サーバの状態には,現在業務処理を実行している実行サーバと,障害に備えて待機している待機サーバとがあります。
一つの系では,最大16のサーバを起動できます。AIX,HP-UX(PA-RISC),HP-UX(IPF),およびLinux(IPF)の場合,起動するサーバの最大数をHAモニタの環境設定で増やせます。一つの系では,最大64のサーバを起動できます。
サーバがHAモニタとのインタフェースを持つ場合,およびサーバがHAモニタとのインタフェースを持たない場合のサーバの起動方法について説明します。
サーバがHAモニタとのインタフェースを持つ場合,サーバを実行サーバとして起動するか,待機サーバとして起動するかはHAモニタが決定します。決定は,サーバがHAモニタに対して接続を要求する際に,サーバ対応の環境設定と他系の状態を基に自動的にされます。
実行・待機サーバの決定方法を,次の表に示します。
表2-1 実行・待機サーバの決定方法
他系の状態 | サーバ対応の環境設定 | ||
---|---|---|---|
実行サーバとして定義 | 待機サーバとして定義 | ||
実行サーバあり | 起動処理中 | 起動不可※1 | 待機サーバとして起動 |
実行処理中 | 待機サーバとして起動 | 待機サーバとして起動 | |
停止処理中 | 起動不可※1 | 起動不可※1 | |
待機サーバあり | 起動処理中 | 実行サーバとして起動 | 起動不可※1 |
実行処理中 | 実行サーバとして起動 | 起動不可※1 | |
停止処理中 | 起動不可※1 | 起動不可※1 | |
待機サーバから実行サーバへ系切り替え処理中 | 待機サーバとして起動 | 待機サーバとして起動 | |
サーバなし(または停止中) | 実行サーバとして起動 | 実行サーバの起動待ち※3 | |
サーバの状態確認不可 | リトライ処理※2 | 実行サーバの起動待ち※3 |
注※1 サーバの起動を中止します。
注※2 他系や監視パスの障害によって,他系で起動しているサーバの状態を確認できない場合は,1分間だけリトライします。リトライしてもさらに確認できない場合は,他系の障害でサーバがないものと判断し,実行サーバの起動待ち状態にします。
注※3 他系の実行サーバの起動が確認できるまで待機サーバの起動を待たせます。実行サーバの起動開始を確認できたら,待機サーバとして起動させます。実行サーバの起動待ち状態の待機サーバを実行サーバとして起動する場合は,オペレータがHAモニタのmonactコマンドを実行して起動させます。また,強制的にサーバを停止する場合は,オペレータがHAモニタのmondeactコマンドを実行して停止させます。
サーバがHAモニタとのインタフェースを持たない場合も,実行サーバと待機サーバの決定方法は,サーバがHAモニタとのインタフェースを持つ場合と同じです。ただし,HAモニタとのインタフェースを持たないサーバは,実行サーバも待機サーバも,ユーザがHAモニタのmonbeginコマンドを実行して起動します。