1:1系切り替え構成時のハードウェアの構成例を次の図に示します。
図1-12 1:1系切り替え構成時のハードウェアの構成例(HI-UX/WE2)
2:1系切り替え構成時のハードウェアの構成例を次の図に示します。
図1-13 2:1系切り替え構成時のハードウェアの構成例(HI-UX/WE2)
クラスタ型系切り替え構成時のハードウェアの構成例を次の図に示します。
図1-14 クラスタ型系切り替え構成時のハードウェアの構成例(HI-UX/WE2)
3500統合クラスタモデル(3500/800シリーズ)を適用したクラスタ型系切り替え構成時のハードウェア構成例を次の図に示します。
図1-15 クラスタ型系切り替え構成時のハードウェアの構成例(3500統合クラスタモデル)(HI-UX/WE2)
HAモニタを動作させるのに必要なハードウェアは,次の要素で構成されます。
実際に業務を処理するサーバマシンを,実行系と待機系とで1台ずつ使用します。
HAモニタを使用する前提機種を次に示します。
実行系と待機系のプロセサ間を接続して,実行系と待機系との間で,互いの系を監視するために使用します。また,系切り替えのための情報交換にも使用します。
監視パスには,通信媒体ごとに次の種類があります。ユーザが適用する系切り替え構成によって選択できます。
図1-16 RS-232C LANを使用した監視パスの複線化(HI-UX/WE2)
図1-17 TCP/IP LANを使用した監視パスの複線化(HI-UX/WE2)
監視パスが1本の場合,監視パスに障害が発生すると,HAモニタがそれを系障害と判断して系切り替えを実行する場合があります。このような単一点障害での系切り替えを避けるために,監視パスを必ず複線化してください。監視パスは3本まで複線化できます。監視パスを複線化しておくと,1本の監視パスに障害が発生しても,ほかのパスで系の監視を続行できます。
監視パスを複線化すると,系間での通信のたびに異なる監視パスを使用します。そのため,監視パス1本当たりの情報量の負荷も減らせます。
ただし,TCP/IP LANを複線化する場合,次に注意してください。
また,HAモニタの環境設定で優先的に使用する監視パスを指定すると,系間の通信には設定した監視パスを優先的に使用します。その監視パスに障害が発生すると,ほかの監視パスと交代して通信を続けます。
なお,RS-232C LANを複線化する場合でも,SSUと接続できるLANは一つだけになります。
実行系と待機系のSSU間を接続して,実行系で障害が発生した場合に,系の入出力のリセットを指示するために使用します。リセットパスを構成するためには,系切替機構が必要です。
リセットパスには,通信媒体ごとに次の種類があり,ユーザが適用する系切り替え構成や使用する監視パスの種類によって,どちらかを選択できます。
適用する系切り替え構成と,使用できる監視パスおよびリセットパスの関係を,次の表に示します。
表1-1 適用する系切り替え構成と,使用できるリセットパスおよび監視パス
系切り替え構成 | 監視パス | リセットパス | |
---|---|---|---|
リセットリンク | リセット専用LAN | ||
1:1系切り替え構成 | 監視リンク | ○ | ○ |
RS-232C LAN | ○ | ○ | |
TCP/IP LAN | ○ | ○ | |
2:1系切り替え構成 | 監視リンク | × | × |
RS-232C LAN | × | ○ | |
TCP/IP LAN | × | ○ | |
クラスタ型系切り替え構成 | 監視リンク | × | × |
RS-232C LAN | ○※1,※2 | ○ | |
TCP/IP LAN | ○ | ○ | |
3500統合クラスタモデル | 監視リンク | × | × |
RS-232C LAN | ○※2 | ○ | |
TCP/IP LAN | ○ | ○ |
(凡例)○:使用できます。 ×:使用できません。
注※1 系が四つ以上になる構成では,監視パスにTCP/IP LANを使用してください。
注※2 クラスタ型系切り替え構成,および3500統合クラスタモデルを構成する複数の系の中で,実行系と待機系が1:1で対応している系の間でだけ,リセットリンクを使用できます。
監視パスとリセットパスの組み合わせの例を,次の図に示します。
図1-18 監視パスとリセットパスの組み合わせの例(HI-UX/WE2)
系切り替え時の情報の引き継ぎに使用します。共有ディスクは二つの系から接続し,キャラクタ型でアクセスします。
共有ディスクには,ミラーディスクを使用したミラーリングが適用できます。ミラーディスクを適用する際は,マニュアル「HI-UX/WE2 システム管理 導入・保守編」を参照してください。
系間で共有しない,系固有のディスク装置として使用します。OSのファイルや,HAモニタの各種ファイルをインストールしておきます。HAモニタは,共有ディスクではなく,ローカルディスクから起動します。
HAモニタのコマンドを実行したり,出力されるメッセージを確認したりするために使用します。系切替機構では,1台のコンソールを二つの系で共有できます。
実行系と待機系を接続するほか,クライアントとなるWSやPCと接続するために使用します。対応する系は,同じLAN上にLANアダプタで接続します。
一つの系に複数のサーバがある場合,基本的には,サーバごとに別のLANで系を接続します。例えば,実行系に三つのサーバがある場合は,サーバごとに三つのLANアダプタを用意し,別のLANでそれぞれの待機系に接続します。
系切り替え時には,次のどちらかの方法で実行系から待機系にLANを切り替えます。
それぞれの方法については,マニュアル「HI-UX/WE2 日立CSMA/CDネットワーク CD105(TCP/IP)」を参照してください。
次のLANが適用できます。
HS-LinkによるLANを適用すると,クラスタスイッチやLANアダプタ(クラスタアダプタ)を含めてLANを二重化できます。HS-LinkによるLAN適用時のLANの二重化については,「5. HAモニタ/CLUSTER」を参照してください。
なお,MACアドレスを引き継ぐ方法は,100Base-TXではサポートしていません。
二つの系で,別々にLPを置いて,LCを二つのLPで共有することで,系切り替え時に通信回線を切り替えます。ただし,一つのLPは一つのサーバにだけ接続してください。
また,回線切替装置を使用して,系切り替え時に通信回線を切り替えられます。ただし,切り替えの際には8回線単位でまとめて切り替えるので,1回線ごとの自動切り替えはできません。
回線切替装置を使用した通信回線との接続例を,次の図に示します。
図1-19 回線切替装置を使用した通信回線との接続例(HI-UX/WE2)
通信管理にXNF/Wを使用した場合は,LPを使用しないので,通信回線は切り替えません。切り替えには回線切替装置を使用してください。
HI-UX/WE2の場合,回線切替装置は次の種類が使用できます。
回線切替装置を接続する際,次に注意してください。
HAモニタでは,ユーザがあらかじめユーザコマンドを作成しておくことで,カートリッジ磁気テープ装置(CGMT)などのリソースも,共有リソースとして使用できます。ユーザコマンドを使用した共有リソースの制御については,「2.4.6 その他の共有リソースの制御」を参照してください。