7.8.6 印刷サービスに対する設定項目

ここでは,サーバWS,クライアントPCで動作する印刷サービスに対する環境設定ファイルの設定項目を説明します。この設定項目は先頭に「P」が付きます。これらのパラメタのサービス名には,「*」,または対象となる印刷サービス名称を指定してください。

複数行指定がある場合は,表示・印刷環境ファイルの最終行に近い行の指定が有効になります。また,設定値が誤っている場合やパラメタ自体が存在しない場合には,デフォルト値が設定されます。

<この項の構成>
(1) 印刷サービスに関する出力先の基本設定
(2) 印刷サービスに関するカラー印刷の設定
(3) 印刷サービスに関する用紙および印刷レイアウトの設定
(4) 印刷サービスに関するPDF出力設定(AIX,HP-UX,Solaris)
(5) 印刷サービスに関するその他の設定

(1) 印刷サービスに関する出力先の基本設定

ここでは,印刷サービスに対する出力先の基本設定項目について説明します。

表7-24 印刷サービスに関する環境設定項目(出力先の基本設定項目)

パラメタ意味設定値
(下線がデフォルト値)
印刷サービス名.PCRPRT出力対象のプリンタの種別に応じた設定値を,ESCP_D,PostScript2,LIPSのどれかを選択して指定します。
なお,この指定はサーバWS上の印刷サービスに対してだけ有効です。
  • ESCP_D
    ESC/P J84準拠のページ記述言語を認識できる180dpiのシリアルプリンタ,またはラインプリンタを使用します。
  • PostScript2
    PostScriptレベル2,またはPostScriptレベル3のページ記述言語を認識できるページプリンタを使用します。
  • LIPS
    LIPS II+,またはLIPS IIIのページ記述言語を認識できるページプリンタを使用します。
印刷サービス名.PCQPRX帳票印刷実行時に,印刷データの出力先をJP1/NQSEXECのキューにするか,LPスプールのプリンタにするかの設定をON,OFFのどちらかを選択して指定します。
なお,この指定はサーバWS上の印刷サービスに対してだけ有効です。
  • ON
    JP1/NQSEXEC連携方式で,サービス名ファイルのデバイス名称に指定されたJP1/NQSEXECのキューに対してJP1コマンド「qprx」を発行して,印刷データの印刷指示をします。
  • OFF
    LPスプール出力方式で,サービス名ファイルのデバイス名称に指定されたプリンタに対して,直接印刷データの印刷指示をします。
印刷サービス名.PCLIPSLIPS適応プリンタを使用する場合の,XMAP3 Serverが生成するLIPSコマンドの作成コマンドレベルを指定します。
なお,この設定値は,LIPSプリンタの場合(PCRPRT=LIPS)だけ有効となり,その他の場合には無効となります。
また,この指定はサーバWS上の印刷サービスに対してだけ有効です。
  • 2
    LIPS II+で印刷データを生成します。
  • 3
    LIPS IIIで印刷データを生成します。
注※
この機能は,PostScript レベル2でサポートされているコマンドの範囲内で,PostScriptレベル3準拠プリンタへの出力に対応する機能です。AIX,HP-UXおよびSolarisで利用できます。
したがって,PostScriptレベル2でサポート範囲外となる,PostScriptレベル3以降にサポートされたコマンドの機能は利用できません。

(2) 印刷サービスに関するカラー印刷の設定

ここでは,印刷サービスに対するカラー印刷の設定項目について説明します。

表7-25 印刷サービスに対する環境設定項目(カラー印刷の設定項目)

パラメタ意味設定値
(下線がデフォルト値)
印刷サービス名.PCGRCカラーのグラフィックデータを印刷する方式を指定します。
なお,この指定はクライアントPC上の印刷サービスに対してだけ有効です。
  • PRINTER_DRIVER
    カラーのグラフィックデータのカラー情報をそのままプリンタに出力します。
  • THRESHOLDING
    カラーのグラフィックデータをXMAP3がモノクロ化したあと,プリンタに出力します。
印刷サービス名.PCCLNM[n]
n: 1~8
文字のカラー印刷を実行するときの色情報を指定します。詳細は「7.10 印刷色をカスタマイズする(AIX,HP-UX,Solaris)」を参照してください。
  • 000000~FFFFFF
注※
AIX,HP-UXおよびSolarisで指定ができます。

(3) 印刷サービスに関する用紙および印刷レイアウトの設定

ここでは,印刷サービスに対する用紙および印刷レイアウトの設定項目について説明します。

表7-26 印刷サービスに対する環境設定項目(用紙および印刷レイアウトの設定項目)

パラメタ意味設定値
(下線がデフォルト値)
印刷サービス名.PCTRAYPostScriptプリンタで印刷する場合に,プリンタの標準設定と帳票で指定された用紙サイズが合わないときの選択の動作を指定します。
なお,この機能はプリンタによっては動作しない場合があります。また,この指定はサーバWS上の印刷サービスに対してだけ有効です。
  • OFF
    用紙選択をしません。プリンタの標準設定トレーにある用紙だけで印刷します。
  • OPT0
    用紙サイズが合わない場合,プリンタ側でエラーメッセージを出力して,帳票は印刷しません。
  • OPT1
    用紙サイズが合わない場合,用紙サイズを無視して,標準設定トレーの用紙で印刷します。
  • OPT2
    用紙サイズが合わない場合,プリンタ側で用紙切り替えのメッセージを出力して,使用者に切り替えを要求します。
印刷サービス名.PCDLLN抹消線が定義されている文字フィールドに対して,抹消線の形状を指定します。
  • SINGLE
    抹消線の形状を一重線とします。
  • DOUBLE
    抹消線の形状を二重線とします。
印刷サービス名.PCGSHO和暦日付項目での元年印刷の印刷形式を指定します。
  • ON
    「元年」と印刷します。
  • OFF
    「1年」と印刷します。
印刷サービス名.POPAGE帳票印刷をするときの連続紙の1ページ当たりの行数を0~99の範囲で指定します。また,この値が0のときは,マップで指定された行数をページ長とします。
  • 0~99(デフォルト値は0)
印刷サービス名.POPASZ用紙サイズの指定がないマップ帳票(マップ定義で給紙サイズにフリーを指定した場合など)を印刷するときに仮定する用紙のサイズを指定します。
  • A3L
    A3横の用紙を使用します。
  • A4L
    A4横の用紙を使用します。
  • A5L
    A5横の用紙を使用します。
  • B4L
    B4横の用紙を使用します。
  • B5L
    B5横の用紙を使用します。
  • A3P
    A3縦の用紙を使用します。
  • A4P
    A4縦の用紙を使用します。
  • A5P
    A5縦の用紙を使用します。
  • B4P
    B4縦の用紙を使用します。
  • B5P
    B5縦の用紙を使用します。
  • DEF
    明示的に用紙サイズを指定しません(プリンタに依存します)。
印刷サービス名.POLNPC行間隔の指定がないマップ帳票を印刷するときに仮定する行間隔を,3LPI,4LPI,6LPI,8LPIのどれかを選択して指定します。
  • 3LPI
    行間隔を3LPIにします。
  • 4LPI
    行間隔を4LPIにします。
  • 6LPI
    行間隔を6LPIにします。
  • 8LPI
    行間隔を8LPIにします。
印刷サービス名.POCHPC字間値指定がないマップ帳票を印刷するときに仮定する字間値(文字と文字の間の長さ)を,0ポイント~15ポイントの範囲で指定します。
  • 0~15(デフォルト値は0)
印刷サービス名.POPAOT用紙排出に関する印刷動作の指示がないマップ帳票を印刷した場合に仮定する,用紙の排出動作(改ページ)を指定します。
  • NON
    印刷前後とも改ページをしません。
  • BEF
    印刷前に改ページをします。
  • AFT
    印刷後に改ページをします。
  • BOT
    印刷前および印刷後に改ページをします。
印刷サービス名.POMGTP
  • 上マージン指定がないマップ帳票を印刷するときの単票での上マージンの値を0~255の範囲で指定します。上マージンの値は,単票では0mm~255mmの範囲となり,連票では0mmとなります。
  • なお,この指定はサーバWS上の印刷サービスに対してだけ有効です。
  • 0~255(デフォルト値は0)
印刷サービス名.POMGLF
  • 左マージン指定がないマップ帳票を印刷するときの単票での左マージンの値を0~255の範囲で指定します。左マージンの値は,単票では0mm~255mmの範囲となり,連票では0mmとなります。
  • なお,この指定はサーバWS上の印刷サービスに対してだけ有効です。
  • 0~255(デフォルト値は0)
印刷サービス名.POOTDR用紙の排出先指定のないカット紙のマップ帳票を水平インサータプリンタに対して印刷したときの印刷用紙の排出先を指定します。なお,この指定はサーバWS上の印刷サービスに対してだけ有効です。
  • STK
    スタック側に用紙を排出します。
  • HOP
    ホッパ側に用紙を排出します。

(4) 印刷サービスに関するPDF出力設定(AIX,HP-UX,Solaris)

ここでは,印刷サービスに対するPDF出力の設定項目について説明します。

表7-27 印刷サービスに対する環境設定項目(PDF出力の設定項目)

パラメタ意味設定値
(下線がデフォルト値)
印刷サービス名.PCFPTHPDFファイルの出力先を指定します。また,このパラメタの指定がない場合は,クライアントPC上のXMAP3インストールフォルダ¥User¥Pdfが仮定されます。
  • PDFファイルの出力先フォルダのパス名
印刷サービス名.PCPAPPPDFファイルを出力したあとに,起動するプログラムのパスを指定します。また,このパラメタの指定がない場合,PDFファイル出力後に特定のプログラムを起動しません。
  • 起動したいプログラムのパス名
印刷サービス名.PCPDCMPDFファイルの出力時,圧縮するかどうかを指定します。
  • ON
    PDFファイルを圧縮します。
  • OFF
    PDFファイルを圧縮しません。

なお,PDF出力に関する設定項目の詳細は,「7.15 PDFファイル出力に関連する設定と注意事項(AIX,HP-UX,Solaris)」を参照してください。

(5) 印刷サービスに関するその他の設定

ここでは,印刷サービスに対するその他の設定項目について説明します。

表7-28 印刷サービスに対する環境設定項目(その他の設定項目)

パラメタ意味設定値
(下線がデフォルト値)
印刷サービス名.PCCMPR印刷サービスへ送信するデータを圧縮するかどうかを指定します。
詳細は,「7.11 通信データを圧縮する」を参照してください。
なお,この指定はクライアントPC上の印刷サービスに対してだけ有効です。
  • ON
    印刷サービスへ送信するデータを圧縮します。
  • OFF
    印刷サービスへ送信するデータを圧縮しません。
印刷サービス名.POPRHD印刷後のヘッド位置に関する印刷動作の指示がない連続紙のマップ帳票を印刷した場合に仮定する,印刷後のヘッドの位置を指定します。
データ中に改ページの指示がない場合,指定によってオンライン印刷終了後のプリンタヘッドの位置が異なります。
ヘッドの位置は,DATENDの指定では560/20互換,MAPENDの指定ではXMAP3 Server固有となります。
なお,POPAGEの値が0のときは,この指定に関係なくヘッド位置は有効データ最終行の次行先頭になります。
また,最終行に空白行の印字があるときは,この指定に関係なくヘッド位置はマップ指定最終行の次行先頭になります。
  • DATEND
    ヘッダ位置を有効データ最終行の次行先頭にします。
  • MAPEND
    ヘッダ位置をマップ指定最終行の次行先頭にします。
印刷サービス名.PCFOCPJP1/NPS連携時,JP1キューに,印刷ジョブを1ページごとに登録するか,オープン~クローズ間のページをまとめて登録するかを指定します(強制印刷指定:Forcible Print)。
詳細は,「7.17 JP1/NPS連携時に1ページごとにジョブを登録する(HP-UX(PA-RISC),AIX)」を参照してください。
  • ON
    常に,1ページごとに印刷ジョブを登録します。
  • OFF
    オープン~クローズ間に印刷された全ページを一つの印刷ジョブとして,クローズのタイミングで登録します。
印刷サービス名.PCSPCRESC/Pプリンタに「けい線帳票」および「プレプリント帳票」を出力する際に,改ページ制御を,XMAP3 Serverまたはプリンタのどちらが行うかを指定します。
この機能は,XMAP3 Serverでスタンドアロン構成での印刷を実行する場合だけ利用できます。WindowsクライアントとのC/S構成での印刷では利用できません。
詳細は,「7.18 ESC/Pプリンタでプリンタ任せの改ページ印刷をする(AIX)」を参照してください。
  • SOFT
    XMAP3 Serverが,帳票定義の用紙長および実行環境の設定に応じて,改ページ制御を行います。
  • HARD
    プリンタが保持する用紙長に従って,改ページを行います。
印刷サービス名.PLPAKD論理ハードコピーを印刷する用紙の種類を指定します。パラメタおよび設定値の大文字,小文字は区別されます。
  • CONT
    出力用紙を連続紙として排出(改ページ)します。
  • CUT
    出力用紙を単票として排出(改ページ)します。
印刷サービス名.PLPASZ論理ハードコピーを印刷する単票の用紙サイズを指定します。連続紙印刷の場合は,このパラメタの指定は無視されます。パラメタおよび設定値の大文字,小文字は区別されます。
  • A3L
    A3横
  • A4P
    A4縦
  • A4L
    A4横
  • A5P
    A5縦
  • A5L
    A5横
  • B4P
    B4縦
  • B4L
    B4横
  • B5P
    B5縦
  • B5L
    B5横
  • DEF
    指定なし(プリンタ依存)
印刷サービス名.PLLNPC論理ハードコピー印刷での行ピッチを指定します。パラメタおよび設定値の大文字,小文字は区別されます。
  • 3LPI
  • 4LPI
  • 6LPI
  • 8LPI
印刷サービス名.PLCHPC論理ハードコピー印刷での文字ピッチを指定します。パラメタおよび設定値の大文字,小文字は区別されます。
  • 10CPI
  • 12CPI
印刷サービス名.PLPAOT論理ハードコピー印刷後に用紙を排出(改ページ)するかどうかを指定します。
連続紙印刷の場合は,このパラメタの指定は無視されます。パラメタおよび設定値の大文字,小文字は区別されます。
  • ON
    単票の用紙排出(改ページ)をします。
  • OFF
    単票の用紙排出(改ページ)をしません。
印刷サービス名.PLOTDR論理ハードコピー印刷後の用紙の排出先を指定します。
連続紙印刷の場合は,このパラメタの指定は無視されます。パラメタおよび設定値の大文字,小文字は区別されます。
  • STK
    スタッカ(紙送り方向)側に用紙を排出します。
  • HOP
    ホッパ(紙送り方向の逆)側に用紙を排出します。
印刷サービス名.PLMGTP論理ハードコピーを印刷する単票の上マージンの値(mm)を指定します。
連続紙印刷の場合は,このパラメタの指定は無視されます。パラメタの大文字,小文字は区別されます。
  • 0~255
    印刷する単票の上マージンの値を指定します。
    パラメタの指定を省略すると,0mmが仮定されます。
印刷サービス名.PLMGLF論理ハードコピーを印刷する単票の左マージンの値(mm)を指定します。
連続紙印刷の場合は,このパラメタの指定は無視されます。パラメタの大文字,小文字は区別されます。
  • 0~255
    印刷する単票の左マージンの値を指定します。
    パラメタの指定を省略すると,0mmが仮定されます。