マルチスタンバイ機能を使用する系切り替え構成での,系障害の検出と系のリセットについて説明します。
マルチスタンバイ機能を使用する系切り替え構成では,複数の待機系で待機サーバが稼働するため,監視パスの障害時などには,複数の待機系が同時に系切り替えするおそれがあります。同時に系切り替えするのを防ぐために,マルチスタンバイ機能を使用する場合は,待機系間でも系の監視をします。
待機系の系障害を検出した場合,自系の待機サーバより優先度が高い待機サーバが稼働している系をリセットします。マルチスタンバイ機能を使用する場合の,系の状態監視と系のリセットを次の図に示します。
図2-82 系の状態監視と系のリセット(マルチスタンバイ機能を使用する場合)
上記の図では,障害が発生した待機サーバの優先度は1なので,優先度2の待機サーバを持つ待機系2が待機系1をリセットします。
リセットが失敗した場合などは,実際にリセットを発行する系が異なる場合があります。詳細については,「2.3.6 複数系間の同時リセットの防止」を参照してください。
マルチスタンバイ機能を使用する場合,複数の系間で互いに監視するため,複数の系で同時に系障害を検出することがあります。この場合,系を同時にリセットして複数の系がリセットされたり,系を多重にリセットして系の回復を遅らせたりするおそれがあります。この問題を防ぐために,マルチスタンバイ機能を使用する場合は,系切り替え構成のすべての系でリセットを発行する系を一意に決定する必要があります。詳細については,「2.3.6 複数系間の同時リセットの防止」を参照してください。