7.7.3 Linuxでのプリンタの登録

XMAP3 Serverでスタンドアロン構成での帳票印刷を実行する際には,OS上に出力対象の論理プリンタを作成する必要があります。使用するLinuxのGUI環境に応じてプリンタを作成してください。

<この項の構成>
(1) サーバモデルでのプリンタ作成方法
(2) ワークステーションモデルでのプリンタの登録方法

(1) サーバモデルでのプリンタ作成方法

GUI環境を使用しないサーバ環境でのプリンタの作成手順を次に示します。

  1. スーパユーザになります。
  2. /etc/printcap環境ファイルに作成するプリンタの定義を,次のとおり追加します。下線部はユーザ環境に応じて変更できる項目です。

    RemotePrinter:¥                      (a)
    :sd=/var/spool/lpd/RemotePrinter:¥   (b)
    :mx#0:¥                              (c)
    :sh:¥                                (d)
    :lp=/dev/lp0:                        (e)
    または
    :rm=HOSTNAME:¥                       (f)
    :rp=Q-NAME:                          (g)

    (a)プリンタキュー名
    OS上に作成したい任意の論理プリンタ名称(プリンタキュー)を入力します。ここで定義した名称が,XMAP3サービス名ファイル /etc/opt/HIXMAP/XPWhosts に記載する印刷サービス名のデバイス名称となります。
    (b)スプールディレクトリ
    印刷データをスプールするディレクトリを入力します。通常では,「/var/spool/lpd/プリンタ名称」としてください。また,このディレクトリはあらかじめ作成しておいてください。
    (c)ファイル制限(単位:KB)
    「mx#0」固定(無制限)としてください。
    (d)バナーページ抑止
    「sh:」固定(バナーページを抑止する)としてください。
    (e)プリンタデバイス(ローカルプリンタの場合に指定)
    プリンタが接続されているスペシャルファイル名称を指定してください。
    (f)リモートホスト名(リモートプリンタの場合に指定)
    実プリンタが接続されているプリントサーバホスト名を入力してください。LAN接続プリンタの場合には,LANコントローラのホスト名となります。
    (g)リモートプリンタ名
    リモートホスト側での実プリンタ名を設定してください。なお,LAN接続プリンタの場合には,プリンタ内蔵,または外付けのLANコントローラマニュアルを参照して,RAWデータを出力する(データ加工を一切しない)プリンタ名称をここで設定してください。
  3. /etc/printcap環境ファイルの修正が完了したら,LPDデーモン(/usr/sbin/lpd)を再起動してください。

(2) ワークステーションモデルでのプリンタの登録方法

GUI環境を使用するワークステーションモデルのLinux環境でのプリンタの登録手順をプリンタの接続形態別に説明します。

なお,LinuxにはさまざまなGUI環境が提供されていますが,このマニュアルではTurboLinuxおよびRed Hat Linuxで利用できるGUI環境「GNOME」(GNUネットワークオブジェクトモデル環境)をTurboLinux上で利用している場合のプリンタの登録手順を示します。その他GUIでのプリンタの登録については,ここで説明する手順を参考に,各GUIに合わせた手順で登録してください。

(a) ローカルプリンタの場合

ローカルプリンタの場合は次の手順でプリンタを登録します。

  1. スーパユーザになります。
  2. デスクトップ環境のポップアップメニューの「システムメニュー」から「システム管理」→「turboCfgCenter」を選択するか,または,ターミナル画面から次のコマンドラインを入力・実行し,管理ツール「turboCfgCenter」を起動します。

    /usr/bin/turbocfgcenter

    管理ツール「turboCfgCenter」が起動すると次のウィンドウが表示されます。

    [図データ]

  3. 管理ツールのウィンドウ中の「プリンタ」アイコンをクリックすると,プリンタの設定をする「gNewt」ウィンドウが表示されます。
    このウィンドウで[追加]ボタンをクリックすると,下記に示すプリンタのタイプを選択する「プリンタの追加」ウィンドウが表示されます。

    [図データ]

  4. 「プリンタの追加」ウィンドウから「ローカルプリンタ」を選択します。
    論理プリンタ名称(プリンタキュー)を入力するウィンドウが表示されます。OS上に作成したい任意のプリンタ名称を入力してください。ここで定義した名称が,XMAP3サービス名ファイル/etc/opt/HIXMAP/XPWhostsに記載する印刷サービスのデバイス名称となります。

    [図データ]

  5. プリンタ名称を入力したあと,[続行]ボタンをクリックします。
    詳細設定ウィンドウが表示されます。必要に応じて各項目をカスタマイズしてください。

    [図データ]

    キュー名
    前ウィンドウで入力したプリンタ名称が表示されます。
    スプールディレクトリ
    印刷データをスプールするディレクトリを入力します。デフォルトでは「/var/spool/lpd/プリンタ名称」となります。
    ファイル制限(KB)
    0(無制限)としてください。
    プリンタデバイス
    プリンタが接続されているスペシャルファイル名称を指定してください。
    その他
    デフォルトのままとしてください。
    (プリンタタイプなど)
    XMAP3での印刷には影響しません。
  6. すべての項目の設定が終了したら[OK]をクリックしてください。
  7. プリンタの設定ウィンドウのプリンタ一覧で正しくプリンタが登録されていることを確認したあと,「turboCfgCenter」を終了してください。
  8. 管理ツール「turboCfgCenter」でのプリンタ登録が完了したら,/etc/printcap環境ファイル中の各プリンタ設定中の「if」(インタフェースプログラム)の設定行を削除してください。
    XMAP3では印刷サービス内部でプリンタに応じたバイナリデータを生成して印刷しますので,インタフェースなどでデータが加工されると,帳票印刷の際に文字化けが発生する場合があります。

    [図データ]

  9. /etc/printcap環境ファイルの修正が完了したら,LPDデーモン(/usr/sbin/lpd)を再起動してください。
(b) リモートプリンタの場合

リモートプリンタの場合は次の手順でプリンタを登録します。

  1. スーパユーザになります。
  2. デスクトップ環境のポップアップメニューの「システムメニュー」から「システム管理」→「turboCfgCenter」を選択するか,または,ターミナル画面から次のコマンドラインを入力・実行し,管理ツール「turboCfgCenter」を起動します。

    /usr/bin/turbocfgcenter

    管理ツール「turboCfgCenter」が起動すると次のウィンドウが表示されます。

    [図データ]

  3. 管理ツールのウィンドウ中の「プリンタ」アイコンをクリックすると,プリンタの設定をする「gNewt」ウィンドウが表示されます。
    このウィンドウで[追加]ボタンをクリックすると,下記に示すプリンタのタイプを選択する「プリンタの追加」ウィンドウが表示されます。

    [図データ]

  4. 「プリンタの追加」ウィンドウから「リモートLPDキュー」を選択します。
    論理プリンタ名称(プリンタキュー)を入力するウィンドウが表示されます。OS上に作成したい任意のプリンタ名称を入力してください。ここで定義した名称が,XMAP3サービス名ファイル/etc/opt/HIXMAP/XPWhostsに記載する印刷サービスのデバイス名称となります。

    [図データ]

  5. プリンタ名称を入力したあと,[続行]ボタンをクリックします。
    詳細設定ウィンドウが表示されます。必要に応じて各項目をカスタマイズしてください。

    [図データ]

    キュー名
    前ウィンドウで入力したプリンタ名称が表示されます。
    スプールディレクトリ
    印刷データをスプールするディレクトリを入力します。デフォルトでは/var/spool/lpd/プリンタ名称となります。
    ファイル制限(KB)
    0(無制限)としてください。
    LPD設定
    [変更...]をクリックしてプリントサーバホスト名とサーバプリンタ名を設定してください。次のウィンドウが表示されます。なお,LAN接続プリンタの場合には,プリンタ内蔵または外付けのLANコントローラのマニュアルを参照したあと,RAWデータを出力する(データ加工を一切しない)プリンタ名称をここで設定してください。
    [図データ]
    その他
    デフォルトのままとしてください。
    (プリンタタイプなど)
    XMAP3での印刷には影響しません。
  6. すべての項目の設定が終了したら[OK]をクリックしてください。
  7. プリンタの設定ウィンドウのプリンタ一覧で正しくプリンタが登録されていることを確認したあと,「turboCfgCenter」を終了してください。
  8. 管理ツール「turboCfgCenter」でのプリンタ登録が完了したら,/etc/printcap環境ファイル中の各プリンタ設定中の「if」(インタフェースプログラム)の設定行を削除してください。
    XMAP3では印刷サービス内部でプリンタに応じたバイナリデータを生成して印刷しますので,インタフェースなどでデータが加工されると,帳票印刷の際に文字化けが発生する場合があります。

    [図データ]

  9. /etc/printcap環境ファイルの修正が完了したら,LPDデーモン(/usr/sbin/lpd)を再起動してください。