APから書式印刷をする場合,印刷用ファイルへ行データを出力するためにPROCEDURE DIVISIONで指定する文を次に示します。
また,APで行データをコーディングするときに,印刷時のずれを防ぐために設定する行データの属性と指定値を「(2) 行データの属性の設定」に示します。
表5-7 PROCEDURE DIVISIONで指定する文
命令文 | 内容 |
---|---|
オープン (OPEN文) | プリンタ出力用ファイルの処理を開始する準備をします。OPEN文のモードに出力専用(OUTPUT)を指定して実行します。 |
出力 (WRITE文) | レコードをプリンタ出力用ファイルに書き出します。明示的または間接的※にADVANCING指定をします。 |
クローズ (CLOSE文) | プリンタ出力用ファイルの処理を終了します。 |
(例)
書式印刷時にずれを生じさせないように,書式設計前にAPで行データの属性を決定しておきます。APで設定できる属性と指定値を次に示します。
表5-8 行データの属性と指定値
属性 | 指定値 | 内容 |
---|---|---|
文字サイズ※1 | 5/7/9/12 | 文字サイズを5,7,9,または12ポイントにして文字を配置します |
文字の間隔※1 | 0 | 文字の間隔を空けないで文字を配置します |
1~7 | 文字の間隔を1~7ポイントにして文字を配置します | |
書体※1 | 0 | 文字の書体を元に戻します |
1 | 文字を明朝体にして配置します | |
2 | 文字をゴシック体にして配置します | |
9 | 文字をOCR体にして配置します※2 | |
拡大 | 指定あり | 横方向に2倍に拡大した文字を配置します |
指定なし | 横方向の拡大を解除した文字を配置します |
APで属性を設定する場合,レコード名または一意名にCHARACTER TYPE句を指定します。CHARACTER TYPE句の形式を次に示します。
CHARACTER TYPE句の詳細については,マニュアル「COBOL2002 言語 標準仕様編」またはマニュアル「COBOL85 言語」を参照してください。また,WRITE文の形式によって,レコード名のCHARACTER TYPE句を有効にするか,一意名のCHARACTER TYPE句を有効にするかが異なります。
「WRITE レコード名」の場合は,レコード名にCHARACTER TYPE句があるときだけ,行データの印刷制御をします。WRITE文とCHARACTER TYPE句の関係を次に示します。
図5-10 WRITE文とCHARACTER TYPE句の関係(「WRITE レコード名」の場合)
「WRITE レコード名 FROM 一意名」の場合は,一意名にCHARACTER TYPE句があるときだけ,行データの印刷を制御します。このとき,レコード名にCHARACTER TYPE句があっても無視されます。WRITE文とCHARACTER TYPE句の関係を次に示します。
図5-11 WRITE文とCHARACTER TYPE句の関係(「WRITE レコード名 FROM 一意名」の場合)