2.4.2 ファイルシステムの制御

AIX,HP-UX(PA-RISC),HP-UX(IPF)およびLinux(IPF)の場合,共有ディスク上のファイルシステム(VxFS,JFS,ext3など)をマウント・アンマウントによって切り替えられます。

ファイルシステムの切り替えの処理内容を,次の表に示します。

表2-9 ファイルシステムの切り替え

制御方法処理内容
マウント共有ディスクの接続後,次の処理によって接続します。
  • fsckコマンドでファイルシステムをチェックしたあと,マウントします。
  • 接続に失敗した場合は,エラーメッセージを出力し処理を続行します。
アンマウント共有ディスクの切り離し前に,次の処理によって切り離します。
  • fuserコマンドでファイルシステムにアクセスしているすべてのプロセスを強制停止したあと,アンマウントします。
  • アンマウントに失敗した場合は,サーバ対応の環境設定に指定したリトライ回数分,1秒おきにリトライします。リトライ回数の限界に達した場合,エラーメッセージを出力し処理を続行します。
<この項の構成>
(1) ファイルシステムとの接続
(2) ファイルシステムの切り替え
(3) ログファイル
(4) 注意事項

(1) ファイルシステムとの接続

実行サーバがファイルシステムを使用できるよう,実行サーバ起動時にマウントします。マウントする際は,OSのfsckコマンドによってファイルシステム一貫性チェックをします。

ファイルシステムとの接続の流れを,次の図に示します。

図2-44 ファイルシステムとの接続の流れ

[図データ]

(2) ファイルシステムの切り替え

ファイルシステムの切り替えは,障害が発生した系からはアンマウントし,業務処理を引き継ぐ系からはマウントしてファイルシステムを切り替えます。アンマウントする際は,OSのfuserコマンドによってファイルシステムを使用しているすべてのプロセスを強制停止します。

サーバ障害時と系障害時の,ファイルシステムの切り替えの流れを,次の図に示します。

図2-45 サーバ障害時のファイルシステムの切り替えの流れ

[図データ]

図2-46 系障害時のファイルシステムとの切り替えの流れ

[図データ]

(3) ログファイル

ファイルシステムの切り替え実施時,サーバごとに/opt/hitachi/HAmon/spool/サーバ識別名称.fslogというファイルに実行結果を出力します。切り替えエラーが発生した場合などに,このログファイルを参照することによって,エラー要因を調査できます。

ログファイルの最大サイズはHAモニタの環境設定のfs_log_sizeオペランドで設定できます。ログ取得時にログファイルのサイズが最大を超えている場合,ファイルを「サーバ識別名称.fslog_old」という名称でバックアップし,クリアしてからログを再取得します。

(4) 注意事項