4.16.1 サーバの起動コマンドの作成

起動コマンドは,スーパユーザが実行します。必要に応じてシェルの中でサーバプログラムの起動に必要な動作環境を設定してください。

<この項の構成>
(1) 起動コマンドの作成方法
(2) 起動コマンドを呼び出すタイミング
(3) 起動コマンド運用時の障害と対処

(1) 起動コマンドの作成方法

起動コマンドは,サーバ対応の環境設定のnameオペランドに指定します。起動コマンドは,サーバプログラムを直接指定することも,サーバプログラムの起動処理を記述したシェルなどを指定することもできます。

また,nameオペランドに指定したサーバプログラムによって,次の設定が必要です。

表4-4 サーバプログラム種別によるwaitserv_execオペランド設定値

nameオペランドに指定するサーバプログラムのタイプ設定値
直接サーバプロセスとして動作するサーバプログラムno
直接サーバプロセスとして動作しないサーバプログラムyes
注※
サーバを監視しない設定の場合,yesを指定しても指定しなくてもかまいません。

直接サーバプロセスとして動作するサーバプログラムの場合
waitserv_execオペランドにnoを指定します。なお,この設定はデフォルトです。直接サーバプロセスとして動作するサーバプログラムの場合,起動完了を待たないため,必ずnoを指定してください。
直接サーバプロセスとして動作しないサーバプログラムの場合
waitserv_execオペランドにyesを指定します。この設定をしないと,サーバプロセスが起動完了する前に,HAモニタの実行サーバの起動が完了し,サーバの監視処理が開始してしまうことがあります。監視処理を開始することで,監視コマンドがサーバ障害を検出し,実行サーバの再起動や系切り替えをするおそれがあります。そのため,必ずyesを指定してください。

waitserv_execオペランドがyesの場合,HAモニタはnameオペランドに指定した起動コマンドの戻り値を評価します。戻り値ごとのHAモニタの処理を次に示します。

なお,複数のサーバプログラムの起動処理を起動コマンドに記述することで,複数のサーバプログラムを一つのサーバとして使用できます。

(2) 起動コマンドを呼び出すタイミング

起動コマンドは,次の実行サーバ起動時の,共有リソースを接続したあとに呼び出されます。

(3) 起動コマンド運用時の障害と対処

サーバ障害時にサーバを再起動する設定の場合,nameオペランドに指定した起動コマンドの起動に失敗すると,メッセージKAMN273-Eを表示して,実行サーバの再起動処理を中止します。この場合,障害となる要因を取り除いたあと,オペレータがmonendコマンドでいったん実行サーバを停止し,再度monbeginコマンドで起動するか,monswapコマンドで待機系に計画系切り替えをする必要があります。KAMN273-Eに表示されるエラーコードの一覧を次の表に示します。

表4-5 KAMN273-Eに表示されるエラーコード一覧(起動コマンド運用時)

原因コード詳細コード説明
1システムコールのerrnonameオペランドに指定した起動コマンド実行時にシステムエラーが発生しました。
2コマンド戻り値nameオペランドに指定した起動コマンドが戻り値として0以外を返しました。
126nameオペランドに指定したファイルに実行権限がありません。
127nameオペランドに指定したファイルがありせん。