2.2.1 サーバの起動

サーバの状態には,現在業務処理を実行している実行サーバと,障害に備えて待機している待機サーバとがあります。

一つの系では,最大16のサーバを起動できます。AIX,HP-UX(PA-RISC),HP-UX(IPF),およびLinux(IPF)の場合,起動するサーバの最大数をHAモニタの環境設定で増やせます。一つの系では,最大64のサーバを起動できます。

サーバがHAモニタとのインタフェースを持つ場合,およびサーバがHAモニタとのインタフェースを持たない場合のサーバの起動方法について説明します。

<この項の構成>
(1) サーバがHAモニタとのインタフェースを持つ場合
(2) サーバがHAモニタとのインタフェースを持たない場合

(1) サーバがHAモニタとのインタフェースを持つ場合

サーバがHAモニタとのインタフェースを持つ場合,サーバを実行サーバとして起動するか,待機サーバとして起動するかはHAモニタが決定します。決定は,サーバがHAモニタに対して接続を要求する際に,サーバ対応の環境設定と他系の状態を基に自動的にされます。

実行・待機サーバの決定方法を,次の表に示します。

表2-1 実行・待機サーバの決定方法

他系の状態サーバ対応の環境設定
実行サーバとして定義待機サーバとして定義
実行サーバあり起動処理中起動不可※1待機サーバとして起動
実行処理中待機サーバとして起動待機サーバとして起動
停止処理中起動不可※1起動不可※1
待機サーバあり起動処理中実行サーバとして起動起動不可※1
実行処理中実行サーバとして起動起動不可※1
停止処理中起動不可※1起動不可※1
待機サーバから実行サーバへ系切り替え処理中待機サーバとして起動待機サーバとして起動
サーバなし(または停止中)実行サーバとして起動実行サーバの起動待ち※3
サーバの状態確認不可リトライ処理※2実行サーバの起動待ち※3

注※1 サーバの起動を中止します。

注※2 他系や監視パスの障害によって,他系で起動しているサーバの状態を確認できない場合は,1分間だけリトライします。リトライしてもさらに確認できない場合は,他系の障害でサーバがないものと判断し,実行サーバの起動待ち状態にします。

注※3 他系の実行サーバの起動が確認できるまで待機サーバの起動を待たせます。実行サーバの起動開始を確認できたら,待機サーバとして起動させます。実行サーバの起動待ち状態の待機サーバを実行サーバとして起動する場合は,オペレータがHAモニタのmonactコマンドを実行して起動させます。また,強制的にサーバを停止する場合は,オペレータがHAモニタのmondeactコマンドを実行して停止させます。


(2) サーバがHAモニタとのインタフェースを持たない場合

サーバがHAモニタとのインタフェースを持たない場合も,実行サーバと待機サーバの決定方法は,サーバがHAモニタとのインタフェースを持つ場合と同じです。ただし,HAモニタとのインタフェースを持たないサーバは,実行サーバも待機サーバも,ユーザがHAモニタのmonbeginコマンドを実行して起動します。