8.5.8 SUBSTR
文字データの任意の位置から一部の文字列を抽出します。
- 〈この項の構成〉
(1) 指定形式
スカラ関数SUBSTR::=SUBSTR(抽出元の文字データ,開始位置〔,抽出文字数〕) 抽出元の文字データ::=値式 開始位置::=値式 抽出文字数::=値式
(2) 指定形式の説明
- 抽出元の文字データ:
-
抽出元の文字データを指定します。
指定規則を次に示します。
-
抽出元の文字データは,値式の形式で指定します。値式については,「7.21 値式」を参照してください。
-
抽出元の文字データには,CHAR型またはVARCHAR型のデータを指定してください。
-
抽出元の文字データには,?パラメタを単独で指定できません。
-
- 開始位置:
-
文字データの抽出開始位置を,文字数単位で指定します。
開始位置に0以上の値を指定した場合は,抽出元の文字データの先頭からの位置を意味します。例えば,開始位置に2を指定した場合,先頭2文字目から抽出を始めるという意味になります。
開始位置に負の値を指定した場合は,抽出元の文字データの末尾からの位置を意味します。例えば,開始位置に-2を指定した場合,末尾2文字目から抽出を始めるという意味になります。
指定規則を次に示します。
-
開始位置は,値式の形式で指定します。値式については,「7.21 値式」を参照してください。
-
開始位置には,整数(INTEGER型またはSMALLINT型のデータ)を指定してください。
-
開始位置に0を指定した場合,1が指定されたと仮定されます。
-
開始位置に?パラメタを単独で指定した場合,?パラメタに仮定されるデータ型はINTEGER型になります。
-
- 抽出文字数:
-
抽出する文字数を指定します。
指定規則を次に示します。
-
抽出文字数は,値式の形式で指定します。値式については,「7.21 値式」を参照してください。
-
抽出文字数には,0以上の整数(INTEGER型またはSMALLINT型のデータ)を指定してください。
-
抽出文字数を省略した場合,抽出元の文字データがCHAR型のときは,開始位置から定義長の最後の文字までを抽出します。抽出元の文字データがVARCHAR型のときは,開始位置から実データの最後の文字までを抽出します。
-
抽出文字数に?パラメタを単独で指定した場合,?パラメタに仮定されるデータ型はINTEGER型になります。
-
スカラ関数SUBSTRの実行結果の例を次に示します。
- (例)
-
-
文字列'ABCDEF'の先頭2文字目から3文字分のデータを抽出します。
SUBSTR('ABCDEF',2,3) → 'BCD'
-
文字列'ABCDEF'の末尾3文字目から2文字分のデータを抽出します。
SUBSTR('ABCDEF',-3,2) → 'DE'
-
(3) 規則
-
実行結果の値は,非ナル値制約なし(ナル値を許す)となります。
-
次に示す場合,実行結果はナル値になります。
-
抽出文字数が負の値の場合(抽出元の文字データ,開始位置の指定に関係なくナル値になります)
-
抽出元の文字データ,開始位置,または抽出文字数のどれかがナル値の場合
-
-
実行結果のデータ型とデータ長を次の表に示します。
表8‒18 スカラ関数SUBSTRの実行結果のデータ型とデータ長 抽出元の文字データのデータ型とデータ長
実行結果のデータ型とデータ長
CHAR(n)
VARCHAR(n)
VARCHAR(n)
(凡例)n:抽出元の文字データの最大長
-
スカラ関数SUBSTRによって抽出される文字数を次の表に示します。
表8‒19 スカラ関数SUBSTRによって抽出される文字数 スカラ関数SUBSTRの指定
抽出される文字数
抽出文字数の指定
開始位置の指定値
指定あり
正の値
MAX{0,MIN(抽出文字数,抽出元の文字データの文字数−開始位置+1)}
0
MIN(抽出文字数,抽出元の文字データの文字数)
負の値
MIN(抽出文字数,開始位置の絶対値,抽出元の文字データの文字数)
省略
正の値
MAX(0,抽出元の文字データの文字数−開始位置+1)
0
抽出元の文字データの文字数
負の値
MIN(開始位置の絶対値,抽出元の文字データの文字数)
-
次に示す場合,実行結果は実長0バイトのデータになります。
-
実行結果の文字列の長さが0の場合
-
抽出元の文字データが実長0バイトまたは実長0文字の場合
-
開始位置に次の値を指定した場合
開始位置>抽出元の文字データの文字数
開始位置<−抽出元の文字データの文字数
-
-
「抽出元の文字データの開始位置以降の文字数<抽出文字数」の場合,抽出元の文字データの開始位置以降のすべての文字データを返します。
(例)
SUBSTR('ABCDEF',5,3) → 'EF'
(4) 例題
- 例題1
-
表T1のC1列のデータで,先頭2文字目から3文字分のデータが'150'の行を検索します。
SELECT * FROM "T1" WHERE SUBSTR("C1",2,3)='150'
- 例題2
-
表T1のC1列のデータで,末尾2文字目から2文字分のデータが'01'の行を検索します。
SELECT * FROM "T1" WHERE SUBSTR("C1",-2,2)='01'