3.3.1 サーバ対応の環境設定

サーバ対応の環境を設定する定義ファイルは,HAモニタの環境設定用ディレクトリの下にserversというファイル名で作成します。

また,HAモニタサンプルファイル用ディレクトリの下にserversというファイル名の定義の記述サンプルファイルが用意されています。

このファイルをHAモニタの環境設定用ディレクトリにコピーし,書き換えて使用すると,定義ファイルを最初から作成する手間が省けます。

なお,この定義ファイルは系ごとに作成するため,定義の際には系間の整合性を取ってください。

サーバ対応の環境設定をする定義ファイルを,次に示します。

/*  サーバ対応の環境設定  */
server  name  
            サーバプログラム名
      ,alias
            サーバの識別名
      ,acttype
          {servermonitor
    〔,patrol
            サーバ障害監視時間
    〔,termcommand
            サーバの停止コマンドのパス名
    〔,initial
          {online|standby}〕
    〔,pairdown
          {use:serv_slow〕|nouse}〕
    〔,group
            グループ名:{exchangeno_exchange: {cancelno_cancel}}〕
    〔,switchtype
          {switchrestart〔:再起動監視時間〕|manual}〕
    〔,lp
            LP〔:LP…〕〕
    〔,disk
            スペシャルファイル名〔:スペシャルファイル名…〕〕
    〔,port
            スペシャルファイル名#入力ポート
              〔:スペシャルファイル名#入力ポート〕…〕〕
    〔,fddi
            FDDIドライバ名称〔:FDDIドライバ名称…〕〕
    〔,hslink
            HS-Linkドライバ名称〔:HS-Linkドライバ名称…〕〕
    〔,cd10
            CD10ドライバ名称〔:CD10ドライバ名称…〕〕
    〔,lan_updown
          {usenouse}〕
    〔,adp_recovery
          {manualswitchserver}〕
    〔,fs_name
            スペシャルファイル名〔:スペシャルファイル名…〕〕
    〔,fs_mount_dir
            ディレクトリ名〔:ディレクトリ名…〕〕
    〔,fs_mount_opt
            オプション〔:オプション…〕〕
    〔,fs_umount_retry
          {リトライ回数10}〕
    〔,patrolcommand
            監視コマンドのパス名
    〔,servexec_retry
          {サーバ起動処理の再試行回数2}〕
    〔,waitserv_exec
          {yesno}〕
    〔,retry_stable
          {起動完了監視時間60}〕
    〔,la
            LA〔:LA…〕〕
    〔,hls
            スペシャルファイル名#装置ID入力ポート
              〔:スペシャルファイル名#装置ID入力ポート…〕〕
    〔,hab_gid
            制御グループID〔:制御グループID…〕〕
    〔,parent
            親サーバの識別名称
    〔,switchbyfail
            LAN名称〕
    〔,dev_timelimit
            共有リソース切り替えタイムアウト値
    〔,vg_on_opt
            ボリュームグループの接続オプション〔:オプション…〕〕
    〔,vg_forced_varyon
           {use | nouse}〔: {use | nouse}…〕〕
    〔,disconnect_atend
           {yes | no}〕
    〔,lan_neck
            LAN名称〔:LAN名…〕〕
    〔,ip_neck
           {use | nouse}〕
    〔,uoc_neck
           {use | nouse}〕
    〔,vg_neck
           {use | nouse}〔: {use | nouse}…〕〕
    〔,fs_neck
           {use | nouse}〔: {use | nouse}…〕〕
    〔,actcommand
           {サーバの起動コマンドのパス名}〕
    〔,standbypri
           各待機サーバの優先度〕
    〔,deviceoff_order
           {orderreverse}〕;

/*  リソースサーバ対応の環境設定  */
〔resource  alias
                リソースサーバの識別名
            ,group
                グループ名
          〔,initial
              {online|standby}〕
          〔,disk
                スペシャルファイル名〔:スペシャルファイル名…〕〕
         〔,lan_updown
              {usenouse}〕
         〔,fs_name
                スペシャルファイル名〔:スペシャルファイル名…〕〕
         〔,fs_mount_dir
                ディレクトリ名〔:ディレクトリ名…〕〕
         〔,fs_mount_opt
                オプション〔:オプション…〕〕
         〔,fs_umount_retry
              {リトライ回数10}〕
         〔,la
                LA名〔:LA名…〕〕
         〔,hls
                スペシャルファイル名#装置ID入力ポート
                  〔:スペシャルファイル名#装置ID入力ポート…〕〕
         〔,hab_gid
                制御グループID〔:制御グループID…〕〕
         〔,dev_timelimit
                共有リソース切り替えタイムアウト値
         〔,vg_on_opt
                ボリュームグループの接続オプション〔:オプション…〕〕
         〔,vg_forced_varyon
                {use | nouse}〔: {use | nouse}…〕〕
         〔,disconnect_atend
                {yes | no}〕
         〔,lan_neck
                LAN名称〔:LAN名…〕〕
         〔,ip_neck
               {use | nouse}〕
         〔,uoc_neck
               {use | nouse}〕
         〔,vg_neck
               {use | nouse}〔: {use | nouse}…〕〕
         〔,fs_neck
               {use | nouse}〔: {use | nouse}…〕〕
          〔,standbypri
                各待機サーバの優先度〕;〕

<この項の構成>
(1) オペランドの指定可否一覧
(2) サーバの種類と定義するオペランド一覧
(3) server定義文
(4) resource定義文

(1) オペランドの指定可否一覧

適用OSによって各オペランドを使用できるかどうかが異なります。server定義文およびresource定義文のオペランドと適用OSの関係を表に示します。

表3-5 server定義文およびresource定義文のオペランドと適用OS

オペランド適用OS
HI-UX/WE2AIXHP-UX(PA-RISC)HP-UX(IPF)Linux(IPF)
name
alias
acttype
patrol
《10~60》

《5~60》

《5~60》

《5~60》

《5~60》
termcommand
initial
pairdown
serv_slowは指定不可
group
switchtype
lp××××
disk
スペシャルファイル名を指定

ボリュームグループのパス名を指定

ボリュームグループのパス名を指定

ボリュームグループのパス名を指定

ボリュームグループのパス名を指定
port×
入力ポートは指定不可
××
fddi××××
hslink××××
cd10××××
lan_updown
adp_recovery××××
fs_name×
fs_mount_dir×
fs_mount_opt×
fs_umount_retry×
patrolcommand×
servexec_retry×
waitserv_exec×
retry_stable×
la××××
hls×××
hab_gid××××
parent×
switchbyfail×××
dev_timelimit×
vg_on_opt×
vg_forced_varyon××××
disconnect_atend××××
lan_neck×××
ip_neck×
uoc_neck×
vg_neck×
fs_neck×
actcommand×
standbypri×
deviceoff_order×

(凡例) ○:使用できます。  ×:使用できません。


(2) サーバの種類と定義するオペランド一覧

サーバ対応の環境設定では,サーバがHAモニタとのインタフェースを持つ場合と持たない場合,およびリソースサーバの場合とで,定義するオペランドが異なります。サーバの種類によるオペランドの組み合わせを次の表に示します。

表3-6 サーバの種類によるオペランドの組み合わせ

オペランドHAモニタとのインタフェースを持つ場合HAモニタとのインタフェースを持たない場合リソースサーバの場合
name
alias
acttype
patrol
termcommand
initial
pairdown
group
switchtype
lp
disk
port
fddi
hslink
cd10
lan_updown
adp_recovery
fs_name
fs_mount_dir
fs_mount_opt
fs_umount_retry
patrolcommand
servexec_retry
waitserv_exec
retry_stable
la
hls
hab_gid
parent
switchbyfail
dev_timelimit
vg_on_opt
vg_forced_varyon
disconnect_atend
lan_neck
ip_neck
uoc_neck
vg_neck
fs_neck
actcommand
standbypri
deviceoff_order

(凡例)

◎:定義します(省略できません)。

○:定義します(省略した場合,仮定値を設定します)。

△:定義しません(定義しても無視されます)。


(3) server定義文

サーバを定義します。server定義文のオペランドを,次に示します。

name~<1~1000文字のサーバパス名>
サーバプログラムを特定するための名称を指定します。HAモニタとのインタフェースを持つサーバの場合は,サーバプログラムのホームディレクトリ名を,HAモニタとのインタフェースを持たないサーバの場合は,サーバの起動コマンドの完全パス名を指定します。このサーバの起動コマンドは,スーパユーザで動作させます。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
サーバにHAモニタとのインタフェースを持つサーバとして,OpenTP1を使用する場合,OpenTP1ディレクトリの絶対パス名称を指定してください。OpenTP1ディレクトリについては,マニュアル「分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作」を参照してください。
サーバにHAモニタとのインタフェースを持つサーバとして,HiRDBを使用する場合,HiRDB運用管理ディレクトリの絶対パス名称,または"HiRDB識別子/ユニット識別子"を指定します。HiRDBのスタンバイレス型系切り替えを使用する場合は,"HiRDB識別子/ユニット識別子"を,使用しない場合はHiRDB運用管理ディレクトリの絶対パス名称を指定してください。詳細は,マニュアル「スケーラブルデータベースサーバ HiRDB システム定義」を参照してください。
alias~<1~8文字の英数字>
HAモニタで使用するコマンドや,出力するメッセージのための,サーバの識別名(サーバの別名)を指定します。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
acttype~《server》
サーバの起動方法を指定します。HAモニタとのインタフェースを持つサーバの場合はserverを,HAモニタとのインタフェースを持たないサーバの場合はmonitorを指定します。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。
  • server:サーバの起動コマンドでサーバを起動します。
  • monitor:HAモニタのコマンドでサーバを起動します。
patrol~<符号なし整数>((5~60))(単位:秒)
HAモニタとのインタフェースを持つサーバの場合に,サーバの状態監視での,サーバ障害の判断基準となる時間を指定します。現用系と予備系とで同じ時間にしてください。
HAモニタとのインタフェースを持たないサーバの場合は,指定しても無視されるので,指定を省略できます。
なお,HI-UX/WE2の場合は,10~60秒の範囲で指定してください。
termcommand~<1~1000文字のパス名>
ユーザがシェルなどで作成したサーバの停止コマンドを完全パス名で指定します。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
このサーバの停止コマンドは,スーパユーザで動作させます。
HAモニタとのインタフェースを持たないサーバの場合にこのオペランドを指定しておくと,計画系切り替えをしたいときにmonswapコマンドを実行するだけで,自動的に実行サーバを計画停止できます。ユーザが実行サーバをコマンドで計画停止させる必要はありません。また,実行サーバを正常終了させたいときにmonendコマンドを実行するだけで,自動的に実行サーバを正常終了できます。ユーザが実行サーバをコマンドで正常終了させる必要はありません。
HAモニタとのインタフェースを持たないサーバの監視機能を使用し,サーバ障害時に再起動するよう指定した場合もこのオペランドに指定されたコマンドを起動し,再起動前の前処理をします。
HAモニタとのインタフェースを持たないサーバをmonendコマンド,またはmonswapコマンドで停止させた場合,およびサーバ障害時に再起動させた場合,HAモニタはtermcommandオペランドでパス名を指定したシェルなどに引数を渡します。
実行するコマンドとシェルなどに渡される引数の関係を,次に示します。

表3-7 実行するコマンドと渡される引数の関係

実行するコマンド渡される引数
実行サーバ停止連絡コマンド(monendコマンド)-e
計画系切り替えコマンド(monswapコマンド)-w
サーバ障害時の再起動前処理-c
termcommandオペランドで指定したサーバの停止コマンドは,サーバ停止時の共有リソースの切り離しをする前に発行されます。
HAモニタとのインタフェースを持つサーバの場合は,指定しても無視されるので,指定を省略できます。
なお,"(引用符)で囲んで指定することで,空白を使用できます。空白を用いることによって,コマンドに引数を指定できます。空白を含む指定をした場合,一つ以上の空白を区切り文字として区切られた最初の文字列を,停止コマンドのパス名称として認識します。最初の空白より後ろの文字列は引数として認識します。HAモニタが渡す引数("-e","-w","-c")は停止コマンドの最後の引数として追加して実行します。
initial~《online》
サーバ起動時の状態を指定します。現用系ではonlineを,予備系ではstandbyを指定してください。
  • online:サーバを実行サーバとして起動します。
  • standby:サーバを待機サーバとして起動します。
pairdown~《nouse》
サーバ障害を検出したときにHAモニタも障害として停止する,ペアダウン機能を使用するかどうかを指定します。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。
HAモニタとのインタフェースを持たないサーバの場合は,指定しても無視されるので,指定を省略できます。
  • use:ペアダウン機能を使用します。実行サーバの障害時(サーバ自身が検出した障害およびサーバのスローダウン)にペアダウンをします。useを指定した場合は,":"で区切ったあとに次の値を指定できます。
    serv_slow:実行サーバの障害のうち,サーバのスローダウン検出時だけペアダウンをします。サーバ自身が検出した障害の場合はペアダウンをしないで,switchtypeオペランドの定義に従って動作します。HI-UX/WE2の場合,指定できません。
  • nouse:ペアダウン機能を使用しません。
group~<1~8文字の英数字>《no_exchange:cancel》
連動系切り替え時に一括して切り替えるサーバグループの名称と,各サーバの切り替え種別を指定します。現用系と予備系とで同じ値を指定してください。なお,グループ化されたサーバの,initialオペランド値は,系内で統一してください。
  • exchange:この値を指定したサーバにサーバ障害(サーバのスローダウンを含みます)が発生すると,サーバグループ内のすべてのサーバを一括して,連動系切り替えをします。
  • no_exchange:この値を指定したサーバにサーバ障害が発生しても,連動系切り替えはしません。対応する待機サーバは連動系切り替え待ち状態になります。
    ただし,サーバグループ内のすべてのサーバにno_exchangeを指定していても,すべてのサーバでサーバ障害が発生すると,連動系切り替えをします。
    no_exchangeを指定した場合は,":"で区切ったあとに次の値を指定できます。
    なお,サーバの切り替え順序制御を使用している場合,親サーバには,no_exchangeを指定できません。
    cancel:この値を指定したサーバのスローダウンを検出すると,HAモニタはこのサーバを異常終了させます。対応する待機サーバは連動系切り替え待ち状態になります。
    no_cancel:この値を指定したサーバのスローダウンを検出しても,HAモニタはこのサーバの状態監視を続けます。対応する待機サーバは連動系切り替え待ち状態にはなりません。
サーバの切り替え種別の指定と連動系切り替えの関係を,次の図に示します。

図3-1 サーバの切り替え種別の指定と連動系切り替えの関係

[図データ]
サーバグループ内のすべてのサーバで"no_exchange:no_cancel"を指定すると,すべてのサーバのスローダウンを検知しても,系切り替えをしないでサーバの状態監視を続けます。また,グループ名の指定を省略すると,各サーバの切り替え種別の指定は無視されます。
acttypeオペランドにmonitorを指定するサーバをグループ化する場合は,必ずtermcommandオペランドを指定してください。ただし,cancelおよびno_cancelの指定は無視されます。
連動系切り替えを実行するには,次に示す条件があります。
  • サーバグループ内のすべてのサーバで,ペアが成り立っている(実行サーバに対応する待機サーバがある)こと。
  • サーバグループにあるすべてのサーバの,系切り替え先のサーバがすべて同じ系にあること。
  • 実行サーバとそれに対応する待機サーバに,同じグループ名が設定されていること。
サーバのグループ化は,サーバ起動時に決定されます。一つの系に実行サーバと待機サーバの両方がある場合,グループ化の対象となるのは実行サーバだけです。また,すでにサーバをグループ化している系で,新たにグループ化の条件に合わないサーバが起動されても,グループ化の対象にはなりません。
サーバの切り替え種別の組み合わせとHAモニタの処理の関係を,次に示します。

表3-8 サーバの切り替え種別の組み合わせとHAモニタの処理の関係

HAモニタの処理サーバの切り替え種別の組み合わせ
exchangeだけexchangeとno_exchangeno_exchangeだけ
グループ内で稼働中のサーバグループ内で稼働中のサーバ
ありなしありなし
サーバ障害発生時exchange指定のサーバ連動系切り替え連動系切り替え単独で系切り替え※3
no_exchange指定のサーバ連動系切り替え待ち※1単独で系切り替え※3連動系切り替え待ち※1単独で系切り替え※3
サーバスローダウン発生時exchange指定のサーバ連動系切り替え連動系切り替え単独で系切り替え※3
no_exchange指定のサーバ以降の指定に従う※2単独で系切り替え※3以降の指定に従う※2単独で系切り替え※3
系障害発生時exchange指定のサーバ連動系切り替え連動系切り替え単独で系切り替え※3
no_exchange指定のサーバ連動系切り替え単独で系切り替え※3連動系切り替え単独で系切り替え※3
計画系切り替え時exchange指定のサーバ連動系切り替え連動系切り替え単独で系切り替え※3
no_exchange指定のサーバ連動系切り替え単独で系切り替え※3連動系切り替え単独で系切り替え※3

(凡例)-:組み合わせとしてあり得ません。

注※1 待機サーバは,待機系で起動を完了した状態でサーバグループの連動系切り替えを待ちます。ユーザが,monactコマンドでこの待機サーバを実行サーバとして起動するか,サーバグループが連動系切り替えをする(自動系切り替えまたはmonswapコマンドでの計画系切り替え)まで待ち続けます。

注※2 cancelを指定している場合は,サーバを異常終了させます。待機サーバは連動系切り替え待ち状態になります。no_cancelを指定している場合は,サーバの状態監視を続けます。待機サーバは連動系切り替え待ち状態にはなりません。

注※3 待機系に,同じサーバグループに属する連動系切り替え待ち状態の待機サーバがあれば,同時に実行サーバとして起動させます。


なお,HAモニタとのインタフェースを持たないサーバにサーバ障害が発生しservexec_retryオペランドで系切り替えをする指定をしている場合は,groupオペランドで指定した切り替え種別に関係なく,連動系切り替えをします。
switchtype~《switch》
HAモニタとのインタフェースを持つサーバのサーバ障害を検出した場合の動作を指定します。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。
  • switch:実行サーバを停止させ,系切り替えをします。
  • restart:実行サーバを実行サーバの再起動待ち状態にし,実行サーバが自動で再起動するのを待ちます。系切り替えはしません。実行サーバの再起動が失敗した場合は,サーバ自身のリトライ回数だけ再起動をリトライします。リトライ回数が限界に達すると,系切り替えを開始します。
    restartを指定した場合は,":"で区切って実行サーバの再起動監視時間を指定できます。再起動監視時間を超えて実行サーバが再起動しない場合は,系切り替えを開始します。再起動監視時間は60秒から3,600秒の範囲で指定できます。再起動監視時間の指定を省略した場合は,実行サーバの再起動は監視しません。
  • manual:実行サーバを実行サーバの再起動待ち状態にし,実行サーバが自動で再起動するのを待ちます。系切り替えはしません。実行サーバの再起動が失敗した場合は,サーバ自身のリトライ回数だけ再起動をリトライします。リトライ回数が限界に達すると,実行サーバを停止させ,対応する待機サーバをいったん停止させたあとに再起動して実行サーバの起動待ち状態にします。
    なお,manualを指定したサーバのスローダウンを検出した場合,HAモニタは何もしないでサーバの監視を続けます。
なお,switchtypeオペランドは,HAモニタとのインタフェースを持たないサーバの場合は指定しても無視されるので,指定を省略できます。
lp~<1~8文字の英数字>
切り替えるXNF回線のLP名を指定します。20個まで指定できます。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
disk~<1~256文字のパス名>
HI-UX/WE2の場合は,切り替える共有ディスクのスペシャルファイル名を指定します。3,000個まで指定できます。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
AIX,HP-UX(PA-RISC),HP-UX(IPF),およびLinux(IPF)の場合は,切り替える共有ディスク上に定義したボリュームグループのパス名を指定します。3,000個まで指定できます。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
port~<1~256文字のパス名>
使用する回線切替装置が,HN-7601-8VまたはHN-7601-8Xの場合に切り替える回線切替装置の,RCポートとして使用するRS-232Cのスペシャルファイル名と,自系から回線切替装置に接続する入力ポート(A系またはB系)を指定します。8個まで指定できます。スペシャルファイル名は,現用系と予備系とで同じ名称にしてください。入力ポートは,ハードウェア構成に合わせて系ごとに固有の値を指定してください。また,入力ポートはHI-UX/WE2の場合だけ指定できます。
自系が接続する入力ポートを指定する場合は,スペシャルファイル名のあとに"A"または"B"を"#"で区切って指定します。この指定値は,moncheckコマンドで誤りをチェックしません。そのため,誤って指定すると回線接続ができませんので注意して指定してください。自系が接続する入力ポートを指定した場合,回線切替装置に状態取得をしないで切り替えを指示します。自系が接続する入力ポートの指定を省略した場合は,回線切替装置に状態取得をしてから切り替えを指示します。次に指定の例を示します。

   現用系のportオペランド:port /dev/tty21#A
   予備系のportオペランド:port /dev/tty21#B

例の場合,現用系に接続した回線は回線切替装置の入力ポートAに,予備系に接続した回線は回線切替装置の入力ポートBに接続します。
fddi~<1~3文字の英数字>
MACアドレスを引き継ぐ方法で切り替える,FDDIドライバの名称を指定します。4個まで指定できます。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
hslink~<1~3文字の英数字>
MACアドレスを引き継ぐ方法で切り替える,HS-Linkドライバの名称を指定します。10個まで指定できます。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
cd10~<1~3文字の英数字>
MACアドレスを引き継ぐ方法で切り替える,CD10ドライバの名称を指定します。8個まで指定できます。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
cd10オペランドでは,現用系と予備系とで,同じLANに接続されているCD10ドライバの名称を同じ位置の引数に指定してください。これは,現用系で指定したCD10ドライバのMACアドレスを,予備系で同じ位置の引数に指定したCD10ドライバに引き継ぐためです。MACアドレス引き継ぎの例を次に示します。
  • 例1

       現用系のcd10オペランド:cd10 he0:he1,…
                        ↓  ↓   
       予備系のcd10オペランド:cd10 he0:he1,…

    例1の場合,現用系の"he0"のMACアドレスは予備系の"he0"のMACアドレスに,現用系の"he1"のMACアドレスは予備系の"he1"のMACアドレスに引き継ぎます。
  • 例2

       現用系のcd10オペランド:cd10 he2:he3,…
                         ↓  ↓   
       予備系のcd10オペランド:cd10 he3:he4,…

    例2の場合,現用系の"he2"のMACアドレスは予備系の"he3"のMACアドレスに,現用系の"he3"のMACアドレスは予備系の"he4"のMACアドレスに引き継ぎます。
    例2のように,現用系での指定名称と予備系での指定名称が異なる場合でも,指定した位置どおりに引き継ぎますので注意してください。
lan_updown
LANの状態設定ファイルを使用するかどうかを指定します。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。
fddiオペランド,hslinkオペランドおよびcd10オペランドを指定すると,MACアドレスを引き継ぐ方法でLANの状態設定ファイルが使用されます。そのため,MACアドレスを引き継ぐ方法以外でLANの状態設定ファイルを使用する場合に,このオぺランドを指定します。
  • use:LANの状態設定ファイル(サーバ識別名.upファイルおよびサーバ識別名.downファイル)を使用します。
  • nouse:LANの状態設定ファイルを使用しません。
lan_updownオペランドの指定を省略した場合は,HAモニタの環境設定用ディレクトリの下にサーバ識別名.upファイルおよびサーバ識別名.downファイルがあれば,そのファイルをLANの状態設定ファイルとして使用します。
adp_recovery~《server》
HAモニタ/CLUSTERでHS-LinkによるLANの切り替え機能を使用する場合に,自系のアダプタ障害時の通信回復手段を指定します。現用系と予備系とで同じ指定をしてください。
HAモニタ/CLUSTERについては,「5. HAモニタ/CLUSTER」を参照してください。
  • manual:何もしないで,ユーザの操作を待ちます。
  • switch:すべての系を交代用のクラスタスイッチに切り替えて回復します。
  • server:待機サーバに計画系切り替えをして回復します。待機サーバがない場合やHAモニタとのインタフェースを持たないサーバを使用している場合は,すべての系を交代用のクラスタスイッチに切り替えて回復します。
adp_recoveryオペランドに値を指定した場合の,それぞれの長所と短所を次の表に示します。

表3-9 adp_recoveryオペランドの指定値の長所と短所

指定値長所短所
manual障害が発生したアダプタや,そのアダプタを使用しているサーバの状態から,ユーザが対処方法を選択できます。自動回復でないため,ユーザの判断による対処が必要です。
switchサーバの状態(待機サーバの有無など)に関係なく,障害を回復できます。クラスタスイッチを切り替えるため,正常に通信している(アダプタ障害が発生していない)系のサーバにも影響を与えます。
serverクラスタスイッチを切り替えないため,正常に通信している系のサーバに影響を与えません。待機サーバがないと実行できません。また,HAモニタとのインタフェースを持たないサーバでは,計画系切り替えが実行できません。
同じアダプタを使用している複数のサーバ間で,adp_recoveryオペランドの指定値が異なる場合の,組み合わせと回復方法を次の表に示します。

表3-10 複数のサーバ間でadp_recoveryオペランドの指定値が異なる場合の回復方法

サーバ1での指定値サーバ2での指定値
manualswitchserver
manualMWX
switchWWW
serverXWV

(凡例)

M:サーバ1,2とも"manual"指定で回復します。

V:サーバ1,2とも"server"指定で回復します。

W:サーバ1,2とも"switch"指定で回復します。

X:"manual"を指定したサーバでは,メッセージだけを出力します。"server"を指定したサーバは"server"指定で回復します。ただし,"server"を指定したサーバに待機サーバがない場合,またはHAモニタとのインタフェースを持たないサーバを使用している場合は,サーバ1,2とも"switch"指定で回復します。

注 サーバが三つ以上あり,すべての指定が混在する場合は,"switch"指定で回復します。


fs_name~<1~256文字のパス名>
切り替えるファイルシステムに対応する論理ボリュームの絶対パス名を指定します。3,000個まで指定できます。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
fs_mount_dir~<1~256文字のパス名>
切り替えるファイルシステムのマウント先ディレクトリの絶対パス名を指定します。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
fs_mount_dirオペランドでは,fs_nameオペランドで指定した論理ボリュームに対応するマウント先ディレクトリを,同じ位置の引数に指定します。そのため,fs_nameオペランドを指定した場合には,必ずfs_mount_dirオペランドを指定してください。また,マウント先ディレクトリの指定数はfs_nameオペランドと同じにしてください。fs_nameおよびfs_mount_dirオペランドの指定方法の例を,次の例に示します。

   fs_name  /dev/vg01/lvol1:/dev/vg02/lvol1,
            ↓      ↓
   fs_mount_dir /home1   :/home2,

例の場合,fs_nameオペランドの"/dev/vg01/lvol1"はfs_mount_dirオペランドの"/home1"に,fs_nameオペランドの"/dev/vg02/lvol1"はfs_mount_dirオペランドの"/home2"に対応します。
なお,このオペランドに指定するファイルシステムについてはシステム起動時に自動的にマウントする設定をしないでください。
fs_mount_opt~<1~256文字の文字列>
切り替えるファイルシステムに対するmountコマンド実行時のオプションを指定します。オプション中に空白,コンマ,コロン,セミコロン,スラント,またはアスタリスクが含まれる場合は,それぞれを"(引用符)で囲んで指定します。現用系と予備系とで同じ値を指定してください。
fs_mount_optオペランドでは,fs_nameオペランドおよびfs_mount_dirオペランドで指定したファイルシステムに対応するオプションを,同じ位置の引数に指定します。オプションの指定数はfs_nameオペランドおよびfs_mount_dirオペランドと同じにしてください。途中のオプションを省略する場合は値を指定しないでコロンで区切って指定します。fs_name,fs_mount_dir,およびfs_mount_optオペランドの指定方法の例を,次の例に示します。

   fs_name   /dev/vg01/lvol1:/dev/vg02/lvol1,
            ↓       ↓
   fs_mount_dir /home1    :/home2,
            ↓       ↓
   fs_mount_opt "-o rw"    :,

例の場合,fs_nameオペランドの"/dev/vg01/lvol1"とfs_mount_dirオペランドの"/home1"はfs_mount_optオペランドの"-o rw"に対応し,fs_nameオペランドの"/dev/vg02/lvol1"とfs_mount_dirオペランドの"/home2"はfs_mount_optオペランドを省略しています。
fs_mount_optオペランドの指定を省略した場合,すべてのファイルシステムに対するmountコマンド実行時オプションを省略します。
fs_umount_retry~<符号なし整数>((0~9999))《10》(単位:回)
ファイルシステムの切り離し時,アンマウントに失敗した場合のリトライ回数を指定します。現用系と予備系とで同じ値を指定してください。
0を指定した場合はリトライしません。9999を指定した場合はアンマウントが成功するまで無制限にリトライします。なお,リトライの間隔は1秒です。
patrolcommand~<1~1000文字のパス名>
HAモニタとのインタフェースを持たないサーバを監視するための監視コマンドを完全パス名で指定します。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
このオペランドを省略した場合は,実行サーバの監視はしません。なお,HAモニタとのインタフェースを持つサーバでは,このオペランドを指定しても無視されます。
なお,termcommandオペランドと同様に,オペランドの指定値を"(引用符)で囲むことで,引数を指定できます。
servexec_retry~<符号なし整数>((0~9999))《2》(単位:回)
HAモニタとのインタフェースを持たない実行サーバのサーバ障害を検出した場合にサーバの起動処理を再実行させる回数を指定します。現用系と予備系とで同じ値を指定してください。
HAモニタが実行サーバのサーバ障害を検出した場合,指定した回数分だけnameオペランドに指定したサーバの起動コマンドの再実行を試みます。指定回数内でサーバの起動処理が完了した場合は,そのまま正常動作として処理が続行されます。指定回数内にサーバの起動処理が完了しない場合は,HAモニタはサーバ障害と判断し,自動計画系切り替えを実行します。このオペランドを省略した場合は,値として2を仮定します。このオペランドに0を指定した場合は,サーバの再起動はしないで,監視コマンドの終了を検出すると即時に自動計画系切り替えを実行します。また,回数に9999を指定した場合は,サーバの起動処理が完了するまで,または実行サーバを停止させるまで無限にサーバを再起動します。なお,HAモニタとのインタフェースを持つサーバやpatrolcommandが指定されていない場合,このオペランドを指定しても無視されます。
waitserv_exec~《no》
HAモニタとのインタフェースを持たないサーバを実行サーバとして起動する場合,HAモニタの実行サーバ起動完了処理を実行する前にnameオペランドに指定したサーバの起動コマンドの実行完了を待つかどうかを指定します。現用系と予備系とで同じ値を指定してください。
  • yes:サーバの起動コマンドの実行完了を待って,HAモニタの実行サーバの起動完了処理をします。
  • no:サーバの起動コマンドの実行完了を待たないでHAモニタの実行サーバの起動完了処理をします。
このオペランドを省略した場合はnoを仮定します。なお,HAモニタとのインタフェースを持つサーバでは,このオペランドを指定しても無視されます。
retry_stable~<符号なし整数>((60~3600))《60》(単位:秒)
アプリケーションの再起動に成功した場合,そのアプリケーションが安定的に動作したと判断するための監視時間を秒数で指定します。現用系と予備系とで同じ値を指定してください。
アプリケーションが再起動したあと,このオペランドに指定した時間内に障害が検出されなかった場合,HAモニタはアプリケーションが安定的に稼働したと判断し,再起動回数を0にリセットします。アプリケーションが再起動したあと,このオペランドに指定した時間が経過する前に再度障害となると,再起動回数が更新され,再度アプリケーションの再起動処理がされます。再起動成功後,再び0秒から安定稼働のために経過が監視されます。更新された再起動回数が前述のservexec_retryオペランドに指定した値を超えた場合は,アプリケーションの再起動はされないで,系切り替え動作をします。
la~<1~8文字の英数字>
切り替えるXNF回線のLA名を指定します。20個まで指定できます。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
hls~<1~256文字の文字列>
使用する回線切替装置が,次の場合に切り替える回線切替装置の名称を指定します。
  • HT-4990-KIRIKVまたはHT-4990-KIRIKX
  • THE-DV-0111またはTHE-DV-0121
指定方法は"スペシャルファイル名#装置ID入力ポート"の形式で指定します。8個まで指定できます。
スペシャルファイル名には,RCポートとして使用するRS-232Cのスペシャルファイル名を指定します。1~251文字の英字,数字,"/", "-", "_", ". "で指定します。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
装置IDには,回線切替装置のADDに設定した値を000から998の範囲で指定します。現用系と予備系とで同じ値を指定します。
入力ポートには,自系の回線を接続した入力ポートを"A"または"B"で指定します。現用系と予備系とで異なる値を指定します。次に指定の例を示します。

   現用系のhlsオペランド:hls /dev/tty2#001A
   予備系のhlsオペランド:hls /dev/tty2#001B

例の場合,現用系で実行サーバを起動した場合には入力ポートAに,予備系で実行サーバを起動した場合には入力ポートBに,回線を接続します。
hab_gid~<符号なし整数>((0~19))
切り替えるHA Boosterの制御グループIDを指定します。20個まで指定できます。現用系と予備系とで同じ値を指定してください。
parent~<1~8文字の英数字>
サーバの切り替え順序制御をする場合,自サーバ起動のために必要な,親サーバを指定します。指定する値は親サーバのサーバ識別名(alias)に指定した名称を記述します。このオペランドを指定した場合,系切り替え時に,親サーバの起動が完了するまで,自サーバを起動しないように順序制御をします。このオペランドはgroupオペランドが指定されている場合だけ指定できます。
なお,正しく順序制御ができなくなるため,サーバグループ内のサーバが稼働中に,このオペランドを変更しないでください。
switchbyfail~<1~32文字の英数字>
障害となった場合に自動的に実行サーバの計画系切り替えをさせるためのLAN名称を指定します。指定するLAN名称には,HAモニタの環境設定のlan_pairオペランドに指定したペアの現用のLAN名称を指定します。オペランドを省略した場合,LANアダプタ障害による実行サーバの自動計画系切り替えを実施しません。
なお,このオペランドを指定した場合は,HAモニタの環境設定のlanfailswitchオペランドにuseを指定してください。
dev_timelimit~<符号なし整数>((60~3600))(単位:秒)
系切り替え時のサーバの共有リソース接続・切り離し処理に対するタイムアウト値を指定します。タイムアウトした場合は,共有リソースに関する処理を処理失敗として中断し,サーバの起動・停止処理を続行します。
省略時はタイマ監視をしないで,接続・切り離しが完了するまで,サーバの起動・停止を待ちます。
vg_on_opt~<1~256文字の文字列>
AIXの場合,接続時のvaryonvgコマンド実行時のオプションを指定します。省略時は,"-u"オプションを仮定します。
HP-UX(PA-RISC),HP-UX(IPF),およびLinux(IPF)の場合,切り替えるボリュームグループに対する接続時のvgchangeコマンド実行時のオプションを指定します。省略時は,"-a△y"オプションを仮定します。
オプション中に△(空白)が含まれる場合は"(引用符)で囲んで指定してください。
vg_on_optオペランドは,diskオペランドで指定したボリュームグループに対応するオプションを同じ位置の引数に指定します。よって,オプションの指定数はdiskオペランドと同じにしてください。途中のオプションを省略する場合は値を指定しないでコロンで区切って指定します。vgchangeコマンド実行時のオプションを指定する例を,次に示します。

   disk               /dev/vg01      :/dev/vg02  ,
                      ↓             ↓
   vg_on_opt          "-a△y△-q△n" :  ,

例の場合,diskオペランドの"/dev/vg01"については,vgchangeコマンドのオプションに"-a △y△-q△n"を使用して実行され, "/dev/vg02"については,vgchangeコマンドのオプションにデフォルト値である"-a△y"を使用して実行されます。
vg_on_optオペランドの指定を省略した場合,すべてのボリュームグループに対するオプションにデフォルト値が仮定されます。
vg_forced_varyon~《nouse》
ボリュームグループごとに,強制varyon機能を使用するかどうかを指定します。
  • use:強制varyon機能を使用する。
  • nouse:強制varyon機能を使用しない。
vg_forced_varyonオペランドは,diskオペランドで指定したボリュームグループに対応するオプションを同じ位置の引数に指定します。よって,指定数はdiskオペランドと同じにしてください。途中の指定を省略する場合は値を指定しないでコロンで区切って指定します。
vg_forced_varyonオペランドの指定を省略した場合,すべてのボリュームグループに対して,デフォルト値が仮定されます。
disconnect_atend~《no》
実行サーバの停止時にボリュームグループおよび制御グループの切り離しをするか,接続したままにするかを指定します。
  • yes:実行サーバの停止時にボリュームグループおよび制御グループの切り離しをします。
  • no:実行サーバの停止時にボリュームグループおよび制御グループを接続したままにします。
lan_neck~<1~32文字の英数字>
サーバの起動のために必須なLANアダプタの名称として,二重化されたLANアダプタのうち,どちらか一方のLAN名称を指定します。
実行サーバ起動時,および系切り替え時に,このオペランドに指定されたLANアダプタに二重化されたペアが存在し,そのペアが現用・予備ともに障害状態だった場合に,サーバの起動を中止します。二重化されていないLANアダプタが指定された場合は,この指定は無視されます。":"(コロン)で区切って最大32個まで指定できます。
ip_neck~《nouse》
サーバの起動,および系切り替え時に実行するサーバ識別名.upファイルについて,その終了コードを確認するかどうかを指定します。
  • use:サーバ識別名.upファイルの終了コードが‘0’以外の場合に,サーバの起動を中止します。
  • nouse:サーバ識別名.upファイルの終了コードを確認しないで,サーバの起動処理を続行します。
uoc_neck~《nouse》
サーバの起動開始,および系切り替え開始時に実行するユーザコマンドについて,その終了コードを確認するかどうかを指定します。
  • use:ユーザコマンドの終了コードが‘0’以外の場合に,サーバの起動を中止します。
  • nouse:ユーザコマンドの終了コードを確認しないで,サーバの起動処理を続行します。
なお,サーバの起動開始,および系切り替え開始時以外に実行されるユーザコマンドについては,終了コードを確認しません。
vg_neck~《nouse》
サーバの起動,および系切り替え時のボリュームグループの接続に失敗した場合に,サーバ起動を中止するかどうかを,ボリュームグループごとに指定します。
  • use:接続に失敗した場合に,サーバの起動を中止します。
  • nouse:接続に失敗しても,サーバの起動処理を続行します。
vg_neckオペランドは,vg_on_optオペランドのように,diskオペランドで指定したボリュームグループに対応するオプションを同じ位置の引数に指定してください。よって,オプションの指定数はdiskオペランドと同じにしてください。途中のオプションを省略する場合は,値を指定しないで":"(コロン)で区切り"vg_neck use::nouse,"のように定義してください。このオペランドを省略した場合,すべてのボリュームグループに対してnouseを仮定します。
fs_neck~《nouse》
サーバの起動,および系切り替え時のファイルシステムの接続に失敗した場合に,サーバ起動を中止するかどうかを,ファイルシステムごとに指定します。
  • use:接続に失敗した場合に,サーバの起動を中止します。
  • nouse:接続に失敗しても,サーバの起動処理を続行します。
fs_neckオペランドは,fs_mount_optオペランドと同様に,fs_nameオペランドで指定したファイルシステムに対応するオプションを同じ位置の引数に指定してください。よって,オプションの指定数はfs_nameオペランドと同じにしてください。途中のオプションを省略する場合は値を指定しないで":"(コロン)で区切り"fs_neck use::nouse,"のように定義してください。fs_neckオペランドを省略した場合,すべてのファイルシステムに対してnouseを仮定します。
actcommand~<1~1000文字のパス名>
サーバの起動コマンドの完全パス名を指定します。termcommandオペランドと同様に,オペランドの指定値を"(引用符)で囲むことで,引数を指定できます。現用系と予備系とで同じ名称にしてください。
HAモニタとのインタフェースを持たないサーバで,サーバの起動コマンドに引数指定をしたい場合に,このオペランドを指定します。この場合も,nameオペランドには,パス名称だけを指定してください。
サーバの起動コマンド実行時に引数が不要の場合は,このオペランドを指定しないで,nameオペランドだけを指定してください。
HAモニタとのインタフェースを持つサーバの場合は,指定しても無視されます。
standbypri~<符号なし整数>((1~9999))《1》
マルチスタンバイ機能を使用する場合に,各待機サーバの優先度を指定します。数値が小さいほど,その系の優先度が高いことを示します。各系で異なる値を指定してください。このオペランドは,HAモニタの環境設定のmultistandbyオペランドにuseを指定し,サーバ対応の環境設定のinitialオペランドにstandbyを指定した場合にだけ有効です。initialオペランドにonlineを指定した場合は,優先度がいちばん高くなります。マルチスタンバイ機能の詳細については,「2.5 マルチスタンバイ機能を使用する場合のサーバと系の管理」を参照してください。
deviceoff_order~《order》
サーバ停止時の共有リソース切り離し処理の方法を指定します。このオペランドはHAモニタの環境設定のdeviceoff_orderオペランドとは異なり,指定されたサーバにだけ適用されます。
HAモニタの環境設定のdeviceoff_orderオペランドを指定した場合は,このオペランドの指定は無視され,HAモニタの環境設定の定義に従います。サーバごとに共有リソース切り離し処理を変えたい場合は,HAモニタの環境設定にはdeviceoff_orderオペランドを定義しないで,このオペランドで指定してください。
共有リソースの切り離し処理の詳細については,「2.7.4 共有リソースの切り離しを接続時と逆順にする場合」を参照してください。
  • order:接続時と同じ順番で共有リソースの切り離しをします。
  • reverse:接続時と逆の順番で共有リソースの切り離しをします。

(4) resource定義文

リソースサーバを定義します。resource定義文のオペランドを,次に示します。リソースサーバについては,「2.6 複数サーバで共有リソースを共用する構成でのリソースサーバの管理」を参照してください。

各オペランドはサーバ対応の環境設定であるserver定義文と同様であるため,それらの説明については,server定義文の同一オペランドの説明を参照してください。ここでは,server定義文と違いのあるオペランドについて説明します。

alias~<1~8文字の英数字>
HAモニタで使用するコマンドや,出力するメッセージのための,リソースサーバの識別名(サーバの別名)を指定します。server定義文のaliasオペランドと同様です。
group~<1~8文字の英数字>
連動系切り替え時に一括して切り替えるサーバグループの名称を指定します。リソースサーバの場合,このオペランドは必須です。exchange,no_exchange,cancel,no_cancelを指定しても内容は無視されます。その他の事項については,server定義文のgroupオペランドと同様です。
なお,一つのグループに複数のリソースサーバは定義できません。