2.5.3 サーバの起動・停止・再起動

マルチスタンバイ機能を使用する系切り替え構成での,サーバの起動・停止・再起動について説明します。

<この項の構成>
(1) サーバの起動
(2) サーバの停止
(3) サーバの再起動

(1) サーバの起動

サーバを実行サーバとして起動するか,待機サーバとして起動するかを示す起動種別は,HAモニタがサーバ対応の環境設定に従って決定します。ただし,実行サーバとして定義されたサーバの起動種別は,他系のサーバ状態に従って変更されます。

マルチスタンバイ機能を使用する場合,実行・待機サーバの決定方法を次の表に示します。

表2-17 実行・待機サーバの決定方法(マルチスタンバイ機能を使用する場合)


他系の状態
サーバ対応の環境設定
実行サーバとして定義待機サーバとして定義
実行サーバあり起動処理中待機サーバあり起動処理中あり起動不可※1待機サーバとして起動
稼働中あり
停止処理中だけ
待機サーバなし起動不可※1待機サーバとして起動
稼働中待機サーバあり起動処理中あり待機サーバとして起動待機サーバとして起動
稼働中あり
停止処理中だけ
待機サーバなし待機サーバとして起動待機サーバとして起動
停止処理中待機サーバあり起動処理中あり起動不可※1起動不可※1
稼働中あり
停止処理中だけ
待機サーバなし起動不可※1起動不可※1
系切り替え処理中待機サーバあり起動処理中あり実行サーバの起動待ち※2実行サーバの起動待ち※2
稼働中あり
停止処理中だけ
待機サーバなし実行サーバの起動待ち※2実行サーバの起動待ち※2
実行サーバなし待機サーバあり起動処理中あり実行サーバとして起動実行サーバの起動待ち※2
稼働中あり
停止処理中だけ起動不可※1起動不可※1
待機サーバなし実行サーバとして起動待機サーバとして起動
(実行系起動完了まで起動完了しない)
サーバなし(または停止中)実行サーバとして起動実行サーバの起動待ち※2
サーバの状態確認不可リトライ処理※3実行サーバの起動待ち※2

注※1 サーバの起動を中止します。

注※2 他系の実行サーバの起動が確認できるまで待機サーバの起動を待たせます。実行サーバの起動開始を確認できたら,待機サーバとして起動させます。実行サーバ起動待ち状態のサーバを実行サーバとして起動する場合は,オペレータがHAモニタのmonactコマンドを実行して起動させます。また,強制的にサーバを停止する場合は,オペレータがHAモニタのmondeactコマンドを実行して停止させます。

注※3 他系や監視パスの障害によって,他系で起動しているサーバの状態を確認できない場合は,1分間だけリトライします。リトライしてもさらに確認できない場合は,他系の障害でサーバがないものと判断し,実行サーバの起動待ち状態にします。


(2) サーバの停止

実行サーバが停止すると,HAモニタは対応する待機サーバをすべて停止させます。オペレータが待機サーバを停止させると,HAモニタは,コマンドが実行された系の待機サーバだけを停止させます。

(3) サーバの再起動

障害が発生したあとにサーバを再起動した場合,他系ではすでに実行サーバが稼働している可能性があります。そのため,サーバ対応の環境設定で指定した起動種別は,無視されます。例えば,自系で再起動させたサーバは,実行サーバとして定義しても他系で実行サーバの状態が確認できるまでは自動的に待機サーバになります。

マルチスタンバイ機能を使用する場合で,実行サーバとして定義したサーバを再起動するときの起動種別の決定方法を次の表に示します。

表2-18 サーバ再起動時の起動種別の決定方法(マルチスタンバイ機能を使用する場合)

他系の状態サーバの起動種別
実行サーバあり起動処理中待機サーバとして起動
実行処理中待機サーバとして起動
停止処理中起動不可※1
待機サーバから実行サーバへ系切り替え処理中待機サーバとして起動
サーバなし(または停止中)実行サーバの起動待ち※2
サーバの状態確認不可実行サーバの起動待ち※2

注※1 サーバの起動を中止します。

注※2 他系の実行サーバの起動が確認できるまで待機サーバの起動を待たせます。実行サーバの起動開始を確認できたら,待機サーバとして起動させます。実行サーバ起動待ち状態のサーバを実行サーバとして起動する場合は,オペレータがHAモニタのmonactコマンドを実行して起動させます。また,強制的にサーバを停止する場合は,オペレータがHAモニタのmondeactコマンドを実行して停止させます。