マルチスタンバイ機能を使用する系切り替え構成での,サーバの起動・停止・再起動について説明します。
サーバを実行サーバとして起動するか,待機サーバとして起動するかを示す起動種別は,HAモニタがサーバ対応の環境設定に従って決定します。ただし,実行サーバとして定義されたサーバの起動種別は,他系のサーバ状態に従って変更されます。
マルチスタンバイ機能を使用する場合,実行・待機サーバの決定方法を次の表に示します。
表2-17 実行・待機サーバの決定方法(マルチスタンバイ機能を使用する場合)
他系の状態 | サーバ対応の環境設定 | ||||
---|---|---|---|---|---|
実行サーバとして定義 | 待機サーバとして定義 | ||||
実行サーバあり | 起動処理中 | 待機サーバあり | 起動処理中あり | 起動不可※1 | 待機サーバとして起動 |
稼働中あり | |||||
停止処理中だけ | |||||
待機サーバなし | 起動不可※1 | 待機サーバとして起動 | |||
稼働中 | 待機サーバあり | 起動処理中あり | 待機サーバとして起動 | 待機サーバとして起動 | |
稼働中あり | |||||
停止処理中だけ | |||||
待機サーバなし | 待機サーバとして起動 | 待機サーバとして起動 | |||
停止処理中 | 待機サーバあり | 起動処理中あり | 起動不可※1 | 起動不可※1 | |
稼働中あり | |||||
停止処理中だけ | |||||
待機サーバなし | 起動不可※1 | 起動不可※1 | |||
系切り替え処理中 | 待機サーバあり | 起動処理中あり | 実行サーバの起動待ち※2 | 実行サーバの起動待ち※2 | |
稼働中あり | |||||
停止処理中だけ | |||||
待機サーバなし | 実行サーバの起動待ち※2 | 実行サーバの起動待ち※2 | |||
実行サーバなし | 待機サーバあり | 起動処理中あり | 実行サーバとして起動 | 実行サーバの起動待ち※2 | |
稼働中あり | |||||
停止処理中だけ | 起動不可※1 | 起動不可※1 | |||
待機サーバなし | 実行サーバとして起動 | 待機サーバとして起動 (実行系起動完了まで起動完了しない) | |||
サーバなし(または停止中) | 実行サーバとして起動 | 実行サーバの起動待ち※2 | |||
サーバの状態確認不可 | リトライ処理※3 | 実行サーバの起動待ち※2 |
注※1 サーバの起動を中止します。
注※2 他系の実行サーバの起動が確認できるまで待機サーバの起動を待たせます。実行サーバの起動開始を確認できたら,待機サーバとして起動させます。実行サーバ起動待ち状態のサーバを実行サーバとして起動する場合は,オペレータがHAモニタのmonactコマンドを実行して起動させます。また,強制的にサーバを停止する場合は,オペレータがHAモニタのmondeactコマンドを実行して停止させます。
注※3 他系や監視パスの障害によって,他系で起動しているサーバの状態を確認できない場合は,1分間だけリトライします。リトライしてもさらに確認できない場合は,他系の障害でサーバがないものと判断し,実行サーバの起動待ち状態にします。
実行サーバが停止すると,HAモニタは対応する待機サーバをすべて停止させます。オペレータが待機サーバを停止させると,HAモニタは,コマンドが実行された系の待機サーバだけを停止させます。
障害が発生したあとにサーバを再起動した場合,他系ではすでに実行サーバが稼働している可能性があります。そのため,サーバ対応の環境設定で指定した起動種別は,無視されます。例えば,自系で再起動させたサーバは,実行サーバとして定義しても他系で実行サーバの状態が確認できるまでは自動的に待機サーバになります。
マルチスタンバイ機能を使用する場合で,実行サーバとして定義したサーバを再起動するときの起動種別の決定方法を次の表に示します。
表2-18 サーバ再起動時の起動種別の決定方法(マルチスタンバイ機能を使用する場合)
他系の状態 | サーバの起動種別 | |
---|---|---|
実行サーバあり | 起動処理中 | 待機サーバとして起動 |
実行処理中 | 待機サーバとして起動 | |
停止処理中 | 起動不可※1 | |
待機サーバから実行サーバへ系切り替え処理中 | 待機サーバとして起動 | |
サーバなし(または停止中) | 実行サーバの起動待ち※2 | |
サーバの状態確認不可 | 実行サーバの起動待ち※2 |
注※1 サーバの起動を中止します。
注※2 他系の実行サーバの起動が確認できるまで待機サーバの起動を待たせます。実行サーバの起動開始を確認できたら,待機サーバとして起動させます。実行サーバ起動待ち状態のサーバを実行サーバとして起動する場合は,オペレータがHAモニタのmonactコマンドを実行して起動させます。また,強制的にサーバを停止する場合は,オペレータがHAモニタのmondeactコマンドを実行して停止させます。