7.4.2 各PCで実行するAPが共通な場合
(1) システム構成
![[図データ]](figure/zu061600.gif)
この例では,WS(ホスト名host102)上にある画面表示用のAP(kadnngc)をPC(ホスト名host103およびhost104)から実行し,APを起動したPCのディスプレイに画面を表示します。また,表示された画面で帳票の印刷を指示して,WS(ホスト名host102)からネットワークに接続されているプリンタに帳票を印刷します。
(2) ユーザ環境
- サーバ側の環境
- ホスト名host102のWS
IPアドレス:200.10.10.2
プリンタ名:PR2(ページプリンタ)
- クライアント側の環境
- ホスト名host103のPC
IPアドレス:200.10.10.3
- ホスト名host104のPC
IPアドレス:200.10.10.4
上記以外の項目は,環境設定ファイルの標準値を使用します。また, XMAP3 Server以外で,ポート番号8500を使用するプログラムはないと仮定します。
(3) 使用するAP
画面を表示したあと,画面操作によって帳票を印刷するAPを,提供サンプルソースを利用して作成します。利用する提供サンプルソースは,次の二つです。
- 画面表示用ソースファイル(kadn1gc.cbl)
- 帳票印刷用ソースファイル(kadn1pc.cbl)
次に,提供サンプルソースと,APの作成手順について説明します。
(a) 画面表示用ソースファイル(kadn1gc1.cbl)
画面の入出力処理が記述されたソースファイルです。次に,kadn1gc1.cblのSYMBOLIC TERMINAL部のディスプレイに関する部分を示します。
![[図データ]](figure/zu061700.gif)
(b) 帳票印刷用ソースファイル(kadn1pc.cbl)
ページプリンタに帳票を印刷する処理が記述されたソースファイルです。次に,kadn1pc.cblのSYMBOLIC TERMINAL部のプリンタに関する部分を示します。
![[図データ]](figure/zu061800.gif)
(c) APの作成手順
APの作成手順の概要を次に示します。詳細については,「付録B.2 提供サンプルの利用手順」を参照してください。
- 提供サンプルソース(kadn1gc.cblおよびkadn1pc.cbl)をコンパイルして,実行形式ファイル(kadnngc)を/tmpに作成します。
- 実行形式ファイル(kadnngc)と実行形式物理マップを/XMAPUSER/userprog/binに複写します。
(4) 環境設定ファイルを編集する
サーバ側のWSとクライアント側のPCで,環境設定ファイルを編集します。次に,サーバとクライアントで編集するファイルについて説明します。
(a) サーバ側で編集するファイル
ホスト名host102のWSで,次の環境設定ファイルを編集します。
- ポート番号管理ファイル
- ホストアドレス管理ファイル
- 仮想端末定義ファイル
- サービス名ファイル
各ファイルの記述内容を次に示します。なお,XMAP3 serverで提供する環境設定ファイルの内容からユーザ環境に合わせて変更した部分については網掛けとします。環境設定ファイルの詳細については「7.6 環境設定ファイルの編集」を参照してください。
- ポート番号管理ファイル(services)
![[図データ]](figure/zu061900.gif)
- ホストアドレス管理ファイル(hosts)
hostsファイルに,次のように設定されているか確認してください。記述されていない場合は,記述してください。
![[図データ]](figure/zu062000.gif)
- 仮想端末定義ファイル(XMAPhosts)
この例では,一つの仮想端末名を使って複数の端末に画面を表示するので,表示サービス名に「**」を指定します。
![[図データ]](figure/zu062100.gif)
- サービス名ファイル(XPWhosts)
クライアントがPCの場合は,ディスプレイのデバイス名の代わりに同一行の先頭に指定したサービス名を指定します。また,APが動作するWSのホスト名やAPの完全パス名も指定する必要があります。
![[図データ]](figure/zu062300.gif)
(b) クライアント側で編集するファイル
ホスト名host103およびhost104の各PCで,次の環境設定ファイルを編集します。
各ファイルの記述内容を,次に示します。
- ポート番号管理ファイル(services)
![[図データ]](figure/zu061900.gif)
- ホストアドレス管理ファイル(hosts)
hostsファイルに,次のように設定されているか確認してください。記述されていない場合は,記述してください。
![[図データ]](figure/zu062000.gif)
(5) APを実行する
APを実行する手順を説明します。
- ホスト名host102のWSで次のコマンドを入力して,サーバ側のXMAP3サーバを起動します。各サーバが起動した状態で環境設定ファイルを編集した場合は,一度停止してから再起動します。
/opt/HIXMAP/bin/xpwdaemon -s &
- PCでXmap3clt.exeを起動して,クライアント側のXMAP3クライアントを起動します。
XMAP3クライアントが起動されると,ホスト名host102のWS上のAPが自動的に起動され,PCのディスプレイに画面が表示されます。
- 受注伝票発行業務画面[注文書印刷]ボタンを選びます。
ホスト名host102のWSに接続されているページプリンタに,帳票が印刷されます。