2.2.8 HAモニタとのインタフェースを持たないサーバの監視機能

HAモニタでは,HAモニタとのインタフェースを持たないサーバで,HAモニタがサーバ障害の連絡を受けて自動的に計画系切り替えをする機能を提供します。この機能が使用できるのは,AIX,HP-UX(PA-RISC),HP-UX(IPF),およびLinux(IPF)の場合です。

<この項の構成>
(1) 監視方式
(2) サーバ障害時の動作
(3) 監視コマンドの起動
(4) 監視コマンドの停止
(5) 処理の流れ

(1) 監視方式

HAモニタとのインタフェースを持たないサーバでは,サーバプログラムの障害を検知する方法は,それぞれのサーバプログラムの仕様によって異なります。そのため,サーバプログラムが障害になったことをHAモニタに通知するための監視コマンドをユーザが作成する必要があります。サーバプログラムによっては,あらかじめサーバプログラムを監視するためのコマンドを製品に同梱して提供しているものもあります。監視コマンドの作成方法については,「4.16.3 サーバの監視コマンドの作成」を参照してください。

HAモニタは監視コマンドを自動起動し,監視コマンド自身のプロセスを監視します。HAモニタは監視コマンドの終了を検知することによって,サーバ障害が発生したと判断します。HAモニタとのインタフェースを持たないサーバの障害監視を,次の図に示します。

図2-9 HAモニタとのインタフェースを持たないサーバの障害監視

[図データ]

(2) サーバ障害時の動作

サーバ障害を検出すると,HAモニタは,サーバ対応の環境設定(servexec_retryオペランド)での指定に従って,サーバごとに次のどちらかの動作を実行します。

また,サーバ対応の環境設定で実行サーバの起動完了監視時間を指定しておくと,実行サーバが再起動完了するまでの時間を監視できます。時間内に起動完了しないと再起動をリトライします。

再起動回数が限界に達した場合,実行サーバを停止させ,待機サーバへの系切り替えを開始します。

(3) 監視コマンドの起動

監視コマンドの起動はHAモニタがします。ユーザが手動で起動する必要はありません。監視コマンドが起動されるタイミングは,実行系でサーバを起動し,実行サーバが起動完了したあとです。監視コマンド起動後,HAモニタは監視コマンドのプロセスの監視を開始します。

(4) 監視コマンドの停止

監視コマンドはサーバ障害を検知して自身が終了する以外にHAモニタが停止させることもあります。HAモニタが監視コマンドを停止させるタイミングは,実行サーバを正常終了させた場合,または計画系切り替えをさせた場合です。これらの場合,HAモニタは監視コマンドのプロセス監視を停止したあと,監視コマンド自体を停止させます。

(5) 処理の流れ

監視コマンドを用いてHAモニタとのインタフェースを持たないサーバを監視した場合の処理の流れを次の図に示します。

図2-10 HAモニタとのインタフェースを持たないサーバの監視処理の流れ

[図データ]