高信頼化システム監視機能 HAモニタ
1:1系切り替え構成時のハードウェアの構成例を次の図に示します。
図1-47 1:1系切り替え構成時のハードウェアの構成例(Linux(IPF))
2:1系切り替え構成時のハードウェアの構成例を次の図に示します。
図1-48 2:1系切り替え構成時のハードウェアの構成例(Linux(IPF))
クラスタ型系切り替え構成時のハードウェアの構成例を次の図に示します。
図1-49 クラスタ型系切り替え構成時のハードウェアの構成例(Linux(IPF))
HAモニタを動作させるのに必要なハードウェアは,次の要素で構成されます。
実際に業務を処理するサーバマシンを,実行系と待機系とで1台ずつ使用します。
HAモニタを使用する前提機種を次に示します。
実行系と待機系のプロセサ間を接続して,実行系と待機系との間で,互いの系を監視するために使用します。また,系切り替えのための情報交換にも使用します。
監視パスには,次の種類があります。
監視パスが1本の場合,監視パスに障害が発生すると,HAモニタがそれを系障害と判断して系切り替えを実行する場合があります。このような単一点障害での系切り替えを避けるために,監視パスを必ず複線化してください。監視パスは3本まで複線化できます。
監視パスを複線化すると,系間での通信のたびに異なる監視パスを使用します。そのため,監視パス1本当たりの通信負荷も減らせます。
ただし,TCP/IP LANを複線化する場合,次に注意してください。
また,HAモニタの環境設定で優先的に使用する監視パスを指定すると,系間の通信には設定した監視パスを優先的に使用します。その監視パスに障害が発生すると,ほかの監視パスと交代して通信を続けます。
実行系と待機系のMP(機種によってはBMCと呼ぶ場合がありますが,このマニュアルでは,両方の総称としてMPと表記しています)間を接続して,実行系で障害が発生した場合に,その系をシステムリセットするために使用します。
リセットパスには,次の種類があります。
図1-50 リセット専用LANの接続構成(Linux(IPF))
図1-51 相互に直接接続する場合のリセット専用LANの接続構成(Linux(IPF))
なお,リセットパスとして使用するにはMPを設定する必要があります。設定方法については,「4.5 障害管理プロセサの設定(Linux(IPF))」を参照してください。
系切り替え時の情報の引き継ぎに使用します。共有ディスクは,それを使用するすべての系から接続し,LVMを使用して制御します。
ただし,HAモニタはディスク障害およびホストバスアダプタなどのI/Oパスの障害を直接処理するものではありません。これらの障害へは,接続するSANRISEなどのRAIDデバイスおよびLVMのPVリンク機能などによるI/Oパス冗長化によって,共有ディスクの単一点障害を防止する構成としてください。
HAモニタは,ボリュームグループ単位に共有ディスクの切り替えをします。したがって,複数の異なるサーバで系切り替え構成にする場合,各サーバが使用するデータは異なるボリュームグループに配置するよう共有ディスクを構成してください。
系間で共有しない,系固有のディスク装置として使用します。OSのファイルや,HAモニタの各種ファイルをインストールしておきます。HAモニタは,共有ディスクではなく,ローカルディスクから起動します。
また,ローカルディスクについても共有ディスクと同様,ディスクのミラーリングなどによって単一点障害を防止する構成にすることを推奨します。
HAモニタのコマンドを実行したり,出力されるメッセージを確認したりするために使用します。
実行系と待機系を接続するほか,クライアントとなるWSやPCと接続するために使用します。対応する系は,同じLAN上にLANアダプタで接続します。
系切り替え時には,次の方法で実行系から待機系にLANを切り替えます。
エイリアスIPアドレスを使用する方法については,「付録C エイリアスIPアドレス」を参照してください。
適用できるLANは,Linux(IPF)がサポートするTCP/IP通信ができる次のLANです。
ただし,HAモニタは,HUBやLANアダプタなどのLAN障害を直接処理するものではありません。これらの障害へは,HUBの冗長化およびLinux(IPF)のカーネル拡張パッケージであるbondingパッケージなどによるLANアダプタの冗長化によって,LANの単一点障害を防止する構成としてください。
HAモニタは,IPアドレス単位にLANの切り替えをします。したがって,複数の異なるサーバで系切り替え構成にする場合,各サーバが使用するエイリアスIPアドレスは異なるIPアドレスとなるようネットワークアドレスを構成してください。
HAモニタでは,ユーザがあらかじめユーザコマンドを作成しておくことで,その他のリソースも,共有リソースとして使用できます。ユーザコマンドを使用した共有リソースの制御については,「2.4.6 その他の共有リソースの制御」を参照してください。
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