HAモニタが動作している系でOSパニックが発生したときに,その系の障害を瞬時に他系のHAモニタが検知することで高速に系切り替えができます。これを,他系のOSパニック検知機能といいます。この機能が使用できるのは,HI-UX/WE2およびAIXの場合です。
なお,moncheckコマンドを実行することでmoncheckコマンドを実行した系のHAモニタがこの機能を使用して動作するかどうかを確認できます。すべての系で事前に確認してください。
他系のOSパニック検知機能では,実行系でOSパニックが発生したときに,瞬時に待機系のHAモニタが検知して待機サーバを実行サーバに切り替えます。他系のOSパニック検知機能の動作をAIXの場合を例に,次の図に示します。
図2-33 他系のOSパニック検知機能の動作
他系のOSパニック検知機能はリセットパスを用いてOSパニックが発生した系から他系へ障害通知をします。そのため,他系のOSパニック検知機能では,リセットパスで接続されている系を他系と呼びます。他系のOSパニック検知機能を使用したシステム構成例を次の図に示します。
図2-34 他系のOSパニック検知機能を使用したシステム構成例
上記の図では,系1から見れば系2,および系3が他系になります。また,系4から見れば系5だけが他系になります。
他系のOSパニック検知機能を使用できる動作環境について説明します。
他系のOSパニック検知機能はOSパニックが発生した系と他系のシステムが次の場合に動作します。システムがここで説明する動作環境でない場合は,実行系にOSパニックが発生しても瞬時に系切り替えをするのではなく,HAモニタの環境設定のpatrolオペランドで指定した系障害検知時間が経過してから系切り替えをします。