系切り替えの対象となる共有リソースは,24時間連続稼働などで実行サーバを停止できない場合でも,動的に変更できます。
OSごとに扱える共有リソースが異なるため,変更できる共有リソースも異なります。変更できる共有リソースを,次の表に示します。
表2-16 変更できる共有リソース
共有リソース | HI-UX/WE2 | AIX | HP-UX(PA-RISC) | HP-UX(IPF) | Linux(IPF) |
---|---|---|---|---|---|
共有ディスク | ○ | ○※2 | ○ | ○ | ○ |
ファイルシステム | × | × | × | × | × |
LAN | ○ | ○※3 | ○※3 | ○※3 | ○※3 |
通信回線 | ○※1 | ○ | ○※4 | - | - |
(凡例)
○:変更できます。
×:変更できません。
-:制御できません。
注※1 自系が接続する入力ポートを指定した回線切替装置の追加はできません。削除はできます。追加する場合は,自系が接続する入力回線を指定しないでください。
注※2 HA Boosterの制御グループの変更はできません。定義済みの制御グループに対してボリュームグループの追加・削除をしてください。
注※3 LANの状態設定ファイルに追加・削除するLANの情報を追加・削除することで行ってください。
注※4 回線切替装置の変更だけできます。
共有リソースの動的変更は,ユーザがmondeviceコマンドで実行します。mondeviceコマンドでは,共有リソースを,サーバ対応の環境設定で指定した単位で追加・削除できます。
共有リソースの動的変更の概要を,次の図に示します。
図2-73 共有リソースの動的変更の概要
ユーザがmondeviceコマンドで共有リソースの追加または削除を指定すると,HAモニタは次の処理を実行します。
mondeviceコマンド実行後は,共有リソースが指定どおり変更されたかどうかを,monshow -dコマンドで確認してください。また,mondeviceコマンドの実行手順については,「4.18 コマンド」を参照してください。
mondeviceコマンドで共有リソースが変更できない場合は,HAモニタの障害やコマンドの指定に矛盾がある場合のほかに,次の原因が考えられます。
待機サーバの共有リソースが変更できない場合は,実行サーバの共有リソースだけを変更します。この場合は,待機サーバを一度停止させ,実行サーバと環境設定の内容を合わせてから再起動してください。実行サーバの共有リソースが変更できない場合は,待機サーバの共有リソースも変更しません。また,待機サーバが起動されていない場合は,待機サーバ側のサーバ対応の環境設定は書き換えません。