7.6.7 サービス名ファイルを編集する

<この項の構成>
(1) 設定ファイル
(2) ファイルの記述形式
(3) サービス名ファイルの標準値
(4) スタンドアロンでXMAP3印刷サービスを使用するとき
(5) クライアントPCとのC/SでXMAP3表示・印刷サービスと併用するとき

(1) 設定ファイル

サービス名ファイルは,次に示すファイルで設定します。

/etc/opt/HIXMAP/XPWhosts

サービス名ファイル(XPWhosts)は,XMAP3 Serverが提供するサービスと,その出力先となるホスト,ディスプレイ,プリンタとの対応を定義するファイルです。記述形式に従って,出力先のホスト名やデバイス名を設定してください。

なお,一つのXMAP3サーバで使用するサービス名の数は,100個以下にしてください。全クライアントの総数で100個を超える場合には,XMAP3サーバの複数起動でシステム構築し,それぞれのXMAP3サーバで使用するサービス名の数は100個以下にしてください。XMAP3サーバの複数起動については,「8.1.4 XMAP3サーバの複数起動」を参照してください。

(2) ファイルの記述形式

サービス名ファイルの記述形式を次に示します。サービスの定義は1行ごとに記述してください。

[図データ]

〔〕内は省略できますが,APホスト名を指定した場合は後続のAPパス名を指定する必要があります。APホスト名が指定されているのにAPパス名の指定がない場合,その行のサービス定義は無効となります。なお,環境変数名は省略できます。

サービス名ファイルの設定項目と設定内容を次の表に示します。

表7-10 設定項目一覧

項番設定項目設定内容
1サービス名XMAP3 Server配下で動作させる表示サービスや印刷サービスの名称を,ネットワーク内で一意に求められるユニークな名称で指定します。※1
ここで指定するサービス名は仮想端末定義ファイルに指定したサービス名称と同じ名称としてください。ただし,画面を表示するクライアントがPCで,仮想端末定義ファイルのサービス名に「**」を指定した場合には,LAN内ユニークな名称を任意に指定してください。
2サービスタイプ指定できるサービスタイプは,次の二つです。定義するサービスの種別に応じて記述してください。
  • DSP:XMAP3表示サービスの場合
  • PRT:XMAP3印刷サービスの場合
3プロトコル提供するサービスとAP間で使用する通信プロトコルを指定します。指定できるプロトコルは,次のプロトコルだけです。
  • TCP:TCP/IPプロトコル
4ホスト名定義するサービスを動作させるWSまたはPCのホスト名を指定します。※2※3
表示サービスを使用する場合は,画面を表示するクライアントPCのホスト名を指定します。印刷サービスを使用する場合は,プリンタが接続されているWSまたはPCのホスト名を指定します。
C/Sシステムの通信設定の簡略化機能を使用する場合には,この項目に「*」を指定してください。
なお,WSで使用するサービスでは,ホスト名にエイリアスホスト名(別名)は指定できません。また,PCで使用するサービスでは,設定対象のPCがWindows 2000以降の場合,ホスト名にエイリアスホスト名(別名)は指定できません。
5デバイス名定義するサービスに対応するデバイス名を指定します。
<表示サービス(C/S構成)の場合>
同一行の先頭に指定した「サービス名」を指定してください。
<印刷サービス(C/S構成)の場合>
PC XMAP3の表示・印刷セットアップのプリンタデバイス名で設定した名称を指定してください。なお,デバイス名に「PR1」を指定した場合は,PC側の出力対象プリンタをそのPCの通常使うプリンタにしておく必要があります。
<印刷サービス(スタンドアロン構成)の場合>
  • LPスプーラを使用する場合
    LPスプーラにプリンタを追加したときに設定したプリンタ名を指定してください。
  • JP1の印刷環境を使用する場合
    JP1の運用環境で利用できる印刷用のキュー名称を指定してください。なお,表示・印刷環境ファイルにJP1/NQSEXEC連携の設定をしておく必要があります。
6APホスト名サービスが起動したタイミングで動作させるAPが動作するホスト名を指定します。ここで指定するホスト名はXMAP3サーバを起動するホスト名と同一となります。※2※3
なお,APホスト名には,エイリアスホスト名(別名)は指定できません。
7APパス名サービスが起動したタイミングで動作させるAPの完全パス名を指定します。
ただし,同一クライアントPCで表示サービスと印刷サービスが両方定義されている構成では,それぞれで起動するアプリケーションは別アプリケーションとしてください。
なお,このAP内でNo.8の環境変数の値を取得することで起動したサービス名を取得できます。また,環境変数「XMAP3_CLIENTHOST」の値を取得することで起動したサービスが動作するクライアントPCのホスト名を取得できます。
8環境変数名起動したサービス名をAPに伝えるための環境変数を指定します。
省略すると,表示サービスの場合には環境変数DISPLAY,印刷サービスの場合には環境変数PRINTERとなります。ただし,同一クライアントで表示サービスと印刷サービスの両方を使用する場合は,それぞれ異なる環境変数名を指定してください。
注※1
サービス名は14文字以内で指定します。サービス名に使用できる文字は次のとおりです。

JIS8文字の半角英数字および!”$%&’()*+,-./:<=>?@[¥]^_`{|} ̄

注※2
ホスト名およびAPホスト名に使用できる文字は次に示す文字です。

JIS8文字の半角英数字および!”$%&’()*+,-./:<=>?@[¥]^_`{|} ̄

ただし,記号につきましては,OSによって使用できないものがありますのでご注意ください。
注※3
ホスト名およびAPホスト名は,大文字・小文字が区別されるためご注意ください。
サービス名ファイル作成時の注意事項を次に示します。
  1. 1行(サービス当たり)は,511バイト以内で設定してください。
  2. 行の先頭に「#」を付けた場合,その行はコメント行として扱います。
  3. 各項目には,「;」,「#」を使用しないでください。
  4. 各項目のあとの「;」は必須です。
  5. XMAP3表示サービスと,対応するクライアントPCは1対1となるように定義してください。一つのクライアントPCで複数の表示サービスを同時に起動できません。
  6. サービス名ファイル中に,同一のサービス名が複数定義された場合には,ファイルの最終行に近い行の内容が有効となります。
  7. 一つのXMAP3サーバ配下で動作できるサービス数は,100個までとなります。100個を超える場合には,XMAP3サーバを複数起動する運用にしてください。

(3) サービス名ファイルの標準値

XMAP3 Serverが標準で提供するサービス名ファイルの内容を次に示します。

[図データ]

(4) スタンドアロンでXMAP3印刷サービスを使用するとき

XMAP3 Serverの構成例を図7-4に示します。図中の番号に対応するサービス名ファイルの設定例を図7-5に示します。

図7-4 XMAP3 Serverの構成例

[図データ]

項番サービス
内容
サービス
サービス
タイプ
プロトコルホスト
デバイス名
1印刷xpwPRT1PRTTCP/IPhost01プリンタ(PRT1)

図7-5 サービス名ファイルの設定例

[図データ]

(5) クライアントPCとのC/SでXMAP3表示・印刷サービスと併用するとき

XMAP3 ServerとXMAP3の構成例を図7-6に示します。図中の番号に対応するサービス名ファイルの設定例を図7-7に示します。

図7-6 XMAP3 ServerおよびPC XMAP3の構成例

[図データ]

項番サービス内容サービス名サービスタイププロトコルホスト名デバイス名APホスト名APパス名環境変数名
1表示xppDSP1DSPTCP/IPhost01xppDSP1host02/tmp/sample
2印刷xppPRT1PRTPRT1
3印刷xpwPRT1PRThost02PRT2
(凡例)
-:該当なし

図7-7 サービス名ファイルの設定例

[図データ]