9.4.1 画面表示・帳票出力時のリターンコード

画面表示・帳票出力時のリターンコードについて説明します。「リターンコード詳細」の16進で表現しているコードは,日立COBOLの画面に表示されるエラーコードに対応しています。

表中で使用する記号の意味を次に示します。

(S):システムの処理
(P):プログラマの処理

なお,表9-2のリターンコード詳細に示すエラーコードが,20480~20516(16進数では(5000)16~(5024)16)の場合,すでにオープン状態であっても強制的にクローズ要求されたものとして処理します。

クローズ処理によって帳票が出力され,そのあとの要求が24577エラー(16進数では(6001)16エラー)となる場合がありますので,エラー原因を解決して再度アプリケーションを起動してください。

画面表示・帳票出力時のリターンコードを表9-2に示します。

表9-2 画面表示・帳票出力時のリターンコード

リターン
コード詳細
エラー内容リターン
コード
1036
(040C)16
定義している予約項目名が,OpenTP1で提供している予約項目名と一致していない。
(S):処理を続行する。
(P):予約項目に定義している予約項目名をOpenTP1で提供している予約項目名と一致させ,物理マップを再作成して,アプリケーションを再実行する。
 4 
1044
(0414)16
定義されたイベント通知コードと対応しない確定キーが入力された。
(S):処理を続行する。
(P):入力された確定キーに対応するイベント通知コードを定義し,物理マップを再作成してAPを実行する。
 4 
1060
(0424)16
カーソル位置が不正である。APで設定するカーソル位置の値が画面上に存在しない。
(S):処理を続行する。
(P):画面範囲内のカーソル位置を設定するようAPを修正し,再コンパイル後に再実行する。位置を設定しないで領域をクリアする場合には(00)16を設定する。
 4 
3072
(0C00)16
物理マップの内容が破壊されている。
原因として次のことが考えられる。
  • 定義対象(デバイス)と物理マップが一致していない。例えば,プリンタで印刷するときに,APで指定したマップがディスプレイ用である。
  • 物理マップファイルが破壊されている。
  • PCからファイル転送するときに,テキスト形式で転送している。
(S):処理を終了する。
(P):物理マップを再作成して,APを再実行する。または,ファイル転送での問題であることがわかっている場合は,再度ファイル転送して,APを再実行する。
 8 
3104
(0C20)16
XMAP3 Serverより上位のバージョンで作成した物理マップが使用された。
(S):処理を続行する。
(P):物理マップの作成バージョンを確認し,XMAP3 Serverより上位のバージョンの場合は,XMAP3 Serverの実行可能バージョンで,物理マップを再作成してAPを実行する。
 8 
3108
(0C24)16
物理マップのエンディアンが実行環境と合っていない。
(S):処理を終了します。
(P):実行環境に合ったエンディアンとなるように,物理マップを再作成する。
 8 
4096
(1000)16
XMAP3 ServerおよびPC XMAP3間のデータが破壊されている。
(S):処理を終了する。
(P):XMAP3 ServerおよびPC XMAP3のバージョン関係を調べて,正しいバージョンの組み合わせで再インストールする。
 8 
4100
(1004)16
何らかの原因でデータ化けが発生したことによって,物理マップ中の入力物理マップ名情報が破壊されている。
(S):処理を終了する。
(P):物理マップを再作成して,APを再実行する。メッセージとマップ名を正しく対応づける。
 8 
4104
(1008)16
何らかの原因でデータ化けが発生したことによって,物理マップ中の作成管理情報が破壊されている。
(S):処理を終了する。
(P):物理マップを再作成して,APを再実行する。
 8 
5120
(1400)16
APを実行したカレントディレクトリまたはマップドライバ環境定義ファイル(XMAPdrv)中のmapPathで指定したディレクトリ中に,APで指定した物理マップが存在しない。または,APで指定した仮想端末名(CALLインタフェースの場合のXMAP-COMの内容)とマップ名の物理マップIDが一致していない(プリンタ用の仮想端末名に対してディスプレイ用のマップを指定したなど)。
(S):処理を終了する。
(P):
  • マップドライバ環境定義ファイル中のmapPathで指定しているディレクトリまたはAPと同じディレクトリに,APで指定した物理マップを置く。
  • 物理マップに拡張子「.pmp」が付いている場合は,cmapcpコマンドで拡張子を削除する。
  • AP中の仮想端末名(例えば,PRT001)に対して,マップのデバイス種別(例えば,デバイスIDが6A/6B/6G/6H)が合っているか確認し,AP中のマップ名または仮想端末定義ファイル(XMAPhosts)のデバイスを修正後再実行する。
 8 
5124
(1404)16
物理マップのロード処理中に入出力エラーが発生した。
(S):処理を終了する。
(P):物理マップを再作成して,APを再実行する。
 8 
5148
(141C)16
部品用物理マップのロードで必要なメモリが不足した。
(S):部品用物理マップなしとして処理を続ける。
(P):次に示すどちらかの処理をする。
  • ほかのAPを終了するか,WSを再起動する。
  • WS上のリソースを見直し,メモリ増設などをする。
 4 
5152
(1420)16
APを実行したカレントディレクトリ,マップドライバ環境定義ファイル(XMAPdrv),またはサーバ属性定義ファイル(標準:XMAPsrv/xps)中のmapPathで指定したディレクトリ中に,部品用物理マップが存在しない。
(S):部品用物理マップなしとして処理を続ける。
(P):mapPathで指定したディレクトリに部品用物理マップを置く。
 4 
5156
(1421)16
部品用物理マップのロード処理中に入出力エラーが発生した。
(S):部品用物理マップなしとして処理を続ける。
(P):部品用物理マップを再作成して,APを再実行する。
 4 
5160
(1428)16
部品用物理マップの内容が破壊されている。
(S):部品用物理マップなしとして処理を続ける。
(P):部品用物理マップを再作成して,APを再実行する。
 4 
5164
(142C)16
部品用物理マップのロードパスで必要なメモリが不足した。
(S):処理を終了する。
(P):次に示すどちらかの処理をする。
  • ほかのAPを終了するか,WSを再起動する。
  • WS上のリソースを見直し,メモリ増設などをする。
 8 
16384
(4000)16
次の要因が考えられる。
  • ホスト名取得時にエラーが発生した。
  • XMAPC構成ファイル(XMAPconfig)が存在しない,または参照できない(read権限がない)。
(S):処理を終了する。
(P):次の設定を見直す。
  • 仮想端末定義ファイル(XMAPhosts)またはXMAPC構成ファイル(XMAPconfig)のホスト名を確認し,自ホストのホスト名を正しく指定する。
  • XMAPC構成ファイル(XMAPconfig)を作成する,またはread権限を付与する。
 8 
16388
(4004)16
XMAP3 Serverが正常にインストールされていない。
(S):処理を終了する。
(P):XMAP3 Serverを再インストールする。
 8 
16396
(400C)16
次のファイルの内容が不正,またはファイルが破壊されている。
  • 仮想端末定義ファイル(XMAPhosts)
  • XMAPC構成ファイル(XMAPconfig)
  • マップドライバ環境定義ファイル(XMAPdrv)
(S):処理を終了する。
(P):ファイルの内容を見直して正しく定義する。
 8 
16428
(402C)16
同時に動作しているほかのAPなどの関係,またはリソースの物理的不足によって,実行支援に必要なメモリが不足した。
(S):処理を終了する。
(P):次に示すどちらかの処理をする。
  • ほかのAPを終了するか,WSを再起動する。
  • WS上のリソースの見直し,メモリの増設などをする。
 8 
16456
(4048)16
サーバサービス番号がライブラリマッピング指定(0)となっていない。
(S):処理を終了する。
(P):サーバサービス番号として,「0」を指定する。
 8 
20480
(5000)16
仮想端末定義ファイル(XMAPhosts)やDISPLAY環境変数で,誤ったサービス名称を指定している。
詳細については,「9.7.1 詳細エラーコード」のTX_CECPARMのエラー内容を参照。
(P):仮想端末定義ファイル中で画面用として定義したサービス名称が,サービス名ファイル(XPWhosts)中でプリンタに対応づけられていないか,またはDISPLAY環境変数の設定値とサービス名ファイルのサービス名称が不一致でないかなど,ファイル設定の相互関係を見直し,正しく設定する。
 8 
20484
(5004)16
同時に動作しているほかのAPなどの関係,またはリソースの物理的不足によって,XMAP3印刷サービスの実行時に必要なメモリが不足した。
詳細については,「9.7.1 詳細エラーコード」のTX_CECNOARのエラー内容を参照。
(P):次に示すどちらかの処理をする。
  • ほかのAPを終了するか,WSを再起動する。
  • WS上のリソースを見直し,メモリを増設する。
 8 
20485
(5005)16
通常発生しないエラー,またはC/S環境での通信処理で回復不能エラーが発生した。同時に動作しているほかのAPなどの関係で,WS上のリソース(主にメモリ)が不足したことが考えられる。また,LANの回線上で障害,データ化けが発生したことが考えられる。
詳細については,「9.7.1 詳細エラーコード」のTX_CECFERRのエラー内容を参照。
(P):ほかのAPを終了するか,WSを再起動する。ログファイルを出力して原因を調査する。
 8 
20487
(5007)16
XMAP3 Serverのバージョンが,物理マップを作成したPC XMAP3のバージョンと一致していない。
詳細については,「9.7.1 詳細エラーコード」のTX_CECIMAPのエラー内容を参照。
(P):PC XMAP3とXMAP3 Serverのバージョンを調べ,正しい組み合わせで再インストールしてから,物理マップを再作成して,APを再実行する。
 8 
20488
(5008)16
一次ウィンドウが表示されていない状態で,二次ウィンドウを表示すると発生する。一般的にはAP内での処理が不正になっていることが考えられる。
詳細については,「9.7.1 詳細エラーコード」のTX_CECIMSGのエラー内容を参照。
(P):
  • 画面表示するマップ名が合っているか,または画面の表示順序が合っているかを見直す。
  • 仮想端末定義ファイルとXMAPC構成ファイル(XMAPconfig)の設定値の関係を見直す。
 8 
20489
(5009)16
TCP/IP通信時,通信相手との接続でエラーが発生した。詳細については,「9.7.1 詳細エラーコード」のTX_CECDOWNのエラー内容を参照。
(P):
  • サービスが起動されているか確認し,起動されていない場合は,サービス起動後,APを再実行する。
  • サービス名ファイル中のデバイス名を正しく指定し,XMAP3サーバを再起動したあと,APを再実行する。
  • システム的な要因が原因である(システムリソースの異常・ほかのAPでの異常)ことが考えられる。XMAP3サーバを再起動したあと,APを再実行する。
 8 
20493
(500D)16
XMAP3 Server内部処理で何らかの異常が発生したため,サーバ内のプログラムに論理矛盾が起きた。
詳細については,「9.7.1 詳細エラーコード」のTX_CECSVRCのエラー内容を参照。
(P):システム的な要因が原因である(システムリソースの異常・ほかのAPでの異常)ことが考えられる。WSを再起動・再実行する。ログファイルを出力して,原因を調査する。
 8 
20505
(5019)16
別プログラムでプリンタを使用中のため,印刷できなかった。
詳細については,「9.7.1 詳細エラーコード」のTX_CECIEPRのエラー内容を参照。
(P):プリンタが使用されていないことを確認し,再度印刷要求する。
 8 
20508
(501C)16
XMAP Server内部でシステムコールエラーが発生した。詳細については,「9.7.1 詳細エラーコード」のTX_CECSYTMのエラー内容を参照。
(P):
  • 「XPW_DAEMON_PORT_NO」環境変数の設定とサービス名(/etc/servicesファイル)を確認し,間違っている場合は,修正し,XMAP3サーバ,APを再起動する。
  • サービス名ファイル(XPWhosts)の設定とホスト名,IPアドレス(/etc/hostsファイル)を確認し,間違っている場合は,修正し,XMAP3サーバ,APを再起動する。
  • サービスが起動されているか確認し,起動されていない場合は,サービス起動後,APを再実行する。
 8 
20514
(5022)16
  • 仮想端末定義ファイル(XMAPhosts)中でサービス名に「**」と指定している場合,APを起動した端末のDISPLAY環境変数に誤りがある。
  • 仮想端末定義ファイルとサービス名ファイル(XPWhosts)のサービス名の対応づけに誤りがある。
  • 「/attach」指定のサービスで自動起動APを起動している場合,XMAP3サーバだけを再起動した。
詳細については,「9.7.1 詳細エラーコード」のTX_CECNOSVのエラー内容を参照。
(P):
  • 「**」と指定している場合は,サービス名ファイル中で,表示したいディスプレイ名称に対応づけられたサービス名を,端末のDISPLAY環境変数に正しく指定して,APを再実行する。
  • 仮想端末定義ファイルとサービス名ファイルのサービス名を一致させてXMAP3サーバを再起動してから,APを再実行する。
  • XMAP3クライアントを再起動する。自動起動APでエラーが発生しないようにXMAP3サーバを再起動するには,XMAP3クライアントを終了させて,XMAP3サーバを再起動したあとにXMAP3クライアントを起動する。
 8 
20515
(5023)16
C/S環境の場合,サーバWS上のXMAP3 Server,PC上のXMAP3クライアントのバージョンが不整合である。
詳細については,「9.7.1 詳細エラーコード」のTX_CECIVERのエラー内容を参照。
(P):それぞれインストールされているXMAP3 Server,またはPC XMAP3のバージョンを確認し,整合性のあるバージョンになるようにインストールし直す。基本的にXMAP3 Serverは同一バージョンを利用する。
また,PCとのC/S構成の場合,前提となるPC側のXMAP3クライアントのバージョンについては,「ソフトウェア添付資料」を参照のこと。
 8 
20516
(5024)16
XMAP3の出力処理中に,OSまたはXMAP3の内部で回復不能なエラーが発生した。
詳細については,「9.7.1 詳細エラーコード」のTX_CECERHDのエラー内容を参照。
(P):表示・印刷サービス側にてシステム的な要因(システムリソース不足,プリントマネージャの異常検知,JP1連携での環境設定に誤りがあるなど)によってエラーが発生したことが考えられる。該当する表示・印刷サービスを起動しているマシンを再起動し,再実行する。印刷処理の場合は,出力先のプリンタが利用可能であることを確認し,再実行する。
 8 
24576
(6000)16
  • PC上のXMAP3でビッグエンディアン指定しないで作成したマップをWSで使用した。
  • CALLインタフェース,またはC言語でのjsvwadrv関数で,指定したパラメタが不正である。例えば,誤った論理マップ名を指定しているなど。
(S):処理を終了する。
(P):
  • PC XMAP3でビッグエンディアンを指定してマップを再作成し,WSへ転送して利用する。
  • AP中のjsvwadrv関数を発行している処理で指定したパラメタが正しいかを見直し,再コンパイル後,再実行する。
 8 
24577
(6001)16
CALLインタフェース,またはC言語でのjsvwadrv関数の発行順序が不正である(OPEN要求をしないでほかの要求をした,またはSEND要求をしないでRECEIVE要求をした)。
(S):処理を終了する。
(P):AP中のjsvwadrv関数を発行している処理で発行順序が正しいかを見直し,再コンパイル後,再実行する。
 8 
24578
(6002)16
仮想端末定義ファイル(XMAPhosts)の内容に次に示す不正がある。
  • 1行の終わりに改行が設定されていない。
  • 1行が255バイトを超えている。
  • 下記の各パラメタが形式外
    仮想端末名:8文字以内,先頭は英字,英数字を使用
    デバイス:指定できる文字は固定
    ホスト名:32文字以内
    サービス番号:5文字以内
    サービス名:40文字以内,半角文字を使用
    環境定義ファイル名:64文字以内
(S):処理を終了する。
(P):エラー内容を見直し,再設定する。
 8 
24579
(6003)16
ファイルシステム容量不足や,何らかの原因によって,ログファイルのアクセス中にエラーが発生した。
(S):処理を終了する。
(P):次に示すどちらかの処理をする。
  • ほかのAPを終了するか,WSを再起動する。
  • ログファイルを出力するために指定したディレクトリに書き込みできるかを確認する。
 8 
24580
(6004)16
オープン処理,または処理マップロード中に必要なメモリが不足した。
(S):処理を終了する。
(P):ほかのAPを終了するか,WSを再起動する。
 8 
24581
(6005)16
仮想端末定義ファイル(XMAPhosts),マップドライバ環境定義ファイル(XMAPdrv)をアクセス中に入出力エラーが発生した。
(S):処理を終了する。
(P):次に示すどちらかの処理をする。
  • マップドライバ環境定義ファイルが読めるかを確認し,再実行する。
  • 読めない場合は,アンインストール後に再インストールする。
 8 
24584
(6008)16
COBOLのCALLインタフェースを使ってXMAP3 Serverの画面をアクセスする場合,またはC言語でアクセスする場合,共通インタフェーステーブル中に指定した入力論理マップの大きさが,実際の論理マップの大きさより小さい。
(S):処理を中止する。
(P):APの入力論理マップ長(XMAP-COM-INLNG)設定処理を見直し,再コンパイル後,再実行する。
 8 
注※ デバイスとマップ名の正しい組み合わせを次に示します。
XMAPhostsのデバイスマップ名
XDSPS1~NC
XDSPM1~ND
XDSP~NC,~ND
XPRTL1~6A
XPRTL3~6H
XPRTP1~6B
XPRTP3~6G
XPRT~6A,~6B,~6G,~6H