて使用すると,定義ファイルを最初から作成する手間が省けます。

なお,この定義ファイルは系ごとに作成するため,定義の際には系間の整合性を取ってください。

HAモニタの環境設定をする定義ファイルを,次に示します。

/*    HAモニタの環境設定    */
 environment name   自系のホスト名
             ,address
                  {自系のホストアドレス|system
             ,patrol
                    系障害監視時間
           〔,path  スペシャルファイル名〔:スペシャルファイル名…〕〕
           〔,lan   TCP/IPのホスト名〔:TCP/IPのホスト名…〕〕
           〔,lanport
                    TCP/IPのサービス名〔:TCP/IPのサービス名…〕〕
           〔,resetpath
                    スペシャルファイル名
           〔,cluster
                  {usenouse}〕
           〔,fs_log_size
                  {ファイルシステム切り替えログファイルのサイズ
                  |65536}〕
           〔,servmax
                  {1664}〕;
〔function  〔 cpudown
                  {onlinestandby}{,|;}〕
           〔 standbyreset
                  {usenouse}{,|;}〕
           〔 pathpatrol
                    監視パスのヘルスチェック間隔{,|;}〕
           〔 pathpatrol_retry
                  {再チェック間隔30}:{再チェック回数5}{,|;}〕
           〔 message_retry
                  {リトライ間隔3}{,|;}〕
           〔 connect_retry
                  {接続間隔5}:{接続回数200}{,|;}〕
           〔 monbegin_restart
                  {usenouse}{,|;}〕
           〔 netmask
                  {bytebit}{,|;}〕
           〔 usrcommand
                    ユーザコマンドのパス名{,|;}〕
           〔 lanpatrol
                  {LANアダプタの監視間隔15}{,|;}〕
           〔 lan_pair
                    LAN名称-LAN名称〔:LAN名称-LAN名称…〕{,|;}〕
           〔 lanfailswitch
                    {usenouse}{,|;}〕
           〔 ssupatrol
                  {リセットパスのヘルスチェック間隔|10}{,|;}〕
           〔 resetpatrol
                  {リセットパスのヘルスチェック間隔|2}{,|;}〕
           〔 multistandby
                  {usenouse}{,|;}〕
           〔 deviceoff_order
                  {orderreverse}{,|;}〕
           〔 reset_type
                  {serverhost}〕;〕
〔options   〔 norsp_cnt
                  {use|nouse}{,|;}〕
           〔 keep_gsp_mode
                  {use|nouse}〕;〕

<この節の構成>
(1) オペランドの指定可否一覧
(2) environment定義文
(3) function定義文
(4) options定義文

(1) オペランドの指定可否一覧

適用OSによって各オペランドを使用できるかどうかが異なります。sysdefのオペランドと適用OSの関係を次の表に示します。

表3-4 sysdefのオペランドと適用OS

定義オペランド適用OS
HI-UX/WE2AIXHP-UX(PA-RISC)HP-UX(IPF)Linux(IPF)
environmentname
address
systemは指定不可

systemは指定不可

systemは指定不可

systemは指定不可
patrol
《20~60》

《5~60》

《5~60》

《5~60》

《5~60》
path××××
lan
省略可能

省略不可

省略不可

省略不可

省略不可
lanport
省略可能

省略不可

省略不可

省略不可

省略不可
resetpath××××
cluster××××
fs_log_size×
servmax×
functioncpudown
standbyreset
pathpatrol
pathpatrol_retry
message_retry
connect_retry
monbegin_restart
netmask
usrcommand
lanpatrol×××
lan_pair×××
lanfailswitch×××
ssupatrol××××
resetpatrol×
multistandby×
deviceoff_order×
reset_type×
optionsnorsp_cnt××××
keep_gsp_mode××

(凡例) ○:使用できます。  ×:使用できません。


(2) environment定義文

HAモニタの動作環境を定義します。environment定義文のオペランドを,次に示します。

name~<1~32文字の英数字>
HAモニタでの系を識別するために指定します。
HI-UX/WE2およびAIXの場合は,自系のホスト名を指定します。系ごとに固有の名称にしてください。
HP-UX(PA-RISC)の場合は,自系のGSPのホスト名を指定します。ホスト名はlanオペランドの指定と同様に/etc/hostsファイルにも指定する必要があります。/etc/hostsファイルには,リセットパスで接続されているほかのHAモニタの値も指定してください。また,接続するGSP同士は,同じネットワーク上で接続してください。/etc/hostsファイルへの指定の追加方法については,HP-UX(PA-RISC)のマニュアルを参照してください。
HP-UX(IPF)およびLinux(IPF)の場合は,自系のMPのホスト名を指定します。ホスト名はlanオペランドの指定と同様に/etc/hostsファイルにも指定する必要があります。/etc/hostsファイルには,リセットパスで接続されているほかのHAモニタの値も指定してください。また接続するMP同士は,同じネットワーク上で接続してください。/etc/hostsファイルへの指定の追加方法についてはHP-UX(IPF)またはLinux(IPF)のマニュアルを参照してください。
address~<1~8文字の符号なし整数>((0~99999999))
CPUのリセット時に系を特定するために,自系のホストアドレスを任意の値で指定します。ハードウェアへの設定はHAモニタがします。系ごとに固有のアドレスにしてください。
HI-UX/WE2の場合,クラスタ型系切り替え構成で関連プログラムの統合クラスタシステム管理を使用するときに,systemを指定できます。systemを指定すると,ホストアドレスにはシステムが持つデフォルト値が仮定されます。systemを指定する場合は,現用系と予備系の両方で指定してください。
統合クラスタシステム管理を使用しない場合は,systemを指定しないでください。指定した場合は,KAMN149-Eメッセージが出力されます。
AIXの場合,リセットパスにHRAまたはハードウェアマネージメントコンソールを適用する構成では,ハードウェアの制約上,1~9999の範囲で指定してください。
patrol~<符号なし整数>((5~60))(単位:秒)
系の状態監視で,系障害の判断基準となる時間を指定します。現用系と予備系とで同じ時間にしてください。なお,HI-UX/WE2の場合は,20~60秒の範囲で指定してください。
path~<1~256文字のパス名>
監視パスに監視リンクまたはRS-232C LANを使用する場合に,RS-232Cのスペシャルファイル名を指定します。現用系と予備系とで同じパス名にしてください。
監視パスを複線化する場合は,スペシャルファイル名を":"で区切って指定します。lanオペランドの指定値と合わせて,3個まで指定できます。
スペシャルファイル名は,マニュアル「HI-UX/WE2 リファレンス4」を参照し,ハードウェア構成を確認後に設定してください。
複線化した監視パスの中で優先して使用したいパスがある場合は,そのパスのスペシャルファイル名の前に,"#"を付けて指定します。優先して使用したいパスは,lanオペランドの指定値と合わせて,一つだけ指定できます。次に指定の例を示します。

path  /dev/tty20:#/dev/tty10,

例で示す指定では,監視パスが"/dev/tty20"と"/dev/tty10"の2本に複線化され,"/dev/tty10"の監視パスが優先して使用されます。
pathオペランドの指定を省略する場合は,必ずlanオペランドを指定してください。また,両方同時に指定もできます。
lan~<1~32文字の英数字>
監視パスにTCP/IP LANを使用する場合に,そのLANのホスト名を指定します。系ごとに固有の名称にしてください。
監視パスを複線化する場合は,ホスト名を":"で区切って指定します。pathオペランドの指定値と合わせて,3個まで指定できます。
複線化した監視パスの中で優先して使用したいパスがある場合は,そのパスのホスト名の前に,"#"を付けて指定します。優先して使用したいパスは,pathオペランドの指定値と合わせて,一つだけ指定できます。次に指定の例を示します。

lan  #path11:path12,

例で示す指定では,監視パスが"path11"と"path12"の2本に複線化され,"path11"の監視パスが優先して使用されます。
HI-UX/WE2の場合は,lanオペランドの指定を省略する場合は,必ずpathオペランドを指定してください。また,両方同時にも指定できます。
AIX,HP-UX(PA-RISC),HP-UX(IPF),およびLinux(IPF)の場合は,lanオペランドの指定を省略できません。
lanport~<1~32文字の英数字>
監視パスにTCP/IP LANを使用する場合に,サービス名を指定します。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
lanportオペランドでは,lanオペランドで指定したホスト名に対応するサービス名を,同じ位置の引数に指定します。そのため,lanオペランドを指定した場合には,必ずlanportオペランドを指定してください。また,サービス名の指定数はlanオペランドと同じにしてください。次に指定の例を示します。

   lan    path11 :path12,
          ↓   ↓
   lanport HAmon1 :HAmon2,

例の場合,lanオペランドの"path11"はlanportオペランドの"HAmon1"に,lanオペランドの"path12"はlanportオペランドの"HAmon2"に対応します。
監視パスにTCP/IP LANを使用するため,lanオペランドとlanportオペランドを指定した場合,/etc/hostsファイルおよび/etc/servicesファイルにも指定を追加する必要があります。指定の例を次に示します。
  • /etc/hosts ファイルへの指定例

    IPアドレス       ホスト名    別名
    192.168.0.11   path11
    192.168.1.12   path12

    /etc/hosts ファイルのホスト名には,lanオペランドで指定したホスト名を指定します。/etc/servicesファイルのサービス名には,lanportオペランドで指定したサービス名を指定します。
    /etc/hostsファイルには,監視パスで接続されているほかのHAモニタの値も指定してください。指定しないと,monpath -iコマンド実行時に,IPアドレスに対応するホスト名が表示されません。また,接続する監視パス同士は,同じネットワーク上で接続してください。
  • /etc/services ファイルへの指定例

    サービス名     ポート番号/プロトコル名
    HAmon1         7777/udp                    #  for  path11
    HAmon2         7778/udp                    #  for  path12

    /etc/servicesファイルで指定するポート番号は,接続する監視パス同士で同じ値にしてください。
    また,ポート番号の値は5001以上のシステムで未使用の番号とし,プロトコルはudpを指定してください。HP-UX(IPF)およびLinux(IPF)の場合,IPアドレスには,エイリアスIPアドレスを使用できません。
/etc/hostsファイルおよび/etc/servicesファイルへの指定の追加方法については,HI-UX/WE2の場合は,マニュアル「HI-UX/WE2 日立CSMA/CDネットワーク CD105(TCP/IP)」を参照してください。その他のOSについては,各OSのマニュアルを参照してください。
resetpath~<1~256文字のパス名>
リセット専用LANを使用する場合に,RS-232Cのスペシャルファイル名を指定します。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。pathオペランドと同じパス名を指定した場合は,RS-232C LANとリセット専用LANを共用しているか,またはリセットリンクを使用していると判断します。2:1またはクラスタ型系切り替え構成で,監視パスがTCP/IP LANだけを使用する場合に指定してください。
リセットリンクを使用する場合は,resetpathオペランドを指定しないでください。誤ったRS-232Cのスペシャルファイルを指定した場合は,KAMN671-Eメッセージが出力されます。また,resetpathオペランドの指定を省略した場合は,RS-232C LANとリセット専用LANを共用しているか,またはリセットリンクを使用していると判断します。
なお,addressオペランドにsystemを指定した場合,リセット専用LANがSSU間をHRAを介して接続するインタフェースをシステムと共有するため,resetpathオペランドを指定しても無視されます。
cluster~《nouse》
HAモニタ/CLUSTERでクラスタスイッチの切り替え機能を使用する場合に指定します。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。
HAモニタ/CLUSTERについては,「5. HAモニタ/CLUSTER」を参照してください。
  • use:HAモニタ/CLUSTERの機能を使用します。
  • nouse:HAモニタ/CLUSTERの機能を使用しません。
fs_log_size~<符号なし整数>((0~2147483647))《65536》(単位:バイト)
ファイルシステム切り替え時のログ情報取得ファイルの最大サイズをバイト数で指定します。ファイルサイズが最大を超えた場合,次のログ取得時点でファイルを自動的にバックアップし,クリアします。
servmax~((16または64))《16》
一つの系で同時に起動できるサーバの最大数を指定します。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。16または64以外の数値を指定することはできません。
  • 16:同時に起動できるサーバの最大数を16に設定します。
  • 64:同時に起動できるサーバの最大数を64に設定します。
    同時に稼働できるサーバの最大数を64に設定した場合,カーネルのパラメタも変更する必要があります。

(3) function定義文

HAモニタの動作オプションを定義します。定義は任意です。定義していない場合は,仮定値が設定されます。function定義文のオペランドを,次に示します。

cpudown~《online》
実行系と待機系のどちらをリセット優先系にするかを指定します。リセット優先系に指定すると,実行系と待機系とで同時に系障害が発生した場合に,優先的に相手の系をリセットします。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。
  • online:実行系をリセット優先系にします。
  • standby:待機系をリセット優先系にします。
standbyreset~《nouse》
待機系の系障害を実行系が検出した場合に,待機系をリセットするかどうかを指定します。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。multistandbyオペランドにuseを指定した場合は,このオペランドの指定は無視されます。
  • use:待機系をリセットします。1:1系切り替え構成以外では,useを指定しないでください。
  • nouse:待機系をリセットしません。
pathpatrol~<符号なし整数>((1~240))(単位:分)
監視パスのヘルスチェック間隔を指定します。現用系と予備系とで同じ時間を指定してください。
pathpatrolオペランドの指定を省略した場合は,監視パスのヘルスチェックはしません。
pathpatrol_retry
監視パスの障害検出時に,監視パスの状態を再チェックする間隔と回数を,":"で区切って指定します。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。
  • 再チェック間隔~<符号なし整数>((3~600))《30》(単位:秒)
    監視パスの再チェックの間隔を指定します。
  • 再チェック回数~<符号なし整数>((0~20))《5》(単位:回)
    監視パスの再チェックの回数を指定します。0を指定すると,監視パスの再チェックはしません。
再チェック間隔と再チェック回数には,それぞれの積がpathpatrolオペランドで指定した監視パスのヘルスチェック間隔を超えない値を指定してください。指定する値は,次に示す計算式で確認してください。
監視パスのヘルスチェック間隔×60 ≧ 再チェック間隔×再チェック回数
pathpatrolオペランドの指定を省略した場合は,監視パスの再チェックはしません。
message_retry~<符号なし整数>((3~600))《3》(単位:秒)
監視パスを使用する問い合わせ応答メッセージの送信失敗時に,メッセージ送信をリトライする間隔を指定します。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。
message_retryオペランドの指定を省略した場合は,HAモニタが3秒間隔でメッセージ送信をリトライし,送信が成功するまでリトライを続けます。patrolオペランドに指定した系障害監視時間を超えても送信が成功しない場合,HAモニタは系障害が発生したと判断します。
connect_retry
HAモニタ間で接続処理をする間隔と回数を,":"で区切って指定します。現用系と予備系とで同じ値を指定してください。
接続されているHAモニタが多い場合は,HAモニタ間が接続しなくなることがあるため,必ず指定してください。このオペランドはHAモニタの接続構成設定ファイルが作成されている場合に有効となります。
  • 接続間隔~<符号なし整数>((5~60))《5》(単位:秒)
    HAモニタ間での接続処理の間隔を指定します。間隔が短いとHAモニタの性能に影響し,長いとHAモニタ間の接続が遅れる場合があります。目安として,接続されているHAモニタの数が10以上の場合は,10秒以上を指定してください。
  • 接続回数~<符号なし整数>((1~9999))《200》(単位:回)
    HAモニタ間での接続処理のリトライ回数を指定します。9999を指定すると,すべてのHAモニタと接続するまで接続処理を繰り返します。
    なお,この回数を超えても接続できなかった場合は,KAMN176-Eを出力します。
monbegin_restart~《use》
系障害で実行系がリセットされた際に,実行系のHAモニタの再起動後,自動でmonbeginコマンドを実行して,HAモニタとのインタフェースを持たないサーバを起動するかどうかを指定します。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。
  • use:HAモニタとのインタフェースを持たないサーバを自動で起動します。JP1などの運用管理を使用して自動でサーバを起動しない場合は,useを指定することをお勧めします。
  • nouse:HAモニタとのインタフェースを持たないサーバを自動で起動しません。JP1などの運用管理を使用して自動でサーバを起動する場合は,nouseを指定してください。
netmask~《byte》
HAモニタの監視パスにLANを適用した場合に,そのLANインタフェースの設定でのネットマスクの設定方法を指定します。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。
  • byte:ネットマスクが10進表現で255,0の値の場合にだけ指定します。次に例を示します。

    255.255.0.0

  • bit:ネットマスクが10進表現で255,0以外の値がある場合に指定します。次に例を示します。

    255.255.255.192

ネットマスクの値は,ifconfig(1M)コマンドで確認できます。ネットマスクおよびifconfig(1M)コマンドの詳細については,HI-UX/WE2の場合は,マニュアル「HI-UX/WE2 日立CSMA/CDネットワーク CD105(TCP/IP)」を参照してください。その他のOSについては,各OSのマニュアルを参照してください。
注意
  • LANの監視パスを複線化した場合,それらのLANが同一ネットワーク番号で複数のサブネットとして構成されているネットワークでは,異なるネットマスクは設定しないでください。
    例えば,次に示す表の構成の場合,LAN1およびLAN2の組み合わせでは,同一ネットワーク番号のため複線化できません。LAN1およびLAN3の組み合わせ,またはLAN2およびLAN3の組み合わせでは,ネットワーク番号が異なるため複線化できます。
    LANIPアドレスネットマスクネットワーク番号サブネット番号ホスト番号
    LAN1100.2.1.130255.255.255.01002.1130
    LAN2100.2.2.130255.255.0.010022.130
    LAN3101.2.1.130255.0.0.0101なし2.1.130
  • netmaskオペランドにbitを指定する場合,ネットマスクの設定では,次の制限があります。
    IPアドレスとネットマスクの組み合わせによって認識されるネットワーク番号の部分(ネットワーク番号の部分とサブネット番号の部分)は,各クラスで決められているネットワーク番号の部分をすべて含んでいる必要があります。
    例えば,クラスBのネットワークに対して"255.254.0.0"というネットマスクは設定できません。
  • netmaskオペランドの設定およびネットマスクの設定を誤ると,他系のHAモニタと通信ができないなど,HAモニタが誤動作します。
usrcommand~<1~1000文字のパス名>
HAモニタに自動発行させるユーザコマンドの完全パス名を指定します。
ユーザコマンドのコーディング例については,「付録B ユーザコマンドのコーディング例」を参照してください。
lanpatrol~<符号なし整数>((2~60))《15》(単位:秒)
LANアダプタの二重化機能の使用時,HAモニタがLANアダプタの活性状態を調査する間隔を指定します。
lan_pair~<1~32文字の英数字>
LANアダプタの二重化のために,ペアとなる二つのLAN名称の組を指定します。一つ目のLAN名称を現用LANアダプタ,二つ目を予備LANアダプタとし,二つのLAN名称を"-"で結んで指定してください。":"で区切ることによって,複数のペアを指定できます。複数指定の場合,一つのLANアダプタを複数のペアに指定できません。次に指定の例を示します。

lan_pair  lan0-lan1:lan2-lan3,

例で示す指定では,"lan0"の予備LANアダプタとして"lan1"が使用され, "lan2"の予備LANアダプタとして"lan3"が使用されます。
このオペランドを省略した場合は,LANアダプタの二重化をしません。
lanfailswitch~《nouse》
二重化されたLANアダプタの両方が障害になった場合,任意の実行サーバを自動的に計画系切り替えをするかどうかを指定します。lan_pairオペランドが指定されていない場合は,このオペランドは無視されます。
  • use:LAN二重障害時に自動計画系切り替えをします。
  • nouse:LAN二重障害時に自動計画系切り替えをしません。
ssupatrol~<符号なし整数>((1~60))《10》(単位:分)
リセットパスのヘルスチェック間隔を指定します。現用系と予備系とで同じ時間を指定してください。
norsp_cntオペランドにuseを指定した場合は2分を指定してください。
resetpatrol~<符号なし整数>((1~60))《2》(単位:分)
リセットパスのヘルスチェック間隔を指定します。現用系と予備系とで同じ時間を指定してください。
multistandby~《nouse》
一つの実行系に対して複数の待機系を定義できる,マルチスタンバイ機能を使用するかどうかを指定します。現用系と予備系で同じ値を指定してください。マルチスタンバイ機能の詳細については,「2.5 マルチスタンバイ機能を使用する場合のサーバと系の管理」を参照してください。
  • use:マルチスタンバイ機能を使用します。
  • nouse:マルチスタンバイ機能を使用しません。
deviceoff_order~《order》
サーバ停止時の共有リソース切り離し処理の方法を指定します。このオペランドの指定は,HAモニタに定義されているサーバすべてに適用されます。
また,サーバごとに共有リソースの切り離し処理の方法を指定することもできます。サーバごとに指定する方法については,「3.3.1 サーバ対応の環境設定」を参照してください。また,共有リソースの切り離し処理の詳細については,「2.7.4 共有リソースの切り離しを接続時と逆順にする場合」を参照してください。
  • order:接続時と同じ順番で共有リソースの切り離しをします。
  • reverse:接続時と逆の順番で共有リソースの切り離しをします。
reset_type~《server》
リセット発行系の決定方法を指定します。現用系と予備系で同じ指定をしてください。multistandbyオペランドにuseを指定した場合は,このオペランドの設定に関係なく,hostが仮定されます。
  • server:リセット発行系とリセット優先系の決定手順に従い,リセット発行系を決定します。
  • host:リセット発行系決定時のリセット優先系を,リセット優先度に基づいて決定します。リセット優先度は,addressオペランドに指定したホストアドレスが小さい系ほど,高くなります。

(4) options定義文

HAモニタの付加機能を定義します。定義は任意です。定義していない場合は,仮定値が設定されます。options定義文のオペランドを,次に示します。

norsp_cnt~《nouse》
リセットパスを使用した系リセットの応答がない場合に自動系切り替えをするかどうかを指定します。この機能の詳細については,「2.3.4 系リセット不可時の自動系切り替え」を参照してください。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。
  • use:系リセットの応答がない場合に自動系切り替えをします。
  • nouse:系リセットの応答がない場合に自動系切り替えをしません。この場合,待機サーバは系切り替え待ち状態となります。
keep_gsp_mode~《nouse》
OSコンソールとGSPコマンドモードを一つのコンソール画面で共用するサーバモデルで,リセットパスのヘルスチェック実行後,コンソール画面で使用するモードを指定します。
  • use:リセットパスのヘルスチェック実行後,コンソール画面はGSPコマンドモードとなります。
  • nouse:リセットパスのヘルスチェック実行後,コンソール画面はOSコンソールモードとなります。