7.14.3 HP-UX用外字の作成と登録

HP-UX上のスタンドアロン印刷でサポートする文字コードは,シフトJISだけです。外字を利用する場合には,あらかじめ,次に示す外字の環境設定で,必要な外字を登録しておく必要があります。

なお,外字登録方法の詳細については,ヒューレットパッカード社発行のマニュアルを参照してください。

<この項の構成>
(1) 外字パターンの定義
(2) UDCファイルの既存フォントへのマージ
(3) 注意事項

(1) 外字パターンの定義

HP-UXで外字を扱う際は,外字パターンをいったんUDCファイルと呼ばれる形式のファイルに格納してから,既存のフォントに外字パターンをマージして使用します。

外字パターンの定義は,HP-UXのX Window Systemに付属しているUDCエディタを使用します。

ここでは,外字定義の概要を説明します。次の手順で定義してください。

  1. 次のコマンドを実行してUDCエディタを起動します。

    % xudced△UDCファイル名△幅x高さ

    (例)16ドット×16ドットのUDCファイルgai16.udcを作成する場合

      % xudced△gai16.udc△16x16

    UDCエディタを起動すると,シフトJIS用(JIS X 0208と表示される)とEUC用(JIS X 0212と表示される)の2枚の編集ウィンドウが表示されますが,EUC用の編集ウィンドウは使用しないため,閉じてください。
  2. 編集ウィンドウで,外字を登録したいコードをスクロールウィンドウ内から選択します。
    登録する外字のコードは区点コードになります。下記の画面では,95区01点に外字が登録されています。

    [図データ]

    区点コードとKEISコードおよびシフトJISの外字コードの対応を次に示します。

    表7-34 文字コードの対応表(HP-UX)

    区点コードシフトJISKEIS
    95区01点~95区94点0xf040~0xf09e0x81a1~0x81fe
    96区01点~96区94点0xf09f~0xf0fc0x82a1~0x82fe
    97区01点~97区94点0xf140~0xf19e0x83a1~0x83fe



    118区01点~118区94点0xfb9f~0xfbfc0x98a1~0x98fe
    119区01点~119区94点0xfc40~0xfc9e0x99a1~0x99fe
    120区01点~120区94点0xfc9f~0xfcfc0x9aa1~0x9afe
    120区01点~120区94点0xfc9f~0xfcfc0x9aa1~0x9afe
    注 シフトJISの「0x**7d」には,定義できません。

  3. 「Edit」メニューの「Modify pattern...」を選択します。
    ビットマップエディタが表示されるので,必要に応じて外字パターンを編集します。

    [図データ]

  4. ビットマップエディタの「Save」メニューで文字パターンを保存し,「Quit」メニューで終了します。
    UDCエディタ側に作成した文字パターンが反映されます。
  5. UDCエディタの「Save」メニューで外字パターンを保存してから,UDCエディタを終了します。

(2) UDCファイルの既存フォントへのマージ

外字を定義したら,定義した外字パターンを既存のフォントファイル(PCFファイル形式)にマージします。

マージ処理は,udccコマンドを使用します。

udccコマンドの書式を次に示します。

% udcc△-m△入力元PCFファイル名△UDCファイル名 > 出力先PCFファイル名

(例)XMAP3で使用する16ドット×16ドットの漢字フォントに対してUDCファイルgai16.udcをマージした外字フォントファイルを,/tmpディレクトリに作成する場合

% udcc△-m△/usr/lib/X11/fonts/hp_japanese/100dpi/got16k.pcf△gai16.udc >
/tmp/got16k.pcf

帳票印刷で外字の印字を行う場合の,マップ帳票,書式オーバレイおよび行データにて指定した文字サイズと,XMAP3が外字出力時に読み込みを行う漢字フォントのPCFファイル名および論理フォント名称の,それぞれの対応を次の表に示します。

表7-35 文字サイズ,漢字フォントのPCFファイル名および論理フォント名称の対応

文字サイズフォント
ドット数
フォントファイルパス
ページ※1シリアル※2論理フォント名称
5
ポイント
16×16/usr/lib/X11/fonts/hp_japanese/100dpi/got16k.pcf
-hp-gothic-medium-r-normal--16-116-100-100-c-160-
jisx0208.1983-0
7
ポイント
9
ポイント
24×24/usr/lib/X11/fonts/hp_japanese/100dpi/min24k.pcf
-hp-mincho-medium-r-normal--24-173-100-100-c-240-
jisx0208.1983-0
9
ポイント
32×32/usr/lib/X11/fonts/hp_japanese/100dpi/gai32.pcf
-hp-mincho-medium-r-normal-gai32c-32-232-100-100-c-320-
jisx0208.1990-0
12
ポイント
40×40/usr/lib/X11/fonts/hp_japanese/100dpi/gai40.pcf
-hp-mincho-medium-r-normal-gai40c-40-288-100-100-c-400-
jisx0208.1990-0
14
ポイント
48×48/usr/lib/X11/fonts/hp_japanese/100dpi/gai48.pcf
-hp-mincho-medium-r-normal-gai48c-48-346-100-100-c-480-
jisx0208.1990-0
(凡例)
-:該当なし

注※1
ページプリンタ(LIPS,PostScript)に対する,網掛け帳票,グラフィック帳票および書式オーバレイ中の文字サイズ
注※2
シリアルインパクトプリンタ(ESC/P)に対する,けい線帳票およびプレプリント帳票中の文字サイズ

 

外字ファイルを作成する時は,UDCエディタで作成した,それぞれのドットの外字パターンと,そのドットに対応するフォントファイルパスに記載されたPCFファイルのマージをしてください。

なお,got16k.pcf(16ドット用)およびmin24k.pcf(24ドット用)のPCFファイルは,HP-UXが標準で用意しています。gai32.pcf(32ドット用),gai40.pcf(40ドット用)およびgai48.pcf(48ドット用)のPCFファイルについては,外字が定義されていないものを,/opt/HIXMAP/lib/fontsディレクトリ下に提供していますので,/usr/lib/X11/fonts/hp_japanese/100dpiディレクトリ下にコピーして外字のマージをしてください。

(3) 注意事項