2.3.8 系のペアダウン

HAモニタでは,実行サーバの障害を実行系の障害として扱うことで,サーバ障害時に,系をリセットする方法で系切り替えができます。これを,ペアダウン機能といいます。

<この項の構成>
(1) ペアダウン機能が有効な構成
(2) ペアダウン時の動作

(1) ペアダウン機能が有効な構成

ペアダウン機能が有効な構成を,次の図に示します。

図2-32 ペアダウン機能が有効な構成

[図データ]

図に示すような構成では,一つの系にある複数のサーバが同じLAN(LANアダプタ)を使用して,ペアになるサーバのある系と接続することになります。この構成でも,実行系の一つのサーバにサーバ障害が発生すると,系切り替え処理が実行されますが,LAN(LANアダプタ)も待機系に切り替えてしまいます。LAN(LANアダプタ)は一つだけのため,実行系に残されたほかのサーバではLANが使用できなくなります。

このような場合に,サーバ障害時にも系ごと切り替えるペアダウン機能が有効になります。

ペアダウン機能を使用するかどうかは,サーバ対応の環境設定で指定します。一つの系にある複数のサーバが同じLANを使用する場合は,サーバ対応の環境設定でペアダウン機能の使用を指定してください。

(2) ペアダウン時の動作

ペアダウン機能は,実行サーバの障害時,実行サーバを停止させると同時に,HAモニタも停止させることで実現します。実行系のHAモニタの停止は系障害として扱われ,待機系からリセットされたあとに系切り替えが開始されます。

ペアダウンの契機となる実行サーバの障害には,サーバ自身が検出した障害およびサーバのスローダウンがあります。AIX,HP-UX(PA-RISC),HP-UX(IPF),およびLinux(IPF)の場合,サーバのスローダウンを検出した場合だけペアダウンをするオプションも指定できます。

実行系のリセットは,停止するHAモニタからの連絡を,待機系のHAモニタが受けて実行します。このとき,リセット優先系の判断や,リセット発行系の決定には従わないで,即時リセットを実行します。