HAモニタでは,共有ディスク,LAN,および通信回線以外の共有リソース切り替えに対応するためのユーザインタフェースを備えています。ユーザコマンドを作成しておくと,HAモニタがコマンドを自動発行し,その他の共有リソースも制御できます。
ユーザコマンドは,サーバの状態変化や,HAモニタの状態変化に伴うHAモニタの処理を契機に実行されます。ここでは,ユーザコマンド実行時に渡されるパラメタ,およびユーザコマンドの自動発行のタイミングについて説明します。ユーザコマンドとのインタフェースについては,「4.15 ユーザコマンドインタフェース」を参照してください。
サーバの状態変化を契機に実行するユーザコマンドの場合,HAモニタはユーザコマンドに次のパラメタを引数として渡します。
サーバの状態変化によってユーザコマンドに渡されるパラメタの一覧を,次の表に示します。
表2-14 サーバの状態変化によってユーザコマンドに渡されるパラメタの一覧
サーバの状態 | サーバ状態パラメタ | 実行サーバでの開始/終了パラメタ | 待機サーバでの開始/終了パラメタ |
---|---|---|---|
サーバ起動 | -s(サーバ起動) | start(起動処理開始) | start(起動処理開始) |
end(起動処理終了) | end(起動処理終了) | ||
サーバ正常終了 | -e(サーバ正常終了) | start(正常終了処理開始) | start(正常終了処理開始) |
- | end(正常終了処理終了) | ||
待機サーバ終了 | -e(サーバ正常終了) | - | sbyend(コマンド処理開始) |
- | - | ||
サーバ計画終了 | -p(サーバ計画終了) | start(計画終了処理開始) | start(計画終了処理開始) |
- | end(計画終了処理終了) | ||
実行サーバ障害 | -a(サーバ障害時・系切り替え可能) | start(障害処理開始) | start(系切り替え処理開始) |
end(障害処理終了) | end(系切り替え処理終了) | ||
-o(サーバ障害時・系切り替え不可能)※ | start(障害処理開始) | - | |
end(障害処理終了) | - | ||
-f(サーバ障害時・系切り替え失敗) | - | start(系切り替え処理開始) | |
- | - | ||
-r(サーバ障害時・実行サーバの再起動待ち状態) | start(再起動待ち開始) | - | |
- | - | ||
-n(サーバ障害時・実行サーバの再起動限界検出または再起動監視時間経過) | start(再起動限界検出) | start(再起動限界検出) | |
- | - | ||
待機サーバ障害 | -a(サーバ障害) | - | sbyend(障害処理開始) |
- | - | ||
系障害 | -h(系障害) | - | start(系切り替え処理開始) |
- | end(系切り替え処理終了) | ||
計画系切り替え | -w(計画系切り替え) | start(コマンド処理開始) | start(系切り替え処理開始) |
end(コマンド処理終了) | end(系切り替え処理終了) |
(凡例)
-:HAモニタの処理がないため,開始/終了パラメタはありません。
太字:HAモニタが状態を認識できないため,HAモニタとのインタフェースを持たないサーバの場合は渡されません。サーバがリソースサーバの場合も,サーバの実体が存在しないため渡されません。
注※ このパラメタは,サーバ対応の環境設定で,waitserv_execオペランドにyesを指定したとき,同サーバのnameオペランドに指定したコマンドの実行結果(終了コード)が0以外の場合に,渡されます。
HAモニタの状態変化を契機に実行するユーザコマンドの場合,HAモニタはユーザコマンドに次のパラメタを引数として渡します。
HAモニタの状態変化によってユーザコマンドに渡されるパラメタの一覧を,次の表に示します。
表2-15 HAモニタの状態変化によってユーザコマンドに渡されるパラメタの一覧
HAモニタの状態 | HAモニタ状態パラメタ | 自系での開始/終了パラメタ | 他系についての詳細情報パラメタ |
---|---|---|---|
自系のHAモニタ開始 | -m(HAモニタの状態変化) | start(開始処理開始) | - |
自系のHAモニタ終了 | end(終了処理終了) | - | |
他系のHAモニタ障害 | - | -d ホスト名(ホスト名で示す他系のHAモニタ障害検出) |
(凡例) -:HAモニタの処理がないため,開始/終了パラメタはありません。または,自系内での処理のため,詳細情報パラメタはありません。
ユーザコマンド発行時に渡されるパラメタとユーザコマンドの発行タイミングを,次の図に示します。
図2-61 サーバ起動時に渡されるパラメタと発行タイミング
図2-62 サーバ正常終了時に渡されるパラメタと発行タイミング
図2-63 サーバ計画終了時に渡されるパラメタと発行タイミング
図2-64 待機サーバ終了時に渡されるパラメタと発行タイミング
図2-65 実行サーバ障害時に渡されるパラメタと発行タイミング
図2-66 実行サーバ再起動待ち時に渡されるパラメタと発行タイミング
図2-67 実行サーバの再起動待ち限界時間経過時に渡されるパラメタと発行タイミング
図2-68 待機サーバ障害時に渡されるパラメタと発行タイミング
図2-69 系障害時に渡されるパラメタと発行タイミング
図2-70 計画系切り替え時に渡されるパラメタと発行タイミング
図2-71 HAモニタ開始・終了時に渡されるパラメタと発行タイミング
図2-72 他系のHAモニタ障害検出時に渡されるパラメタと発行タイミング